神栖市障害者雇用促進奨励金
神栖市障害者雇用促進奨励金(神栖市)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。
神栖市障害者雇用促進奨励金は、国の助成金が終わったあとも障がいのある方を雇い続ける市内の事業主に、月ごとに最大1万円を上乗せする制度
神栖市障害者雇用促進奨励金は、茨城県神栖市が、障がい者の雇用を図るために設けている奨励金です。市の説明では、国の特定求職者雇用開発助成金の支給期間が満了したあとも、引き続きその障がい者を雇用している事業主に支給します。担当は福祉部 障がい福祉課です。
この制度の最大の特徴は、単独では使えないことです。まず国の助成金(ハローワーク等の紹介で雇い入れたことが前提)を使い切り、そのあとの期間を市が支える、という二段構えの後半部分にあたります。そのため、この記事では神栖市のページに書かれている内容に加えて、前提になる国の助成金の公式資料(厚生労働省のページ、制度パンフレット、支給要領)も読み、つながりが分かるように整理します。
先に、制度の骨格を表で示します。
| 項目 | 内容(神栖市の公式ページより) |
|---|---|
| 制度名 | 神栖市障害者雇用促進奨励金 |
| 実施機関 | 神栖市(福祉部 障がい福祉課) |
| 目的 | 障がい者の雇用を図る |
| 支給対象 | 国の助成金の支給期間満了後も、引き続きその障がい者を雇用している事業主 |
| 支給額 | 障がい者1人につき、賃金支払月額の3分の1以内、ただし10,000円が限度 |
| 支給期間 | 賃金を支払った日の属する月の翌月から起算して2年間 |
| 申請の受付 | 随時 |
| 申請書類 | 交付申請書(様式第1号)、所要額調書(様式第2号)、国の助成金の最終支給対象期における支給決定通知書の写し |
| 問い合わせ | 障がい福祉課 0299-90-1137 |
なお、市の該当ページの掲載日は2019年6月6日、更新日は2019年11月7日と表示されています。市の制度ですので、申請の前に障がい福祉課へ、現在の運用と様式を電話で確かめてください。この記事の確認先は、すべて記事の末尾にまとめます。
これは補助金というより、雇用の継続に対する市の奨励金(定額に近い小口の支給)という位置づけです。創業支援や設備投資のような大きな金額の補助金とは性格が違い、「毎月の人件費の一部を、少額で支える」制度だと捉えてください。
誰が対象になるのか。市の定める条件を順に確認する
市のページは、支給対象者を「次の各項目に該当する事業主」と示しています。条件は、事業主に関するものと、雇用している障がい者に関するものに分かれます。
| 区分 | 条件(市のページの記載) | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 雇用の場所 | 市内の事業所において雇用していること | 本社が市外でも、雇用している事業所が市内かどうかが問われる文言になっている |
| 障がい者の住所 | 市内に1年以上住所を有する障がい者であること | 採用時点ではなく、住所を有していた期間の話。住民票上の期間の確認が要る |
| 紹介の経路 | 公共職業安定所(ハローワーク)の紹介により雇用していること | 求人サイトや直接応募で採用した方は、この前提を満たさない |
| 国の助成金との関係 | 特定就職困難者雇用開発助成金(国の助成金)の対象労働者であった方を、引き続き雇用すること | 国の助成金を受けていない方は、対象にならない |
| 市税 | 市税を滞納していないこと | 申請時点の納付状況が確認されると考えて、事前に納税課へ確かめておくと安心 |
「国の助成金の対象労働者であった方」という条件は、とても重要です。市が奨励金を出す相手は「障がい者を雇用している事業主」一般ではなく、国の助成金のルートに乗って雇われ、その期間が終わった人を雇い続けている事業主です。
市のページに書かれている根拠条文は、雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)第110条第1項です。国の側の現在の案内ページの名称は「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」で、市のページにある「特定就職困難者雇用開発助成金」と同じ系統の助成金を指していると読み取れます。どの名称で国から決定通知が出ているかによって、市に出す書類の表記が変わる可能性があるため、申請前に障がい福祉課へ確かめてください。
「障がい者」とは、市の制度ではどの範囲か
市のページは、「障がい者とは」として、次の範囲を示しています。
| 区分 | 市のページの記載 |
|---|---|
| 身体障害者 | 身体障害者手帳をお持ちの方 |
| 知的障害者 | 療育手帳をお持ちの方 |
| 精神障害者 | 精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方で、症状が安定し就労が可能な方 |
| 特定の疾患の方 | 統合失調症、そううつ病またはてんかんに罹っている方で医師が認めた方 |
精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方には、「症状が安定し就労が可能な方」という条件が付いています。また、手帳がなくても、統合失調症・そううつ病・てんかんに罹っていて医師が認めた方は、範囲に含まれます。ここで言う「医師が認めた」を、どの書類(診断書、意見書など)で示すのかは、市のページには書かれていません。該当しそうな場合は、採用前から障がい福祉課に確認してください。
いくらもらえるのか。1人あたり月額10,000円が上限という意味
支給額は、障がい者1人につき、賃金支払月額の3分の1以内の額で、10,000円が限度です。次の考え方で決まります。
| 賃金支払月額(仮の数字) | 3分の1 | 上限10,000円との比較 | 奨励金の額の目安 |
|---|---|---|---|
| 24,000円 | 8,000円 | 8,000円は上限未満 | 8,000円以内 |
| 30,000円 | 10,000円 | 上限と同額 | 10,000円 |
| 90,000円 | 30,000円 | 上限を超える | 10,000円(限度) |
| 150,000円 | 50,000円 | 上限を超える | 10,000円(限度) |
上の表の賃金の数字は、計算の考え方を示すための仮の数字です。実際に雇用しているどなたの賃金とも関係ありません。要点は次の通りです。
| 論点 | 内容 |
|---|---|
| 上限に達する賃金額 | 賃金支払月額が30,000円以上であれば、3分の1が10,000円以上になるため、上限の10,000円で頭打ちになる |
| 実務上の多数派 | 常勤に近い働き方であれば、多くの場合は上限の10,000円になると考えられる。短時間勤務で月の賃金が30,000円に満たないときだけ、3分の1の額になる |
| 賃金が増えても | 上限があるため、賃金を上げても奨励金は増えない |
次に、期間全体の合計を考えます。支給期間が2年(24か月)で、毎月上限の10,000円が支給される場合の最大額は、次のようになります。
| 計算 | 金額(仮の数字を前提にした上限ベースの試算) |
|---|---|
| 1人あたりの月額上限 | 10,000円 |
| 支給期間 | 24か月 |
| 1人あたりの最大額 | 240,000円 |
| 2人雇用している場合の最大額 | 480,000円 |
これは市が定めた「月額10,000円が限度」「期間2年」を掛け合わせただけの最大値の試算であり、実際の支給額は、月ごとの賃金、在籍月数、途中退職の有無で変わります。
支給期間は、いつからいつまでか
市のページの支給期間の定めは、次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 起算点 | 国の助成金の支給期間満了の障がい者を雇用し、賃金を支払った日の属する月の翌月 |
| 期間 | 起算点から2年間 |
| 途中で雇わなくなった場合 | 雇わなくなった日が15日以前なら、その前月まで。16日以降なら、その日の属する月まで |
途中退職の扱いは、市のページに書かれている日割りではなく月単位の区切りです。
| 退職日(仮の例) | 支給の終わり |
|---|---|
| 8月10日(15日以前) | 7月分まで |
| 8月20日(16日以降) | 8月分まで |
このように、15日と16日の間で、1か月分の差が出ます。上の退職日は仮の例です。
起算点は、「国の助成金の支給期間が満了した障がい者を雇用し、賃金を支払った日の属する月の翌月」という書き方です。国の助成金の最後の支給対象期が終わった時期と、どの月を「賃金を支払った日の属する月」と読むのかは、個別の事情で変わりえます。年表を作って障がい福祉課に持ち込み、起算月を確かめてから申請するのが確実です。
前提となる国の助成金は、どんな制度か
市の奨励金は、国の助成金が終わった「あと」の制度です。国の助成金の仕組みを知らないと、そもそも使える状況かどうかが分かりません。ここでは、厚生労働省の案内ページ、制度パンフレット、支給要領(令和8年4月1日版)で確認できる内容を整理します。
厚生労働省は、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)を、高年齢者や障害者などの就職困難者を、ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成するもの、と説明しています。
障がいのある方に関する支給額は、次の通りです(1人あたり)。
| 対象労働者 | 週所定労働時間 | 中小企業事業主の支給額 | 助成対象期間 | 支給対象期ごとの額 |
|---|---|---|---|---|
| 重度障害者等を除く身体・知的障害者 | 30時間以上 | 120万円 | 2年 | 30万円×4期 |
| 重度障害者等 | 30時間以上 | 240万円 | 3年 | 40万円×6期 |
| 身体・知的・精神障害者(重度等を含む) | 20時間以上30時間未満 | 80万円 | 2年 | 20万円×4期 |
重度障害者等とは、厚生労働省の資料の注釈で、重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者、精神障害者をいいます。中小企業事業主以外の場合は、支給額・助成対象期間が異なります(たとえば重度障害者等は100万円、助成対象期間は1年6か月で、33万円を3期に分けて支給。第3期は34万円)。
ここで、市の奨励金の対象になる時期を整理しておきます。
| 国の助成の区分 | 国の助成対象期間(中小企業事業主) | 市の奨励金が始まりうる時期 |
|---|---|---|
| 重度障害者等を除く身体・知的障害者 | 2年 | 国の助成が終わった翌月以降の2年間 |
| 重度障害者等 | 3年 | 国の助成が終わった翌月以降の2年間 |
| 短時間労働者(20時間以上30時間未満) | 2年 | 国の助成が終わった翌月以降の2年間 |
重度障害者等の場合、国の助成金の3年間と市の奨励金の2年間を合わせると、紹介を受けて採用してから最長で5年間、公的な支援が続くことになります(国の助成対象期間の開始から数えた概算で、起算月のずれは別です)。
国の助成金の「継続雇用」の定義は、支給要領に書かれています。正規雇用・無期雇用、または有期雇用であっても対象労働者が望む限り更新できる契約で、対象労働者が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ雇用期間が継続して2年以上であることが、雇入れ時点で確実と認められる必要があります。この前提で採用していた方が、国の助成期間を満了するのですから、市の奨励金の対象になる方は、もともと長期雇用を前提に採用された方です。
国の助成金の側で、先に確認しておくべき要件
市の奨励金の申請書類には、国の助成金の「最終支給対象期における支給決定通知書の写し」があります。つまり、国の助成金を最後の期まで受け取れていることが、申請の入口です。途中で不支給になっている期があると、この書類は成り立ちません。国の側で守るべき主な要件を、パンフレットと支給要領から整理します。
| 確認項目 | 内容 | 外すとどうなるか |
|---|---|---|
| 紹介の経路 | ハローワーク、または適正な運用を期すことのできる職業紹介事業者等の、本助成金の対象労働者として明示した職業紹介で雇い入れる | 求職者を直接募集(求人サイトの利用を含む)して雇い入れた場合、助成対象にならない。ハローワークのオンライン自主応募も対象外 |
| 事前の把握 | 事業主も、本助成金の対象労働者を雇用することを承知している必要がある | 雇い入れたあとで対象者だと分かった場合は、助成対象にならない |
| 雇用保険 | 雇用保険の適用事業主で、対象労働者を雇用保険の一般被保険者として雇い入れる | 要件を満たさない |
| 解雇 | 採用日前後6か月間に事業主都合の解雇(勧奨退職を含む)をしていない | 事業主都合の解雇があると対象外になりうる |
| 離職者の割合 | 採用日前後6か月間の特定受給資格者となる離職が、採用日の被保険者数の6%を超えていない(3人以下の場合を除く) | 対象外になりうる |
| 労働保険料 | 滞納していない | 対象外 |
| 書類の整備 | 出勤簿、賃金台帳等、労働者名簿を整備し保管 | 令和8年4月以降の申請分から、賃金台帳の提出が確認できない場合は不支給 |
| 在職者 | 職業紹介時点で在職者でない(重度障害者・45歳以上の障害者・精神障害者を週30時間以上で雇う場合は、在職者でも助成対象) | 対象外になりうる |
| 関係性 | 過去3年間に事業所で就労させたことがある者や、事業主と3親等以内の親族は対象外 | 対象外 |
この表のうち、求人サイトや直接募集で採用した場合は国の助成金の対象外という点が、実務ではもっとも重いルールです。市の奨励金の条件にも「公共職業安定所の紹介により」と書かれているため、同じ入口の話として、採用前から押さえる必要があります。
国の助成金の申請は、どう進むのか(市の奨励金の準備にも直結する)
国の助成金は、半年ごとに区切った「支給対象期」ごとに申請します。パンフレットでは、次の流れが示されています。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ハローワーク等から紹介を受ける | まず求人の提出が必要。対象労働者として明示した紹介で雇い入れる |
| 雇い入れる | 雇用契約書または雇入れ通知書を整える |
| 第1期支給申請 | 支給申請書(様式第3号)、賃金台帳等、出勤簿等、対象者であることを証明する書類、雇用契約書、対象労働者雇用状況等申立書(様式第5号)、支給要件確認申立書などを提出 |
| 審査 | 労働局による調査・確認 |
| 支給・不支給の決定 | 通知書が送付される |
| 第2期以降 | 同様の手続きを繰り返す |
支給申請期間は、各支給対象期の末日の翌日から2か月以内です。パンフレットの例では、4月1日に中小企業事業主が高年齢者を雇い入れた場合、第1期の支給申請期間は10月16日から12月15日、第2期は4月16日から6月15日とされています。申請期限を過ぎた場合の扱いについて、厚生労働省のQ&Aは、期限が各期の末日の翌日から2か月以内であり、時間に余裕をもって準備するよう呼びかけています。
支給対象期の途中で対象労働者が離職した場合は、その支給対象期について原則として助成金の支給は受けられません。このため、最終の支給対象期の末日まで在籍していることが、市の奨励金が使える状態につながります。
申請から支給までの実務の流れ(市の奨励金)
市のページが示しているのは、提出書類と「申請は随時受付」という点です。それ以外の手順(提出の窓口の方法、審査にかかる日数、支給の時期、年度ごとの予算の扱い)は、市のページには書かれていません。そこで、問い合わせの順番を含めて、準備の流れを表にします。
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 国の助成金の最終期の前 | 国の助成金の最終支給対象期がいつ終わるかを、受領済みの通知書で確認 | 最終期の決定通知書は、市への添付書類になる |
| 最終期の申請 | 国の助成金の最終支給対象期の支給申請を期限内に行う | 申請期間は、各期の末日の翌日から2か月以内 |
| 決定通知の受領後 | 通知書の写しを保管し、障がい福祉課に電話で相談(0299-90-1137) | 起算月、様式、窓口持参か郵送かを聞く |
| 市への申請 | 交付申請書(様式第1号)、所要額調書(様式第2号)、通知書の写しを提出 | 市のページでは「随時受付」。ただし様式は市の指示に従う |
| 支給期間中 | 賃金台帳・出勤簿を整え、退職があれば速やかに市へ連絡 | 退職日が15日以前か16日以降かで、支給の最終月が変わる |
様式第2号の「所要額調書」は、支給を受けようとする額の根拠を示す書類と読めます。賃金の支払月額と、その3分の1、上限10,000円での額を、月ごとに並べる形式になることが想像されますが、書式の中身は市のページからは見えません。様式は障がい福祉課で受け取って確認してください。
つまずきやすいのは、どこか
この制度のつまずきは、市の窓口よりも、国の助成金の側と、時間軸にあります。
| つまずき | 起きる場面 | 避け方 |
|---|---|---|
| 国の助成金を受けていない | 求人サイトや直接応募で障がいのある方を採用した | 市の奨励金の条件は国の助成金の対象労働者であること。採用前にハローワークへ、対象労働者として明示した紹介にしてもらえるかを確認する |
| 最終期の決定通知書がない | 途中の期で不支給になっている、または書類をなくした | 各期の決定通知書を、雇用契約書とともに保管する |
| 住所要件の確認漏れ | 市内に住所を有していた期間が1年に満たない | 採用前に住民票上の転入日を確認する |
| 事業所の所在地 | 本社は市外で、働く事業所も市外 | 「市内の事業所において雇用」の文言を満たすか、障がい福祉課に事前確認する |
| 精神障害者の条件 | 手帳の有無、症状の安定、医師の認定の書き方 | 採用前に市へ相談する |
| 起算月のずれ | 国の助成の終了月と市の起算月の読み違い | 年表を作って持ち込む |
| 市税の滞納 | 申請時点で納付が遅れている | 納税状況を事前に確かめる |
| 途中退職の月の読み違い | 15日と16日の区切りを勘違い | 退職日の取り決めを人事で共有する |
上の表のうち、「本社が市外で事業所も市外」の例など、市のページだけでは判断できない点があります。判断が分かれる事項は、書面(メールや回答の記録)で残しておくと、あとでの食い違いを防げます。
この制度は、どんな事業主に向いているか
| 向く事業主 | 理由 |
|---|---|
| 神栖市内の事業所で、ハローワーク紹介で障がいのある方を雇い、国の助成金の最終期まで受け取った事業主 | 市の条件を、そのまま満たしている |
| 重度障害者等を3年間の国の助成で雇い、その後も長く働いてもらう方針の事業主 | 国の助成が終わった翌月から、さらに2年間の上乗せを受けられる |
| 短時間勤務で、賃金が少額でも継続雇用したい事業主 | 賃金の3分の1以内という定めのため、少額賃金でも按分した額が支給される |
| 向かない・慎重に考える事業主 | 理由 |
|---|---|
| 求人サイトや直接募集で障がいのある方を採用した事業主 | 国の助成金の対象労働者でなければ、市の条件に合わない |
| 神栖市外の事業所で雇用している事業主 | 市の条件に「市内の事業所において」とある |
| 国の助成金を途中の期で受けられなくなった事業主 | 最終期の支給決定通知書の写しが出せない |
| 1人あたりの金額の大きさを期待する事業主 | 月額上限が10,000円のため、人件費の補助としては小さい |
この奨励金は、金額が大きいから使うものではありません。長く雇い続ける会社の姿勢に、市が小口で応える制度です。月10,000円で、障がいのある方の給与の大きな部分を賄えるわけではありません。むしろ、職場環境の整備や、継続雇用に関わる他の費用の、ごく一部を補うものと捉えるのが現実的です。
類似の制度とは、どう違うのか
障がい者雇用に関する公的な支援は、国、都道府県、市で、役割が分かれています。この記事で読んだ範囲で、位置づけの違いを表にします。
| 制度 | 実施機関 | 位置づけ | 神栖市の奨励金との関係 |
|---|---|---|---|
| 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース) | 国(厚生労働省、労働局・ハローワーク) | 採用から最長3年(重度障害者等・中小企業事業主)の助成 | 市の奨励金の前提。国の助成が終わったあとに市が支給 |
| 神栖市障害者雇用促進奨励金 | 神栖市 | 国の助成金の支給期間満了後の2年間、月額上限10,000円 | この記事の対象 |
| トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)等 | 国 | 試行的な雇用に対する助成 | 厚生労働省のページでは、トライアル雇用の対象者を継続雇用する場合の取扱いが説明されている。障害者トライアル雇用により雇い入れた方(令和3年7月1日以降に紹介された方)を、トライアル雇用の終了後も引き続き雇用する場合、特定求職者雇用開発助成金の受給は、第2期支給対象期分からになり、第1期分は支給されない |
このうち、トライアル雇用助成金を使った場合の特定求職者雇用開発助成金の扱いは、第1期分が支給されないという点で、市の奨励金の起算月の読み方にも関わります。トライアル雇用を経て採用した方の場合は、国の助成の期間がずれるため、市への相談時にその経緯も伝えてください。
関連する制度、手続きとの関係
神栖市の「雇用・労働・取引」のページには、この奨励金のほかに、神栖市障がい者施設等物価高騰対策支援金、神栖市産業活動の活性化及び雇用機会の創出のための固定資産税の特別措置などが並んでいます。それぞれ対象が異なるため、この奨励金の条件とは別に、各ページの内容を確認する必要があります。ここでは、制度の名前が並んでいるという事実だけを示し、内容の比較は行いません。
国の助成金側の関連情報としては、厚生労働省のページに、次の更新があります。
| 更新の内容 | 時期 | 市の奨励金への関わり |
|---|---|---|
| 支給申請時に、賃金台帳の提出が必須(確認できない場合は不支給) | 令和8年4月以降の申請分から | 最終期の決定通知書を得るために、賃金台帳を整える |
| 高年齢者(60歳以上)に係る要件の見直し | 令和8年5月1日以降の紹介から | 障がい者の区分には直接関係しないが、紹介の明示が必要という考え方は共通 |
| 有期雇用の場合は、自動更新(本人が望む限り更新できること)のみ支給対象 | 令和5年10月1日〜 | 雇用契約書に自動更新の記載がなければ、国の助成が受けられず、市の前提も崩れる |
| 国の助成金の電子申請 | 利用可能 | 国側の手続きの手段 |
とくに有期雇用の契約書の書き方は、国の助成金の入口を左右します。厚生労働省の資料では、雇用契約書に自動更新と記載されていても、更新の条件として就業規則の解雇要件を超えるものが付されている場合は助成対象にならない、と示されています。契約書の文言は、採用前に労務の担当者と確認してください。
経営者が気にする疑問に、順に答える
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| 国の助成金を使っていないが、市の奨励金だけを申請できるか | 市のページの条件は、国の助成金の対象労働者であった方を引き続き雇用することです。国の助成金の対象でなかった方は、条件に合いません |
| 申請の締切はいつか | 市のページには「申請は随時受付いたします」とあります。ただし、具体的な運用は障がい福祉課に確認してください |
| 1人雇用すると、最大でいくらか | 市が定める上限(月額10,000円、期間2年)を掛けると、1人あたり最大240,000円です。実際の額は賃金や在籍月数で変わります |
| 短時間勤務の方でも対象か | 市のページには、勤務時間の下限の記載はありません。国の助成金の側では、週20時間以上30時間未満の短時間労働者にも区分があります。市への確認が必要です |
| 賃金が低いと、いくらになるか | 賃金支払月額の3分の1以内なので、月額24,000円なら8,000円以内、30,000円以上なら上限の10,000円です(賃金額は仮の数字) |
| 途中で退職した場合は | 退職日が15日以前なら前月分まで、16日以降ならその月分まで支給されます |
| 申請に必要な書類は | 交付申請書(様式第1号)、所要額調書(様式第2号)、国の助成金の最終支給対象期における支給決定通知書の写しです |
| 精神障害者保健福祉手帳の方は | 症状が安定し就労が可能な方、という条件が付いています |
| 国の助成金の申請が遅れた場合は | 国の側の期限は各期の末日の翌日から2か月以内です。期限を過ぎると、原則として国の助成が受けられず、市の前提も崩れます |
| 国の助成金の書類は、どれだけ保管するか | 厚生労働省のパンフレットでは、助成金を受給した事業主は、支給決定の時から5年間、関係書類を整理保存するよう求められています |
まとめと確認先
神栖市障害者雇用促進奨励金は、国の特定求職者雇用開発助成金を最後まで受けた市内の事業主が、そのあとの2年間、障がい者1人につき月額最大10,000円を受け取れる制度です。金額の大きさより、制度のつながりを理解して、採用の入口(ハローワーク紹介)から計画しておくことが、使えるかどうかを分けます。
| 確認したいこと | 確認先 |
|---|---|
| 神栖市の奨励金の様式、起算月、現在の運用 | 神栖市 福祉部 障がい福祉課(〒314-0121 茨城県神栖市溝口1746-1 保健・福祉会館 別館2階)電話 0299-90-1137、障がい福祉グループ 0299-90-1137、相談支援グループ 0299-77-5117、メール sh-fukushi@city.kamisu.ibaraki.jp |
| 国の助成金の支給要件、申請書類、支給申請窓口 | 事業所の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワーク(厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」のページで案内) |
| 国の助成金の電子申請 | 厚生労働省のページに案内あり |
この記事の数字や条件は、神栖市の公式ページ(ページ番号1002824)と、厚生労働省の案内ページ、制度パンフレット、支給要領(令和8年4月1日版)で確認できた範囲です。国の制度は毎年4月などに改正されます。申請の前に、最新の内容を、上記の窓口で確かめてください。
ProdX Crowd編集部では、補助金や助成金の制度ページを、公式資料にもとづいて、制度ごとに個別に整理しています。複数の制度を組み合わせた人材採用・設備投資の計画づくりについては、ProdX Crowdのサービスでご案内しています。
この制度を一言でいうと
「神栖市障害者雇用促進奨励金」は、神栖市が実施する補助金・助成金です。対象の地域は神栖市・茨城県です。
神栖市では、障がい者の雇用を図るため、国の特定求職者雇用開発助成金の支給期間満了後も引き続き障がい者を雇用している事業主に対して奨励金を支給します。 市内に1年以上住所を有する障がい者を、公共職業安定所の紹介により、市内の事業所において雇用していること 雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令3号)第110条第1項に規定する特定就職困難者雇用開発助成金(国の助成金)の対象労働者であった方を引き続き雇用すること 精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方で、症状が安定し就労が可能な方
受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。
| 制度名 | 神栖市障害者雇用促進奨励金 |
|---|---|
| 実施機関 | 神栖市 |
| 種類 | 補助金・助成金 |
| 対象地域 | 神栖市・茨城県 |
| 受付期間 | 通年(随時)で受け付けています |
| 対象者 | 次の各項目に該当する事業主 |
| 問い合わせ先 | ご意見は、このページの「お問い合わせ」に記載されている担当部署へ直接お問い合わせいただくか、または、次のリンク先をご確認いただき、ご意見・ご要望をお寄せください。回答にはお名前と連絡先が必要になります |
「神栖市障害者雇用促進奨励金」の対象になる方
対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。
- 1地域神栖市・茨城県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
- 2対象者次の各項目に該当する事業主
- 3規模従業員数の制約は示されていません
| 確認すること | この制度の内容 |
|---|---|
| 地域 | 神栖市・茨城県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本) |
| 対象者 | 次の各項目に該当する事業主 |
| 規模 | 従業員数の制約は示されていません |
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 市内に | 事業所の所在地に関する要件があります。本店の所在地か、実際に事業を行う場所かで判断が分かれるため、自社がどちらに当たるかを確認します。 |
| 雇用保険 | 従業員数や、雇用保険・社会保険への加入に関する条件があります。数え方(常勤・パートの扱い)は、制度の定義に従います。 |
「神栖市障害者雇用促進奨励金」の経費で気をつけたいこと
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 雇用 | 人件費に関する項目があります。対象になる人の範囲(新規採用者のみ、など)と、計算の方法が決まっていることが多いので、算定の方法を、先に確認します。 |
| 開発 | 試作・開発・試験・実証に関する費用が含まれています。目的と、試験の方法、評価の基準を、計画書に書いておくと、経費の必要性を説明しやすくなります。 |
申請の方法と、そろえる書類
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 申請の方法 | 神栖市障害者雇用促進奨励金交付申請書(様式第1号) / 申請は随時受付いたします。 |
| その他 | 神栖市障害者雇用促進奨励金所要額調書(様式第2号) / 特定就職困難者雇用開発助成金の最終支給対象期における支給決定通知書の写し / このページに関する お問い合わせ / 福祉部 障がい福祉課 / 〒314-0121 茨城県神栖市溝口1746-1 保健・福祉会館 別館2階 / 電話:0299-90-1137 FAX:0299-77-5844 / メール: sh-fukushi@city.kamisu.ibaraki.jp / 障がい福祉グループ:0299-90-1137 |
「神栖市障害者雇用促進奨励金」の手続きの流れと日程
この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。
- 申請計画書・見積書を提出
- 審査1〜3か月
- 交付決定ここから発注できる
- 発注・実施期間内に支払いまで
- 実績報告証拠書類を提出
- 検査・確定補助額が決まる
- 入金お金が入るのは最後
発注・契約は「交付決定」の後。お金が入るのは、最後の「入金」です。
「神栖市障害者雇用促進奨励金」についてのよくある質問
Q&A神栖市障害者雇用促進奨励金
Q. 神栖市障害者雇用促進奨励金の受付期間はいつですか?
通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。
Q. 神栖市障害者雇用促進奨励金の対象になるのは、どんな事業者ですか?
次の各項目に該当する事業主
Q. 神栖市障害者雇用促進奨励金の申請は、どのように行いますか?
神栖市障害者雇用促進奨励金交付申請書(様式第1号)
Q. 神栖市障害者雇用促進奨励金の問い合わせ先はどこですか?
ご意見は、このページの「お問い合わせ」に記載されている担当部署へ直接お問い合わせいただくか、または、次のリンク先をご確認いただき、ご意見・ご要望をお寄せください。回答にはお名前と連絡先が必要になります。
この制度を検討するときの確認リスト
| 確認項目 | 状況 |
|---|---|
| 対象の地域(神栖市・茨城県)に、事業所がある | □ はい □ いいえ |
| 対象者の条件に当てはまる | □ はい □ いいえ |
| 交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない | □ はい □ いいえ |
| 後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている | □ はい □ いいえ |
情報の確認元:神栖市の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。
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