雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)
雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)(水俣市)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。
水俣市が案内する「雇用・労働の特例措置」は、補助金の公募ではなく、雇用保険の特例と雇用調整助成金の特例を束ねた案内です
水俣市のページ「雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)」(最終更新2026年7月30日)は、新しく補助金を募集する告知ではありません。厚生労働省が令和8年熊本地震に対して設けた雇用・労働分野の特例措置を、市民と市内の事業主に向けて紹介するページです。中身は大きく二つで、従業員向けの「雇用保険の基本手当の特例措置」と、事業主向けの「雇用調整助成金をはじめとした雇用関係助成金の活用」です。市のページは詳細を厚生労働省のページに委ねているため、ProdX Crowd編集部は、厚生労働省の特設ページ、雇用調整助成金の令和8年熊本地震特例のリーフレット、利用に関するQ&A、申請様式の記載例・チェックリスト、事業主向け・従業員向けのリーフレット、労働基準法等に関するQ&A、労働保険の適用徴収に関するQ&Aを読み、この記事に整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の位置づけ | 補助金・助成金の公募ではなく、災害に対応した雇用保険の特別措置と、雇用調整助成金の特例措置の案内。後者は助成金で、事業主が休業手当などを支払ったあとに、一部が助成される |
| 案内する機関 | 水俣市(市のページ)。制度の実施は厚生労働省、熊本労働局、ハローワーク |
| 事業主向けの措置 | 令和8年熊本地震に伴う雇用調整助成金の特例措置(休業等の初日が2026年7月28日から2027年1月27日までの場合が対象) |
| 従業員向けの措置 | 災害救助法の適用地域の事業所が災害で休止・廃止したために一時的に離職した人への、雇用保険の基本手当の特例。水俣市も適用地域に含まれると市が明記している |
| 水俣市が示す相談先 | 〒867-0061 水俣市八幡町3-2-1 電話 0966-62-8609(市のページ「市内の相談先」) |
| 厚生労働省の窓口 | 助成金は労働局・ハローワーク。雇用保険はハローワーク。労働条件や労災は労働基準監督署 |
この記事で扱わない領域もはっきりさせます。厚生労働省の事業主向けリーフレットには、中小企業庁が実施する、融資や信用保証にあたる支援措置も載っています。融資・貸付・信用保証の制度は、このサイトの対象外ですので、ここでは解説しません。
事業主に関係するのは、どの措置ですか
事業主にとって中心になるのは、雇用調整助成金の特例措置です。雇用調整助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に休業、教育訓練、または出向を行って雇用の維持を図った場合に、休業手当や賃金などの一部を助成する制度です。令和8年熊本地震では、通常の要件を緩める特例が設けられています。リーフレットは、特例の対象を「令和8年熊本地震に伴う経済上の理由により休業、教育訓練または出向を行う事業主であって、休業等の初日が令和8年7月28日から令和9年1月27日まで」の場合としています。
次の表は、特例の内容を「全国の事業所に適用されるもの」と「熊本県内の事業所だけに適用されるもの」に分けて整理したものです。水俣市は熊本県内ですので、両方の欄が当てはまります。
| 適用範囲 | 特例の内容(リーフレットとQ&Aより) | 通常の扱いとの違い |
|---|---|---|
| 全国 | 令和8年熊本地震に伴う経済上の理由で事業活動を縮小する事業主が対象 | 通常は、施設や設備の損壊に伴う休止・縮小は対象にならない。今回は、修理業者の手配や部品の調達に災害の影響で期間を要するなどの経済上の理由があれば、直接被害を受けた場合も対象 |
| 全国 | 生産指標の確認期間を3か月から1か月に短縮 | 通常は、最近3か月の月平均値が前年同期比10%以上減少していることが必要 |
| 全国 | 最近3か月の雇用量が前年比で増加していても助成対象 | 通常は、一定の増加(中小企業は10%超かつ4名以上)があると対象外 |
| 全国 | 地震発生時に事業所の設置後1年未満の事業主も対象 | 前年同期と比較できないため、地震前のいずれかの1か月と比べる |
| 全国 | 休業等実施計画届の事後提出が可能 | 通常は休業等の実施前に提出する |
| 熊本県内のみ | 残業相殺のルールを撤廃 | 通常は、休業させる一方で所定外労働をさせた場合、助成対象の休業日数から所定外労働の時間分を控除する |
| 熊本県内のみ | 教育訓練の実施状況に応じて助成率を引き下げるルールを撤廃 | 通常は、支給日数が30日を超えた日以降、教育訓練の実施率が10%未満だと助成率が下がる |
雇用調整助成金を使うかどうかを、労働基準法の休業手当の義務と結びつけて悩む事業主もいますが、厚生労働省のQ&Aは、この助成金は労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当するかどうかで扱いが変わることはない、と答えています。手当を支払う義務の有無とは別に、経済上の理由で事業活動を縮小した事業主に対して、支払った休業手当の額に応じて助成される制度です。
「経済上の理由」は、具体的にどんな場合ですか
特例で対象になる「経済上の理由」は、リーフレットが5つのケースを挙げています。直接被害を受けた事業所でも、5つのどれかに伴う休止・縮小であれば対象になります。
| 番号 | 経済上の理由の類型 | 想定される場面の例(編集部が言い換えたもの) |
|---|---|---|
| ① | 需要の減少、または風評被害による販売・集客の困難 | 観光客の減少で宿泊や飲食の客足が落ちた |
| ② | 取引先の被災による、原材料や商品等の取引困難 | 仕入れ先や納品先が被災して取引が止まった |
| ③ | 交通の途絶による、製品や原材料の運送、従業員の通勤などの生産・販売環境の悪化 | 道路や鉄道の不通で、原料が届かない、従業員が出勤できない |
| ④ | 電気、水道、ガス等の供給や通信の途絶・困難による、生産・販売環境の悪化 | 停電や断水で工場や店舗を動かせない |
| ⑤ | 損壊した施設や設備の修理業者の手配、修理部品の調達等に、災害の影響で期間を要する場合 | 機械が壊れたが、修理業者がつかまらず、部品が届かない |
厚生労働省は、これらの理由を伴うものであれば、地震により建物等に直接被害を受けた場合にも、「経済上の理由」があるものとして助成対象になると説明しています。つまり、店舗や工場が壊れたことだけでは足りず、壊れた結果として生じた、修理業者の手配の遅れや交通の途絶などの事情を、申請書で説明する構成になります。
助成額は、どのように計算されますか
助成率は、中小企業が3分の2、大企業が2分の1です。熊本県内の事業所は、教育訓練の実施率にかかわらず、この率が適用されます。熊本県外の事業所は、通常のルールどおり、支給日数が30日を超えた後の判定基礎期間から、教育訓練の実施率に応じた助成率になります。
対象となる期間は、1年間です。リーフレットは、1年の期間内に実施した休業等が助成の対象で、上限日数(1年間で100日)に達した場合は、上限日数までが対象になると書いています。例として、週5日勤務の事業所で、週の半分を休業させた場合は、約10か月助成金を受けられるとされています。
次の表は、仕組みを見るための仮の数字です。実際の助成額は、休業手当の算定方法、日額の上限、対象労働者の数などで変わります。
| 仮の数字の項目 | 数字 | 計算 |
|---|---|---|
| 対象となる従業員 | 8人 | 仮の数字 |
| 1人あたりの休業日数(1か月) | 10日 | 仮の数字 |
| 延べ休業日数 | 80日 | 8人×10日 |
| 1日あたりの休業手当 | 6,000円 | 平均賃金の日額を10,000円とし、その60%を支払うと仮定 |
| 休業手当の総額 | 480,000円 | 6,000円×80日 |
| 助成率(中小企業・熊本県内) | 3分の2 | 特例による |
| 助成額の目安(日額上限額に収まる場合) | 320,000円 | 480,000円×2/3 |
| 事業主の負担の目安 | 160,000円 | 480,000円−320,000円 |
助成額の計算には、日額の上限額があります。申請様式の記載例には、助成額の算定書に「日額上限額×月間休業等延日数」と比べて、小さいほうを採る欄があります。実際の上限額は、申請時点の支給要領で確認してください。休業手当は、平均賃金の100分の60以上を支払うのが労働基準法第26条の最低基準ですが、労使で話し合って、どの水準にするかを決めることになります。
申請の前に、売上が下がっていることをどう確認しますか
特例を使うときは、「雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書」(様式熊特第1号(2))を、最初の計画届と一緒に出します。この様式は、事業活動の縮小が、令和8年熊本地震の影響によるものかを確かめるための書類です。
| 欄 | 書くこと | 注意点(様式の注意書きより) |
|---|---|---|
| A欄 最近1か月 | 月間売上高、または生産量等 | 支給対象期間の初日が属する月、その前月、前々月のいずれか(地震の影響を受けた月に限る)。初日が7月28日から7月31日の場合は、8月1日を初日として扱う |
| B欄 A欄に対応する期間 | 前年同期の数値 | A欄の月の、前年の同じ月。事業所の設置後1年未満で比較できない場合は、地震前のいずれかの1か月 |
| C欄 | A÷B×100の数値 | 小数点第3位を切り上げる。減少率ではなく、前年同期に対する比率を書く |
| 理由の確認 | 生産量等の減少の理由について、4つの質問に「はい」「いいえ」で回答 | 季節変動、設備の被害、法令や処分による制限、地震の影響による需要の減少等。地震の影響による需要減少等の質問は「令和8年熊本地震の影響による需要(受注量、客数等)の減少等によるものである」 |
| 添付書類 | A欄、B欄、C欄の数値を証する書類(写し) | 月次損益計算書、総勘定元帳、生産月報など |
C欄は減少率ではなく比率です。仮の数字で、前年8月の売上が2,000,000円、今年8月の売上が1,750,000円なら、C=1,750,000÷2,000,000×100=87.5%で、減少率は12.5%、10%以上の減少を満たします。今年8月が1,900,000円なら、C=95%で、減少率は5%となり、通常の10%基準を満たしません。10%以上の減少は、C欄が90%以下であることと同じ意味です。
様式の注意書きは、A欄に記載された最近1か月が令和8年8月で、生産量の要件を満たしている場合に、令和8年7月28日以降の休業が地震の影響と認められるなら、その7月28日以降の休業等についても、生産量の要件を満たすものとする、と書いています。8月の落ち込みが確認できれば、7月28日以降の休業にさかのぼって使える、という意味です。
申請の期限は、いつまでですか
通常の雇用調整助成金は、休業等を実施する前に計画届を出す必要があります。今回の特例には、それを緩める取扱いがあります。
| 手続き | 期限・ルール | 出典 |
|---|---|---|
| 休業等実施計画(変更)届の提出 | 通常は、支給対象期間の休業等を開始する日の前日まで。特例では、計画届の提出日が2026年10月27日までの間であれば、事前に届出があったものとみなす。7月28日以降に開始した休業等にさかのぼって助成の対象になる | 利用に関するQ&A Q1、記載例・チェックリスト |
| 支給申請 | 支給対象期間の末日の翌日から2か月以内。ただし、支給申請に係る休業手当等の支払日以降に限る | 記載例・チェックリスト |
| 期限内に申請できない場合 | 令和8年熊本地震を理由にハローワーク等に行けず、期限内に申請できない場合は、後日、理由を添えて申請できる | 事業主向けリーフレット |
| 書類の保存 | 提出または提示した書類の写し等を、支給決定日の翌日から5年間保存する | リーフレット |
計画届の「事後提出」の締切は、2026年10月27日です。この記事を書いている時点(2026年10月12日)から、あと2週間ほどです。すでに休業している事業主は、この日までに計画届を出せば、7月28日以降の休業等が対象になります。出し忘れが損失につながりやすい日付ですから、手元の書類の準備状況を点検してください。
支給対象期間は、1つの判定基礎期間か、連続する2つまたは3つの判定基礎期間から、事業主が選びます。判定基礎期間は、毎月の賃金の締切日の翌日から、次の締切日までです。記載例には、休業開始日が7月29日で賃金の締切日が毎月20日の場合、最初の判定基礎期間は「7月29日から8月20日」または「7月29日から9月20日」になる、という例があります。
計画届と支給申請には、どんな書類が必要ですか
計画届のときと、支給申請のときで、必要な書類は異なります。熊本県内の事業所は、特例用の様式(様式熊特)を使います。
| 時期 | 書類 | 休業のみ | 教育訓練を行う場合 |
|---|---|---|---|
| 計画届 | 様式第1号(1)休業等実施計画(変更)届 | 毎回 | 毎回 |
| 計画届 | 様式熊特第1号(2)事業活動の状況に関する申出書 | 初回のみ | 初回のみ |
| 計画届 | 様式第1号(3)教育訓練計画一覧表 | 不要 | 毎回 |
| 計画届 | 休業協定書・教育訓練協定書 | 初回(失効した場合は再提出) | 初回(同左) |
| 計画届 | 事業所の状況に関する書類(会社案内、法人税確定申告書、労働者名簿、月次損益計算書、就業規則など) | 初回のみ | 初回のみ |
| 支給申請 | 様式熊特第5号(1)支給申請書、(2)助成額算定書、(3)-1 休業・教育訓練実績一覧表 | 毎回 | 毎回 |
| 支給申請 | 共通要領様式第1号 支給要件確認申立書 | 毎回 | 毎回 |
| 支給申請 | 労働・休日と休業の実績の書類(出勤簿、タイムカード、賃金台帳など) | 毎回 | 毎回 |
| 支給申請 | 様式第13号 支給申請合意書、教育訓練の受講実績の書類 | 不要 | 毎回 |
特例では、書類の一部が簡略化されています。労働組合等との協定書は、確約書等による代替が可能です。労働者代表の確認のための書類は、労働者の代表者が、支給申請時の休業・教育訓練実績一覧表に署名または記名することで代替できます(電子申請の場合は、確認を得たかの確認欄への記載)。災害の混乱の中で、協定書を整える時間がない事業主にとって、手続きを進めやすくする工夫です。
申請は、雇用関係助成金ポータルでの電子申請もできます。このとき、特例用の様式は、ポータル上のリンク先ではなく、厚生労働省のホームページに掲載された特例用のものを使い、特例種別を選ぶ画面では「特例1」を選びます。詳しくは、令和8年熊本地震特例用のオンライン申請マニュアルに従ってください。
| 提出先・問い合わせ先 | 内容 |
|---|---|
| 熊本労働局、管内のハローワーク | 雇用調整助成金の申請、雇用関係助成金全般 |
| 雇用関係助成金ポータル | 電子申請(熊本地震特例用の電子申請マニュアルあり) |
| 水俣市が示す相談先 | 水俣市八幡町3-2-1、電話 0966-62-8609 |
従業員にとっての「雇用保険の特例」は、どんな内容ですか
従業員向けの特例は、雇用保険の基本手当(失業給付)に関するものです。災害救助法の適用地域内にある事業所が、災害により事業を休止・廃止したために、一時的に離職した人は、事業再開後の再雇用が予定されている場合であっても、基本手当を受給できます。水俣市のページは、熊本県の一部地域(水俣市も含まれる)に災害救助法が適用されたことに伴う特例だと書いています。
| 項目 | 内容(厚生労働省のリーフレット・Q&Aより) |
|---|---|
| 対象になる人 | 災害救助法の適用地域の事業所が、災害により休止・廃止したために、一時的に離職した人 |
| 再雇用の予定 | 事業再開後の再雇用が予定されている場合でも受給できる |
| 受給の要件 | 雇用保険の被保険者期間が6か月以上など |
| 注意点 | この特別措置を受けた人は、再度離職したときの基本手当の給付日数等に影響する場合がある |
| 手続きの場所 | 交通の途絶や遠隔地への避難などで、居住地を管轄するハローワークに行けないときは、近くのハローワークで手続きできる |
| 書類がない場合 | 受給手続きに必要な確認書類がなくても手続きできる(事業主向けリーフレット) |
| 事業主の役割 | 従業員に、失業給付について知らせること |
事業主がこの特例を知っておく意味は、二つあります。ひとつは、従業員が、再開まで生活費の見通しを立てられるようになることです。もうひとつは、雇用調整助成金と使い分けるために、雇用を維持するか、一時的に離職してもらうかの方針を、従業員と話し合う基礎になることです。厚生労働省は、一時的に事業を休止する場合でも、解雇や雇止めをするのではなく、休業等による雇用の維持に最大限努めてほしいと、事業主にお願いしています。
休業手当の支払いや解雇について、事業主が押さえておくことは何ですか
厚生労働省の「令和8年熊本地震に伴う労働基準法や労働契約法等に関するQ&A」(2026年8月7日、8月25日更新)が、事業主の疑問に答えています。助成金を使う前提として、押さえておく点を表にします。
| 場面 | Q&Aの考え方 |
|---|---|
| 施設・設備が直接被害を受け、労働者を休業させる | 休業の原因が事業主の関与の範囲外にあり、通常の経営者として最大の注意を尽くしても避けられない事故にあたると考えられ、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当しない。それでも、休業手当の水準や休業日の設定は、労使でよく話し合って、労働者の不利益を回避するよう努力する |
| 取引先や鉄道・道路が被害を受け、仕入れや納品ができず休業させる | 施設・設備に直接被害がない場合は、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当すると考えられる。例外は、外部で発生した事故であることと、最大の注意を尽くしても避けられないことの2つを満たす場合。取引先への依存度、輸送経路の状況、代替手段、災害からの期間、休業回避の具体的努力等を総合的に判断する |
| 休業手当の最低基準 | 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合は、平均賃金の100分の60以上(労働基準法第26条) |
| 従来、不可抗力の休業でも賃金を支払ってきた企業が、今回は支払わない | 労働条件の不利益変更にあたる。労働者との合意など、適法な変更手続をとらずに、支払わないことはできない |
| 災害を理由とした解雇・雇止め | 災害を理由とすれば無条件に認められるものではない。整理解雇には、人員整理の必要性、解雇回避努力、被解雇者選定基準の合理性、解雇手続の妥当性の4つが考慮される |
| 有期契約の労働者 | 労働契約法第17条第1項により、やむを得ない事由がなければ、契約期間の満了までは解雇できない |
| 派遣労働者 | 派遣先の被災で契約が中途解除されても、派遣元は新たな就業機会の確保に努める必要がある。休業させる場合、手当を支払えば、雇用調整助成金の対象になる場合がある |
特に、取引先や道路の被害で仕入れができず休業する場合は、休業手当を支払う義務が生じやすい、という点が実務上の分かれ目です。この場合は、雇用調整助成金を使える可能性が高いので、休業手当を支払ったうえで、助成金で一部をまかなう組み立てになります。
労働保険料の延長や猶予は、水俣市の事業者にも関係しますか
厚生労働省は、労働保険料や一般拠出金の申告・納付についても、措置を設けています。ただし、水俣市が対象の指定地域に入っているわけではない点に注意が必要です。
| 措置 | 対象 | 内容 | 水俣市の事業者への関係 |
|---|---|---|---|
| 申告・納期限等の延長 | 指定地域(熊本県八代市、宇土市、宇城市、八代郡氷川町)に所在する事業場の事業主。要件は特にない | 2026年7月28日以降の申告・納付の期限が延長される。延長後の期限は別途告示される | 指定地域に水俣市は含まれていない |
| 納付の猶予 | すべての地域で申請可能 | 事業財産に相当の損失(おおむね20%以上)を受けた場合、申請により、原則1年以内の納付猶予。申請は、災害がやんだ日から2か月以内 | 水俣市の事業場でも、要件を満たせば申請できる |
| 保険料の免除 | なし | 延長や猶予はあるが、免除はされない | 免除はない |
指定地域の事業者は、まず延長を使い、そのうえで損失の状況により、納付の猶予を使える場合があります。水俣市の事業者は、延長の対象外のため、納付が困難な場合は、納付の猶予を検討することになります。申請先は、事業場の所在地を管轄する都道府県労働局の労働保険徴収(課)室です。参考として、令和8年度の労働保険料の第2期の納付期限は、事務組合を使わない場合は11月2日です。
助成金のほかに、どんな措置が用意されていますか
厚生労働省の特設ページには、助成金以外の特例も整理されています。事業主・従業員の双方に関係するものを、表にしました。
| 措置 | 対象と内容(厚生労働省の案内より) | 問い合わせ先 |
|---|---|---|
| 人材開発支援助成金 | 復旧・復興を見据えて、職務に関連した専門的な知識・技能を習得させる職業訓練等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する | 労働局・ハローワーク |
| 未払賃金立替払制度の手続きの簡略化 | 地震の直接的な被害で事業活動が停止した被災地域の中小企業に雇用されていた人の未払賃金について、申請書類の簡略化と迅速な処理 | 労働基準監督署 |
| 労災保険給付の請求 | 仕事中や通勤中の被災は労災保険の対象。事業主や医療機関の証明が受けられなくても、請求書は受け付ける | 労働基準監督署 |
| 職業訓練の特例 | 被災で訓練を受けられない場合、あらかじめ決められた訓練時間の8割を受講していれば、訓練を修了したものとして扱われることがある | 各訓練機関、ハローワーク |
| 職業紹介事業者・労働者派遣事業者の特例 | 一定の要件を満たす場合、事業許可の有効期間の延長、収支決算書等の提出期限の猶予 | 労働局 |
| 中小企業退職金共済制度の特例 | 掛金納付期限の延長、共済手帳・共済証紙の再交付 | 勤労者退職金共済機構 |
どの措置も、事業主か従業員のどちらかが、自分から問い合わせて始める性質のものです。水俣市のページが、窓口を一覧にして案内しているのは、そのための入口という役割です。
この特例措置は、どんな事業者に向いていますか
雇用調整助成金の特例を使う場合の向き・不向きを、整理しておきます。
| 事業者の状況 | 向く・向かない | 理由 |
|---|---|---|
| 地震の影響で仕入れや来客が減り、従業員を休業させて、休業手当を払っている | 向く | 経済上の理由に当たる可能性が高く、支払った手当の一部が助成される |
| 店舗や設備が壊れ、修理が済むまで休業している | 向く(理由の説明が必要) | 修理業者の手配や部品の調達に期間を要する、などの経済上の理由があれば対象になる |
| 休業手当を払わず、無給で休業させている | 向かない | 助成は、事業主が休業手当等を支払った場合に、その一部を助成するもの |
| 雇用保険の適用事業所ではない | 向かない | 雇用保険の適用事業所であることが要件の一つとリーフレットにある |
| 従業員を解雇・雇止めする方針を固めている | 先に検討の余地あり | 厚生労働省は、休業等による雇用の維持を事業主に求めている。解雇の有効性は個別に判断される |
| 売上の落ち込みが前年同月比10%未満 | 要件の確認が必要 | 生産指標の確認の基準が、最近1か月の前年同期比10%以上の減少 |
| すでに7月28日以降に休業を始めているが、計画届を出していない | 10月27日までに出す | 提出日が10月27日までなら、事前の届出があったものとみなされる |
申請書を作る前に、どんな順序で準備すればよいですか
実務の順序を、時系列で並べます。日付は、厚生労働省の資料にあるものです。
| 順番 | やること | 目安・期限 |
|---|---|---|
| 1 | 休業の理由が、5つの経済上の理由のどれにあたるかを書き出す | 計画届と同時 |
| 2 | 前年同月と比べた売上(または生産量)を、月ごとに並べる | 計画届と同時 |
| 3 | 労働組合または労働者代表と、休業の方法を話し合い、協定書または確約書をまとめる | 計画届の前 |
| 4 | 判定基礎期間(賃金の締切日で区切る)を決め、休業日・対象者を決めて、計画届を作る | 2026年10月27日まで(事後提出の特例) |
| 5 | 休業手当を支払い、出勤簿・賃金台帳で、休業日と手当を日ごとに区分して記録する | 毎月 |
| 6 | 支給申請書、助成額算定書、実績一覧表をそろえる | 支給対象期間の末日の翌日から2か月以内 |
| 7 | 5年間、書類を保存する | 支給決定日の翌日から5年 |
つまずきやすいのは、4と5の間です。賃金台帳で、休業日に払った手当と、通常の労働日に払った賃金が明確に区分されていなかったり、所定外労働の時間数やその賃金の額が表示されていなかったりすると、確認書類として足りません。実績の確認書類は、判定基礎期間を含む前4か月分(賃金や手当の支払い方法が協定どおりだと確認できる場合は1か月分)が求められます。
よくある質問
Q. この市のページから、直接、助成金を申し込めますか。できません。水俣市のページは、制度の案内です。助成金の申請は、労働局またはハローワーク、あるいは雇用関係助成金ポータルの電子申請で行います。
Q. 熊本県外の事業所も使えますか。雇用調整助成金の特例は、全国の事業所が対象です。ただし、残業相殺の撤廃や、教育訓練の実施状況に応じた助成率引下げの撤廃は、熊本県内の事業所だけに適用されます。
Q. 1人しか雇っていない事業所でも、雇用調整助成金の対象になりますか。雇用保険の適用事業所であることなどが要件として示されていますが、人数の下限は、この記事で参照した資料には記載がありません。詳しくは、労働局またはハローワークに確認してください。
Q. 従業員が避難先にいてハローワークに行けない場合は、どうなりますか。居住地を管轄するハローワークに行けないときは、近くのハローワークで手続きできます。受給手続きに必要な確認書類がなくても、手続きできます。
Q. 労働保険料は免除されますか。免除はありません。指定地域の事業場は期限が延長され、すべての地域で、事業財産におおむね20%以上の損失を受けた場合には、納付の猶予を申請できます。
Q. 特例の対象期間は、いつからいつまでですか。雇用調整助成金の特例は、休業等の初日が2026年7月28日から2027年1月27日までが対象です。制度の内容は、見直されることがあります。申請の前に、厚生労働省の特設ページで最新の資料を確かめてください。
確認先のまとめ
| 知りたいこと | 確認先 |
|---|---|
| 雇用調整助成金の特例、申請様式、電子申請 | 熊本労働局、最寄りのハローワーク。厚生労働省「雇用調整助成金 令和8年熊本地震特例」のページ |
| 雇用保険の基本手当の特例 | 最寄りのハローワーク |
| 休業手当、解雇、労災 | 最寄りの労働基準監督署、熊本労働局の特別労働相談窓口 |
| 労働保険料の延長・猶予 | 事業場の所在地を管轄する都道府県労働局の労働保険徴収(課)室 |
| 水俣市の案内 | 水俣市のページに示された市内の相談先(電話 0966-62-8609)、水俣市役所(電話 0966-63-1111) |
ProdX Crowd編集部は、雇用調整助成金の申請書の作成や電子申請の実務を、月額10,000円のサービスには含めていません。ご希望の場合は、パートナー企業をご案内します(別途費用がかかる場合があります)。この記事は、公開されている厚生労働省の資料にもとづく整理であり、個別の事業者の助成対象や受給の可否を判定するものではありません。具体的な判断は、労働局・ハローワーク・労働基準監督署の窓口で確かめてください。
この制度を一言でいうと
「雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)」は、水俣市が実施する補助金・助成金です。対象の地域は水俣市・熊本県です。
令和8年熊本地震について雇用・労働に関する特例措置や支援制度をご紹介します。 【雇用保険の基本手当の特例措置について】 令和8年熊本地震の発生により、熊本県の一部地域(水俣市も含まれます)に災害救助法が適用されたことに伴い、災害により雇用される事業所が休業することとなったため、一時的な離職または休業を余儀なくされた方に雇用保険の基本手当を支給する特例措置等を実施しています。 【事業主の皆様へ(支援・特例措置)】 雇用調整助成金をはじめとした雇用関係助成金の活用に当たっては、ハローワークへご相談ください。
受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。
| 制度名 | 雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について) |
|---|---|
| 実施機関 | 水俣市 |
| 種類 | 補助金・助成金 |
| 対象地域 | 水俣市・熊本県 |
| 受付期間 | 通年(随時)で受け付けています |
「雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)」の対象になる方
対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。
- 1地域水俣市・熊本県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
- 2対象者子育て支援(LINE) / 介護保険に関するお知らせ / 介護保険の手続き /
- 3規模従業員数の制約は示されていません
| 確認すること | この制度の内容 |
|---|---|
| 地域 | 水俣市・熊本県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本) |
| 対象者 | 子育て支援(LINE) / 介護保険に関するお知らせ / 介護保険の手続き / 介護保険制度・介護保険料 / 介護保険サービス / 年金・健康保険 |
| 規模 | 従業員数の制約は示されていません |
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 事業所 | 事業所の所在地に関する要件があります。本店の所在地か、実際に事業を行う場所かで判断が分かれるため、自社がどちらに当たるかを確認します。 |
| 雇用保険 | 従業員数や、雇用保険・社会保険への加入に関する条件があります。数え方(常勤・パートの扱い)は、制度の定義に従います。 |
「雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)」が目指していること
Foreign LanguageEnglish中文(简化字)中文(繁體字)グローバルナビゲーションをスキップくらし・手続き健康・福祉・子育て産業・しごと住所・戸籍・証明書証明書の発行印鑑登録・パスポートマイナンバーカード・住民基本台帳カード税全般に関するお知らせ市税の証明・手続き国民健康保険税
「雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)」の経費で気をつけたいこと
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 雇用 | 人件費に関する項目があります。対象になる人の範囲(新規採用者のみ、など)と、計算の方法が決まっていることが多いので、算定の方法を、先に確認します。 |
申請の方法と、そろえる書類
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| オンライン申請 | 申請は電子(オンライン)で行います。入力の画面が複雑なことがあるため、締切の直前ではなく、余裕を持って入力を始めます。入力内容は、一時保存して、第三者に見てもらいます。 |
この制度で、特に注意したいこと
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 申請の方法 | 各種相談窓口 |
| その他 | 住まい・土地 / 水俣市土地開発公社 / 空き家バンク / 交通・防犯・安全 / 交通用具助成 |
| 地域 | 地域活動・交流 / 自治会・地域づくり |
「雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)」の手続きの流れと日程
この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。
- 申請計画書・見積書を提出
- 審査1〜3か月
- 交付決定ここから発注できる
- 発注・実施期間内に支払いまで
- 実績報告証拠書類を提出
- 検査・確定補助額が決まる
- 入金お金が入るのは最後
発注・契約は「交付決定」の後。お金が入るのは、最後の「入金」です。
「雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)」についてのよくある質問
Q&A雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)
Q. 雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)の受付期間はいつですか?
通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。
Q. 雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)の対象になるのは、どんな事業者ですか?
子育て支援(LINE)
Q. 雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)で、注意すべきことはありますか?
各種相談窓口
Q. 雇用・労働に関する特例措置や支援制度(令和8年熊本地震について)で、注意すべきことはありますか?
住まい・土地
この制度を検討するときの確認リスト
| 確認項目 | 状況 |
|---|---|
| 対象の地域(水俣市・熊本県)に、事業所がある | □ はい □ いいえ |
| 対象者の条件に当てはまる | □ はい □ いいえ |
| 交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない | □ はい □ いいえ |
| 後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている | □ はい □ いいえ |
情報の確認元:水俣市の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。
補助金・経営支援顧問