企業版かさまつ応援寄附金_地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)
企業版かさまつ応援寄附金_地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)(笠松町)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。
企業版かさまつ応援寄附金は、補助金ではなく「寄附に対する税の軽減」を受けるための制度。企業が笠松町に寄附し、法人関係税の税額控除を受ける
最初に位置づけをはっきりさせておきます。「企業版かさまつ応援寄附金(地方創生応援税制・企業版ふるさと納税)」は、企業がお金を受け取る補助金や助成金ではありません。国が認定した地方公共団体の地方創生の取り組みに対して、企業が寄附を行ったとき、その寄附額に応じて法人住民税・法人税・法人事業税が軽くなる、という税制の仕組みです。窓口は岐阜県羽島郡笠松町の企画DX課で、受け取る側は町、軽くなる税金は寄附をした企業が納める法人関係税です。
したがって、この制度を使うときの「申請」は、補助金のように審査を受けて採択される手続きではありません。寄附の相談、寄附の申し出、入金、受領証の受け取り、税の申告という流れで進み、税額控除そのものは、企業が自社の税務申告で行います。公募の締切や採択といった概念もなく、町の案内では寄附の相談を随時受け付けています。
この記事は、笠松町の公式ページ(企業版ふるさと納税の案内、令和8年9月16日公開)、町の企業版ふるさと納税チラシ(令和7年5月14日最新版)、内閣府地方創生推進事務局の制度概要・Q&A・解説資料・税制改正資料を読んで整理しています。まず骨格を表にします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の性格 | 寄附に対する税額控除(税制)。補助金・助成金ではない |
| 根拠・所管 | 地方創生応援税制。内閣府地方創生推進事務局のポータルサイトが制度の詳細を公開 |
| 寄附の受け手 | 笠松町(国から認定を受けた地域再生計画に位置づけられた事業) |
| 寄附できる企業 | 笠松町外に本社(地方税法上の「主たる事務所または事業所」)が所在する企業 |
| 寄附の金額 | 1回あたり10万円から |
| 税の軽減 | 法人住民税・法人税・法人事業税の最大約9割(損金算入による軽減を含む) |
| 適用の単位 | 法人の事業年度単位 |
| 禁止事項 | 寄附の代償として、町から経済的利益を受けること |
| 町の窓口 | 笠松町役場 企画DX課 観光プロモーション担当、電話058-388-1113 |
国の制度は、どういう仕組みか
内閣府のチラシ型の概要(令和8年4月1日時点の資料)によると、企業版ふるさと納税は、地方創生の充実強化に向け、民間の力を活用して地方への資金の流れを生み出すことを目的に、平成28年度に創設されました。地方公共団体が地方版総合戦略をもとに地域再生計画を作り、国の認定を受けたうえで、その計画に位置づけられた事業に企業が寄附をすると、法人関係税が控除されます。
通常の寄附と比べて、企業の負担がどう変わるかを、概要資料の図にそって表にします。
| 寄附の種類 | 軽減の中身 | 企業の実質的な負担のめやす(概要資料の図) |
|---|---|---|
| 通常の寄附 | 損金算入による軽減が約3割 | 約7割 |
| 企業版ふるさと納税 | 損金算入による軽減が約3割と、税額控除が最大6割 | 約1割(軽減の合計は最大約9割) |
資料の例示では、1,000万円を寄附すると、最大で約900万円の法人関係税が軽減される、とされています。ここで言う「約3割」は、寄附が損金(費用)として扱われることによる税の軽減の目安で、企業の税率や所得によって変わります。「最大」という言葉が示すとおり、どの企業でも必ず9割が戻るわけではなく、控除には上限があります。上限の仕組みは、次の節で具体的に見ます。
税額控除は、3つの税目ごとに上限がある。計算の仕組みを数字で見る
内閣府の資料は、税額控除の割合と上限を、税目ごとに次のように定めています。
| 税目 | 税額控除の割合 | 上限 |
|---|---|---|
| 法人住民税 | 寄附額の4割 | 法人住民税法人税割額の20% |
| 法人税 | 法人住民税の控除が寄附額の4割に達しない場合に、その残額を控除 | 寄附額の1割まで。かつ法人税額の5%まで |
| 法人事業税 | 寄附額の2割 | 法人事業税額の20% |
税額控除の合計は、寄附額の最大6割です。内訳は、法人住民税と法人税を合わせた枠が4割、法人事業税が2割という構造です。ここに、損金算入による約3割の軽減が加わって、軽減の合計が最大約9割になります。
控除が「寄附額の何割」と「納税額の何%」の小さい方で決まる点が、実務上の最重要ポイントです。納めている税額が小さい企業では、寄附額に対する割合の上限まで控除しきれないことがあります。ここで、記事独自の仮の数字による試算を2つ示します。いずれも説明用の仮定で、実際の税額とは無関係です。
| 仮の数字による試算A(税額が十分に大きい企業) | 金額 |
|---|---|
| 寄附額 | 1,000,000円 |
| 法人住民税法人税割額(仮) | 3,000,000円 |
| 法人事業税額(仮) | 2,000,000円 |
| 法人住民税の控除(寄附額の4割=400,000円、上限は法人税割額の20%=600,000円) | 400,000円 |
| 法人事業税の控除(寄附額の2割=200,000円、上限は事業税額の20%=400,000円) | 200,000円 |
| 税額控除の合計 | 600,000円(寄附額の6割) |
| 損金算入による軽減(資料の「約3割」のめやす) | 約300,000円 |
| 軽減の合計と、企業の負担のめやす | 約900,000円の軽減、負担は約100,000円 |
| 仮の数字による試算B(税額が小さく、上限にかかる企業) | 金額 |
|---|---|
| 寄附額 | 1,000,000円 |
| 法人住民税法人税割額(仮) | 1,000,000円 |
| 法人税額(仮) | 8,000,000円 |
| 法人事業税額(仮) | 500,000円 |
| 法人住民税の控除(寄附額の4割=400,000円だが、上限は法人税割額の20%=200,000円) | 200,000円 |
| 法人税の控除(4割に足りない残額200,000円だが、寄附額の1割=100,000円が限度。法人税額の5%=400,000円の枠内) | 100,000円 |
| 法人事業税の控除(寄附額の2割=200,000円だが、上限は事業税額の20%=100,000円) | 100,000円 |
| 税額控除の合計 | 400,000円(寄附額の4割) |
試算Bのように、納税額に対して寄附額が大きいと、控除は最大の6割に届きません。内閣府の資料は、寄附金額の算出は税理士や所管の税務署に相談するよう求めています(町のチラシにも同じ案内があります)。寄附を決める前に、直近の法人税・法人住民税・法人事業税の納税額から、控除の見込みを税理士に試算してもらうのが確実です。
どんな企業が対象になるのか。判定の順番
町の案内と、内閣府のQ&A(事業実施・実施状況報告編、第15版)から、対象になる条件を整理します。
| 確認事項 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 本社の所在地 | 笠松町外に本社がある企業が対象。本社とは、地方税法でいう「主たる事務所または事業所」 | 町ページ、Q&A(Q4-7) |
| 市町村単位の判定 | 寄附を受ける事業の実施主体が市町村の場合、本社が同じ市町村にあるかどうかで判断する。同じ岐阜県内でも、他の市町村に本社がある企業は対象 | Q&A(Q4-8) |
| 税務の前提 | 外国法人を含め、青色申告書を提出している法人であれば適用を受けられる | Q&A(Q4-6) |
| 金額 | 1回あたり10万円以上 | 町ページ、内閣府概要 |
| 適用の年度 | 寄附をした日が属する事業年度に適用される | Q&A(Q4-5) |
| 見返りの禁止 | 寄附の代償として、町から経済的利益を受けない | 町ページ |
笠松町は市町村なので、町内に本社がある企業からの寄附は対象外ですが、岐阜市、各務原市、羽島市、関市など、同じ県内の他の市町村に本社がある企業は対象になります。町が公開している寄附実績にも、岐阜県内の他市に本社を置く企業が数多く並んでいます。
一方で、国の制度には、寄附先の側の条件もあります。東京都と、市区町村のうち地方交付税の不交付団体で三大都市圏の既成市街地等に所在するものは、制度の対象外です。企業が他の自治体への寄附を検討する場合には、その自治体が国の認定を受けているかどうかも確認する必要があります。笠松町は、令和7年3月31日付で国から地域再生計画の認定を受けたと案内しています(認定の名称は、町のページでは「第2回笠松町まち・ひと・しごと創生推進計画」、町のチラシでは「第2期笠松町まち・ひと・しごと創生推進計画」と表記されています)。
事業年度との関係。「いつ寄附するか」で、どの決算期に効くかが変わる
税額控除が適用されるのは、実際に寄附をした日が属する事業年度です。内閣府のQ&Aは、たとえば事業年度が4月1日に始まる法人が、3月31日までに寄附を行って前事業年度に適用を受けたい場合は、地方公共団体と法人がよく相談して、年度内に寄附が受領できるようにする必要がある、と説明しています。
町の側から見ると、寄附金の受領時期が出納整理期間になりそうな場合、基金を使う事業を除いて、年度内に納入通知書を発しておく必要があるとされています。これを、企業側の動きに置き換えて、決算期から逆算した確認表にします。
| 時期 | 企業側がやること | 確認すること |
|---|---|---|
| 決算期の3か月から半年前 | 税理士に、当期の法人税・法人住民税・法人事業税の見込みを聞く | 控除しきれる寄附額の上限はいくらか |
| 決算期の2か月前まで | 町の企画DX課に寄附の相談(事業の選択、金額、時期) | 決算期内に入金できる日程か |
| 寄附の申し出 | 寄附申出書を町へ提出 | 町は令和8年5月から使う新しい様式(Word・PDF)を公開している |
| 入金 | 町が案内する方法で入金 | 入金日が、適用を受けたい事業年度に入っているか |
| 入金後 | 寄附金受領証明書の到着を待つ | 申告までに受け取れるか |
| 決算・申告 | 法人関係税の申告時に、税額控除の手続きをする | 受領証の写しの提出・保管 |
決算期の直前になって相談すると、納入通知書の発行や入金の確認が間に合わない可能性があります。町は寄附の相談を随時受け付けているため、特に年度末が決算期の企業は、前の年のうちから動いた方が安全です。
見返りは禁止。何がだめで、何は許されるのか
この制度で最も誤解されやすいのが、「寄附の代償としての経済的な利益の供与の禁止」です。町の案内でも、例として、寄附を理由とした補助金の交付、入札や許認可で便宜を図ること、が挙げられています。内閣府の解説資料(令和8年4月1日一部改正)は、禁止される例と許される例を、次のように示しています。
| 区分 | 具体例(内閣府の解説資料より) |
|---|---|
| 禁止される例 | 寄附を理由とした補助金の交付 |
| 同上 | 寄附を理由とした、他の法人より低い金利での貸付け |
| 同上 | 入札や許認可での便宜の供与 |
| 同上 | 合理的な理由なく、市場価格より低い価格での財産の譲渡 |
| 同上 | 寄附を理由とした、換金性の高い商品(商品券やプリペイドカード等)の提供 |
| 同上 | 寄附を行うことを、公共事業の入札参加要件とすること |
| 同上 | 寄附を活用して整備した施設の専属的な利用 |
| 同上 | 合理的な理由なく、他の利用者より低廉な料金での公共施設の利用 |
| 許される例 | 感謝状やこれに類するものの贈呈 |
| 同上 | 自治体のホームページや広報誌での、寄附企業名の紹介(他の寄附者と並べて) |
| 同上 | 寄附で整備した施設への銘板の設置(他の寄附者と並べて) |
| 同上 | 社会通念上許容される範囲内の記念品の贈呈 |
個人のふるさと納税では、寄附の返礼品があります。企業版ふるさと納税は、ここがまったく異なります。寄附をしたから町の特産品がもらえる、公共事業を受注しやすくなる、補助金の審査で有利になる、といったことは認められていません。内閣府の資料は、代償として経済的な利益を供与したことが明らかになった場合、地域再生計画の認定が取り消されるなど、地方公共団体に不利益が生じることがある、とも書いています。
誤解しやすい点として、寄附をした企業が、その町と契約すること自体は禁止されていません。内閣府の解説資料は、競争入札か随意契約かを問わず、町が次の3つをすべて行うことを前提に、寄附の代償にはあたらないとしています。
| 町に必要な取組み | 内容 |
|---|---|
| 法令の遵守 | 条例・規則などを含む法令を守ること |
| 別異に扱わない | 寄附の受領を理由に、他の法人との間で扱いを変えないこと |
| 説明責任 | 手続きの公正性・透明性について、十分に説明すること |
また、過去に契約関係にあった町、現に契約関係にある町に寄附をすることも、原則として可能です。ただし、随意契約の場合は、一般競争入札などに比べて、より一層の説明責任が町に求められます。これらは、企業側が「町と取引があるから寄附はできない」と最初からあきらめる必要がない、という意味でもあります。
笠松町が寄附を受け入れる事業。6つの分野と、その具体例
町の案内によれば、笠松町は、地域再生計画にもとづく主な受入事業を、次の6分野で示しています。寄附をする企業は、この中から応援したい分野を選びます。その他の分野や事業を希望する場合は、個別に相談するよう案内されています。
| 分野 | 内容 | 具体的な事業の例(町ページより) |
|---|---|---|
| ア ぬくもりと笑顔あふれる思いやりのまち事業 | 地域福祉、健康づくり、高齢者福祉、障がい者福祉、子ども・子育て支援、幼児教育、人権尊重 | 健康相談・健康教育の充実、母子保健事業、障がいへの理解の促進 |
| イ 未来へ繋ぐ心豊かな人づくりのまち事業 | 学校教育、青少年の健全育成、生涯学習、スポーツ、歴史・文化の継承 | 学校施設の長寿命化、ITを活用した学習情報の提供、未指定文化財の調査と発掘の促進 |
| ウ にぎわいと活力あふれる創造のまち事業 | 農業の振興、商工業の振興、観光・イベント、コミュニティ活動 | 農業体験などによる農地の有効利用、企業に向けた支援の充実、SNSなどを活用した観光・イベント情報の発信 |
| エ 便利で快適に暮らせるやすらぎのまち事業 | 土地利用、道路網、公共交通、住環境、環境、循環型社会 | 土地区画整理事業、都市計画道路の整備、巡回町民バスの利用促進、駅を活かした拠点の整備 |
| オ 安全で安心して暮らせる住みよいまち事業 | 防災、消防・救急、防犯、交通安全 | 地域防災計画の見直し、防火・防犯・交通安全の意識啓発 |
| カ 「官」「民」協働で築き上げる持続可能なまち事業 | 住民参加のまちづくり、行政運営、広域行政への対応 | 読みやすい広報紙づくり、住民サービスの向上、行財政情報の公開 |
このほかに、町は「企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業」という枠も案内しています。寄附の申し出、採択された事業、受入実績は、町の専用のページで公開されています。この記事ではその詳細までは扱いません。関心のある企業は、町のページから案内を確認してください。
町のチラシにある重点プロジェクト。笠松競馬と空き家の活用
町の企業版ふるさと納税チラシは、笠松町第6次総合計画(2021年度から2030年度)に掲げる様々な事業が寄附の対象で、人口減少のストップや地域活性化に取り組む、と説明しています。そのうえで、重点プロジェクトの一例として、次の2つを紹介しています。
| プロジェクト | 内容(チラシより) | 取組例 |
|---|---|---|
| 「競馬のまち笠松」ブランディングプロジェクト | 競馬場を町の資源と位置づけ、かつてのにぎわいを取り戻す。全国でも数少ない競馬のまちとして、競馬場を活用したPRや女性雇用環境の向上など魅力づくりを進める | コスプレイベントの開催、人気コンテンツとのコラボ企画展、女性用コンテナハウス(更衣室、トイレ、休養施設)の設置 |
| 移住・定住の促進(持続可能な活力のあるまちづくりプロジェクト) | 町に多い空き家(約520戸、平成30年住宅・土地統計調査、二次的住宅や賃貸・売却住宅を除く)の利活用を進め、関係人口の増加から移住・定住につなげる | 空き家をカフェやシェアオフィスなどにリノベーションする、成功事例をつくる社会実験事業 |
過去の寄附実績には、笠松競馬場の女性雇用促進施設の建設を寄附の使い道にした例(令和4年度、まちづくり事業)が載っています。寄附が実際にどう使われたかが町のページで確認できる、という意味で、寄附先の選び方の参考になります。
手続きは4段階。町の案内にそって進める
町の案内は、制度の流れを4つの段階で示しています。
| 段階 | 内容 | 企業がすること |
|---|---|---|
| 寄附の相談・検討 | 寄附対象の事業や寄附金額などを、随時相談できる | 企画DX課 観光プロモーション担当へ連絡 |
| 寄附の申し出 | 事業と金額が決まったら、寄附申出書を提出 | 町のページにある寄附申出書(令和8年5月から使う様式、Word・PDF)に記入して提出。物品の寄附は、物品用の申出書を使う |
| 寄附・入金 | 希望する方法で入金。入金確認後、寄附金受領証明書が送られてくる | 下の表の方法で入金 |
| 税申告 | 受領証を使って、法人関係税の申告時に税額控除の手続きをする | 税理士・税務署と調整して申告 |
入金の方法は、町の案内で次の3つが示されています。
| 方法 | 手数料などの注意 |
|---|---|
| 郵便振替払込取扱票 | 現金で払うと、別途110円かかる場合がある |
| 銀行振込納付書 | 十六銀行、大垣共立銀行、岐阜信用金庫、大垣西濃信用金庫、岐阜商工信用組合、ぎふ農業協同組合の本店・支店・出張所での納付は手数料が無料 |
| 役場の口座へ直接入金 | 払込手数料は寄附する側の負担 |
税の申告については、内閣府のQ&Aが、租税の申告時に、地方創生応援税制の適用がある寄附を行った旨を申告するとともに、町から交付を受けた受領証の写しを提出する(法人税の申告では保管する)必要がある、としています。税務の取り扱いの詳細は、課税庁が発表している情報を確認するよう案内されています。
受領証は、寄附先が事業ごとに分けて発行します。内閣府のQ&Aは、企業から複数の寄附活用事業に対する寄附を一度に受けた場合でも、事業ごとに区分して受領証を交付する必要がある、としています。複数の分野へ寄附を分ける企業は、受領証の枚数が増える可能性を見込んでおくとよいでしょう。
物品での寄附もできるが、税務上の価額の確認が必要
町の案内には、物品寄附の場合は別の申出書を出す、と書かれており、令和6年度や令和8年度の実績にも、非常用トイレ、集音器、法被など、物品による寄附が載っています。内閣府のQ&Aは、物品による寄附について、次のように説明しています。
| 論点 | 内容(Q&Aより) |
|---|---|
| 受領できるか | 事業に直接供することができ、支出時の資産の価額を計算できるものであれば、受領できる場合がある。ただし、価額の特定が難しいため、できる限り現金で受領するよう求めている |
| 価額の考え方 | 税法上、寄附金の額は寄附の時の物品の価額。一般には、第三者間で取引されたとした場合の通常の価額。製造メーカーが自社製品を寄附する場合は、その製品の通常の販売価格が基準になる |
| 受領証 | 現金の場合と同様に、様式の受領証を交付。物品の品名、数量、使用用途を追記する |
| 翌年度以降に使う物品 | 予算・決算上の繰り越しができないため、寄附年度に活用する分に限って受領する |
自社の製品を寄附したい企業は、価額をどう決めるのかを、事前に町と税理士の両方に確認する必要があります。
町の寄附実績。公表に同意した企業のみが掲載されている
町は、寄附をした企業のうち、公表に同意した企業だけを、年度ごとに公開しています。個別の企業名は挙げず、年度ごとの傾向を表にします。金額の欄が「-」になっているものは、金額が公表されていません。
| 年度 | 掲載されている企業数 | 金額の記載があるものの例 | その他の特徴 |
|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 2社(東京都内) | 200万円、100万円 | 使い道は、笠松競馬場の女性雇用促進施設の建設(まちづくり事業) |
| 令和5年度 | 8社 | 100万円、50万円 | 愛知県、岐阜県内の企業が中心で、にぎわいと活力あふれる創造のまち事業への寄附が多い。多くは金額欄が「-」。光触媒除菌脱臭機の物品寄附の例もある |
| 令和6年度 | 9社 | 10万円、80万円、100万円(2社) | 非常用トイレ、集音器、法被などの物品寄附が3件。北海道から福井県までの企業が並ぶ |
| 令和7年度 | 5社(匿名1社を含む) | 1,000万円(匿名)、200万円(2社)、70万円、50万円 | 事業の分野は、にぎわい、人づくり、安全・安心に分かれる |
| 令和8年度 | 4社(匿名1社を含む) | 100万円、30万円 | 緊急トイレの物品寄附が1件 |
この表から、読み取れることがあります。寄附の金額は10万円台から1,000万円まで、幅が広いこと。同じ企業が複数年度に寄附をしている例があること。寄附の使い道が、福祉、教育、産業振興、防災と幅広く選ばれていること。また、金額を公表しない企業や、匿名を選ぶ企業もあり、公表するかどうかは企業が決められることです。
国の側でも、寄附法人名の公表が原則とされています。内閣府のQ&Aは、寄附について公表を希望しない企業を除き、企業名や寄附額を公表するよう自治体に求めています。そのうえで、入札や補助金の仕組みで寄附法人が契約相手などになる場合は、令和7年度以降、自治体は寄附法人の名称を実施報告書に記載し、ホームページで公表する必要があり、非公表にできるのは、第三者を含む審議会等が、個別具体的な正当理由を確認した場合に限られます。
町のサポート体制。民間事業者・金融機関が支援業務の委託を受けている
町は、企業版ふるさと納税の支援業務を、次の事業者に委託していると案内しています。
| 事業者 | 契約時期(町ページより) |
|---|---|
| カンダまちおこし株式会社 | 令和5年4月 |
| 株式会社RCG | 令和6年2月 |
| 株式会社大垣共立銀行 | 令和6年5月 |
| 大垣西濃信用金庫 | 令和8年1月 |
町のページは、年々サポート体制を拡充している、と説明しています。これらの事業者の具体的な支援内容や費用は、町のページには書かれていません。気になる場合は、町の窓口に問い合わせてください。
制度の期限と、制度改善策。令和9年度までの延長
企業版ふるさと納税の税額控除の特例は、期限つきの制度です。内閣府の令和7年度税制改正の資料によれば、税額控除の特例措置は、3年間(令和9年度まで)延長されました。その際、制度の健全な発展を図るため、制度改善策が講じられています。
| 制度改善策のポイント(令和6年12月、内閣府) | 内容 |
|---|---|
| チェック機能の強化 | 事業の実施にあたって留意すべき事項のチェックリストを導入し、各段階でチェックを行う。寄附を受けた全団体に、会計年度終了後に実施報告とあわせて提出を求める |
| 実施状況の透明化 | 契約手続きなどで、寄附法人・関係会社が競争入札で一者応札により受託した場合などは、国への実施報告を義務づけ、寄附法人名を公表する。寄附活用事業の発注先も、自治体が公表する |
| 認定取消し後の再申請 | 地域再生計画の認定が取り消された場合、再申請に2年間の欠格期間を設ける |
| Q&Aの明確化 | 寄附法人・関係会社が再委託先となる場合の留意点を明記 |
この改善策の背景には、寄附活用事業で契約手続きの公正性などに問題があると認められ、認定地域再生計画の取消しを行う事案が生じたことがあります。内閣府が実施した実態調査(令和5年度に寄附を受領した全1,462の地方公共団体、5,258事業)では、契約先に寄附法人等が含まれていたケースは、全体の約1%(4,228事業のうち30事業、0.7%)でした。寄附法人名を自治体が公表しているケースは、全体の9割以上でした。
延長の期限があるため、これから寄附を検討する企業にとって、特例は令和9年度までの措置として見ておく必要があります。令和10年度以降の扱いは、この記事の時点では示されていません。最新の税制の取り扱いは、内閣府のポータルサイトと、税理士で確認してください。
国全体での活用状況
内閣府の概要資料は、令和6年度の実績として、次の数字を示しています。
| 指標 | 数字(令和6年度実績、令和8年4月1日時点の資料) |
|---|---|
| 寄附額 | 631.4億円(前年比34%増) |
| 寄附企業数 | 8,464社(前年比10%増) |
| 計画策定自治体数 | 1,613団体(令和8年4月1日時点) |
また、令和7年度税制改正の資料では、寄附実績が令和元年度の33.8億円から令和5年度の470.0億円に増えたこと、平成28年度から令和5年度までの累計で、本税制を活用した地方公共団体が1,536団体になったことが紹介されています。町村から政令市まで、幅広い自治体がこの仕組みを使っていることがわかります。
つまずきやすい点
実際に寄附を検討するとき、つまずきやすい点を、表にまとめます。
| つまずき | 起きる理由 | 事前の手当て |
|---|---|---|
| 本社が笠松町内にある | 町内に本社がある企業からの寄附は対象外 | 登記上の本店と、地方税法上の「主たる事務所または事業所」の所在地を確認する |
| 控除が見込みより少ない | 税額控除に、寄附額の割合と納税額の割合の2つの上限がある | 寄附の前に、税理士に直近の納税額で試算してもらう |
| 事業年度に間に合わない | 適用は寄附日が属する事業年度。出納整理期間の扱いもある | 決算期から逆算して、町に早めに相談する |
| 寄附の見返りを期待する | 補助金・入札の便宜・換金性のある商品は禁止 | 寄附と、町との契約や補助金は別の手続きだと理解する |
| 物品の価額が決まらない | 価額は第三者間の通常の価額で、特定が難しい | 現金での寄附を基本にし、物品は町と税理士に事前相談する |
| 青色申告でない | 適用には青色申告書の提出が必要 | 申告の種類を、税理士に確認する |
| 公表の可否 | 町は同意した企業のみ公表。国は原則として公表 | 申出の段階で、公表の希望を町に伝える |
| 特例の期限 | 税額控除の特例は令和9年度まで | 複数年度での寄附を考える場合は、最新の制度を確認する |
向く企業、向かない企業
| 向く企業 | 理由 |
|---|---|
| 笠松町と縁がある企業(創業地、取引先、従業員の居住地、事業のつながり) | 内閣府が挙げるメリットに、創業地など縁のある地域への恩返し、地方公共団体との新たな関係の構築がある |
| 法人関係税の納税額が一定以上ある、黒字の企業 | 税額控除が活きるのは、納税額が十分にあるとき |
| 福祉、教育、産業振興、防災などの分野を社会貢献として支援したい企業 | 6分野から、自社の関心に合う事業を選べる |
| SDGsやESGの取り組みを示したい企業 | 内閣府のQ&Aは、SDGs達成に向けた取組みの推進、ESGに配慮した経営の遂行をメリットとして挙げている |
| 向かない企業 | 理由 |
|---|---|
| 笠松町内に本社がある企業 | 対象外 |
| 寄附の見返りとして、町からの補助金・入札上の便宜・特産品を期待する企業 | すべて禁止されている |
| 赤字で、法人関係税の納税額がほとんどない企業 | 税額控除が小さく、軽減の効果が限られる |
| 事業のために急いで資金を得たい企業 | これは企業が支出する制度で、受け取る制度ではない |
| 青色申告書を提出していない法人 | 適用の前提を満たさない |
補助金や個人のふるさと納税とは、何が違うのか
関連する仕組みと比較して、位置づけをはっきりさせます。
| 観点 | 企業版ふるさと納税(本制度) | 個人のふるさと納税 | 補助金・助成金 |
|---|---|---|---|
| 主体 | 法人 | 個人 | 事業者(国・自治体から受け取る側) |
| お金の流れ | 企業が自治体へ支払う | 個人が自治体へ支払う | 自治体や国が事業者へ支払う |
| 見返り | 禁止(感謝状、名称の紹介などは可) | 返礼品が認められる場合がある | 審査を経て交付される |
| 軽くなるもの | 法人住民税・法人税・法人事業税 | 所得税・住民税 | なし(事業費の一部の支援を受ける) |
| 手続き | 相談、申出、入金、受領証、申告 | 寄附、控除の手続き | 申請、審査、交付決定、実績報告 |
| 対象の前提 | 国が認定した地域再生計画に位置づけられた事業 | 自治体への寄附 | 制度ごとに定められた要件 |
「企業版ふるさと納税」という名前から、個人のふるさと納税の法人版だと理解されがちですが、返礼品がない点、本社所在地の自治体への寄附が対象外である点、国の認定を受けた計画に位置づけられた事業が対象である点で、仕組みが大きく異なります。
この制度と、補助金との関係についても整理します。企業が笠松町に寄附をしたからといって、その企業が町の補助金を受けやすくなることはありません。逆に、寄附をしたという理由で補助金を交付することは、禁止される例として明示されています。町内で事業を行う企業が補助金の活用を考える場合は、寄附とは別の手続きとして、制度ごとの公募要領に沿って進めることになります。
人材派遣型という、もう一つの使い方
内閣府の概要資料は、企業の人材を地方公共団体などへ派遣し、その人件費分の寄附をあわせて行うことで、「人材派遣型」としても活用できる、と紹介しています。内閣府のポータルサイトには、人材派遣型の概要、副業タイプの資料、Q&Aが掲載されています。笠松町のページには、人材派遣型についての記載はありません。笠松町でこの方法を検討したい場合は、町の窓口に、受け入れの可否を直接確認する必要があります。
よくある質問
| 質問 | 答え |
|---|---|
| 申請の締切はありますか | 補助金のような公募の締切はありません。町は寄附の相談を随時受け付けています。ただし、適用を受けたい事業年度の末日までに入金する必要があります |
| 最低いくらから寄附できますか | 町の案内では、1回あたり10万円からです |
| 本社が岐阜県内の別の市にあっても対象ですか | 対象になります。市町村が実施主体の事業では、本社が同じ市町村にあるかどうかで判断されます |
| 寄附の代わりに、町から特産品をもらえますか | もらえません。感謝状や、社会通念上許容される範囲の記念品の贈呈は許容されますが、換金性の高い商品などは禁止です |
| 受領証はいつ届きますか | 町の案内では、入金確認後に寄附金受領証明書を送付します |
| 税額控除は、どこで手続きしますか | 法人関係税の申告のときに、受領証を使って行います。税務の詳細は課税庁の情報、または税理士に確認してください |
| 町と取引がある企業でも寄附できますか | 原則として可能です。ただし、町が公正に手続きを行うことが前提です |
| 寄附の使い道を指定できますか | 町が示す6分野などから選べます。その他の分野や事業を希望する場合は、個別に相談できます |
| 現金以外でも寄附できますか | 物品での寄附も受け付けています。物品用の申出書を使い、価額の扱いは事前に確認してください |
| 寄附したことは公表されますか | 町は、公表に了承した企業のみ掲載しています。公表の希望は、申出のときに伝えてください |
| 令和10年度以降も使えますか | 現行の税額控除の特例は、令和9年度までの延長が示されています。それ以降は、最新の情報を内閣府のページで確認してください |
確認先
| 確認したいこと | 窓口 |
|---|---|
| 寄附の相談、寄附申出書、入金方法、受領証 | 笠松町役場 企画DX課 観光プロモーション担当 〒501-6181 岐阜県羽島郡笠松町司町1番地 電話058-388-1113 FAX 058-387-5816 メールkikaku@town.kasamatsu.lg.jp |
| 制度全体の詳細、Q&A、認定された計画の一覧 | 内閣府地方創生推進事務局の企業版ふるさと納税ポータルサイト(chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/kigyou_furusato.html) |
| 自社の控除見込み額、申告の手続き | 顧問の税理士、または所管の税務署 |
この記事は、制度の仕組みと、笠松町が公開している情報を整理したもので、個別の企業の税額や、控除の可否を判断するものではありません。寄附額の決定や申告の際は、税理士または所管の税務署へ必ず相談してください。ProdX Crowd編集部は、補助金・助成金・税制・認定などの制度情報を、公式資料にもとづいて整理して公開しています。
この制度を一言でいうと
「企業版かさまつ応援寄附金_地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」は、笠松町が実施する税制優遇です。対象の地域は笠松町・岐阜県です。
【企業版ふるさと納税とは】 企業版ふるさと納税は、国が認定した地方公共団体の地方創生の取り組みに対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税から税額控除する仕組みです。 令和2年度からは、地方創生のさらなる充実・強化に向け、税額控除の割合の引き上げや手続きの簡素化など、大幅な見直しが行われました。
受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。
| 制度名 | 企業版かさまつ応援寄附金_地方創生応援税制(企業版ふるさと納税) |
|---|---|
| 実施機関 | 笠松町 |
| 種類 | 税制優遇 |
| 対象地域 | 笠松町・岐阜県 |
| 受付期間 | 通年(随時)で受け付けています |
「企業版かさまつ応援寄附金_地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」の対象になる方
対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。
- 1地域笠松町・岐阜県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
- 2規模従業員数の制約は示されていません
| 確認すること | この制度の内容 |
|---|---|
| 地域 | 笠松町・岐阜県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本) |
| 規模 | 従業員数の制約は示されていません |
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 法人 | 法人が対象です。履歴事項全部証明書(登記事項証明書)と、直近の決算書が、基本の提出書類になります。 |
| 団体 | NPO・組合・団体も対象に含まれています。定款や規約、会員の名簿など、団体としての実態を示す書類が必要になることがあります。 |
| 納税 | 税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。 |
| 認定 | 認定・登録・承認を受けていることが、条件になっている場合があります。取得に時間がかかるものは、申請より先に手続きを始めます。 |
「企業版かさまつ応援寄附金_地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」の経費で気をつけたいこと
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 認定 | 認証・規格の取得に関する費用が含まれています。審査費用、コンサルティング費、更新費用のうち、どれが対象かを、制度の定めで確認します。 |
「企業版かさまつ応援寄附金_地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」の手続きの流れと日程
この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。
- 要件の確認対象設備・期限
- 認定・証明書の取得取得の前に
- 設備の取得事業に使い始める
- 決算利益の見通し
- 申告で適用特別償却・税額控除
「企業版かさまつ応援寄附金_地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」についてのよくある質問
Q&A企業版かさまつ応援寄附金_地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)
Q. 企業版かさまつ応援寄附金_地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の受付期間はいつですか?
通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。
この制度を検討するときの確認リスト
| 確認項目 | 状況 |
|---|---|
| 対象の地域(笠松町・岐阜県)に、事業所がある | □ はい □ いいえ |
| 交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない | □ はい □ いいえ |
| 後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている | □ はい □ いいえ |
情報の確認元:笠松町の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。
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