支援事例鍼灸・ヘルスケア / 付きっきりの工程を見直す

施術者が付きっきりになる工程を見直し、対応能力と人材育成時間を確保

複数の鍼灸院を運営し、一般の鍼灸や美容鍼灸を提供する事業者が、施術の途中で熟練者が手技を続ける工程があり、施術者が他の患者を同時に担当しにくいという課題を、電極低周波治療器などの導入で従来の一部の手技の工程を機器に置き換え、施術者が他の業務を進められる時間を確保する取り組みとして整理した事例です。機器による自動化の価値は、施術の件数だけではなく、熟練者が教育や高度な判断に時間を配分できることにもある、という点が読みどころです。

業種
鍼灸・ヘルスケア
支援テーマ
熟練者の工程の並列化
区分
公的支援制度・設備投資
公的支援制度
公的支援制度を活用
鍼灸・ヘルスケアのイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01PROBLEM

直面していた課題と、その本当の原因

施術の途中に、熟練した施術者が手技を続ける工程があります。そのため、その間、施術者は他の患者を同時に担当しにくくなっています。

つまり、施術者1名が患者1名に付き、施術が終わるまで拘束される構造でした。真因は、工程の中の、必ずしも熟練者の判断を必要としない部分にも、熟練者の時間が使われていることにあります。

  • 1見えていた課題施術者が付きっきりで、同時に複数を担当しにくい。
  • 2一段奥の原因工程の中に、熟練者が手を動かし続ける部分がある。
  • 3真因熟練者の時間が、判断よりも作業に多く使われている。

02PROBLEM TREE

課題を掘り下げる

目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。

  • 1施術者が拘束される付きっきりの工程。
  • 2同時に担当しにくい1対1の構造。
  • 3熟練者の時間が作業に使われる判断・教育に回せない。

03STRATEGY

選んだ打ち手と、その理由

支援では、電極低周波治療器などを導入し、従来の一部の手技の工程を機器に置き換えます。施術者が他の業務を進められる時間を確保するのが狙いです。

経営上の効果の仮説は、1日あたりの対応件数の拡大、熟練した施術者の負担の軽減、若手へのOJT、そして施術の工程の並列化です。機器による自動化で得られる価値は、施術の件数だけではありません。熟練者が、教育や、より高度な判断へ時間を配分できる点にも価値があります。

図解|付きっきりの手技 → 機器で一部を置き換え → 施術者の時間を確保 → 教育・高度な判断・並列化
  1. 1付きっきりの手技1対1で拘束
  2. 2機器で置き換え一部の工程
  3. 3時間の確保施術者が他の業務へ
  4. 4再配分教育・高度な判断・並列化

04ALT

なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較

施術者を増やして対応する選択は、確実ですが、採用と育成の費用がかかり、熟練者の時間の使い方は変わりません。

機器を導入して工程の一部を置き換える選択は、時間の再配分につながる可能性がありますが、安全性と適応の確認、見守りの体制が条件です。専門家の確認を経て、対象を限定して試す順序が現実的です。

05STAKEHOLDERS

関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか

工程の見直しは、複数の立場に関わります。

  • 1患者・利用者安全と安心を第一に、施術の質が保たれることを求める。
  • 2熟練した施術者手技の時間が減る分、教育や判断の役割が増える。
  • 3若手の施術者熟練者から学ぶ時間が増える一方、機器の扱いも学ぶ必要がある。

06ACTION STEPS

実行に向けた段階(目標)

事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。

  • 1専門的な確認安全と適応を確かめます。
  • 2対象の限定試す工程を決めます。
  • 3見守りの体制異常時の対応を決めます。
  • 4時間の再配分教育などに充てます。

07NOTE2

導入の判断に使う指標

専門的な確認が済んだ後で、導入の効果を経営の面から点検するときの指標を整理します。

件数だけでなく、安全に関する報告の件数、患者からの声、施術者の負担、若手の学びの時間を、あわせて記録します。

  • 1対応件数1日あたりの患者数の変化。
  • 2安全に関する報告異常の件数と対応の記録。
  • 3教育の時間OJTに使えた時間。
  • 4施術者の負担疲労や業務の偏り。
  • 5患者からの声説明の分かりやすさと安心感。
  • 6機器の保守点検の記録と不具合の対応。

08DIAGNOSTIC QUESTIONS

自社に当てはめるときの問い

熟練者の工程の見直しを考えるときの問いです。

  • 1熟練者の時間の何割が、判断であり、何割が作業か工程を分解して確かめます。
  • 2作業の部分を、安全に置き換えられるか専門家の確認を前提にします。
  • 3空いた時間を、何に使うか教育・高度な判断・件数のどれか。
  • 4監視と対応の体制は十分か異常時の対応を決めておきます。
  • 5効果の表現が、誤解を招かないか断定を避け、事実に限ります。

09POINT

読み方のポイント|熟練者の時間は、いちばん高い資源

熟練した人の時間は、限られた高価な資源です。その時間が、判断や教育ではなく、作業に使われていないかを点検することは、どの業種にも共通する視点です。

ただし、医療や健康に関わる領域では、効率よりも安全が優先されます。工程の見直しは、専門的な確認を経たうえで、安全が確保できる範囲に限って進める必要があります。

10HOW TO USE

自社の計画に使うときの読み方|熟練者の時間の使い方

この事例を、自社の検討に使うときは、業種の違いに引きずられず、構造を取り出して当てはめると役に立ちます。次の問いに、自社の場合を書き込んでみてください。

  • 1熟練者の時間のうち、判断に使う割合はどれくらいか作業と判断を分けて測る。
  • 2置き換えの対象は、専門家に確認済みか安全を前提にする。
  • 3空いた時間は、教育に使えているか若手の育成と結びつける。
  • 4効果の説明が、断定になっていないか表現を点検する。

11LEARNINGS

他社が学べること

熟練者が付きっきりになる工程の一部を見直すと、同時に担当できる範囲が広がるだけでなく、教育や高度な判断に時間を回せる可能性があります。

ただし、安全が最優先の領域では、専門的な確認と、見守りの体制を計画に含めることが前提です。

12SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 課題は、熟練者が手技を続ける工程で拘束され、同時に複数の患者を担当しにくいこと。
  • 打ち手は、機器により一部の手技の工程を置き換え、施術者の時間を他の業務へ振り向けること。
  • 施術の安全性・適応範囲・機器の使用条件などの専門確認が必要。治療や健康の効果は掲載しない。

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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

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