支援事例農業 / スマート農業・設備投資
GPS技術を活用し、農作業の効率と品質を高める生産体制へ。
複数の農作物を栽培する農業事業者が、植え付け・収穫の工程に必要な作業時間と人員、そして走行精度に起因する良品出荷率の低下という課題に向き合った事例です。GPS技術を使う農業機械の導入を、品質改善・出荷期間の短縮・生産余力の創出を一体で考えた設備投資計画として整理しました。

- 課題植え付け・収穫に人手が集中し、走行精度で品質も左右される。
- 支援した打ち手工程・走行精度・良品率・人員・投資効果を整理。
- 目指す状態GPS農機の導入による省力化と精度向上を計画。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01COMPANY
この企業の事業と、強み
この農業事業者は、複数の農作物を栽培しています。それらを見極めながら、生産する品目を柔軟に組み合わせてきました。中でも長芋や馬鈴薯は、植え付けと収穫の工程に多くの作業時間と人員を必要とします。農作業は時期が決まっており、特定の時期に作業が集中するため、その時期に必要な人手を確保すること自体が難しい状況でした。作業の負担が大きいだけでなく、人手の確保が難しいことは、栽培できる面積や品目の選択にも影響し、経営の幅を狭める要因になっていました。
02PROBLEM
直面していた課題と、その本当の原因
表面的には「人手が足りない」という課題ですが、検討すると、もう一つの論点が見えてきます。植え付けの走行精度が低いと、作物の位置にばらつきが生じ、収穫の際に作物を傷付けやすくなります。その結果、良品として出荷できる割合が下がります。つまり、作業の負担と作物の品質が、同じ原因でつながっていました。そこで、労働時間や人員配置の面と、良品出荷率の面を別々に考えるのではなく、植え付けの精度を高めることで、両方に効果が及ぶかという観点で整理しました。
- 1表面的な課題植え付け・収穫の作業に時間と人員が必要。
- 2本質的な課題作業が特定の時期に集中し、精度のばらつきが品質と出荷にも影響している。
- 3経営上の論点設備投資によって、労働負担と良品出荷率をどう改善できるか。
03STRATEGY
選んだ打ち手と、その理由
事業支援では、経営上、どの工程の改善が最も効果的かを確認しました。長芋や馬鈴薯の植え付けと収穫の工程について、作業にかかる時間と人員、作業が集中する時期、農機の走行精度と作物の損傷の関係を検討しています。そのうえで、GPS技術を利用する農業機械を導入した場合に、植え付けの精度、収穫時の損傷、良品出荷率、労働時間、人員配置、出荷時期がどう変わりうるかを整理し、設備投資と収益の関係を一つの計画としてまとめました。
作業の負担を軽くする方法として、人員を増やす選択肢もあります。しかし、繁忙期の人手の確保が難しい状況では、人員の増加だけでは解決が難しく、精度のばらつきという品質の課題も残ります。GPS技術を利用する機械であれば、作業の精度を高めながら、作業時間と人員の負担も軽減できる可能性があります。労働負担、品質、出荷の時期、生産の余力を同時に改善できる点から、設備投資を選ぶ方向で整理しました。
04ACTIONS
取り組みの具体像
実行に向けて、導入する機械の仕様と台数、作業の手順の見直し、オペレーターの習熟、作業時期ごとの人員配置、投資の資金計画を整理しました。良品出荷率や労働時間の改善見込みは、導入後に確認していく目標値として扱っています。
- 1植え付け工程の精度植え付けの列や間隔のずれは、後の収穫で作物を傷つける原因になります。走行のずれを減らすことが、収穫時の品質に直結する、という因果を工程の最初で押さえます。
- 2収穫工程と良品出荷率収穫時の傷や取りこぼしで、出荷できる割合がどれだけ下がっているかを確認します。精度の改善で上がる良品の割合が、投資効果の中心になります。
- 3GPS技術を利用する農業機械位置を正確に捉えながら走行する機械で、植え付けと収穫の精度をそろえます。作業者の経験や集中力に左右されない精度を、機械の側で確保します。
- 4労働時間と人員配置繁忙期に作業が集中する時間と人員を整理し、機械の導入で減る作業と、新たに必要になる作業を分けます。人の力を、機械では代わりにくい作業に回します。
- 5出荷時期の短縮作業が早く終わることで、出荷までの期間が短くなり、傷みや品質低下のリスクも減ります。出荷の時期が早まる効果を、収益の面からも整理します。
- 6生産余力の創出作業時間と人員に余裕が生まれた分を、栽培面積の拡大や新しい作物の挑戦に使う計画を描きます。余力を何に使うかまで決めておくと、投資の意味が明確になります。
05PUBLIC SUPPORT
公的支援制度の活用
今回の設備投資では、投資の規模を踏まえ、公的支援制度を資金計画の一つとして活用しました。事業の内容、導入する機械、実施の時期を整理したうえで、利用できる制度を確認し、活用しています。機械を導入すること自体ではなく、その投資によって作業と品質がどう改善し、経営がどう強化されるのかが伝わるよう整理しました。
06VISION
この取り組みが目指す姿
整理した取り組みは、GPS技術を利用する農業機械の導入による、植え付け・収穫工程の省力化と精度向上です。品質改善、出荷期間の短縮、生産余力の創出を一体で考えた設備投資計画であり、良品率や収益の改善見込みは目標値です。
07POINT
この事例から考えられること
省力化の設備は、「人を減らす」ためだけに考えると、効果の一部しか見えません。この事例のように、作業の精度が品質に影響し、品質が出荷の条件にまで及ぶ構造があれば、設備投資の効果は複数の面に広がります。投資を考えるときは、課題を「人手」「品質」「時期」に分けて捉え、それらがどうつながっているかを確認することが、投資の目的を明確にします。
農業機械への投資は、収穫の時期と作業の山に合わせて導入の時期を決める必要があります。導入前に、作業の記録を取り、現在の良品出荷率と作業時間を基準値として押さえておくと、導入後の効果を正しく見極められます。機械の操作に慣れる期間も、作業計画に織り込んでおきます。
08SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 植え付けの走行精度と、収穫時の品質が同じ原因でつながることを突き止めた。
- GPS技術を利用する機械で、精度と作業効率を同時に高める計画にした。
- 労働時間・人員配置・出荷時期の変化を、収益の面から整理した。
- 資金計画の一部として公的支援制度を活用し、生産余力の使い道まで描いた。
09RELATED SERVICES
関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
10RELATED CASES
関連する支援事例
「運ぶ」だけから、物流全体を支える事業へ。
倉庫・運送・システムを組み合わせた3PL事業を設計。
- 当初の課題
- 運送だけでは今後の成長に限界。
- 支援した打ち手
- 荷主ニーズ・倉庫・システム・投資・収益を整理。
- 目指す方向
- 倉庫・運送・システムを組み合わせた3PL事業を設計。
目視検品をAIカメラで自動化し、品質と生産性を両立。
AIカメラ搭載設備による検品工程の自動化を計画。
- 当初の課題
- 目視検品が複数人作業・ボトルネック・確認漏れの要因。
- 支援した打ち手
- 工程・作業時間・品質・設備仕様・投資効果を整理。
- 目指す方向
- AIカメラ搭載設備による検品工程の自動化を計画。
地方紙の制作工程をクラウド化し、記事共有による新たな提供価値へ。
業務効率化と媒体の付加価値向上を計画。
- 当初の課題
- 編集業務の工数と環境への依存が負担。
- 支援した打ち手
- 組版システム・クラウド化・記事共有を整理。
- 目指す方向
- 業務効率化と媒体の付加価値向上を計画。
同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

