支援事例物流 / 物流DX・新規事業

「運ぶ」だけから、物流全体を支える事業へ。

物流業界の構造変化と人手不足により、運送だけでは今後の成長に限界があると考えた企業の事例です。物流市場、荷主のニーズ、倉庫、在庫管理、システムを整理し、倉庫機能と運送機能とシステムを組み合わせた3PL事業を設計しました。公的支援制度を、投資計画の一部として活用しています。

業種
物流
支援テーマ
DX・AI
区分
公的支援制度・設備投資
公的支援制度
公的支援制度を活用
物流倉庫のイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01COMPANY

この企業の事業と、強み

物流業界では、荷主の要望の高度化、人手不足、運賃や燃料などのコスト環境の変化など、構造的な変化が続いています。運送を中心に事業を行ってきたこの企業も、運ぶ業務だけでは、今後の成長と収益の安定に限界があると感じていました。一方、荷主の側では、輸送だけでなく、保管、入出庫、在庫の管理までをまとめて任せたいというニーズがあります。このニーズに応えることができれば、運送だけの取引から、荷主の物流全体を支えるパートナーへと立ち位置を変えられる可能性があります。ただし、倉庫やシステムの投資を伴うため、事業としての成立条件を整理する必要がありました。

02PROBLEM

直面していた課題と、その本当の原因

3PL事業は、倉庫を持てば成り立つわけではありません。荷主が求めているのは、入庫、保管、在庫管理、出庫、配送までが一貫して管理され、状況が見えることです。そこで、荷主のニーズを整理したうえで、倉庫機能、運送機能、在庫を管理するシステムという三つの要素をどう組み合わせるかを検討しました。

  • 1表面的な課題運送だけでは成長に限界がある。
  • 2本質的な課題荷主の物流全体を支える機能が、自社に備わっていない。
  • 3経営上の論点倉庫・運送・システムをどう組み、投資に見合う収益にするか。

03STRATEGY

選んだ打ち手と、その理由

支援では、物流市場の変化と荷主のニーズを整理するところから始めました。荷主が求める機能を、保管、入出庫、在庫管理、配送に分けて確認し、自社が既に持つ運送の機能を活かせる領域と、新たに備える必要がある領域を区分しています。そのうえで、倉庫機能、在庫を管理するWMS、入出庫に使うハンディ端末などの設備、人員の配置を検討し、必要な投資と収益の見通しを整理しました。倉庫、運送、システムを一つの事業として組み合わせた3PL事業として事業計画をまとめ、荷主にどのような価値を提供するかを説明できる内容にしています。

運送の価格や条件で競う事業は、荷主の都合で取引が変わりやすい面があります。荷主の在庫管理や出荷の流れまで担えば、取引の関係が深まり、継続性も高まります。そこで、運送に倉庫とシステムを組み合わせ、荷主の物流全体を支える形を選びました。投資は必要になりますが、既存の運送の強みを活かせること、荷主のニーズが明確であること、システムによって業務の品質を保てることから、実現可能性があると判断しています。

04ACTIONS

取り組みの具体像

実行に向けて、倉庫の立地と規模、WMSとハンディ端末の導入、入出庫のオペレーション、人員の配置、荷主への提案内容、開始時期と段階的な拡大の順番を整理しました。システムの選定と運用ルールの整備を、早い段階で検討する項目としています。

  • 1物流市場|構造変化と人手不足運送だけの事業が、価格や条件で比べられやすくなっている状況と、人手不足が続く状況を整理します。運送に付加価値を重ねる必要性が、事業の出発点です。
  • 2荷主ニーズ|何を任せたいか荷主は、入庫、保管、在庫管理、出庫、配送を一貫して任せ、在庫の状況をいつでも見られることを求めます。ニーズを分解すると、必要な機能が決まります。
  • 33PLの範囲|担う業務の線引き倉庫の運営、在庫の管理、出荷の指示、運送のうち、どこまでを自社で担うかを決めます。荷主にとって分かりやすい範囲にすることが、契約のしやすさにつながります。
  • 4倉庫|保管と荷役の設計荷物の種類、保管の量、出入りの頻度から、倉庫の規模と配置を設計します。荷役の動線を短くすることで、作業の効率と安全を高めます。
  • 5在庫管理・WMS|状況が見える仕組み入出庫と在庫の情報を一つのシステムで管理し、荷主にも状況を共有します。在庫が見えることが、荷主の信頼と取引の継続を支えます。
  • 6ハンディ端末|現場での記録作業の現場で、入出庫を即時に記録する端末を導入します。記録の正確さと作業の速さを両立し、人の経験に頼らない運営にします。

05PUBLIC SUPPORT

公的支援制度の活用

今回の事業では、倉庫やシステムへの投資が必要になるため、公的支援制度を資金計画の一つとして活用しました。事業の内容、投資する設備とシステム、実施の時期を整理したうえで、利用できる制度を確認し、活用しています。申請用の事業計画でも、設備やシステムを導入すること自体ではなく、それによって荷主にどのような価値を提供し、事業がどう成長するのかが伝わる内容に整理しました。

06VISION

この取り組みが目指す姿

整理した事業は、倉庫機能と運送機能とシステムを組み合わせた3PL事業です。

07POINT

この事例から考えられること

業界の構造変化に対しては、現在の仕事を磨き続けるだけでなく、顧客の課題のどこまで担うかを考え直すことが有効です。この事例では、運送という既存の強みを核に、荷主が求める保管と在庫管理まで広げることで、取引の性質を変える道筋を整理しました。投資を伴う事業ほど、荷主のニーズ、提供する機能、投資と収益を一つにつなげて説明できることが大切です。公的支援制度も、その投資計画を支える手段の一つとして位置付けています。

3PLは、倉庫を持てば成り立つ事業ではありません。荷主が求める「一貫して管理され、状況が見えること」を実現する運営の質が決め手です。最初の荷主と運用の型を作り、システムと現場の作業の流れを調整しながら、受け入れる荷主を増やす進め方が確実です。

08SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 運送だけでは成長に限界があるという市場の構造を整理した。
  • 荷主の求める「一貫管理と見える化」を、必要な機能に分解した。
  • 倉庫・運送・システムの三つを組み合わせた3PLの範囲を設計した。
  • WMSとハンディ端末で、記録の正確さと作業の速さを両立する運営にした。
  • 資金計画の一部として公的支援制度を活用し、投資と収益の見通しを確認した。

09RELATED SERVICES

関連するサービス

※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

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同じような課題を検討している方へ

同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。