募集中地域・自治体の補助金

佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 第8弾(10/23〆)

実施機関
武雄商工会議所
募集期間
2026/09/25 〜 2026/10/23
地域
佐賀県

佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 第8弾(10/23〆)(武雄商工会議所)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

佐賀県の第8弾・生産性向上支援補助金は、「賃上げ」か「売上・利益の減少」を条件に、県内事業場の設備・システム・販路開拓の経費の3分の2以内(条件により4分の3以内)を支える

この補助金は、佐賀県の助成を受けて、公益財団法人佐賀県産業振興機構の佐賀県産業イノベーションセンターが実施する事業です。原材料・エネルギー価格の高騰や人材不足といった厳しい経営環境の中で、県内の中小企業者等が「生産性向上(高付加価値化・効率化)」に取り組む費用を支えます。募集は令和8年(2026年)9月25日(金)から10月23日(金)まで、郵便または宅配便での提出に限られ、持参とメールでの受付はありません。

ProdX Crowd編集部は、センターが公開している第8弾の公募要領(PDF)、Q&A(PDF)、募集ページ、チラシ(賃金UP・単身事業者支援枠用と持続可能設備支援枠用)を読み、武雄商工会議所の案内ページと突き合わせて整理しました。この記事を書いている2026年10月12日の時点で、締切の10月23日まで11日です。これから間に合わせる方にも、見送って次の機会に備える方にも使えるよう、判断の順番に沿って説明します。

先に、全体像を表にします。

項目内容(公募要領・募集ページより)
実施佐賀県産業イノベーションセンター補助金事務局(公益財団法人佐賀県産業振興機構)
目的県内中小企業者等の生産性向上(高付加価値化・効率化)の支援
募集期間令和8年9月25日(金)〜10月23日(金)。郵便は消印有効、宅配便は事業者が預かった日(受付日)が期限内であれば受理
枠賃金UP支援枠、単身事業者支援枠、持続可能設備支援枠の3つ
補助率3分の2以内が基本。条件を満たすと4分の3以内(枠により異なる)
上限額賃金UP支援枠は200万円(10%以上の賃上げを実施または予定なら400万円)、単身事業者支援枠は120万円、持続可能設備支援枠は400万円
下限額小規模事業者(個人)15万円、小規模事業者(法人)30万円、中小企業50万円(枠ごとに後述)
事業実施期間交付決定日から令和9年1月15日まで
支払い後払い(精算払い)。概算払いはできない
財源の記載チラシに「国の重点支援地方交付金を活用」とある

3つの枠のうち、自社はどこに入るのか

最初に決めるのは、枠です。枠によって、補助率、上限額、満たすべき条件、使える経費が変わります。公募要領は、従業員がいるかどうかで大きく二つに分けています。

枠従業員満たす条件の中心補助率上限額
賃金UP支援枠常時使用する従業員が1名以上令和7年11月22日以降に事業場内最低賃金を5%以上引き上げ、引き上げに伴う賃金を支給する3分の2以内。10%以上の賃上げを実施または予定なら4分の3以内200万円。10%以上の賃上げを実施または予定なら400万円
単身事業者支援枠常時使用する従業員がいない売上高10%以上減少、粗利益額3%以上減少、営業利益額3%以上減少のいずれか3分の2以内。伝統的地場産品製造事業者等は4分の3以内個人120万円、法人120万円(下限は個人15万円、法人30万円)
持続可能設備支援枠常時使用する従業員が1名以上令和7年11月22日以降に事業場内最低賃金を10%以上引き上げ、引き上げに伴う賃金を支給する3分の2以内400万円

ここで注意したいのが、枠同士の関係です。要領は、同一事業場について「賃金UP支援枠」と「持続可能設備支援枠」の両方を申請することはできないと明記しています。単身事業者支援枠は、1事業者につき1申請に限られ、複数の事業場をまとめて申請することもできません。

賃金UP支援枠と持続可能設備支援枠は、事業場ごとに申請できます。Q&Aは、県内に複数の事業場がある場合、事業場ごとの申請が可能だと答えています。ただし、その事業場で事業場内最低賃金を引き上げることと、その事業場で取り組む事業に限って経費が認められることが前提です。

賃金UP支援枠と持続可能設備支援枠の違いは何か

どちらも賃上げを条件にしますが、中身は別物です。持続可能設備支援枠は、事業者が持つ既存の設備や機械のうち、耐用年数を超えたもの、または購入後10年を経過したものについて、オーバーホールやメンテナンスで機能を回復・向上させ、エネルギーコストの削減、故障の予防、長寿命化によるライフサイクルコストの削減を図る取組を支えます。Q&Aは、この枠に当たる取組の例として、空調設備の清掃による省エネ化、機械設備のオーバーホール・メンテナンスによる機能向上・長寿命化を挙げています。

この枠だけに用意されている経費が、修繕費です。既存の建物付帯設備や機械の補修に係る経費で、賃金UP支援枠では計上できません。一方で、定期検査や法令検査にかかる費用は対象外です(Q&A)。「点検を受けるだけ」では足りず、機能向上や長寿命化につながる整備であることが必要です。

比べる点賃金UP支援枠持続可能設備支援枠
賃上げの下限5%以上10%以上
取組の方向デジタル活用の業務改善、生産の効率化、新商品開発・販路開拓古い設備の整備による長寿命化・省エネ化
修繕費計上できない計上できる(この枠のみ)
上限額の考え方200万円。10%以上の賃上げを実施または予定なら400万円一律に400万円
同一事業場での併願不可不可

賃上げの幅を10%以上に踏み込める事業場なら、賃金UP支援枠でも上限400万円・補助率4分の3の道があります。設備の新規導入や販路開拓が中心なら賃金UP支援枠、古い設備の手入れが中心なら持続可能設備支援枠、と取組の中身から選ぶのが自然です。

誰が対象になるのか:規模の区分と、対象外になる事業者

対象者は、佐賀県内に店舗や事業所を持つ中小企業者等です。募集ページは、次の三つを対象外としています。

対象外補足
農林漁業者必要な許認可等を取得して製造、加工、宿泊等の事業を行っている場合は、その事業部分だけが対象
医療福祉業者同上
常時使用する職員がいないCSOCSOは賃金UP支援枠のみ対象となり得て、単身事業者支援枠の対象ではない(Q&A)

要領は、さらに医療法人、社会福祉法人、農事組合法人、学校法人、宗教法人を対象にならない組織形態として挙げています。大企業が発行済株式の2分の1以上、または3分の2以上を所有している事業者、大企業の役員・職員を兼ねる者が役員総数の2分の1以上を占める事業者も、応募できません。Q&Aは、大企業の子会社でも法人として別に登記されていれば対象になるが、「みなし大企業」はなれないと説明しています。

小規模事業者と中小企業の区分は、何で決まるのか

補助金の下限額は、この区分で変わります。要領は、小規模事業者と中小企業を、業種と常時使用する従業員数で分けています。

業種小規模事業者(従業員数)中小企業(資本金または従業員数のいずれかを満たす)
商業(卸売・小売)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下卸売業は資本金1億円以下または6〜100人、小売業は5千万円以下または6〜50人、サービス業は5千万円以下または6〜100人
宿泊業・娯楽業20人以下宿泊業は5千万円以下または21〜200人、娯楽業は5千万円以下または21〜100人
製造業その他20人以下3億円以下または21〜300人(ゴム製品製造業は21〜900人)
ソフトウエア業・情報処理サービス業5人以下3億円以下または6〜300人

区分の判定で迷いやすい例を、Q&Aの回答から拾います。

状況回答の要点
製造業で従業員40人。佐賀本社30人、唐津営業所10人。唐津営業所は小規模か判定は企業全体の従業員数(この例は40人)で行う。小規模事業者ではなく中小企業
洋菓子の製造小売店、従業員10人製造した商品を自社店舗で消費者に売る場合は製造小売業で「小売業」に当たる。5人を超えれば中小企業。卸売りやECの比率が高ければ「製造業」で、20人以下なら小規模事業者
本社は県外だが県内に工場がある対象になる。ただし佐賀県内で取り組む事業に限る
県外で飲食店を営み、県内に新店舗を出す現在、県内に事務所や店舗がなければ対象にならない
整体院一般的な整体院は日本標準産業分類の「医療、福祉」に当たると思われ、対象外
薬局小売業として対象だが、保険調剤に係る事業を対象とした取組は対象外(公費の二重投入を避けるため)
NPO法人県がCSOに該当すると判断するNPO法人は対象。賃金UP支援枠のみ
農業者で、農産物の加工も行う必要な許認可等を取得して加工を行っている部分に限り対象
過去の第1〜7弾で採択された申請はできる。ただし同一事業・同一経費は対象外

「常時使用する従業員」の考え方も押さえてください。Q&Aによれば、予め解雇の予告を必要とする者を指し、次の人は含まれません。会社役員(従業員との兼務役員は含まれる)、個人事業主本人と専従者、申請時点で育児・介護・傷病休業中や休職中の者、日々雇い入れられる者(1か月を超えて雇用した場合を除く)、2か月以内の期間を定めて雇用される者、季節的業務で4か月以内の期間を定めて雇用される者、試用期間中の者(14日を超えて雇用した場合を除く)です。この数え方が、「賃金UP支援枠か単身事業者支援枠か」を分けます。

賃上げの条件は、どう読めばよいのか

賃金UP支援枠と持続可能設備支援枠の核は、「事業場内最低賃金」の引き上げです。Q&Aの定義では、事業場内最低賃金とは、その事業場における雇入れ後3か月を経過した常時使用する従業員のうち、最も低い時間当たりの賃金額をいいます。最低賃金法第7条の減額特例の許可を受けている従業員の賃金は、この「最低賃金」の対象になりません。

要件は三つで、すべてを満たす必要があります。

要件内容
引き上げ幅と時期令和7年11月22日以降に、事業場内最低賃金を5%以上(持続可能設備支援枠は10%以上)引き上げる
支給実績報告日または令和9年1月15日のいずれか早い日までに、引き上げに伴う賃金を支給している
地域別最低賃金いずれの時点でも、佐賀県の地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金を下回っていない

Q&Aは、引き上げ前の時点でも引き上げ後の時点でも、最低賃金を下回っていた事業者は補助対象にならないと答えています。「いまは下回っているが、引き上げで上回るから大丈夫」という理屈は通りません。武雄商工会議所の案内ページには、最低賃金改定のお知らせ(令和8年11月15日から)へのリンクも並んでいます。期間中に地域別最低賃金が改定されると、「いずれの時点でも」の確認が増えます。賃金台帳の時給を、改定後の額と並べて確認しておくと安心です。

賃金の計算に含めるもの、含めないもの

最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本的な賃金です。要領の別添とQ&Aは、次のように整理しています。

区分例
算定の対象になる賃金基本給、職務手当、住宅手当
算定の対象にならない賃金賞与、時間外勤務手当、休日出勤手当、深夜勤務手当、通勤手当、家族手当、皆勤手当、結婚手当などの臨時に支払われる賃金

迷う手当は、労働局等の所管機関に尋ねるよう要領が求めています。歩合給がある場合の算定は、Q&Aに手順があります。引き上げ前は、直近3か月の歩合給の合計額をその間の総労働時間で割ります。引き上げ後は、賃金を引き上げた月の歩合給額をその月の総労働時間で割ります。固定給との併給なら、これに固定給の時間当たりの額を足します。歩合給は月ごとに変動するため、引き上げ後の各期間でも、引き上げ前の事業場内最低賃金に所定の引き上げ額を加えた額以上になるよう設定するよう、Q&Aは注意を促しています。

仮の数字で引き上げ後の時給を確かめる

次の表は、仮の数字による計算例です。実際の最低賃金額とは関係がありません。

仮の引き上げ前の事業場内最低賃金(時給)5%以上の引き上げ後10%以上の引き上げ後
1,000円1,050円以上1,100円以上
1,100円1,155円以上1,210円以上
1,200円1,260円以上1,320円以上

同じ時給で働く人が複数いる場合は、全員を引き上げる必要があります(要領の※1)。また、最低賃金の人を引き上げた結果、これまで少し上だった人の賃金が追い越される場合は、追い越された人も、引き上げ前の事業場内最低賃金額から5%以上(持続可能設備支援枠は10%以上)引き上げます。ただし、その人がすでに引き上げ前の事業場内最低賃金額を5%以上(同10%以上)上回っていれば、この限りではありません。

引き上げの基準月に在籍していた従業員が、その後退職して申請時にいなくても、指定の期間内に引き上げと賃金の支払いの事実があれば要件を満たすと、Q&Aは答えています。

10%の賃上げと「実績が5%止まりだった場合」

賃金UP支援枠で補助率4分の3、上限400万円を使うには、令和7年11月22日以降に10%以上の賃上げを実施またはその予定がある必要があります。募集ページは、10%以上の賃上げには実績報告までの引き上げ予定も含むとしたうえで、実績として5%以上の引き上げにとどまった場合は、補助率は3分の2、上限額は200万円になると書いています。つまり、10%で申請して5%で終わっても要件割れにはなりませんが、受け取れる額は小さくなります。計画段階では、10%の引き上げを実際に払える見通しがあるかを、資金繰りと合わせて確認してください。

従業員がいない事業者の「単身事業者支援枠」では、何を示すのか

単身事業者支援枠は、常時使用する従業員がいない事業者のための枠です。賃上げの代わりに、業績が落ちていることを示します。次の三つのうち、いずれかに該当すれば要件を満たします。

比較の種類条件
売上高令和5年10月〜令和8年3月の連続する3か月の合計売上高が、令和2年10月〜令和5年9月の連続する同じ3か月と比べて10%以上減少
粗利益額同じ期間の比較で、合計粗利益額が3%以上減少
営業利益額直近の決算書の営業利益額が、過去4年度のいずれかの決算書の営業利益額と比べて3%以上減少

粗利益額は、売上高から、製造業は製造原価、卸売業・小売業などその他の業種は売上原価を引いた額です。この補助金の比較月の額では、期首・期末の棚卸有高を加減算する必要はありません。製造原価計算書や売上原価の計算がないときは、売上高から仕入額を引いた額で差し支えないとされています。法人は、比較月の売上高を、法人事業概況説明書の「売上(収入)金額」にしてよく、青色申告の個人は、所得税青色申告決算書の「売上(収入)金額」にしてよいと書かれています。比較する月の売上高や粗利益額がマイナスになる場合は「0」と記載します。

Q&Aは、売上の比較を具体例で説明しています。対象月に令和6年1月〜3月を選ぶなら、令和3年、令和4年、令和5年のいずれかの同じ1月〜3月を比較月に選び、対象月のほうが10%以上少なければよい、という考え方です。営業利益は、直近の決算書が令和7年度分なら、令和6年度、5年度、4年度、3年度のいずれかと比べます。決算期の都合で直近の決算書が令和6年度分になる場合も差し支えありません。

創業して間もない場合は、比較の仕方が変わる

令和5年8月以降に創業した事業者は、別の比較要件を使えます。要領は、創業後4か月(創業月を含む)のうち連続する3か月を基準にする方法と、申請時の前月を含む連続する3か月と比べる方法を示しています。売上高なら10%以上、粗利益額なら3%以上の減少が必要です。令和8年5月以降に創業した事業者は、3か月間での比較ができないため対象外です。

創業時期(要領の例)使う比較
令和5年8月創業、令和8年10月1日に申請対象月と比較月を、令和5年8月〜10月(または9月〜11月)の創業直後と、翌年以降の同じ3か月で比べる
令和7年10月創業、令和8年10月1日に申請申請時の前月を含む3か月(令和8年7月〜9月)を、創業後4か月のうち連続する3か月(令和7年10月〜12月または11月〜令和8年1月)と比べる
令和8年5月以降の創業対象外

提出書類は、法人なら売上台帳、試算表、法人事業概況説明書のいずれか、青色申告の個人なら売上台帳または青色申告決算書というように決まっています。対象月と比較月にマーカーを引いて提出するよう、要領の別添が求めています。

補助金はいくら受け取れるのか:仮の数字での計算

補助金額は、補助対象経費(税別)に補助率を掛けた額で、千円未満は切り捨てです。上限額と下限額の範囲に収まる必要があります。次の表は、仮の数字による計算例です。

ケース(仮の数字)計算補助金額
賃金UP支援枠・中小企業、経費150万円、補助率3分の2150万円×2/3100万円
賃金UP支援枠・中小企業、経費300万円、補助率3分の2300万円×2/3=200万円(上限200万円)200万円
賃金UP支援枠・中小企業、経費500万円、補助率3分の2500万円×2/3=333万円だが上限200万円200万円
賃金UP支援枠・10%以上の賃上げ予定、経費400万円、補助率4分の3400万円×3/4300万円(上限400万円の範囲内)
同上、経費600万円600万円×3/4=450万円だが上限400万円400万円
持続可能設備支援枠・中小企業、経費450万円450万円×2/3300万円(上限400万円の範囲内)
単身事業者支援枠・法人、経費90万円、補助率3分の290万円×2/360万円(上限120万円の範囲内)
賃金UP支援枠・小規模事業者(個人)、経費30万円30万円×2/320万円(下限15万円を上回る)

この表の見方で大事なのは、上限額に届く経費の目安です。補助率3分の2なら上限200万円は経費300万円、上限400万円は経費600万円で届きます。補助率4分の3で上限400万円なら、経費およそ533万円(400万円÷0.75)で届きます。これより大きな投資をしても、補助金の額は増えません。

下限額も落とし穴です。中小企業の下限50万円は、補助率3分の2なら経費75万円以上に相当します。小規模事業者(法人)の下限30万円は経費45万円以上、小規模事業者(個人)の下限15万円は経費22.5万円以上です。Q&Aは、下限額を下回る事業は申請できないとし、交付申請時に下限額以上でも、実際の購入時の値引きや振込手数料の控除で最終的に下限額を下回れば、補助対象にならないと注意しています。下限ぎりぎりの計画は、値引き交渉のたびに危うくなります。

補助金は後払いです。Q&Aは、先払い(概算払い)はできないと答えています。たとえば経費300万円の設備を入れれば、いったん300万円を支払い、補助金200万円が入るのは実績報告の後です。消費税は補助の対象外のため、消費税分は補助金で戻りません。

どんな事業が対象になるのか

補助対象事業は、佐賀県内で実施する、生産性向上(高付加価値化・効率化)に挑む意欲的な取組です。ただし、展示会など県外で行う必要がある事業は、実施場所を県内に限りません。

区分取組の例(要領・Q&Aより)
生産性向上(高付加価値化・効率化)デジタル技術等を活用した業務改善、生産の効率化、新商品開発や販路開拓など売上向上につながる取組
Q&Aが挙げる具体例事務システムや生産管理システムの導入、機械設備の導入・代替、地元食材を使った土産品の開発、自動車整備業者による整備対応項目の拡充、宿泊業者によるワーキング対応の客室改装、ECサイト構築、展示会出展、チラシ配布や各種広告などの事業広報
設備持続可能化(持続可能設備支援枠)耐用年数を超えた、または購入後10年を経過した既存の建物付帯設備・機械のオーバーホール・メンテナンスによる長寿命化、省エネ化

チラシは、対象事業のイメージとして、生産管理システム導入による業務効率化、多機能調理設備の導入による新商品の開発、業務用高性能掃除機の導入による作業効率化、デジタル活用による作業時間の短縮、防犯システム導入による省人化を示しています。

対象にならない事業

要領は、次の事業計画は不採択または交付取消になるとしています。

対象にならない事業ポイント
公募要領にそぐわない事業目的に合わない取組
国・県・他の自治体や民間団体等の委託や補助等の採択や支援を受けている事業同じ事業での二重の支援は不可
計画書・申請書の大半を外注先や委託先が作成し、申請者が内容を掌握していない場合申請者自身の理解が必須
建築・購入した施設・設備を自ら占有せず、特定の第三者に長期間貸すような事業自社の事業に使うことが前提
公序良俗に反する事業、風俗営業等に関する事業、暴力団関連、政治団体・宗教上の組織による事業対象外
重複案件同一事業場の2件目以降の申請、他の申請者の申請書と酷似している申請
虚偽の内容を含む事業、申請要件を満たさない事業対象外

Q&Aは、現在行っている事業と関連しない新事業展開や業種転換は対象にならないと、繰り返し述べています。例として「不動産会社が飲食店事業を新たに展開」が挙げられています。新しく飲食店を開く計画でも、まだ営業許可証が取れていない場合は、取得でき次第の提出でよいとされていますが、そもそも新事業展開に当たる計画は対象外です。

また、Q&Aは、食材高騰で利益が減った飲食店の「減少分の補填」を求める問いに対し、この制度は補助金であって、単に減少した売上や利益を補填するものではないと答えています。

対象経費はどこまでか:区分ごとの線引き

要領は、経費を次の区分に分けています。補助事業のために専ら使うもの、事業遂行に必要なものであることが共通の考え方です。

経費区分内容の要点気をつける点
機械装置・システム構築費専ら補助事業のための機械装置、工具・器具の購入・製作。専用ソフトウエア・情報システムの購入・構築。これらと一体の改良、工事、据付け、運搬HPやECサイトの開設費は含まない。3者以上の中古流通業者から型式・年式つきの見積合わせをしていれば中古設備も可。50万円(税抜)以上は処分制限財産になり得る
広報費チラシ等を自作するための経費、広告事業者に直接支払う広告媒体費企画・制作・デザイン・放送を一括で頼むなら委託費。広報が補助事業期間の後になるものは対象外
展示会等出展費新商品等の展示会出展、商談会参加の経費BtoC型(物産展・直売会等)は対象外。賞への応募費用、飲食費を含む参加費も対象外。県や佐賀県産業イノベーションセンターから出展料の助成を受ける場合の出展料は対象外
開発費試作品・包装パッケージの試作開発に伴う原材料、設計、デザイン、製造等原材料は必要最小限で、完了時に使い切るのが原則(90%以上使えば全量が対象)。受払簿が必要。販売目的の生産・調達は対象外
資料購入費事業遂行に必要不可欠な図書等1冊(税抜)10万円未満、1種類につき1部まで
雑役務費臨時に雇い入れた人のアルバイト代、派遣料、交通費作業日報や労働契約書が必要。通常業務に従事させる雇い入れは対象外
借料事業に直接必要な機器・設備のリース料・レンタル料契約が補助事業期間を超える場合は期間分のみ
専門家謝金指導・助言を受けた専門家への謝礼(源泉徴収があるもの)申請書類の作成代行費用は対象外。事前に業務内容を書面で取り交わし、実績報告で日時・場所・指導内容の記録が必要
委託費HP・ECサイトの制作、市場調査など自分で実行困難な業務の委託契約書で成果物が補助事業者に帰属すること
外注費(工事費)店舗の改装、車両の改修など請負工事50万円(税抜)以上の外注工事は処分制限財産になり得る。看板設置は県の屋外広告物条例の手続が必要
運搬費運搬料、宅配・郵送料機械装置の運搬料は機械装置・システム構築費に含める
研修費事業遂行に必要な教育訓練・講座受講費事業計画に研修名、実施主体、内容、受講費、受講者を書く。入学金、交通費、滞在費は対象外
修繕費既存の建物付帯設備・機械の補修持続可能設備支援枠のみ
その他エコタイヤの導入(購入費と車両への取付工賃)貨物自動車運送事業者が事業用車両(緑・黒ナンバー)に装着する場合に限る

対象にならない経費

補助対象にならないものも、要領に具体的に挙がっています。

対象外の経費例・補足
事務所の家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費固定的な運営費は対象外
旅費、通信費、消耗品代、雑誌購読料、団体等の会費電話代、インターネット料金、クラウドサービス利用費に含まれる付帯経費も対象外
不動産の購入費(建物の増築を含む)、株式の購入費対象外
税理士・公認会計士への税務申告等の費用、弁護士費用対象外
振込手数料、代引手数料、両替手数料、収入印紙、公租公課、各種保険料対象外
借入金の支払利息、遅延損害金対象外
事業計画書・申請書・報告書等の作成・提出に係る費用申請代行の費用は補助されない
事業に係る自社の人件費(雑役務費を除く)対象外
汎用性があり目的外使用になり得るもの事務用のパソコン、プリンタ、文書作成ソフト、タブレット、スマートフォン、デジタル複合機、家具、一般車両(乗用車・トラック等)
始期と終期が確認できないクラウド利用料・広告料補助事業の期間を確認できない費用
過去の事業と同一の事業(同一経費)令和3〜7年度の県の関連事業で採択されたもの。第1〜7弾も含む

パソコンやタブレットの扱いは、実務で最もよく迷う点です。Q&Aは、専用のものかどうかで判断するとしています。認められる例は、作業指示書や現場帳票をデジタル化するために、工場内にタブレットを複数台導入する場合です。工場内で使うことに客観性があるためです。認められない例は、機会損失の削減による売上拡大を狙って、社用スマートフォンを人数分導入する場合です。営業以外への使用が十分考えられるためです。

同じように、キッチンカーは、補助事業の遂行に必要な車両として購入費が認められる一方、設備が容易に取り外せないものであることが求められ、車両購入に伴う法定費用は対象外です。レッカー車や保冷車なども、使用目的が補助事業の遂行に必要であれば認められ、営業車など汎用性の高いものは対象外です。コンテナハウスは、随時かつ任意に移動できない状態で倉庫や事務所として設置すると建築物に当たり、不動産として対象外になります。基礎工事は、必要性がわかる資料を出せば対象になり得ます。顧客管理システムは対象になり、老朽化した冷蔵庫の買い替えも、生産性向上に必要であれば対象になります。

見積、発注、支払いのルールは何か

この補助金で失敗しやすいのは、事業の中身より、見積と支払いの手続です。要領の第9・10項から、押さえる点を整理します。

場面ルール
補助対象になる見積金額1件10万円(税抜)以上のものに限る。少額の物品は、同一業者にまとめて発注する前提で見積を取り、合計が10万円(税抜)以上になれば対象
相見積すべての見積で2者以上。取れない場合は「一者選定理由書」(交付要綱 別紙3)。申請者自身が相見積の業者に依頼する。発注予定の業者に取らせたものは認められない
中古品型式・年式が同等程度の物品について原則3者以上。難しい場合は、2者の見積に加えて理由書
最低価格以外を選ぶ選定理由書と価格の妥当性を示す書類が必要。市場価格とかけ離れていると対象外
明細「○○一式」とせず、工事なら工事費内訳書(中項目まで)、システム構築なら人件費単価や工数がわかるもの
県内事業者の優先佐賀県ローカル発注促進要領に基づき、県内事業者の活用に努める。県内事業者のほうが高い場合はローカル発注調書(交付要綱 別紙4)
発注売買契約等を結ぶことに努める。困難なら請書や見積書でも可
支払い方法銀行振込(ネットバンキング含む)、クレジットカード、現金。電子マネー(pay払い等)、小切手、手形は不可
支払い名義補助事業者名義(法人は法人名)の口座。クレジットカードは法人名義または代表者名義に限る
証拠書類振込依頼書、振込画面のコピー、領収書。レシートは不可
手数料振込手数料は自己負担。相手が負担した場合は、手数料分を値引きしたものとして減額
時期補助申請前に支出した経費は対象外。交付決定日以降に発生(発注・契約等)した経費のみ対象

クレジットカードの場合、代金が預金口座から引き落とされた日が支払日になります。ただし、カード決済の時点で受注業者から領収書が発行されていれば、その領収書の日付を支払日とみなします(Q&A)。事業期間内に引き落としまで完了させる必要があるので、年末年始をまたぐ支払いは特に注意が要ります。

年間パックなどで補助事業期間を超える契約を一括払いした場合は、補助事業期間に対応する分を按分して算出します(Q&A)。申請時点の金額算定には、カタログや通販サイトの画面のコピーでも構いませんが、実績報告時には正式な見積書が必要です。また、交付決定後に再見積もりで経費が増えても、補助金の増額は認められず、増加分は自己負担です。経費が減った場合は、補助金額が再計算されます。

申請書類は何をそろえるのか

提出は1部で、書類は返却されません。申請者側でコピーを控えとして保管してください。様式書類以外は、原本ではなく写しを出します。

区分書類対象の枠
申請書補助金交付申請書(様式第1号の1)全枠
事業実態登記事項証明書(履歴事項全部証明書、申請日から3か月以内)、最新の確定申告書別表第1の写し、営業許可証の写し(必要な業種のみ)全枠
従業員数法人事業概況説明書(法人)、青色申告決算書または収支内訳書(個人)全枠
賃金賃金台帳の写し(引き上げ前と、引き上げに伴う賃金の支払いが発生した最初の月)賃金UP支援枠、持続可能設備支援枠
業績減少売上減少、粗利益減少、営業利益減少のいずれかを証明する書類単身事業者支援枠
事業内容・金額見積書、カタログ等。相見積書または一者選定理由書。必要に応じてローカル発注調書全枠
設備の経過年数固定資産台帳等持続可能設備支援枠
導入前の状態設備導入前(導入場所)の写真。賃貸物件に施工を伴う場合は賃貸借契約書の写しまたは貸主の承諾書全枠(必要に応じて)
誓約書暴力団排除等の誓約書(交付要綱 別紙1)全枠
該当者のみ伝統的地場産品製造事業者等要件確認書、エコタイヤ型式確認書、申立書(従業員がいないことの申立書など)該当する場合

法人の所在地は登記上の住所、個人は現住所を書きます。個人事業主でも、自宅以外に店舗や事務所があればその住所を誓約書に書くようQ&Aが答えています。確定申告書の作成がない場合(設立後で決算期や申告時期を迎えていないなど)は、法人設立届書や個人事業の開業届出書など、営業実態が客観的に確認できる資料を付けます。

提出期限までに必要な書類がそろっていないと、期限後の追加提出や修正が認められず、書類不備として扱われる場合があります。要領は、期限までに提出された書類については、必要に応じて追加提出や修正を依頼することがあるとも書いており、「期限までに、とにかく全部そろえて出す」ことが重要です。申請書のチェックシートは提出不要ですが、書類が揃っているか確認するために使うよう、Q&Aが勧めています。

審査では、何が見られるのか

採択は先着順ではありません。提出期限までに出された申請書が、有識者等で構成される審査委員会で審査されます。審査委員の氏名や審査の経過・内容は公表されず、結果への問い合わせにも応じてもらえません。採択決定を行った申請者名と事業計画名は、センターのホームページに一定期間公開されます。

要領の審査基準は、次の構成です。

項目見られる点
補助対象事業としての適格性応募者が補助対象者か。補助対象事業の要件を満たすか。過去に補助を受けた事業と異なるか。申請中・応募中の他の補助金の事業と異なるか。資金調達内訳、経費内訳総括表、事業経費積算書の額が整合しているか。暴力団等と関係しないか
事業実施の必要性等現状と課題の把握が的確か。課題に対して事業の必要性があるか。事業計画が課題解決のために妥当か。体制と予算が整っているか。実現可能性に客観性があるか。見込まれる効果が十分か。補助金の目的に合致しているか
加点補助対象経費の100%を佐賀県内事業者から調達していること

「資金調達内訳」「経費内訳総括表」「事業経費積算書」の三つの数字が合っているかは、形式的なようで、審査で最初に落ちやすい点です。見積書の金額、申請書の経費、補助金額の計算が、一桁も違わず一致するように確認してください。

事業計画の書き方について、要領は、現況(強み・弱み、機会・脅威、事業環境、申請事業の必要性)を要点を絞って簡潔に書き、補助事業に取り組む効果として、生産性や付加価値がどう向上するかを簡潔に書くよう求めています。補足資料の分量に制限はありませんが、要点を絞った必要最低限の資料にするようにとあります。

外部の支援者を使うときの注意

要領の冒頭の注意事項は、外部の支援者の使い方について、はっきり書いています。認定経営革新等支援機関を含む外部の支援者の助言を受けることは差し支えない一方、事業計画は申請者が主体的に作成する必要があります。作成自体を申請者以外が行うことは認められず、申請者自らが検討しているような記載が見られない場合や、検討していなかったことが発覚した場合は、不採択または交付決定の取消になります。不適切な行為の例として、サービス内容とかい離した高額な成功報酬の請求、金額や条件が不透明な契約、費用の水増しを教唆することが挙げられています。

一方で、Q&Aは、認定支援機関の確認は必須だと答えています。一般的には、地域の商工会、商工会議所、金融機関、税理士事務所などが認定されており、事業所の所在地域の機関である必要はなく、県外でもかまいません。要領の第14項は、補助金交付申請書の作成にあたって認定経営革新等支援機関に相談するよう求めています。外部の力を借りても、申請書の内容を自分の言葉で説明できる状態にしておくことが条件、というのがこの制度の考え方です。

締切から逆算すると、日程はどうなるのか

要領とQ&Aに書かれた日程を、時系列に並べます。2026年10月12日が今日です。

時期できごと根拠
令和8年9月25日(金)募集開始要領・募集ページ
10月12日(月)現在締切の10月23日まで11日本記事の作成日から数えた日数
10月23日(金)提出期限。郵便は消印有効、宅配便は事業者の受付日が期限内ならよい要領 第8項
提出期限から概ね30日後(10月23日から数えると11月22日頃)交付決定の予定募集ページ(交付決定は提出期限から概ね30日程度を予定)
申請締切から1か月後頃採択・不採択の通知(申請者全員に事務局から通知)要領 第15項
交付決定日以降発注・契約・支払いなど、経費が発生してよい時期の始まり要領、Q&A47
令和9年1月15日(金)事業実施期限。賃金UP・持続可能設備の枠では、引き上げに伴う賃金の支給もこの日までか実績報告日のいずれか早い日まで要領 第4項、第3項
事業完了から30日以内、または事業期限のいずれか早い日実績報告書の提出要領 第4項
最大で約15日の延長(令和9年1月31日まで)やむを得ない事情がある場合に申出書を出して認められた場合募集ページ、要領 第4項
実績報告書の提出後、1か月〜1か月半程度補助金の支払い(額の確定通知と請求書の提出を経る)Q&A74

交付決定が11月下旬になるとすると、事業に使える期間は、令和9年1月15日までのおよそ7〜8週間です(11月22日から1月15日までは54日)。この短さが、この補助金の最大の実務上の制約です。設備の納期、工事の日程、システム開発の工数が、この期間に収まらなければ、期限までに事業を完了できません。要領は、期日までに事業が完了する見込みがない事業計画は補助事業として認められないと明記しています。

申請の段階で、納期の長い機械を検討している場合は、納入予定日を販売会社に確認し、1月15日より余裕を持った日程になるかを確かめてください。年末年始の休業も、納品、支払い、振込の日程に響きます。また、事業完了の日は、事業が完了し、その経費の支払いが完了した日です。賃金UP支援枠・持続可能設備支援枠は、賃金引き上げに伴う支給日が後になれば、その日が事業完了日になります(Q&A79)。

交付決定を受けた後の手続にも期限があります。交付決定から20日以内に事業の実施が困難になった場合は「辞退」、20日を超えてから辞める場合は「廃止」で、廃止なら、それまでに支出した経費は対象になりません(Q&A34・49)。事業の内容や経費の配分を変えるときは、事前に承認が必要です。

つまずきやすい点は何か

つまずき起きること避け方
交付決定前に発注・支払いをしたその経費は補助対象にならない交付決定の通知を待ち、その日以降に契約・発注する
納期が間に合わない令和9年1月15日までに事業が終わらず、補助事業として認められない納期・工期を申請前に確認し、余裕を持たせる
見積が10万円(税抜)に満たないその経費は補助対象にならない少額の物品は同一業者にまとめて見積を取る
相見積を発注予定の業者に取ってもらった申請者が個別に依頼したものとみなされない自分で相見積の業者に依頼する
支払いに電子マネーやレシートを使った支払い・証拠として認められない銀行振込か、法人名義のカードで、領収書を受け取る
振込手数料を相手に持たせた手数料分が値引き扱いで減額され、下限を割る場合は対象外手数料は自社で負担する
汎用品(事務用PC、スマートフォン等)を計上した目的外使用が考えられるとして対象外専ら補助事業に使う客観的な根拠(設置場所、用途)を示す
賃金台帳の時給計算に賞与や残業代を入れた事業場内最低賃金の算定が誤りになる基本給、職務手当、住宅手当などの対象賃金だけで計算する
引き上げ前も後も、最低賃金を一度でも下回った補助対象にならない地域別最低賃金の額と時給を並べて確認する
10%で申請し、実績が5%止まり補助率は3分の2、上限は200万円になる10%の引き上げ原資を事前に確保する
申請書の数字が書類間で合わない適格性の審査で不利になり得る見積書、経費内訳、補助金額の計算を最後に突き合わせる
取得した設備を事業以外に使った目的外使用として、残存簿価相当額等の納付が求められる事業計画に書いた事業にのみ使う。50万円以上の設備にはステッカーを貼る
申請書の作成を外部に任せきりにした内容を説明できず、不採択や交付決定の取消になり得る内容を自分で把握し、事務局の問い合わせに自ら答える

補助金で取得した財産には、処分制限があります。単価50万円(税抜)以上の機械等は、処分制限期間内に、補助目的に反する使用、譲渡、交換、貸付け、担保提供、廃棄などをするときは、事前に事務局の承認が必要です。処分する場合は、残存簿価相当額または時価(譲渡額)により、補助金額を限度に納付します。また、50万円以上の設備・備品には、県が作成するステッカー(縦4cm×横10cm)を見やすい場所に貼る義務があり、50万円以上の設備がなければ、最も高額な設備1つに貼ります。経理の証拠書類は、交付年度の終了後5年間保存します。補助事業で相当の収益が生じたと認められたときは、補助金の全部または一部に相当する金額の納付を求められることもあります。

この補助金が向く会社、向かない会社

向く会社理由
すでに賃上げを実施した、または近く実施できる事業場がある令和7年11月22日以降の引き上げが要件になっており、すでに引き上げ済みのものも対象になり得る
設備、システム、販路開拓の投資を、2か月ほどで終えられる交付決定から事業期限までが短く、納期の読める投資が向く
既存事業の生産性を上げる取組である新事業展開や業種転換は対象外
見積・相見積・証拠書類をそろえる事務の体力がある手続の厳格さが、この補助金の特徴
県内事業者から調達できる補助対象経費の100%を県内事業者から調達すると加点
一人で事業をしていて、売上や利益が減っている(単身事業者支援枠)賃上げの代わりに業績減少で申請できる
古い設備の整備で、光熱費の削減と長寿命化を狙う(持続可能設備支援枠)修繕費が対象になる唯一の枠
向かない会社理由
農林漁業のみ、医療福祉のみを営む事業者対象外(許認可を取得した加工等の部分のみ例外)
県内に事業所や店舗がまだない事業者現在県内にない場合は対象外
業績が減っていない一人事業者単身事業者支援枠の要件を満たせない
賃上げの原資を確保できない事業場賃金UP・持続可能設備の枠の入口に立てない
交付決定を待たず、先に発注したい事業交付決定前の経費は対象外
納期が令和9年1月末を超える大型設備事業期限に完了しない
他の補助金で同じ経費を申請している事業同一経費の重複は対象外
補助金の前に、まず資金繰りを埋めたい後払いで、概算払いがない

他の制度や、過去の公募との関係はどうなるのか

Q&Aは、国の業務改善助成金の交付を受けていても、この補助金の申請は可能だと答えています。ただし、国や自治体、団体等が実施するほかの補助金等で対象とする経費と同一のものは、補助対象になりません。要領の事業計画の不採択要件にも、国、県、他の自治体、民間団体等の委託や補助等の採択や支援を受けている事業が含まれています。「制度が違えば併用できる」のではなく、経費と事業が重ならないかを一件ずつ確認する、という運用です。

過去の公募との関係では、第1〜7弾で採択された事業者も申請できます。一方で、令和3年度から令和7年度に実施された、中小企業新事業チャレンジ支援事業、中小事業者新事業展開設備導入支援事業、佐賀型賃金UP支援事業、佐賀県中小企業生産性向上支援事業(第1〜7弾)、佐賀県多様な人材確保環境整備事業(第1〜4弾)で採択されたものと同一の事業(同一経費)は、対象外です。過去に入れた設備の「次の段階」の投資なら申請でき、同じ設備の再申請はできない、という線引きです。

同一の法人や個人でも、佐賀県内に複数の事業場があれば、事業場ごとに申請できます。個人事業と法人の両方で事業を行っている場合は、それぞれで申請できます(Q&A55)。ただし、同一事業場が複数申請した場合の2件目以降の申請分は、重複案件として対象外です。

補助金の名称が似ていても、公募ごとに要件が変わる点も覚えておいてください。第8弾では、賃上げの基準日が令和7年11月22日、引き上げの下限が5%、売上・利益の比較期間が令和2年10月〜令和5年9月と令和5年10月〜令和8年3月など、日付と数字が具体的に決まっています。過去の弾の知識をそのまま当てはめず、この弾の要領で確かめてください。

よくある質問

質問回答(公募要領・Q&Aに基づく)
先着順ですか先着順ではありません。提出期限までに出された申請書を、審査委員会で審査して採否を決めます
下限額を下回る事業でも申請できますかできません。購入時の値引き等で最終的に下限額を下回った場合も、補助対象になりません
申請の前に払った経費は対象ですか対象外です。交付決定日以降に発生(発注・契約等)した経費だけが対象です
事業期間の後に払った経費は対象ですか対象外です。事業実施期間内に支出まで完了する必要があります
消費税は補助されますか消費税及び地方消費税は対象外です。税抜で申請します
補助金は先に受け取れますか先払い(概算払い)はできません。精算払いで、実績報告書の提出後、1か月〜1か月半程度での支払いが目安です
見積書は1者でもよいですかすべての見積で2者以上が原則です。困難または不適当な場合は一者選定理由書を出します(例は、特許品など取扱店が1店のみの場合、定価販売品など)
ネット通販で設備を買えますか買えます。申請時はカタログや画面のコピーでも構いませんが、実績報告時に正式な見積書が必要です
交付決定後に別の設備へ変えられますか事情の検討が必要です。まず事務局へ連絡し、必要なら変更承認申請の手続きを経ます
申請書は何部ですか1部です。書類は返却されないため、控えを保管します
郵送と宅配便で期限の扱いは違いますか郵便は期限日の消印まで、宅配便は事業者が預かった日(受付日)が期限内なら受理されます。追跡できる方法(簡易書留など)で出します
不採択の理由を教えてもらえますか審査の経過・内容(審査委員の氏名、点数、不採択理由等)の問い合わせには応じられません
事業計画名はどう書きますか取り組む事業の概略がわかる名称にします
設置場所が決まっていませんが、導入前の写真は必要ですか申請時に決まっていなければ不要ですが、実績報告では設置前後の写真が必要です
年間契約を一括で払うと全額が対象ですか補助事業期間に対応する分を按分した額だけが対象です
事業を途中でやめられますか事前に廃止承認申請書を出して承認を受ければ可能です。それまでに支出した経費は補助対象になりません

提出先・問い合わせ先と、公式資料の入手先

申請書は、郵便(簡易書留など追跡できる方法)または宅配便で、次の宛先へ出します。

項目内容
提出先〒849-0932 佐賀県佐賀市鍋島町八戸溝114 佐賀県産業イノベーションセンター補助金事務局 第8弾佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 担当 宛
電話(第8弾専用)0952-37-0197
電話(その他)0952-37-1688
受付時間平日9時〜16時30分(12時〜13時を除く)
FAX0952-37-0367(要領記載)
公式の募集ページhttps://sagaperch.jp/news/000426.php
取得できる資料交付要綱、公募要領、様式一式(3枠)、記載例(3枠)、Q&A、チラシ、賃金台帳の参考様式、従業員がいないことの申立書

この記事で整理したのは、2026年9月25日付の公募要領とQ&Aの内容です。要領には、必要に応じて改定されることがあり、申請時には最新の情報を確認するよう書かれています。数字や条件の細部は、センターの募集ページに掲載された最新の交付要綱と公募要領で、申請の前にもう一度確かめてください。同じ補助金の案内は、武雄商工会議所のお知らせページにも掲載されており、対象者、対象事業、経費、上下限額、募集期間が要約されています。

最後に、補助金の申請を手伝うと称して、補助金の受給を持ちかけたり、高額な報酬を求めたりする業者に注意するよう、募集ページには「補助金の不正受給を持ち掛ける業者に関する注意喚起」も載っています。補助事業者の自己負担額を減額または無償とするような販売方法(キックバック等)や、補助金受給額を不当に釣り上げて関係者へ報酬を配分する行為は不正行為に当たり、交付決定の取消、加算金つきの返還、事業者名や代表者名の公表の対象になると、要領は述べています。

ProdX Crowd編集部は、補助金の締切が迫ったときほど、書類の数字と日程の確認が最も効くと考えています。賃上げの基準日、見積の取り方、納期の三点を先に確かめ、そのうえで申請するか、次の機会に回すかを判断してください。

この制度を一言でいうと

「佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 第8弾(10/23〆)」は、武雄商工会議所が実施する補助金・助成金です。対象の地域は佐賀県です。

佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 第8弾(10/23〆) | 補助金・助成金関係 | 公式|武雄商工会議所 ご利用の Internet Exproler は古すぎます。 あなたがご利用の Internet Explorer はすでにサポートが終了しているため、正しい表示・動作を保証しておりません。 古い Internet Exproler はセキュリティーの観点からも、 新しいブラウザに移行する事が強く推奨されています。

受付の期間は、2026年9月25日から2026年10月23日まで。

制度名佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 第8弾(10/23〆)
実施機関武雄商工会議所
種類補助金・助成金
対象地域佐賀県
受付期間2026年9月25日から2026年10月23日まで

「佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 第8弾(10/23〆)」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域佐賀県
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域佐賀県
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
中小企業中小企業者・小規模事業者の定義に当たることが条件です。業種ごとに、資本金や従業員数の上限が決まっています。自社が当たるかを、定義の表で確認します。

申請の方法と、そろえる書類

この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
商工会議所商工会議所・商工会・支援機関が関与する手続きがあります。窓口の予約や、確認書の発行に、日数がかかる場合があります。

「佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 第8弾(10/23〆)」の手続きの流れと日程

この制度の受付は2026年9月25日から2026年10月23日まで。締切の2026年10月23日から逆算した、準備の目安は次の表のとおりです。

手続きの流れ
  1. 申請計画書・見積書を提出
  2. 審査1〜3か月
  3. 交付決定ここから発注できる
  4. 発注・実施期間内に支払いまで
  5. 実績報告証拠書類を提出
  6. 検査・確定補助額が決まる
  7. 入金お金が入るのは最後

発注・契約は「交付決定」の後。お金が入るのは、最後の「入金」です。

時期(目安)やること
2026年8月23日ごろ公募要領を読み、対象かどうかを確認する
2026年9月7日ごろ見積書の依頼、電子申請のアカウント取得、決算書・納税証明書の準備
2026年9月22日ごろ事業計画書の作成を始め、第三者(商工会議所・よろず支援拠点など)にも見てもらう
2026年10月15日ごろ書類の最終確認。入力を前倒しで済ませる
2026年10月23日受付の終了日。この日までに提出が完了していること

「佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 第8弾(10/23〆)」についてのよくある質問

Q&A佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 第8弾(10/23〆)

経営者のイメージ写真
経営者

Q. 佐賀県中小企業生産性向上支援補助金 第8弾(10/23〆)の受付期間はいつですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

2026年9月25日から2026年10月23日まで。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(佐賀県)に、事業所がある□ はい □ いいえ
受付期間(2026年9月25日から2026年10月23日まで)に間に合う□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:武雄商工会議所の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関等のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。