募集中出資

中小企業投資育成株式会社による投資

実施機関
東京中小企業投資育成株式会社・名古屋中小企業投資育成株式会社・大阪中小企業投資育成株式会社
募集期間
通年(随時受付)
地域
全国

中小企業投資育成株式会社による投資(東京中小企業投資育成株式会社・名古屋中小企業投資育成株式会社・大阪中小企業投資育成株式会社)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

中小企業投資育成は、補助金ではなく「株式を引き受ける出資制度」。使い方を間違えなければ、経営権と承継の土台になる

この記事で取り上げる「中小企業投資育成株式会社による投資」は、補助金でも助成金でもありません。国の中小企業政策に基づいて設立された会社(東京・名古屋・大阪の3社)が、中小企業の株式、新株予約権、新株予約権付社債を引き受け、自己資本を充実させる出資の制度です。返済する借入れとは仕組みが違い、返さなくてよい補助金とも違います。出資を受けた会社は、株主として投資育成会社を迎え、配当を支払い、株主総会に出席してもらう関係になります。

中小機構のJ-Net21は、この制度を「種類:出資」「分野:経営改善・経営強化」「地域:全国」「実施機関:東京・名古屋・大阪の中小企業投資育成株式会社」として掲載しています(掲載日は2026年4月27日)。J-Net21のページに書かれている説明は、中小企業が、株式、新株予約権、新株予約権付社債の引受けとコンサルティングを通じて、自己資本の充実と健全な成長発展を図ることができる、という短い文章です。

この記事では、東京中小企業投資育成株式会社(SBIC)が公開している制度の説明、よくある質問、ご利用までの流れ、事業承継の事例を読んで、何ができる制度なのか、どんな会社が使えるのか、使った後に何が起きるのかを整理します。名古屋と大阪の会社の公式ページは、今回の調査では読めませんでした。両社の営業エリアや条件の細部は、各社に確認が必要です。

まず、制度の骨格を表にします。

項目東京中小企業投資育成のページで確認できた内容
制度の性格補助金ではなく、株式等を引き受ける出資。中小企業投資育成株式会社法(1963年6月10日 法律101号)に基づいて設立・活動する政策実施機関
引き受けるもの普通株式・種類株式、新株予約権、新株予約権付社債。自己株式の引受けや追加投資も、必要に応じて可能な場合がある
対象の会社原則として資本金3億円以下の株式会社。事業基盤があり、安定的な配当を実施できる収益力があること。公序良俗に反しない、投機的な事業を行っていない企業
投資の上限額金額について特段の定めはない。ただし、総議決権数の半分を超える株式の引受けは行わない
申込みから投資まで一般に、おおむね2〜3か月
投資後安定的な配当、株主総会の開催、決算・議案の事前説明が求められる
問い合わせ先(東京)03-5469-1811(平日10:00〜17:00。セールス目的の電話は不可と明記)

この制度は、何のために使うのか

投資育成のページが前面に出しているのは、「資金が足りない」という悩みよりも、「株式の持ち方」の悩みです。資本政策の課題として、次の4つの型が挙げられています。

課題の型ページにある典型的な悩み投資育成が示す解決の方向
経営権確保社長・後継者の議決権比率が低く、経営権に不安がある。株主に関係の良くない人がいる投資育成の出資と経営者の持株を合わせて、経営権を安定させる
事業承継・経営承継後継者を支える安定株主がいない。経営者1人が大半の株式を持っていて移転が進まない。親族外の役員への承継を進めたいが、株主構成の作り方に悩んでいる投資育成が安定株主になり、承継を総合的に支援する
株式の分散元役員・従業員が株式を持ったまま退職した。相続で遠い親族に株式が散らばった。高齢の株主の引き取り手がいない。特定の株主から買取請求が来ている分散した株式を集める方法をアドバイスし、長期安定株主として機能する
その他従業員持株会を作りたい・解散したい。子会社が親会社の株式を持っている。組織再編の助言が欲しいその他の資本政策の助言に応じる

補助金は、事業の経費に対して交付されます。これに対して投資育成は、会社の株主構成そのものを設計し直すために使われることが多い制度です。資金調達は、そのうちの1つの側面にあたります。

補助金・借入れ・投資育成は、何が違うのか

「資金を得る」という点で、補助金や借入れと並べて考えられがちですが、性質は違います。ここでは、投資育成のページに書かれていることだけを使って、違いを表にします。

比べる点補助金投資育成(出資)
何を受け取るか事業の経費に対する交付金会社が発行する株式等の引受け(資金の払込み)
相手との関係交付する側と受ける側株主と会社。投資育成は長期安定株主になる
見返り事業の実施と報告毎期の安定的な配当、株主総会への出席、決算・議案の事前説明
経営への関与事業の実施内容に条件がつく経営干渉や役員派遣は行わず、原則として会社の議案に賛成する方向で議決権を行使すると、ページに書かれている
期間事業期間・報告期間が決まる株式の保有期間は特に設けていない
審査で見るもの事業計画の内容など、公募ごとの基準経営者の能力、設備・技術の優位性、事業の特長・成長性、営業力、財務の健全性、収益力と計画の実現可能性など

「返さなくてよい」という点だけを見て、補助金と同じ感覚で申し込むと、投資後の配当や株主との関係の重さに驚くことがあります。株主が1人増えるという意味を、経営者が理解したうえで進める制度です。

使える会社の条件は、どこまで読めるのか

ご利用の条件は、東京中小企業投資育成のページに、次のように書かれています。

条件内容
会社の種類株式会社
資本金投資前の資本金が3億円以下(原則)。すでに投資を受けている会社は、資本金が3億円を超えていても追加投資が可能
業種全業種。ただし、公序良俗に反するもの、投機的なものは除く
収益力事業基盤があり、安定的な配当を実施できる収益力があること
審査所定の審査がある。経営資料の作成・提示、社長や幹部役職員、取引先、取引金融機関などへのヒアリングを依頼される

資本金が3億円を超える会社でも、特例の法律に基づく場合は、新規投資の対象になることがあります。ページには、次の法律が挙がっています。

特例の根拠として挙がっている法律
下請中小企業振興法
中小企業労働力確保法
新エネルギー法
大学等技術移転促進法
中心市街地活性化法
中小企業経営強化法
物流総合効率化法
地域未来投資促進法
農林漁業バイオ燃料法
研究開発力強化法
アジア拠点化推進法
産業競争力強化法
5G促進法
経済安全保障推進法

ページは、特例法による資本金基準の例外については、投資育成に直接確認するよう案内しています。自社が、これらの法律に基づく計画の認定などを受けているかどうかは、各法律の所管窓口の資料で確認し、そのうえで投資育成に相談します。

引き受けの条件は、株式と新株予約権付社債で違う

ご利用の種類を、ページの記載に沿って表にします。

種類引き受けるもの価額の考え方上限の目安
株式会社が発行する普通株式・種類株式1株あたりの予想利益をもとに、企業の将来性を総合的に判断して評価する(原則)増資後の議決権総数の50%以内(原則)で相談に応じる
新株予約権付社債新株予約権が付いた社債。新株予約権のみの引受けも可能新株予約権の行使価額は、株式の引受価額と同じ方式で算出する新株予約権をすべて行使したとした場合の議決権総数の50%以内

「新株予約権」とは、一定期間、あらかじめ決めた価額で新株を引き受けることができる権利のことです。この権利が付いた社債が「新株予約権付社債」です。ページによると、この仕組みを使って、資金調達の方法や株主構成を柔軟に設計したり、ストックオプションを実現したりできます。

新株予約権の行使について、よくある質問のページには、次の説明があります。会社法の上では、新株予約権を行使するかどうかは、引き受けた側が決めます。ただし、投資育成は、行使にあたって必ず発行会社と事前に相談するとしています。事業環境が変わり、資本金を増やしたくない時期に、突然行使される心配はない、という説明です。

株価は、どう決まるのか

引受株価について、ページは次のように説明しています。国税庁と中小企業庁が合意した算式で、1株あたりの予想利益をもとにした収益還元方式により算定します。この株価での引受けは、税務上も適正な時価によるものとして取り扱われる、と書かれています。申込み前に、投資育成に依頼すれば、自社の株価を算定してもらえます。

計算の考え方を、仮の数字で示します。実際の株価は、投資育成の算定で決まります。ここでは議決権の変化だけを見ます。

仮の数字増資前投資育成が新株300株を引き受けた後
発行済株式数1,000株1,300株
社長と後継者の持株(仮に400株)40.0%約30.8%
投資育成の持株0%約23.1%
社長・後継者と投資育成の合計40.0%約53.8%
外部の株主(仮に600株)60.0%約46.2%

この仮の例では、社長と後継者だけでは過半数に届かなかった議決権が、投資育成との合計では過半数を超えます。同時に、外部株主の比率も下がります。投資育成のページが「経営権の安定化」と呼んでいる効果は、この計算のことです。ただし、投資育成は議決権の過半数を取ることはなく、上限は総議決権数の半分以内です。

申込みから、資金の払込みまでの流れ

ご利用までの流れは、6つの段階で示されています。

段階内容会社が用意するもの
ご相談事業の概況、増資計画などを尋ねられる最近3期分の決算書、株主名簿
お申し込み投資決定に必要な資料を提出する事業計画書、事業経歴書、役員等の略歴、製品カタログなど
審査経営方針、事業計画、事業内容、収益の見通しを聞かれる。帳簿や工場の確認、取引先への聞き取りなども行われる経営資料、ヒアリングへの対応
投資決定引受けの可否と条件を、投資育成会社の役員会で決める条件の確認
資金払込み株式や新株予約権付社債の発行手続きと、資金の払込み発行の手続き書類
プレス発表払込みの後、新聞等に発表される公表内容の確認

申込みから投資までの期間は、一般にはおおむね2〜3か月とされています。急ぐ場合は、別に相談するよう書かれています。プレス発表が最後に入る点は、見落としやすいところです。取引先や金融機関に、投資育成の出資を事前にどう説明するかも、段取りに含めておきます。

審査では、何を見られるのか

投資育成の規則(東京中小企業投資育成株式会社事業に関する規則の抜粋)に、株式の引受けの相手方を選ぶ基準が書かれています。基準は2つです。事業が成長発展する見込みがあること、そして、経営基盤の強化などの努力をしていると認められることです。この基準を判断するため、次の項目を審査すると定められています。

審査項目見られること
経営者・経営管理層のマネジメント能力社長や幹部が、会社を動かせるか
設備・技術の優位性・独自性他社に真似しにくい強みがあるか
事業の特長・競争優位性・成長性事業が今後伸びる見込みがあるか
営業・販売力売る力があるか
財務の健全性決算の内容は健全か
収益力と事業計画の実現可能性配当を支払える収益力と、計画が実現できそうか
その他、審査に必要な事項個別の事情

よくある質問のページは、担保力に頼らない資金調達についても答えています。成長性と収益力を中心に、企業の総合力を評価して株式を引き受けるので、担保力の有無は判断要素の1つにすぎない、という説明です。独自の技術を持っているが担保になるものがない、という会社に向く、という位置づけです。

出資を受けたあと、何が必要になるのか

出資後の関係は、投資育成のページに、次のように書かれています。

項目内容
配当毎期、安定的な配当を期待される。金額は、ご利用の前に相談して決める。体力に応じた長期の安定した配当を求める、という考え方。業績によって増配も減配もありうると書かれている
株主総会定時株主総会を開く。投資育成も株主として出席する。会社の自主性を尊重し、原則として会社の提案・議案に賛成する方向で議決権を行使する
事前説明決算の内容と議案を、株主総会の前に投資育成へ説明する
経営への関与経営干渉や役員の派遣は行わない
上場義務づけられない。上場の意志の有無にかかわらず利用できる。上場を目指す場合は、資本政策や内部管理体制の整備について助言する
公認会計士の監査2001年4月から任意になった

投資育成が持つ株式は、原則として長期間の保有が前提です。保有期間に定めはありません。ただ、長期間の保有の後、株式公開も安定配当の見通しも立たない場合は、相談のうえで、投資育成が持つ株式を譲渡することがあります。

保有株式を譲渡するときの条件

ページには、投資育成が保有株式を譲渡するときの条件も書かれています。保有株式を、投資育成の株式評価方法で算定して全部譲渡する場合、譲渡後の株主構成のうち、原則として3分の1以上が「機関投資家等」になるように、譲渡先を選んでもらうとされています。「機関投資家等」には、従業員(持株会)、金融機関、取引先などが含まれます。出口についても、最初の相談の段階から、考え方を聞いておくとよい部分です。

事業承継で、どう使われるのか

投資育成のページには、事業承継の事例が、相談者の悩みと投資育成の提案、結果の形で載っています。事例の中身を、表に整理します。

事例相談者の悩み提案された内容結果として書かれていること
親族内承継(65歳の社長)長男を後継者に育てたいが、経営者としては力不足に見える投資育成への第三者割当増資。後継者が「若手経営者の会」「次世代経営者ビジネススクール」に参加。社長の株式は今後、事業承継税制の活用を検討後継者に自覚が生まれた。株式の引継ぎ方針が決まり、親族も社長も安心した
親族内承継(60代の会長)経営は長男に譲ったが、株式が親族や社外に分散している。買い集める資金もない投資育成の資本参加による経営権の確保。第三者割当増資で、会長・社長・投資育成の合計で55%の議決権を確保経営の機動性を確保でき、その他の株主からの株式の集約にも着手した
親族外承継(MEBO)子どもがいない。生え抜きの役員に引き継ぎたいが、役員に株式を買い取る資力がない。上場やファンドは望まない投資育成ならではの独自の親族外承継(MEBO)プランの立案と実行保有株式の資金化と引継ぎが進み、役員持株会・従業員持株会の設計で、株式承継の問題を恒久的に解消する形になった

別の事例として、ページは、次のような整理の例も挙げています。

事例課題解決の内容
第三者割当増資による経営権の安定化社長と現経営陣の持株比率が低く、議決権の過半数を確保できていない。相続でさらに分散する懸念がある投資育成に第三者割当増資を実施。会長・社長・投資育成で議決権の過半数(55%)を確保
自己株式の取得による整理退職した元従業員など社外の個人株主が20名いる。取引先の議決権比率が3分の1を、銀行が5%を超えてしまった社外個人株主の株式を自己株式化して20名を5名に整理。従業員持株会を組成し、自己株式を従業員持株会と投資育成が取得。取引先の比率を3分の1未満、銀行を5%に抑え、役員・従業員持株会・投資育成の合計で3分の2を超えた
親族外承継(持株会社方式)次期経営陣に買取り資金がない次期経営陣と投資育成で持株会社を設立し、創業者の株式を買い取る。創業者は株式の売却で利益を得て引退する

これらは、投資育成のページが紹介している事例であり、すべての会社に同じ結果が出るわけではありません。ただ、「誰が議決権を持つか」を設計する制度という性格は、はっきり読み取れます。

つまずきやすい点

制度の説明を読んだうえで、申込みの前に確認しておきたい点を、表にします。

つまずきやすい点何が起きるか先に確認すること
議決権の比率を計算せずに相談する投資後の持株比率が想定と違い、経営権が思ったほど安定しない現在の株主名簿をもとに、投資後の議決権の比率を試算しておく
配当の負担を軽く見る毎期の配当が、資金繰りの重荷になる相談の段階で、無理のない配当の水準を決めておく
株主総会を形式的に済ませている投資育成は株主として出席し、事前説明も求める株主総会の運営と決算の説明の体制を整える
取引先・金融機関への説明を後回しにする払込み後にプレス発表があり、関係先が驚く発表の前に、主要な関係先へ説明する時期を決める
資本金の条件を確認しない資本金が3億円を超えると、原則として新規投資の対象にならない資本金の額と、特例法の該当の有無を確認する
出口を考えない長期保有の後の株式の行き先が決まらない譲渡の条件(機関投資家等の3分の1以上)を事前に聞く
決算書や株主名簿を準備せずに相談する最初の相談が進まない最近3期分の決算書と株主名簿を揃える

向いている会社、向いていない会社

制度の性格から、向き不向きを整理します。

向いている会社理由
後継者への承継を控え、議決権の分散が不安な会社投資育成が長期安定株主になり、経営者と合わせた議決権で経営権を安定させられる
担保になる資産が少ないが、事業の成長性と収益力がある会社担保力ではなく、成長性・収益力を中心に総合力が評価される
上場は考えていないが、自己資本を厚くしたい会社上場は義務づけられていない
従業員持株会を作りたい、分散した株式を整理したい会社株式の集約や持株会設計の助言が受けられる
経営の自主性を保ちたい会社役員の派遣や経営干渉は行わないと、ページに書かれている
向いていない会社理由
すぐに、少額の資金を用意したい会社申込みから投資までは、一般におおむね2〜3か月かかる
配当を出せる収益力がまだない会社安定的な配当を実施できる収益力が、条件に挙がっている
株式会社でない事業者(個人事業主、一部の法人形態)対象は株式会社
資本金が3億円を超え、特例法にも当たらない会社原則として新規投資の対象外
株主を増やしたくない、すべての議決権を家族だけで持ちたい会社投資育成が株主になることが、制度の前提

補助金や税制と、どう組み合わせるのか

事業承継の事例では、投資育成の出資と、事業承継税制の活用が、同じ事例の中で触れられています。親族内承継の事例では、社長が持つ株式を、今後、事業承継税制を活用して後継者へ移動する方針、と書かれています。投資育成による経営権の安定と、税制による株式移転の負担の調整を、役割を分けて組み合わせる使い方です。投資育成の事業承継のページには、事業承継税制や補助金を活用すれば、税負担を抑えて後継者へ引き継げる場合がある、という趣旨の説明もあります。

手段主な役割窓口
投資育成の出資長期安定株主の導入、自己資本の充実、株主構成の設計東京・名古屋・大阪の中小企業投資育成株式会社
事業承継税制株式を後継者に移すときの税負担の調整要件や手続きは、国税の窓口や所管の資料で確認
事業承継に関わる補助金承継後の設備投資などの経費の支援各制度の公募要領で確認

どの手段を使うかは、会社の株主構成と承継の時期で変わります。投資育成のページは、いずれの手段についても、詳細は各窓口に確認するよう案内しています。

東京・名古屋・大阪の3社は、どう分かれているのか

投資育成会社は3社あり、よくある質問のページには、3社は中小企業投資育成株式会社法に基づいて設立された姉妹会社で、営業エリアが異なると書かれています。3社の投資先企業が参加するビジネス交流会を開くなど、ネットワークを活かした活動も行っているとあります。

どの会社に相談するかは、本社の所在地によって決まるのが一般的ですが、各社の営業エリアの細かい区分は、今回読んだ東京のページには載っていませんでした。自社の本社所在地を管轄する会社を、次の方法で確認してください。

確認方法内容
東京中小企業投資育成に電話03-5469-1811(平日10:00〜17:00)。管轄エリアを尋ねる
東京中小企業投資育成のお問い合わせフォームホームページの「お問い合わせ」から。資本政策や経営承継の相談を受け付けている
資料請求機関誌「そだとう」のバックナンバーなど、各種資料を無料で郵送する旨が書かれている
J-Net21の制度ページ3社の名前が実施機関として掲載されている。詳細情報へのリンクがある

投資後の経営支援は、出資とセットで付いてくる

投資育成のページには、出資とあわせて、経営の相談やコンサルティングも行うことが書かれています。ここでは、出資の本体ではなく、出資を受けた会社が受けられる付随的な内容として、概要だけを紹介します。

内容ページにある説明
経営相談経営者の良き相談相手になる。ご相談があれば、コンサルテーション事業を通じて経営改善を手伝う。事業運営は会社の自主性を尊重する
後継者育成若手経営者の会、次世代経営者ビジネススクール、階層別研修(役員・管理職・リーダー向け)を、投資先企業向けに行う
人脈づくり社長会、研修会・講演会、国内外の視察会などを開いている

これらの催しの日程や料金は変わるため、この記事には載せません。投資を受けるかどうかの判断は、あくまで、株主として投資育成を迎えることの意味で行い、付随的な催しは、出資後に使える内容として受け止めるのが、無理のない読み方です。

よくある質問

Q. 補助金のように、返さなくてよいお金ですか。補助金ではありません。出資ですので、投資育成は株主になります。毎期の安定的な配当を求められ、株主総会にも出席します。株式は原則として長期保有ですが、のちに、株式の譲渡について相談することがあります。

Q. 経営権を取られてしまいませんか。投資育成のページによると、総議決権数の半分を超えることになる株式の引受けは行いません。経営干渉や役員の派遣も行わず、会社の議案には原則として賛成する方向で議決権を行使するとされています。ただ、株主が増えることには変わりないため、株主間の取り決めは、相談のなかで確認してください。

Q. 上場を考えていなくても利用できますか。利用できます。投資育成は、安定した配当を期待して投資する場合、上場を義務づけることはないと、ページに書かれています。

Q. 資本金が3億円を超えていたら、あきらめるしかありませんか。原則は3億円以下ですが、特例の法律に基づく場合は、3億円を超えていても新規投資の対象になることがあります。すでに投資を受けている会社の追加投資も可能です。特例の該当は、投資育成に直接確認してください。

Q. 申込みから、お金が入るまでどのくらいかかりますか。一般には、おおむね2〜3か月です。急ぐ場合は、別に相談します。

Q. 金額の上限はありますか。金額について特段の定めはなく、お申込み企業と相談して決めます。ただし、議決権の半分を超えることになる引受けは行いません。

Q. 自社の株式を、投資育成に引き受けてもらえますか。自己株式(金庫株)の引受けは、お申込み企業の資本政策などによって、可能な場合があります。投資育成に直接相談してください。

Q. 株価は、どう決まりますか。国税庁と中小企業庁が合意した算式で、1株あたりの予想利益をもとにした収益還元方式により算定されます。この株価での引受けは、税務上も適正な時価として扱われると、ページに書かれています。

Q. 今すぐ使えるかどうかを、知るには、どうすればよいですか。最近3期分の決算書と株主名簿を用意して、投資育成に相談するところから始まります。制度の基本の条件は、このページと、東京中小企業投資育成のよくある質問で確認できます。

最初の相談の前に、整理しておくこと

最後に、相談の前に整理しておくと、話が進みやすい内容を、表にします。

整理すること具体的な内容
目的経営権の安定、事業承継、株式の集約、自己資本の充実のうち、何を最優先にするか
株主の状況株主名簿をもとに、誰が何%を持っているか。高齢の株主、退職者、遠い親族の株式はどれくらいか
承継の時期後継者は決まっているか。経営を譲る時期の目安
資本金現在の資本金の額。3億円以下か
収益力最近3期の利益と、配当を支払える水準
関係先への説明取引先、金融機関、従業員に、どの順序で説明するか
書類最近3期分の決算書、株主名簿、事業計画書、事業経歴書、役員の略歴、製品カタログ

中小企業投資育成の出資は、補助金のように公募期間が決まっているわけではなく、会社の都合で相談を始められる制度です。そのかわり、一度株主を迎えると、長い付き合いになります。まず、東京中小企業投資育成(03-5469-1811)または、自社の本社所在地を管轄する投資育成会社に連絡して、自社の株主構成と目的に合うかどうかを、相談してみてください。

ProdX Crowd編集部では、補助金の公募だけでなく、補助金以外の公的な制度についても、公式の資料から読み解く記事を書いていきます。

この制度を一言でいうと

「中小企業投資育成株式会社による投資」は、東京中小企業投資育成株式会社・名古屋中小企業投資育成株式会社・大阪中小企業投資育成株式会社が実施する出資制度です。対象の地域は全国です。

中小企業は中小企業投資育成株式会社による株式、新株予約権、新株予約権付社債の引受け、コンサルテ ィングを通じて、中小企業の自己資本の充実とその健全な成長発展を図ることができます。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名中小企業投資育成株式会社による投資
実施機関東京中小企業投資育成株式会社・名古屋中小企業投資育成株式会社・大阪中小企業投資育成株式会社
種類出資制度
対象地域全国
受付期間通年(随時)で受け付けています

「中小企業投資育成株式会社による投資」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域全国
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域全国
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
株式会社法人が対象です。履歴事項全部証明書(登記事項証明書)と、直近の決算書が、基本の提出書類になります。
中小企業中小企業者・小規模事業者の定義に当たることが条件です。業種ごとに、資本金や従業員数の上限が決まっています。自社が当たるかを、定義の表で確認します。

「中小企業投資育成株式会社による投資」の経費で気をつけたいこと

この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
コンサル専門家への謝金や指導費が含まれています。依頼する専門家の資格や、支援機関の登録の要件が決まっていることがあります。契約書に、支援の内容・回数・金額を書いておきます。

「中小企業投資育成株式会社による投資」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 必要性の整理資金・関与
  2. 制度の確認要件
  3. 窓口へ相談事業計画の説明
  4. 審査数か月
  5. 出資の決定株主として参画

「中小企業投資育成株式会社による投資」についてのよくある質問

Q&A中小企業投資育成株式会社による投資

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経営者

Q. 中小企業投資育成株式会社による投資の受付期間はいつですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(全国)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:東京中小企業投資育成株式会社・名古屋中小企業投資育成株式会社・大阪中小企業投資育成株式会社の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。