募集中税制

企業版ふるさと納税を募集しています

実施機関
三春町
募集期間
通年(随時受付)
地域
福島県・三春町

企業版ふるさと納税を募集しています(三春町)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

三春町の企業版ふるさと納税は、受け取る補助金ではなく、寄附をする企業が法人関係税の軽減を受ける税制

三春町(福島県田村郡)が募集している「企業版ふるさと納税」は、補助金ではありません。企業が町の地方創生事業に寄附をして、その寄附額に応じて、法人住民税・法人税・法人事業税が軽くなる税制の仕組みです。資金が入ってくる制度ではなく、企業が資金を出す側に立つ制度だと理解してください。

ProdX Crowd編集部は、補助金検索に並ぶ以上、この点を最初に言っておくべきだと考えます。補助金を探している会社が、このページを開いて「申請すれば受け取れる」と読み違えると、社内の検討が止まります。反対に、税負担の軽減と地域貢献を同時に考える会社にとっては、有力な選択肢のひとつです。この記事では、三春町の公式ページ、同町の地域再生計画、内閣府地方創生推進事務局の資料を読み、仕組み、税の軽減額の計算、禁止されていること、手続き、向く会社を整理します。

最初に、制度の骨格を表で押さえます。

項目内容
制度の種類税制(寄附に対する法人関係税の税額控除と損金算入)。補助金・助成金ではない
根拠の枠組み国が認定した地域再生計画に位置づけられた、地方公共団体の地方創生事業への寄附
寄附の受け手三春町(福島県田村郡)
寄附の対象事業「三春町まち・ひと・しごと創生推進計画2025〜2029」に記載された事業
1回あたりの最低額10万円以上
寄附できない企業本社が三春町にある企業(本社が所在する地方公共団体への寄附は対象外)
見返りの禁止寄附の代償として経済的な利益を受けることは禁止
町の窓口総務課 政策調整グループ 電話0247-62-2111
締切町の公式ページに、募集期間や締切の記載はない

三春町の公式ページは「2026年8月10日更新」と表示されています。寄附を募集している個別の事業は、このページには載っておらず、担当課への問い合わせが案内されています。個別の事業名や必要額は、町に直接確認することになります。

そもそも企業版ふるさと納税は、どんな仕組みなのか

内閣府地方創生推進事務局の概要資料は、この制度を、地方創生の充実強化に向けて、民の力を活用し、地方への資金の流れを生み出す目的で創設された制度(平成28年度から)だと説明しています。企業が地方創生の取組に寄附したとき、法人関係税が税額控除されます。軽減効果は最大で約9割です。

仕組みの前提も、資料に書かれています。

要素内容(内閣府の資料より)
地方公共団体側の条件地方版総合戦略をもとに、地域再生計画を策定し、国の認定を受ける
企業側の寄附認定された計画に位置づけられた地方創生プロジェクトに、1回10万円以上
税の扱い損金算入(約3割)に加えて、税額控除(最大6割)。合わせて最大約9割の軽減
企業の負担約1割
見返り禁止。ただし、寄附企業名の紹介や、公正なプロセスを経た契約は可能

内閣府の資料は、令和6年度の実績を、寄附額631.4億円(前年比34%増)、寄附企業8,464社(前年比10%増)と示しています。計画を策定している自治体は、令和8年4月1日時点で1,613団体です。三春町のような小さな町でも、多くの企業が参加できる制度として、広く使われていることが分かります。

三春町では、寄附は何に使われるのか

寄附の使い道は、三春町の地域再生計画に書かれています。町ページが示す計画の名称は、「三春町まち・ひと・しごと創生推進計画2025〜2029」で、計画期間は2025年4月1日から2030年3月31日までです。寄附の金額の目安は、2025年度から2029年度の累計で2億5,000万円(250,000千円)と書かれています。

計画は、人口減少を課題の出発点にしています。

指標数字(地域再生計画より)
人口のピーク1955年に24,388人
2020年(国勢調査)17,018人
2025年1月(住民基本台帳)16,237人
将来推計(対策を講じなかった場合)2070年に6,000人程度まで減少
年少人口1990年の3,932人から2020年の1,842人へ
老年人口1990年の3,130人から2020年の5,882人へ
生産年齢人口1995年の12,688人がピーク。2020年は9,177人
2023年度の出生数・死亡数出生72人、死亡245人(自然減173人)
合計特殊出生率(2023年)1.11(福島県平均は1.21)
2023年度の転入・転出転入394人、転出402人(社会減8人)

計画は、こうした人口の変化が、地域経済の停滞・縮小、地域活力の低下、町財政への影響をもたらすと整理しています。これらの課題に対応するため、5つの基本目標を掲げています。

基本目標事業の方向具体的な事業の例(計画の記載)
1 地域経済が成長し、安心して働けるまち稼ぐ力・生産性を高め、地域内の経済循環を強める先端設備等導入計画の活用・策定促進、デジタル技術を活用した農作業の負担軽減、観光資源の磨き上げ、デジタル地域通貨「みはるカード」の運用、郷土愛を育む教育の充実
2 つながりから新たな人の流れが生まれるまち仕事の創出と転入・定住の促進を一体で進める地域外人材の活用、住宅地の情報提供、高等学校との連携事業、体験交流型観光の推進
3 結婚・出産・子育ての希望が叶うまち結婚・子育て・仕事をしやすい環境づくり婚活支援、不妊症治療費助成、産婦・新生児訪問、こども家庭センターの運営、病児・病後児保育
4 誰でも活躍して暮らせる魅力的なまち生活サービスの維持・向上、防災、地域資源の活用防災情報の収集・発信、通いの場(サロン)活動の情報提供、在宅医療・介護連携、地域包括支援センターの機能強化、障がい者の相談支援、地域ブランドの確立、三春城跡の国史跡指定の促進
5 誰もがDXで「新たな魅力・価値の創造」を生み出していくまち住民サービスの向上にデジタルを活用自治体情報システムの標準化対応、電子申請・LINE行政窓口の開設、デジタルで読める情報発信、デジタル技術を活用した授業の実践

企業にとって、寄附の使い道は自由に選べるとは限りません。町のページは、寄附を募集している個別の事業は担当へ問い合わせるよう案内しています。実際の事業の例は、町が公開している過去の寄附の紹介から読み取れます。

過去に、どんな事業に、どんな規模の寄附があったのか

三春町は、企業版ふるさと納税の寄附企業を、年度ごとに公開しています(掲載のご承諾をいただいた企業のみ)。寄附の中身を知る手がかりとして、事業名と金額を、企業名を伏せて整理します。

年度寄附年月寄附事業(町の公表より)公表された寄付金額
令和5年度令和5年10月防災情報(雨量計)システム設置事業1,000,000円
令和5年度令和6年3月奨学金返還支援事業、田村高校魅力向上事業、すくすく子育て電子マネー交付事業、学校支援アプリ導入事業24,098,600円
令和6年度令和6年11月新規就農者応援給付金事業100,000円
令和6年度令和7年2月子育て支援助成金支給事業公表なし
令和6年度令和7年2月地域経済が成長し、安心して働けるまちづくり事業公表なし
令和6年度令和7年3月奨学金返還支援事業、田村高校魅力向上事業、すくすく子育て電子マネー交付事業、学校支援アプリ導入事業22,546,000円
令和7年度令和7年9月強靭な地域づくりの推進事業公表なし
令和7年度令和8年2月町内保育所防犯カメラ設置事業公表なし
令和7年度令和8年3月奨学金返還支援事業、田村高校魅力向上事業、すくすく子育て電子マネー交付事業、デジタル教科書導入事業19,507,000円

この表から分かることが、いくつかあります。

まず、寄附の額に幅があります。10万円という最低額ちょうどの寄附から、2,000万円を超える寄附まで、同じ町の同じ制度で行われています。中小企業が、会社の規模に合わせた額で参加している例が、実際にあります。

次に、使い道が具体的です。雨量計の設置、保育所の防犯カメラ、新規就農者への給付、奨学金の返還支援、電子マネーの交付、学校のアプリやデジタル教科書の導入などです。寄附をする企業は、「何に使われるか」を、町の計画の言葉で説明できます。

さらに、大口の寄附は複数の事業にまたがっています。ひとつの寄附で、町の複数の事業を応援する形です。町の公開では、贈呈式の開催日も、令和8年4月3日、令和8年5月1日のように記載されています。寄附企業をPRする場として、贈呈式が行われています。

なお、表の「公表なし」は、町の公開ページに金額が載っていないことを示します。非公表とされたのか、掲載の了承を得た範囲なのかは、ページからは読み取れません。

税の軽減は、具体的にどう計算するのか

軽減の計算は、制度の中で最も誤解されやすい部分です。内閣府の資料にある数字を、表にします。

税目税額控除の割合上限
法人住民税寄附額の4割法人住民税の法人税割額の20%
法人税法人住民税で4割に達しない場合、その残額。ただし、寄附額の1割が限度法人税額の5%
法人事業税寄附額の2割法人事業税額の20%
損金算入通常の寄附と同じ効果(寄附額の約3割)内閣府の概要資料に上限の記載なし。税理士に確認

税額控除は、最大で寄附額の6割です。損金算入による約3割と合わせて、最大約9割の軽減となり、企業の負担は約1割になります。内閣府の資料は、例として「1,000万円寄附すると、最大約900万円の法人関係税が軽減」と書いています。

ここで注意が必要なのは、「最大」という言葉です。税額控除には、それぞれの税額に対する上限があります。上限は税額に対する割合なので、納める税額が小さい会社は、控除できる額も小さくなります。次の2つの例(いずれも仮の数字)で、違いを見てください。

例A:控除の上限に余裕がある会社(仮の数字)例B:上限が先に来る会社(仮の数字)
寄附額100万円100万円
法人住民税の法人税割額200万円以上と仮定100万円と仮定
法人事業税額100万円以上と仮定50万円と仮定
法人税額200万円以上と仮定200万円以上と仮定
法人住民税の控除寄附額の4割で40万円(上限は法人税割額の20%で40万円以上)上限が法人税割額の20%で20万円
法人税の控除0円(住民税で4割に達しているため)残額20万円のうち、寄附額の1割の10万円まで
法人事業税の控除寄附額の2割で20万円上限が事業税額の20%で10万円
税額控除の合計60万円40万円
損金算入による軽減(約3割)約30万円約30万円
軽減の合計(概算)約90万円約70万円
実質の負担の目安約10万円約30万円

例Bの計算では、法人住民税の控除が40万円の枠に届かず、その残りを法人税で受けています。ただし、法人税の控除は寄附額の1割(10万円)までと決まっているため、残額の20万円のうち10万円しか使えません。このため、例Aより軽減が小さくなります。

この計算は、内閣府の資料の控除率と上限にもとづく編集部の試算で、実際の軽減額は、会社の所得、税額、損金算入の取扱いによって変わります。内閣府の資料にも、「税額控除の手続(申告)や算出に関しては税理士や所管する税務署へご相談ください」とあります。実際に寄附を決める前に、顧問税理士に、自社の概算を出してもらってください。

軽減の対象外になる企業は、どんな企業か

条件に当てはまらないと、そもそも制度の対象になりません。

条件内容三春町への寄附での意味
本社所在地本社が所在する地方公共団体への寄附は対象外。「本社」は、地方税法の「主たる事務所又は事業所」を指す主たる事務所または事業所が三春町にある企業は、三春町への寄附は対象外。福島県への寄附も、同じ考え方で対象外になる(例:A県B市に本社がある場合、A県とB市への寄附は対象外)
寄附額1回あたり10万円以上10万円未満の寄附は、制度の対象にならない
見返り寄附の代償として経済的な利益を受けることは禁止後述
寄附先国が認定した地域再生計画にもとづく事業三春町は、地域再生計画にもとづいて募集している

支店や営業所が三春町にあっても、本社が別の場所にあれば、制度の対象になり得ます。反対に、本社が三春町にある企業が、町に寄附したい場合は、この税制の対象外となります。本社の所在地の判断が微妙な場合は、町の担当課、または内閣府に確認してください。

なお、内閣府の資料は、東京都と、一定の市区町村(地方交付税の不交付団体で、三大都市圏の既成市街地等にあるところ)は、制度の対象外と書いています。三春町が募集していることから、三春町自体は、国の認定を受けた計画にもとづく寄附先です。

「見返りの禁止」とは、具体的に何をしてはいけないのか

企業側にとって、いちばん慎重に確かめたい点です。寄附をする側が、見返りを求めたり、受け取ったりすると、地方公共団体の計画認定が取り消される場合があり、地方公共団体に不利益が生じます。内閣府の解説資料(令和8年4月1日一部改正)は、禁止される例と許容される例を並べています。

区分内容(内閣府の解説より)
禁止される例寄附を理由とした補助金の交付。入札や許認可での便宜の供与。合理的な理由なく市場価格より低い価格で財産を譲渡すること。寄附を理由とした換金性の高い商品(商品券、プリペイドカード等)の提供。寄附を公共事業の入札参加要件とすること。寄附で整備した施設を専属的に利用させること。合理的な理由なく、他の利用者より低廉な料金で公共施設を利用させること
許容される例感謝状などの贈呈。町のホームページや広報誌での寄附企業名の紹介(他の寄附者と並べて)。整備した施設への銘板の設置(他の寄附者と並べて)。社会通念上許容される範囲内の記念品

三春町の公式ページにも、「寄附を行うことの代償として経済的な利益を受けることは禁止されています」と、注意事項として書かれています。

では、寄附をした企業が、その町から仕事を受注することはできるのでしょうか。内閣府の解説は、競争入札によるか随意契約によるかにかかわらず、地方公共団体が次の3つをすべて行うなら、見返りには当たらないと説明しています。

地方公共団体に必要な取組み内容
法令の遵守条例・規則等を含む法令を守る
公平な取扱い寄附の受領を理由に、他の法人と別に扱わない
説明責任手続きの公正性・透明性について、十分に説明する

随意契約の場合は、一般競争入札等よりも一層、手続きの公正性・透明性についての説明責任が求められます。また、過去に契約関係があった地方公共団体や、いま契約関係にある地方公共団体に寄附をすること自体は、原則としてできます。

三春町は、まち・ひと・しごと創生寄附活用事業で、一般競争入札、指名競争入札、または随意契約(少額のものを除く)により相手方を選んだ場合に、契約の相手方を公表するとしています(令和7年度の一覧は2026年7月6日に更新)。企業側は、自社が寄附をしたうえで、その町の事業を受注する場合の、公表の仕組みを知っておくと安心です。

内閣府は、令和5年度に寄附を受領した全1,462団体の実態調査も公表しています。寄附活用事業の契約先等に寄附法人等が含まれていたケースは、4,228事業のうち30事業(0.7%)でした。寄附法人名を公表しているケースは、5,258事業のうち4,807事業(91%)でした。この調査の結果を受けて、制度の改善策がとられています。

制度は令和9年度まで延長されている。改善策は何か

令和7年度の税制改正で、税額控除の特例措置は、3年間(令和9年度まで)延長されました。内閣府の資料は、延長の前提として、制度改善策を講じることを挙げています。

改善策内容
チェック機能の強化事業の実施にあたって留意すべき事項のチェックリストを導入し、各段階でチェックする
実施状況の透明化一者応札で寄附法人・関係会社が受託した場合など、国への実施報告を義務づけ、寄附法人名を公表する。寄附活用事業の発注先を、地方公共団体が公表する(競争入札・随意契約。少額は除く)
認定取消し後の再申請地域再生計画の認定が取り消された場合、再申請に2年間の欠格期間を設ける
Q&Aの明記寄附法人・関係会社が再委託先になる場合の留意点を明記する

この改善策の背景には、契約手続の公正性に問題があるとして、認定地域再生計画の取消しが行われた事案があります。企業にとって、この改善策は、制度の信頼性が保たれる方向に動いているという意味を持ちます。一方で、延長の期限が令和9年度までなので、それ以降の取扱いは、税制改正の動きを確認する必要があります。

寄附の手続きは、どう進むのか

三春町の公式ページが示す手続きの流れは、次のとおりです。内閣府の資料にも、企業側の一般的な手続きの例が書かれています。

順番やること資料の根拠
1寄附の方針を決め、候補の地方公共団体を選ぶ内閣府の資料(STEP1)
2社内提案資料を作り、社内調整をする(メリット、選定基準等)内閣府の資料(STEP2)
3町の担当課に、制度の取組状況や寄附の流れを相談し、寄附する事業を確かめる町の公式ページ(総務課 政策調整グループ)
4「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に対する寄附申出書」を提出する町の公式ページ(様式が公開されている)
5寄附金を納付する(町の納付書による納付、または口座振込)寄附申出書の記載(口座振込は手数料の負担あり)
6贈呈式やプロモーションの調整をする内閣府の資料(STEP4)
7税務処理の手続きをする(税理士・税務署に相談)内閣府の資料(STEP5)

寄附申出書には、次の項目があります。申し込む前に、準備しておくと進みます。

項目内容
法人の情報法人番号、法人名、所在地、代表者、電話番号、メールアドレス
寄附の内容寄附する事業の名称、寄附金額
納付方法町の納付書による納付、または口座振込(手数料は寄附する側の負担)
公表の希望法人名と寄附額を公表する、法人名のみ公表する、公表しない、のいずれか
寄附予定日令和○年○月○日

公表の希望は、3つから選べます。内閣府の改善策では、一定の場合に寄附法人名の公表が求められる仕組みも入りました。非公表を希望する場合の扱いは、事案によって異なるため、町の担当課に確認してください。

また、三春町では、寄附した企業の紹介ページを、年度ごとに公開しています。ここに載るのは、掲載の承諾を得た企業のみです。広報の面でも、寄附の公表の希望は、事前に社内で決めておいてください。

寄附の時期は、いつがよいのか

三春町の公式ページに、受付期間や締切の記載はありません。ただ、企業の側には、時期を考える手がかりが、資料の中にあります。

観点内容
税の計算法人関係税は事業年度ごとに計算されるため、どの決算期に寄附するかで、軽減を受ける年度が変わる。具体的な計算は、顧問税理士・税務署に確認する
町の予算内閣府の実態調査では、寄附を受領した時点が、寄附活用事業の歳出予算の議決後だったケースが約86%。寄附を受け取る時期は、町の予算の議決との関係がある
町の評価事業の進捗は、毎年10月頃に、外部有識者組織が効果検証を行い、結果は町のホームページで公表する
贈呈式町は、寄附を受けた企業の贈呈式を開いている。実施日は、寄附の時期に近い(例:令和8年4月3日、令和8年5月1日)
計画期間三春町の計画は、2030年3月31日まで。税額控除の特例は、令和9年度まで延長されている

事業年度の考え方は、会社ごとに異なります。決算月が3月の会社と、9月の会社では、同じ月に寄附しても、軽減を受ける事業年度が違います。「いつ寄附するか」は、利益が出る年度に合わせて決めるのが、基本の考え方です。ただし、これは一般論であり、自社の判断は、税理士と相談してください。

三春町の取組みの評価と公表は、どうなっているのか

寄附をする企業は、自社の寄附が、きちんと使われ、検証されるのかを知りたいはずです。三春町の地域再生計画には、評価の仕組みが書かれています。

項目内容(地域再生計画より)
評価の時期毎年10月頃
評価する人町民代表者や学識経験者等で構成する外部有識者組織
評価の内容施策・事業の進捗について、効果を検証する
結果の公表町のホームページで速やかに公表する
数値目標(KPI)町内従業者数(現状値6,424人、目標6,500人)、転入者数(5年間平均433.8人/年、目標460人/年)、合計特殊出生率(現状1.11、目標1.27)、転出者数(5年間平均453.8人/年、目標440人/年)、三春町DX推進計画の達成率(現状92%、目標100%)
目標の年度2029年度

これらのKPIは、寄附事業が、町の人口や雇用にどう効くかを、町が自ら点検するための数字です。企業にとっては、寄附の成果を、社内や取引先に説明するときの手がかりになります。ただし、これらの数値は、町全体の目標であって、特定の寄附が達成を保証するものではありません。

また、町は、寄附活用事業に係る契約の相手方を公表しています。事業に使われたお金の行き先が公開される点は、寄附する企業にとっての安心材料です。

人材派遣型という別の使い方もある

内閣府の資料には、「企業版ふるさと納税(人材派遣型)」という使い方が紹介されています。企業が、人件費を含む事業費を寄附し、同じ年度に、その事業に従事する地方公共団体の職員として、人材を派遣する形です。常勤タイプ(出向)と副業タイプがあります。

項目内容(内閣府の資料より)
企業のメリット派遣した人材の人件費相当額を含む事業費への寄附により、経費の最大約9割に相当する税の軽減を受けられる。人材育成の機会になる
地方公共団体のメリット専門的な知識・ノウハウを持つ人材が事業に従事できる。関係人口の創出・拡大も期待できる
タイプ常勤タイプ(常勤職員として出向)、副業タイプ(派遣元との兼業)

三春町の公式ページは、人材派遣型について触れていません。三春町の計画には、「地域外人材の活用」が事業として書かれていますが、人材派遣型の寄附を受け付けているかどうかは、町の資料からは分かりません。関心のある企業は、町の担当課に直接確認してください。

どんな会社に向くのか、向かないのか

区分向く会社向かない・慎重に考える会社
所在地本社が三春町にない主たる事務所または事業所が三春町にある
税負担法人住民税・法人税・法人事業税を、一定額以上納めている納める税額が小さく、控除の上限が小さい
目的地域貢献、社会的なイメージ、地域との関係づくりに価値を感じる寄附に対する具体的な見返り(商品券、仕事の確約など)を期待する
地域との縁福島県、田村郡、三春町に創業地や取引、従業員のゆかりがある縁のない地域に、一回限りで寄附したい
社内の意思決定経営者の判断で、寄附の使い道と公表の方針を決められる寄附の公表に社内の異論がある
時期利益が出る決算期に合わせて寄附できる赤字が続いており、控除の枠を使えない見込み

「見返りがない」ことに、抵抗を感じる企業もあります。制度は、寄附の対価として、自社の利益になる便宜を受けることを、明確に禁止しています。地域貢献と、税負担の軽減と、広報への効果を、あわせて価値と考えられるかが、判断の分かれ目になります。

関連する制度とは、どう違うのか

制度仕組みこの企業版ふるさと納税との違い
通常の寄附(損金算入)寄附が損金に算入され、約3割の軽減企業版は、これに加えて税額控除(最大6割)がつく。ただし、対象は国が認定した計画の事業に限られる
補助金・助成金国や自治体から企業にお金が支給される企業版は、企業が出すお金。資金の流れが反対
国の認定制度認定を受けて、マークや優遇を得る企業版は認定を受けるのは自治体の計画であり、企業は寄附をする側

「補助金と組み合わせられるか」という質問は、よくあります。寄附の代償として補助金を交付することは、禁止されています。寄附とは別の、通常の補助金の公募に応募すること自体は、別の問題です。ただし、寄附をした町の補助金に応募する場合は、寄附との関係が疑われないよう、公正な手続きによることが前提です。疑問があれば、町の担当課と、内閣府に確認してください。

つまずきやすい点は、どこか

つまずきやすい点資料での根拠対処の方向
補助金と思って検討を始める企業が寄附をして、税の軽減を受ける制度最初に、お金の流れを確認する
軽減が「約9割」と書かれていて、全額軽減されると思う最大の数字。控除の上限は、税額に対する割合顧問税理士に、自社の概算を出してもらう
本社が町にある本社所在地の地方公共団体への寄附は対象外主たる事務所または事業所の所在地を確認する
寄附の見返りとして、町から便宜を受けようとする補助金、入札の便宜、換金性の高い商品などは禁止町との契約は、公正な手続きによる
10万円未満の寄附をしようとする1回あたり10万円以上が対象金額を10万円以上にまとめる
寄附先の事業を選ばずに申し込む町のページは、個別の事業を担当へ問い合わせるよう案内申出書に事業名を書けるよう、事前に確認する
公表の希望を決めていない申出書で、公表の範囲を選ぶ社内で、公表の方針を決めておく
寄附の税務処理を後回しにする内閣府の資料は、税務処理の手続きを、最後の段階に挙げている寄附の前に、税理士に相談する

よくある質問

Q. 三春町に支店がある会社でも、寄附はできますか。A. 本社(主たる事務所または事業所)が三春町になければ、対象になります。支店があるだけでは、対象外にはなりません。判断が微妙な場合は、町の担当課に確認してください。

Q. 寄附する金額の上限はありますか。A. 資料には、1回あたり10万円以上という下限の記載があります。上限の記載は、読んだ資料にはありませんでした。ただし、税額控除には、税額に対する上限があります。

Q. 寄附をした会社の名前は、公表されますか。A. 町の寄附申出書で、「法人名と寄附額」「法人名のみ」「公表しない」から選びます。町の公式ページに載るのは、掲載の承諾を得た企業のみです。

Q. どの事業に寄附できるのか、どこで分かりますか。A. 町の公式ページに、寄附を募集している個別の事業は載っていません。担当の総務課 政策調整グループ(電話0247-62-2111)に問い合わせてください。計画に載っている事業の種類は、地域再生計画で確認できます。

Q. 寄附の見返りとして、記念品はもらえますか。A. 社会通念上許容される範囲の記念品や、感謝状は、内閣府の資料で許容される例とされています。換金性の高い商品は禁止です。

Q. 寄附した町から、仕事を受注できますか。A. 町が、法令の遵守、公平な取扱い、説明責任を果たして行う入札や契約であれば、できます。受注の公表の仕組みがあります。

Q. 申告の手続きはどうなりますか。A. 内閣府の資料は、税額控除の手続(申告)や算出について、税理士や所管する税務署に相談するよう案内しています。

Q. 制度はいつまで続きますか。A. 税額控除の特例措置は、令和7年度の税制改正で、令和9年度まで延長されました。三春町の計画期間は、2030年3月31日までです。

参考にした公式資料

資料発行元URL
企業版ふるさと納税を募集しています(2026年8月10日更新)三春町https://www.town.miharu.fukushima.jp/soshiki/2/hurusatonouzei.html
地域再生計画(三春町まち・ひと・しごと創生推進計画2025〜2029)三春町上記ページに掲載のPDF
まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に対する寄附申出書三春町上記ページに掲載のファイル
令和7年度企業版ふるさと納税によりご支援いただいた企業様のご紹介三春町https://www.town.miharu.fukushima.jp/soshiki/2/kigyoubanfurusato_r7.html
令和7年度まち・ひと・しごと創生寄附活用事業にかかる契約の相手方の公表三春町https://www.town.miharu.fukushima.jp/soshiki/2/machi-hito-shigoto-kifu.html
企業版ふるさと納税ポータルサイト内閣府 地方創生推進事務局https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/kigyou_furusato.html
企業版ふるさと納税(概要)内閣府 地方創生推進事務局https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/pdf/R080401gaiyou.pdf
令和7年度税制改正 企業版ふるさと納税の延長内閣府 地方創生推進事務局https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/portal/pdf/R7zeikai.pdf
「寄附を行うことの代償として経済的な利益を供与すること」についての解説内閣府 地方創生推進事務局https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/portal/pdf/260401kaisetsu.pdf

寄附の可否や、実際の税の軽減額は、各社の状況によって異なります。寄附を検討するときは、三春町の総務課 政策調整グループ(電話0247-62-2111)と、顧問税理士にあわせて確認してください。内閣府地方創生推進事務局にも、制度に関する問い合わせ窓口があります。

この制度を一言でいうと

「企業版ふるさと納税を募集しています」は、三春町が実施する税制優遇です。対象の地域は三春町・福島県です。

こころざしある企業のみなさまが、寄附を通じて地方公共団体が行う地方創生の取組を応援した場合に、税制上の優遇措置が受けられる仕組みです。 三春町では、この制度を活用し、企業のみなさまから寄附を募り、地方創生の取組の更なる推進を図ってまいります。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名企業版ふるさと納税を募集しています
実施機関三春町
種類税制優遇
対象地域三春町・福島県
受付期間通年(随時)で受け付けています

「企業版ふるさと納税を募集しています」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域三春町・福島県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域三春町・福島県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
団体NPO・組合・団体も対象に含まれています。定款や規約、会員の名簿など、団体としての実態を示す書類が必要になることがあります。

「企業版ふるさと納税を募集しています」が目指していること

企業版ふるさと納税は、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税から税額控除する仕組み。2020年度の税制改正により、地方創生の更なる充実・強化に向けて制度の大幅な見直しがされ、損金算入による軽減効果(寄附額の約3割)と合わせて、最大で寄附額の約9割が軽減されるなど、より使いやすい仕組みとなりました。出典:企業版ふるさと納税リーフレット(内閣府地方創生推進事務局)制度活用にあたっての注意事項

申請の方法と、そろえる書類

この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
優遇審査で、加点や優先の項目があります。賃上げ、認定の取得、地域への貢献、環境配慮などが対象になることが多く、公募要領の「加点項目」を、申請の前に確認します。

「企業版ふるさと納税を募集しています」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 要件の確認対象設備・期限
  2. 認定・証明書の取得取得の前に
  3. 設備の取得事業に使い始める
  4. 決算利益の見通し
  5. 申告で適用特別償却・税額控除

「企業版ふるさと納税を募集しています」についてのよくある質問

Q&A企業版ふるさと納税を募集しています

経営者のイメージ写真
経営者

Q. 企業版ふるさと納税を募集していますの受付期間はいつですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(三春町・福島県)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:三春町の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。