地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)について
地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)について(久留米市)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。
久留米市の企業版ふるさと納税は、補助金ではなく「寄附をして法人関係税の軽減を受ける税制」です
このページの制度は、久留米市(福岡県)が案内している「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」です。先に位置づけをはっきりさせます。企業が市から資金を受け取る補助金ではありません。反対に、企業が久留米市の地方創生事業へ寄附をし、その寄附額の一部を法人住民税・法人税・法人事業税から差し引ける、税制上の特例です。
久留米市の案内ページ(2026年9月28日更新)は、令和2年度の税制改正でこの制度が充実・強化されたこと、市が令和8年3月に策定した「第3期久留米市地方創生総合戦略」の推進に向けて企業からの寄附を募っていることを説明しています。ProdX Crowd編集部は、このページと、市の令和8年度版チラシ、内閣府地方創生推進事務局の公式資料を読み、事業者の目線で整理しました。
まず全体像です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の性格 | 補助金ではなく、寄附に対する税額控除の特例(地方創生応援税制) |
| 寄附先 | 久留米市(国が認定した地域再生計画に載る事業が対象) |
| 寄附できる企業 | 本社が久留米市以外にある企業(市の案内) |
| 最低額 | 1企業・1事業あたり10万円から |
| 税の軽減 | 税額控除で寄附額の最大6割、損金算入の効果が約3割、合わせて最大約9割 |
| 禁止されていること | 寄附の代償として経済的な利益を受け取ること |
| 制度の対象期間 | 令和9年度まで(市の案内) |
| 市の問い合わせ先 | 総合政策部 創生戦略推進室(総合政策課内) |
この記事では、税の軽減がどう計算されるか、どんな事業に寄附できるか、手続きの順番、禁止される見返りとの線引き、向く会社と向かない会社を、順に説明します。融資や相談窓口の紹介にあたる内容は扱いません。
税の軽減は、どの税からいくら差し引かれるのか
市の案内と内閣府の資料は、同じ構造を示しています。寄附をした企業は、まず寄附額を損金に算入できます。この効果は寄附額の約3割です。これに加えて、地方創生応援税制として、次の3つの税から税額控除が受けられます。
| 税目 | 控除の内容 | 控除の上限(内閣府資料) |
|---|---|---|
| 法人住民税 | 寄附額の4割を税額控除 | 法人住民税の法人税割額の20% |
| 法人税 | 法人住民税の控除が寄附額の4割に達しないとき、その残額を税額控除。ただし寄附額の1割が限度 | 法人税額の5% |
| 法人事業税 | 寄附額の2割を税額控除 | 法人事業税額の20% |
読み方のポイントは2つです。1つめは、法人住民税と法人税が「補い合う」関係にあることです。法人住民税の控除が4割に届かなかった分を、法人税が寄附額の1割までを限度に埋めます。2つめは、3つの税それぞれに、その企業が納める税額に応じた上限があることです。税額控除は、納める税額が小さい会社では、上限が先に来ます。
内閣府の資料は、1,000万円を寄附した場合を例に、最大約900万円の法人関係税が軽減され、企業の実質的な負担は約1割になると示しています。内訳は、損金算入の約3割と、税額控除の最大6割です。
計算例を2つ見る(金額は仮の数字)
資料にある割合を使って、編集部で仮の会社を置いて試算します。以下の金額は、制度の説明のための仮の数字で、実在の会社や、特定の会社の納税額を表すものではありません。
| 項目 | 例A(税額に余裕がある会社) | 例B(法人税割額が小さい会社) |
|---|---|---|
| 寄附額(仮) | 100万円 | 100万円 |
| 法人住民税の法人税割額(仮) | 200万円 | 100万円 |
| 法人住民税の控除の上限(その20%) | 40万円 | 20万円 |
| 法人住民税から控除できる額 | 40万円(寄附額の4割) | 20万円(上限で止まる) |
| 4割に足りない残額 | なし | 20万円 |
| 法人税から控除できる額 | 0円 | 10万円(残額20万円のうち、寄附額の1割が限度) |
| 法人事業税の控除(寄附額の2割=20万円)、納める事業税額は十分ある(仮) | 20万円 | 20万円 |
| 税額控除の合計 | 60万円 | 50万円 |
| 損金算入の効果(約3割) | 約30万円 | 約30万円 |
| 軽減の合計の目安 | 約90万円 | 約80万円 |
| 実質的な負担の目安 | 約10万円 | 約20万円 |
例Bのように、納める税額が小さいと、上限に当たって軽減が最大の約9割に届かないことがあります。反対に、例Aのように納税額に余裕があれば、資料の「最大約9割」に近づきます。自社がどちらに近いかは、決算書と法人税・法人住民税・法人事業税の申告書を見ないと分かりません。内閣府のパンフレットも、税額控除の手続(申告)や算出は、税理士や所管する税務署に相談するよう案内しています。
ここで注意したいのは、赤字の会社です。納める法人関係税がないか、ごく小さい場合、税額控除は働く余地が小さくなります。この点は、資料が個別に例示している事項ではなく、上の仕組みから導かれる見通しです。実際の取扱いは、顧問税理士に確認してください。
久留米市への寄附は、どんな事業に使われるのか
久留米市は、対象事業を「SPECIAL PROJECT」と「REGULAR PROJECT」に分けて案内しています。令和8年度のチラシ「福岡県久留米市 企業版ふるさと納税 ご案内」には、寄附メニューが並んでいます。
| 区分 | プロジェクト名 | 主な内容(市の案内) |
|---|---|---|
| SPECIAL | 「感動と賑わい」の文化芸術拠点周年プロジェクト | 石橋文化センター70周年、久留米シティプラザ・久留米市美術館10周年の記念事業、石橋文化センターのライトアップ事業 |
| REGULAR | 次世代へつなぐ「安心なまち」共創プロジェクト(防災・減災対策と安全なまちづくり) | 避難所環境の整備、老朽インフラの安全対策、空き家の流通促進、若者・女性の活躍の促進、スマートICの整備、国際認証を活かした防犯・交通安全 |
| REGULAR | 未来を拓く「ひとづくり」応援プロジェクト(次世代を担う子どもたちの育成と子育て環境の充実) | ICTを活用した学校教育の充実、子育て中で就職を希望する人向けの相談会、保育サービスの充実と保育士の確保、文化芸術・スポーツの体験機会の創出 |
| REGULAR | 未来を創る「久留米の産業」支援プロジェクト(バイオ・宇宙等の先端技術と地域産業の成長支援) | バイオコミュニティの成長・発展、新産業や新技術への支援、若年層向けの創業人材の育成、スマート農業の推進、6次産業化・農商工連携商品のPR強化 |
| REGULAR | 愛着を育む「くるめファン」創造プロジェクト(移住・定住・観光の促進と魅力の発信) | 四季のイベント支援、宿泊施設の魅力向上、筑後川や高良山などを活かした観光地域づくり、スポーツMICEの誘致、新たな賑わいの創出 |
市のページは、こうしたメニューを「主な寄附メニュー」と呼んでいます。つまり、掲載されているものがすべてではありません。内閣府のポータルサイトも、分野別の寄附募集事業一覧に載っていない事業でも、企業版ふるさと納税の寄附を充てられる場合があるので、各地方公共団体の担当部署に問い合わせるよう案内しています。
自社の事業と重なるメニューを探す視点
寄附は、見返りを受ける取引ではありません。それでも、企業の側に「どの分野を応援したいか」という選び方はあります。市の4つのREGULAR PROJECTを、企業の関心別に見ると次のようになります。
| 企業の関心 | 重なりやすいメニュー | 見方 |
|---|---|---|
| 地域の防災・インフラに関わる事業(建設、設備、情報システム) | 「安心なまち」共創プロジェクト | 避難所、老朽インフラ、スマートICなど、ハード面の事業が並ぶ |
| 人材採用・教育・子育てに関わる事業 | 「ひとづくり」応援プロジェクト | ICT教育、保育士確保、就職相談会など、ソフト面が中心 |
| 研究開発・農業・食品・創業に関わる事業 | 「久留米の産業」支援プロジェクト | バイオ、宇宙、スマート農業、6次産業化など、市の産業戦略に近い |
| 観光・宿泊・スポーツ・イベントに関わる事業 | 「くるめファン」創造プロジェクト | 四季のイベント、宿泊施設、スポーツMICEなど |
| 地域の文化・芸術を応援したい企業 | SPECIAL PROJECT | 石橋文化センター等の周年事業。期間が限られた特別メニュー |
ただし、市のページは「寄附メニューに条件があります」と注記しています。どのメニューにどの特典が付くか、どのメニューが受け入れ中かは、市の担当課に直接確認してください。
申し出から税の申告まで、手続きはどう進むのか
市のページは、制度活用の流れを4つの段階で示しています。時間の目安は書かれていないため、各段階の所要日数は、担当課に確認してください。
| 段階 | 企業側の動き | 市側の動き |
|---|---|---|
| 寄附の検討・申し出 | 対象事業への寄附を検討し、市に申し出る。市の「寄附申出書」の様式と記入例が案内ページにある | 申し出を受ける |
| 寄附の払い込み | 市から届く納入通知書で、寄附を払い込む | 納入通知書を発行・送付する |
| 受領 | 受領書を受け取る | 事業費の範囲内で寄附金を受領し、受領書を交付する |
| 税の申告 | 受領書にもとづき、地方公共団体や税務署に、地方創生応援税制の適用がある旨を申告する | なし |
資料にある、令和2年度税制改正による変更点も押さえておきましょう。市のページには、事業費が確定する前でも、認定を受けた地域再生計画にある「寄附(受け入れ)の金額の目安」の範囲内であれば、寄附を受け入れられるようになったと書かれています。以前は事業費が決まってからでないと難しい面があったため、企業にとっては寄附のタイミングを決めやすくなった点です。
決算期から逆算して考える
税額控除は、その事業年度に納める法人関係税から差し引くものです。そのため、寄附の払い込みをどの事業年度に入れるかが、効果の出る年度を決めます。市の資料に、事業年度ごとの締切は書かれていません。だからこそ、決算月から逆算した社内の段取りが大切になります。以下は、手続きの順番を整理した目安で、日数は仮置きではなく「確認する項目」として示します。
| 時期 | やること | 確認先 |
|---|---|---|
| 決算の数か月前 | 当期の法人税・法人住民税・法人事業税の見込みを、税理士と一緒に試算する | 顧問税理士 |
| 寄附先を決めるとき | 寄附メニューと、受け入れ状況、特典の条件を確認する | 市の創生戦略推進室 |
| 申し出のとき | 寄附申出書を作成して提出する。本社の所在地が久留米市でないことを確かめる | 市の案内ページの様式 |
| 払い込みのとき | 納入通知書の期限を確認し、決算期に収まるように入金する | 納入通知書 |
| 受領書が届いたとき | 受領書を、申告書の添付・保管に備えて整理する | 税理士、税務署 |
| 申告のとき | 地方創生応援税制の適用を申告する | 税理士、所管の税務署 |
寄附の見返りは、どこまでが許されるのか
この制度で最もつまずきやすいのは、「見返りの禁止」の線引きです。久留米市のページは、寄附を行うことの代償として経済的な利益を受け取ることは禁止されていると明記しています。内閣府地方創生推進事務局の「寄附を行うことの代償として経済的な利益を供与すること」についての解説(令和4年6月27日、令和8年4月1日一部改正)が、地域再生法施行規則第13条にもとづく具体例を一問一答で示しています。
| 区分 | 具体例(内閣府の解説) |
|---|---|
| 禁止される例 | 寄附を理由とした補助金の交付 |
| 禁止される例 | 寄附を理由とした、他の法人より低い金利での貸付け |
| 禁止される例 | 入札や許認可での便宜の供与 |
| 禁止される例 | 合理的な理由なく、市場価格より低い価格で財産を譲渡すること |
| 禁止される例 | 換金性の高い商品(商品券やプリペイドカード等)の提供 |
| 禁止される例 | 寄附を、公共事業の入札参加要件とすること |
| 禁止される例 | 寄附を活用して整備した施設を、専属的に利用させること |
| 禁止される例 | 合理的な理由なく、他の利用者より低廉な料金で公共施設を利用させること |
| 許容される例 | 感謝状やこれに類するものの贈呈 |
| 許容される例 | 自治体のホームページや広報誌で、事業の紹介とあわせて寄附法人の名称を、他の寄附者と並べて紹介すること |
| 許容される例 | 整備した施設に銘板等を設置し、寄附法人の名称を他の寄附者と並べて列挙すること |
| 許容される例 | 社会通念上許容される範囲内の記念品やこれに類するものの贈呈 |
久留米市のチラシは、寄附金額に応じた特典として、感謝状の贈呈、企業名等の市公式ホームページなどへの掲載、1,000万円以上の場合の国の「紺綬褒章」への市からの推薦などを案内しています。これらは、上の「許容される例」に当たる種類の対応です。他方で、「寄附をしたから、その市から仕事を回してもらえる」という期待は、してはいけない形のものです。
市との取引がある会社は、どうなるのか
同じ解説は、寄附を行った法人が、その自治体から工事などを受注することについても触れています。競争入札か随意契約かにかかわらず、自治体が次の3つをすべて行うことを前提に、寄附の代償としての経済的利益の供与には当たらないとしています。
| 自治体に求められる取組み | 内容 |
|---|---|
| 法令の遵守 | 条例・規則等を含む法令を守る |
| 別異に取り扱わないこと | 寄附を受けたことを理由に、他の法人との間で扱いを変えない |
| 説明責任 | 手続きの公正性・透明性について、十分に説明責任を果たす |
随意契約の場合は、一般競争入札や指名競争入札の場合より、いっそう説明責任を果たす必要があるとされています。また、過去に契約関係があった、あるいは現に契約関係にある自治体へ寄附をすること自体は、原則として寄附の代償としての利益の供与には当たらず、できるとされています。
つまり、市と取引のある地元の建設会社や、市に納品する会社が寄附をすることも、仕組みの上では想定されています。ただし、取引の公正さを自治体が説明できることが条件です。不安がある場合は、受注側の企業も、該当する自治体に確認するよう、内閣府の解説が呼びかけています。
制度の背景と、これからの見通し
内閣府の資料によると、この制度は平成28年度に創設され、令和2年度の税制改正で、税の軽減効果が拡充されました。令和7年度の税制改正では、税額控除の特例措置が、令和9年度までの3年間延長されています。ただし、延長は、制度の改善策を講じることを前提としたものです。
| 改善策の柱(内閣府) | 内容 |
|---|---|
| チェック機能の強化 | 事業実施時に留意すべき事項のチェックリストを導入し、各段階でチェックする。一定の場合は国への提出を求める |
| 実施状況の透明化 | 契約手続等で、寄附法人・関係会社が競争入札で一者応札により受託した場合などは、国への実施報告を義務づけ、寄附法人名を公表する |
| 発注先の公表 | 競争入札・随意契約(少額を除く)の発注先を、自治体が公表する |
| 認定取消し後の再申請 | 地域再生計画の認定取消しを受けた場合、再申請できない欠格期間(2年間)を設ける |
| Q&Aの明確化 | 寄附法人・関係会社が再委託先となる場合の留意点を明記する |
背景には、寄附活用事業の契約手続の公正性に問題があるとして、認定地域再生計画の取消しを行う事案が生じたことがあります。内閣府が令和5年度に寄附を受領した全1,462の地方公共団体を調べたところ、寄附法人等が契約先や交付先に含まれていたケースは、4,228事業のうち30事業(0.7%)でした。寄附法人名を自治体が公表しているケースは9割以上でした。
内閣府のパンフレット(令和8年3月)によれば、令和6年度の寄附実績は631.4億円(前年比34%増)、寄附企業は8,464社(前年比10%増)です。計画を策定した自治体は、令和8年4月1日時点で1,613団体とされています。
事業者への意味合いは、次のとおりです。対象期間は令和9年度までですから、寄附を検討するなら、対象期間内の事業年度に収まるよう計画を立てる必要があります。令和10年度以降の扱いは、市の案内にも内閣府の資料にも書かれていません。今後の税制改正の動向は、内閣府のポータルサイトや税理士を通じて確認してください。
市はどんな企業から寄附を受けているのか
市の案内ページには、寄附の申し出があり、公表に同意した企業の一覧が載っています。令和8年度と令和7年度の掲載から、規模感だけ拾います。企業名は、ここでは取り上げません。
| 年度 | 掲載されている寄附金額の例(市のページ) |
|---|---|
| 令和8年度 | 100万円、10万円 |
| 令和7年度 | 1,000万円、100万円(複数)、50万円、22万円、10万円(複数)、非公表・非公開の掲載 |
本社の所在地は、福岡市、柳川市、東京都、埼玉県など、市の内外にまたがっています。業種も、建設、段ボール、電力、不動産、医薬品、映像、IT、人材、クリーニング、税理士法人など、さまざまです。つまり、「大企業だけの制度」ではありません。市の最低額は10万円で、実際の掲載にも10万円の寄附が複数あります。
過去の寄附実績は、市のページに、令和2年度から令和6年度までの年度別資料として置かれています。気になる場合は、そこで、実際の金額の分布を見ることができます。
向く会社と、向かない会社
制度の仕組みを踏まえて、向き不向きを整理します。
| 観点 | 向く会社 | 向かない会社 |
|---|---|---|
| 納税 | 法人税・法人住民税・法人事業税を一定額納めている | 赤字が続き、納める法人関係税がほとんどない |
| 本社の所在地 | 本社が久留米市以外にある | 本社が久留米市にある(市の案内では対象外) |
| 寄附の目的 | 地域貢献、企業ブランド、社員の誇り、地域との接点づくり | 寄附の見返りとして、市から仕事や補助金を得たい |
| 会計の見通し | 決算期と寄附のタイミングを、税理士と調整できる | 期限ぎりぎりで、検討の時間がない |
| 社内の合意 | 経営者が、寄附の目的と金額を決められる | 寄附に関する社内の意思決定が、まだできていない |
| 期間 | 令和9年度までの事業年度で、計画を立てられる | 令和10年度以降の効果を前提にしている |
内閣府のパンフレットには、企業の声として、被災地の復興支援、企業のPR、SDGsやESGへの寄与、縁のある地への支援、社員のモチベーションの向上、新たなパートナーシップの構築が挙がっています。こうしたメリットは、税の軽減とは別の、寄附の目的として考えるものです。
補助金と、企業版ふるさと納税の違い
「補助金・助成金」と混同されやすいため、違いを並べます。
| 比べる点 | 補助金 | 企業版ふるさと納税 |
|---|---|---|
| お金の向き | 国や自治体から企業へ | 企業から自治体へ |
| 企業の得るもの | 事業費の一部の補助 | 法人関係税の軽減(最大約9割)と、地域への貢献 |
| 審査 | 申請を審査される | 自治体の対象事業への寄附の申し出。審査で採否が決まる仕組みではない |
| 事業との関係 | 自社の事業に使う | 自治体の事業に使われる。自社の事業の資金にはならない |
| 見返り | 補助金の目的に沿った事業の実施 | 経済的な見返りは禁止 |
企業版ふるさと納税は、自社の設備投資や販路開拓を応援する制度ではありません。自社の事業資金を探している場合は、補助金検索で、自社の事業内容に合う制度を探してください。
関連する制度の使い分け
久留米市への寄附を考える企業が、あわせて確認することの多い制度を挙げます。
| 制度 | 位置づけ | 違い |
|---|---|---|
| 個人のふるさと納税 | 個人が自治体に寄附し、所得税・住民税の控除を受ける | 個人が対象。企業版は法人関係税が対象 |
| 通常の寄附(指定寄附金・一般寄附金など) | 損金算入の取扱い | 税額控除の特例はない。企業版は税額控除が加わる |
| 企業版ふるさと納税(人材派遣型) | 人件費を含む事業費を寄附し、人材を自治体に派遣する | 資金の寄附に、人の派遣が加わる。常勤タイプと副業タイプがある |
| 補助金・助成金 | 事業費の一部の補助 | 企業が受け取る側 |
人材派遣型は、内閣府のパンフレットによると、企業が人件費を含む事業費について寄附を行い、寄附と同一年度に、寄附活用事業に従事する自治体の職員として任用されるものです。久留米市の案内ページには、この型についての記載はありません。検討する場合は、市の担当課に、受け入れの可否を確認してください。
よくある質問
| 質問 | 答え |
|---|---|
| 本社が久留米市にある会社は、寄附できますか。 | 市の案内では、寄附の対象は「本社が久留米市以外の企業」です。内閣府の資料は、本社を地方税法上の「主たる事務所又は事業所」とし、本社が所在する自治体への寄附は対象外としています。支店や工場があるだけで本社が市外なら、対象になりうると考えられますが、個別の判断は市の担当課に確認してください |
| 最低いくらから寄附できますか。 | 1企業における1事業あたり10万円からです |
| 1回で全額を寄附する必要がありますか。 | 資料には、分割に関する記載がありません。納入通知書の扱いを、市に確認してください |
| どの事業年度の税から控除されますか。 | 資料に、年度ごとの扱いの詳細は書かれていません。受領書の日付と決算期の関係を、税理士に確認してください |
| 特典はいくら以上でもらえますか。 | 市のチラシは、10万円以上、100万円以上、1,000万円以上、累計500万円以上といった区分で、感謝状やホームページへの掲載などを案内しています。メニューによる条件があるため、希望する場合は申し出のときに確認してください |
| 寄附したら市の入札に有利になりますか。 | いいえ。入札や許認可での便宜は、禁止される見返りです。寄附を入札参加要件にすることも禁止されています |
| 寄附した企業名は公表されますか。 | 市のページは、公表に了承した企業のみを掲載するとしています。内閣府の改善策では、一定の場合に寄附法人名の公表が求められます。非公表を希望する場合の扱いは、担当課に確認してください |
| 税の申告はどうしますか。 | 受領書にもとづき、地方公共団体や税務署に、地方創生応援税制の適用がある旨を申告します。算出と手続は、税理士か税務署に相談してください |
| 制度はいつまでですか。 | 市の案内では、対象期間は令和9年度までです |
問い合わせ先と、確認の順番
最後に、確認の順番をまとめます。
| 順番 | 確認すること | 先 |
|---|---|---|
| 1 | 自社の本社が、久留米市以外にあること | 登記事項証明書 |
| 2 | 当期の法人関係税の見込みと、控除の上限 | 顧問税理士 |
| 3 | 寄附したい事業メニューの受け入れ状況、特典の条件 | 久留米市 総合政策部 創生戦略推進室(総合政策課内) |
| 4 | 寄附申出書の作成と提出 | 市の案内ページの様式 |
| 5 | 納入通知書での払い込み、受領書の受け取り | 市 |
| 6 | 税の申告 | 税理士、所管の税務署 |
久留米市の問い合わせ先は、市のチラシでは、総合政策部 創生戦略推進室(総合政策課内)、電話0942-30-9112です。案内ページの末尾には、同じ部署の電話0942-30-9116と、専用フォームも載っています。制度全体への疑問は、内閣府 地方創生推進事務局(電話03-6257-1421、メールkigyou-furusato@cas.go.jp)が、パンフレットで窓口を案内しています。
補助金や助成金を探している事業者の方は、このページの企業版ふるさと納税とは別に、補助金検索で、自社の業種や地域に合う制度をご覧ください。ProdX Crowd編集部は、こうした税制と補助金を、事業計画の中でどう並べるかについても、事例をもとに整理しています。
この制度を一言でいうと
「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)について」は、久留米市が実施する税制優遇です。対象の地域は久留米市・福岡県です。
地方公共団体が行う地方創生事業に対して、民間企業の皆様から積極的な寄附を行っていただけるよう、令和2年税制改正により、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)が充実・強化されました。 久留米市では、この制度を活用して企業の皆様からの寄附を募り、令和8年3月に策定した『第3期久留米市地方創生総合戦略』のさらなる推進を図ってまいります。
受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。
| 制度名 | 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)について |
|---|---|
| 実施機関 | 久留米市 |
| 種類 | 税制優遇 |
| 対象地域 | 久留米市・福岡県 |
| 受付期間 | 通年(随時)で受け付けています |
「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)について」の対象になる方
対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。
- 1地域久留米市・福岡県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
- 2規模従業員数の制約は示されていません
| 確認すること | この制度の内容 |
|---|---|
| 地域 | 久留米市・福岡県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本) |
| 規模 | 従業員数の制約は示されていません |
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 団体 | NPO・組合・団体も対象に含まれています。定款や規約、会員の名簿など、団体としての実態を示す書類が必要になることがあります。 |
| 納税 | 税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。 |
「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)について」が目指していること
この制度は、地方公共団体が地方版総合戦略に基づく事業を積極的に実施していくため、国が認定した『地域再生計画』に記載された事業に対して企業が寄附を行った場合に、寄附額の6割を税額控除する仕組みです。損金算入による軽減効果(寄附額の約3割)と合わせて、最大で寄附額の約9割に相当する額が軽減されます。税制措置のイメージ
申請の方法と、そろえる書類
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 第3期 | 公募が複数回に分かれています。回ごとに、期間、予算、要件が変わることがあるため、自社が申請する回の定めを、確認します。 |
「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)について」の手続きの流れと日程
この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。
- 要件の確認対象設備・期限
- 認定・証明書の取得取得の前に
- 設備の取得事業に使い始める
- 決算利益の見通し
- 申告で適用特別償却・税額控除
「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)について」についてのよくある質問
Q&A地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)について
Q. 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)についての受付期間はいつですか?
通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。
この制度を検討するときの確認リスト
| 確認項目 | 状況 |
|---|---|
| 対象の地域(久留米市・福岡県)に、事業所がある | □ はい □ いいえ |
| 交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない | □ はい □ いいえ |
| 後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている | □ はい □ いいえ |
情報の確認元:久留米市の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。
補助金・経営支援顧問