募集中税制

地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)のご案内

実施機関
加美町
募集期間
通年(随時受付)
地域
宮城県・加美町

地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)のご案内(加美町)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

加美町の企業版ふるさと納税は、補助金ではなく「寄附をした企業の法人関係税が軽くなる」税制の制度

最初に位置づけをはっきりさせておきます。この制度は、企業が国や町からお金を受け取る補助金ではありません。企業が宮城県加美町の地方創生事業に寄附をする側になり、その寄附額に応じて、法人住民税・法人事業税・法人税の負担が軽くなる、税制上の措置です。正式名称は「地方創生応援税制」で、一般には「企業版ふるさと納税」と呼ばれます。加美町の公式ページ(企画財政課)は、「民間企業の皆さまが加美町の地方創生事業に対して寄附を行った場合、寄附額の6割を企業さまの法人関係税から控除され、従来からの損金算入による軽減効果(寄附額の約3割)と合せると約9割が税額控除される制度」と案内しています。

つまり、読者として想定しているのは、加美町以外に本社がある法人で、地域貢献・社会貢献・自治体とのつながりづくりのために寄附を考えている経営者や総務・経理の担当者です。加美町で事業をしたい、町から補助を受けたい、という方の制度ではありません。町内の事業者向けの支援を探している場合は、町の産業担当課の案内を別にご確認ください。

制度の骨格を、先に表で整理します。

項目内容(加美町公式ページ、内閣府の資料より)
制度の種類税制(補助金・助成金ではない)。正式名称は地方創生応援税制
創設平成28年度の税制改正(加美町の案内による)
寄附の相手宮城県加美町(国の認定を受けた地域再生計画の寄附活用事業)
寄附額の下限10万円(上限は目標支援額の範囲内)
対象となる法人本社(法人税の主たる事業所または事務所)が加美町にない法人
軽減の仕組み損金算入による軽減(約3割)に、税額控除(最大6割)を上乗せ。合わせて最大約9割
見返り寄附の代償として、企業へ経済的な利益を供与することは禁止
申込み寄附申出書を町へ提出。町からの納入依頼を受けて寄附金を納め、領収書にもとづき申告
町の窓口加美町企画財政課 企画政策係、電話 0229-63-3115(直通)

この記事では、軽減額の仕組みと計算例、加美町が示している寄附の条件、寄附の流れと町の要綱の中身、寄附で禁止される「見返り」の線引き、町の受入実績、制度の延長と見直し、向く会社・向かない会社、よくある質問の順に説明します。

寄附をすると、税負担はどれだけ軽くなるのか

内閣府の資料は、軽減効果を次のように説明しています。通常の寄附は、全額が損金に算入されるので、法人実効税率にあたる約3割の税負担が軽くなります。企業版ふるさと納税では、この損金算入の効果に、税額控除による軽減が上乗せされます。令和2年度の税制改正で、税額控除の割合が「最大3割」から「最大6割」に引き上げられ、合計の軽減効果は最大で寄附額の約9割、企業の実質的な負担は約1割まで小さくなりました。

軽減の種類割合の目安説明
損金算入約3割通常の寄附でも得られる効果。法人実効税率にあたる
税額控除最大6割企業版ふるさと納税で上乗せされる部分。法人住民税・法人事業税・法人税で控除
合計最大約9割内閣府の例示は「1,000万円寄附すると、最大約900万円の法人関係税が軽減」
企業の負担約1割軽減後の持ち出しの目安

「最大」と書かれているのには理由があります。税額控除には、税目ごとの上限があるためです。寄附額が大きくても、その企業が納めている法人住民税・法人事業税・法人税の額が小さければ、控除しきれない部分が出ます。次の節で、上限の仕組みを見ます。

税目ごとの控除の上限は、どう決まっているのか

内閣府の制度説明資料は、税額控除を次の3つの税目で整理しています。

税目税額控除の額上限
法人住民税寄附額の4割法人住民税の法人税割額の20%
法人税法人住民税で4割に達しない場合、その残額寄附額の1割まで、かつ法人税額の5%
法人事業税寄附額の2割法人事業税額の20%

読み方のポイントは2つあります。1つ目は、控除は「寄附額に対する割合」と「その税額に対する上限」のどちらか小さいほうで止まるという点です。2つ目は、法人税の控除は、法人住民税で寄附額の4割に届かなかったときの不足分を補う位置づけで、法人住民税の上限が先に効いてしまう企業ほど、法人税側の控除が使われやすくなる点です。

仮の数字で、上限がどう効くかを見てみます。以下は、読み方を示すための仮の数字で、実際の税額とは無関係です。

仮の前提数字
寄附額100万円
年間の法人住民税 法人税割額500万円
年間の法人事業税額400万円
税目寄附額から見た控除額上限控除される額
法人住民税100万円×4割=40万円500万円×20%=100万円40万円(上限の範囲内)
法人事業税100万円×2割=20万円400万円×20%=80万円20万円(上限の範囲内)
税額控除の合計60万円60万円
損金算入による軽減(約3割)約30万円約30万円
軽減額の合計約90万円(企業の負担は約10万円)

この仮の数字では、上限に余裕があるので、寄附額の約9割が軽減されます。一方、法人住民税の法人税割額が仮に100万円しかない会社なら、法人住民税側の上限は20万円(100万円×20%)となり、寄附額の4割(40万円)には届きません。この場合は、不足分を法人税側で補う形になりますが、法人税の控除にも「寄附額の1割まで」「法人税額の5%まで」という上限があります。寄附額が、納めている税額に比べて大きすぎると、軽減の割合は9割より低くなる、というのが基本の考え方です。

実際の控除額は、会社の税額、事業年度、所在地の自治体の取扱いで変わります。寄附を決める前に、顧問税理士または決算を担当している方と、直近の申告書の数字を見ながら試算してください。

加美町が示している寄附の条件は何か

加美町の公式ページ「寄附の条件等」には、3つの条件が書かれています。

条件公式ページの記載の趣旨実務で確認すること
金額の下限寄附額の下限は10万円。上限は目標支援額の範囲内希望額が、町の目標支援額の範囲に収まるか。窓口に確認
対象法人本社(法人税の主たる事業所または事務所)が加美町にない法人登記上の本店所在地と、法人税の申告上の主たる事務所の所在地
見返りの禁止寄附の代償として、企業へ経済的な利益を供与することは禁止返礼品や優遇を期待した寄附は、そもそも制度の対象外

町の「加美町地方創生応援寄附金募集要綱」(平成30年6月4日告示)の第2条にも、同じ趣旨の定義があります。寄附対象法人は「町の区域内に主たる事務所又は事業所を有しない法人」、寄附金は「寄附対象事業の実施のための費用として寄附対象法人が行う10万円以上の寄附金」とされています。

内閣府の制度説明資料には、このほか全国共通の留意点として、次の2点があります。

全国共通の留意点内容(内閣府の資料より)
本社所在地の自治体への寄附本社が所在する地方公共団体への寄附は、対象外
対象外の自治体不交付団体である東京都、不交付団体で三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村は、対象外

加美町が、この対象外の自治体にあたるかどうかは、町の公式ページの記載(本社が加美町にない法人が対象)を前提にしてください。念のため、寄附の前に、町の企画財政課へ「自社が対象になるか」を電話で確認しておくと確実です。

寄附したお金は、何に使われるのか

寄附金は、町の「地方創生事業」のうち、国(内閣総理大臣)の認定を受けた地域再生計画に載っている寄附活用事業に充てられます。町の募集要綱の第2条は、寄附対象事業を「地域再生法第5条第15項の規定に基づき、認定地域再生計画に記載されているまち・ひと・しごと創生寄附活用事業」と定義しています。第1条の目的には、寄附金を財源に「まち・ひと・しごと創生事業を実施し、寄附者の町に対する思いを実現することにより、持続可能なまちづくりと地方創生に資する」と書かれています。

寄附の申出書(様式第1号)では、寄附者が使い道を次の6つから選びます。町の総合戦略の6つの基本目標と対応しています。

申出書の使途の選択肢町の総合戦略ダイジェスト版での達成目標の例(令和6年度)
人と自然が共生する持続可能なまち推進事業かみでん里山公社の契約電力 3,232kW から 4,900kW へ
健やかで笑顔あふれるまち推進事業婚活支援事業の成婚数 20件(令和2〜6年度の累計)
安全・安心で快適に暮らせるまち推進事業相談窓口経由の移住件数 125人(令和2〜6年度の累計)
魅力あふれ、豊かでにぎわいのあるまち推進事業観光入込客数 122万8千人から130万人へ
だれもが学ぶ幸せを感じられるまち推進事業町民ボランティア数 270人から500人へ
住民と行政の協働による自立したまち推進事業地域運営組織形成数 2組織から5組織へ

町のパンフレットとして公開されている「まち・ひと・しごと創生総合戦略 ダイジェスト版」(令和5年3月発行)によると、町は6つの基本目標のもとに、38の基本方針と148の具体的な施策を定めています。申出書には、使途の指定に関連する総合戦略の番号(中番号・小番号)や、具体的な使途の希望を、任意で記入する欄があります。たとえば、再生可能エネルギーに関心のある企業なら、「人と自然が共生する持続可能なまち推進事業」を選び、新エネルギー導入の推進(施策006)の番号を書く、といった使い方ができます。

この総合戦略では、町が自らの課題を次のように書いています。町の人口は、死亡数よりも出生数が少なく、近年は生まれる子どもの数が減っていること、10代後半から20代前半の進学・就職で転出する人が多いことです。そのうえで、将来目標として、2025年に21,000人以上、2040年に18,000人以上、2065年に15,000人以上を掲げています。寄附を検討する企業は、自社の事業や関心と、町の課題・施策がどこで重なるかを、この資料で見ておくと、使途の選び方に説得力が出ます。

町の公式ページには、過去の寄附を活用した事業の例も載っています。町は、「遊びと体験の充実によるアクティブファミリーの誘致」事業で、薬莱地区のランニングバイクパークに、ランニングバイクと安全用具を整備しました。コースの利用料金は無料で、ランニングバイクを持っていない子ども向けに、安全用具とセットの貸出し(1時間200円)を行っていると、町の案内にあります。企業が出した寄附が、地域の遊び場の道具という形で、目に見える成果になった例です。

寄附の流れは、どう進むのか

町の公式ページは、寄附の流れを3段階で示しています。さらに、町の募集要綱には、町側の事務(支払の要請、受領証の交付、台帳の作成、運用状況の公表)が定められています。企業側と町側の動きを、合わせて表にします。

段階企業側のこと町側のこと(募集要綱より)
寄附のお申込み寄附申出書(Word または PDF)に、寄附金額・使途・公表の可否を書いて、町長あてに提出申出書(様式第1号)を受け付ける(第3条)
寄附の納入町からの納入依頼を待って、寄附金を納入申出のあった額のうち、その年度の寄附対象事業の実施に要した費用の範囲内で、支払を要請(第4条)
受領証の受取り領収書(受領証)を受け取る寄附の額と年月日を証する受領証(様式第2号)を交付(第5条)
税制措置の申請領収書にもとづき、申告時に企業版ふるさと納税の適用がある旨を申告寄附金台帳(様式第3号)を作成して管理(第6条)
運用状況の公表町のページで紹介されることがある寄附金の運用状況を公表(第8条)

ここで大事なのは、寄附のお金を先に振り込まないことです。町の案内では、申出書を出したあと、「町から改めて寄附納入の依頼がある」と書かれています。町の要綱も、町長が寄附額の範囲内で、事業の実施に要した費用の範囲内で支払を要請するとしています。企業の判断で先に送金するのではなく、町の依頼の通知書を待ち、指示された納入方法・期限で納めます。

また、税務の側では、領収書(受領証)が、寄附の事実と日付を証明する書類になります。法人税等の申告の際に、控除の適用を受けるために必要な書類として、大切に保管してください。

町の募集要綱には、受入れを断る、または返還する場合の定めもあります。申出や、すでに受け取った寄附金が「公序良俗に反するものと思料される場合」、町長は受入れを拒否し、または収受した寄附金を返還できるとされています(第7条)。この場合、町長は、その決定の理由と経過を記録しなければならない、という手続きも書かれています。

申出書には何を書くのか

町が公開している「寄附申出書」(様式第1号、第3条関係)に書く項目は、次のとおりです。

記入項目内容書くときの注意
申請者(住所・法人名・代表者名・連絡先)寄附をする法人の情報。代表者名に押印する様式登記上の名称・本店所在地と一致させる
寄附金額「金  円」と記入下限10万円以上。町の目標支援額の範囲内
使途の指定6つの事業から、チェックを入れる希望する施策がなければ、後述の任意欄に書く
使途の指定に関連する総合戦略の番号中番号・小番号を記入(任意)総合戦略ダイジェスト版の番号を見ながら書く
具体的な使途の指定記述式(任意)見返りを求める内容は書かない
公表の可否「法人名・寄附額とも公表可」「法人名のみ公表可」「公表を希望しない」から選ぶ社内の広報方針と合わせて、事前に決める

「公表の可否」は、実務で迷いやすい項目です。町の公式ページには、過去に寄附をした企業の紹介が、年度別に載っています。寄附額は、企業の意向で「非公表」とされているものが多く見られます。町のページにも、「企業さまのご意向により寄附金額を非公表とさせていただく場合があります」と書かれています。社名と金額の両方を出すと、自社の取組みの発信になりますが、金額は伏せたい、社名も出したくない、という判断もありえます。申出書を出す前に、社内で方針を決めておくと、後から困りません。

なお、内閣府の令和6年12月の制度改善策には、寄附法人が非公表を希望する場合の扱いも含まれています。寄附法人・関係会社が、競争入札で一者応札して受託した場合などは、寄附法人名を公表する対象になり、非公表を希望するときは、地方公共団体の側で、第三者を含む審議会等が非公表とする理由を確認したうえで、国へ報告し、国がその理由を公表する、という手続きが示されています。通常の寄附(寄附活用事業の受注などが絡まないもの)には、あまり関係しませんが、「公表」をめぐって、制度全体で透明性を高める方向にあることは知っておいてください。

「見返り」として何が禁止され、何が許されるのか

企業版ふるさと納税の最大の注意点は、寄附の代償として経済的な利益を受け取ってはならないことです。個人のふるさと納税のような返礼品は、ありません。内閣府地方創生推進事務局の解説「『寄附を行うことの代償として経済的な利益を供与すること』についての解説」(令和4年6月27日、令和7年4月1日一部更新)は、地域再生法施行規則第13条にもとづく禁止を、次のように整理しています。

区分具体例(内閣府の解説より)
禁止される行為寄附を理由とした補助金の交付
禁止される行為寄附を理由とした、他の法人より低い金利での貸付け
禁止される行為入札や許認可での便宜の供与
禁止される行為合理的な理由なく、市場価格より低い価格で財産を譲渡すること
禁止される行為寄附を理由とした、換金性の高い商品(商品券、プリペイドカード等)の提供
禁止される行為寄附を行うことを、公共事業の入札参加要件とすること
禁止される行為寄附を活用して整備した施設を、専属的に利用させること
禁止される行為合理的な理由なく、他の利用者より低廉な料金で公共施設を利用させること
許容される行為感謝状やこれに類するものの贈呈
許容される行為自治体のホームページや広報誌で、寄附で実施している事業の紹介に併せて、寄附法人の名称を他の寄附者と並べて紹介すること
許容される行為寄附で整備した施設等に銘板を設置し、寄附法人の名称を他の寄附者と並べて列挙すること
許容される行為社会通念上許容される範囲内の記念品やこれに類するものの贈呈

加美町の案内でも、「寄附の代償として、企業さまへの経済的な利益を供与することは禁止されています」と明記されています。実際に、町の公式ページでは、寄附した企業への感謝状の贈呈(令和8年2月3日)や、企業紹介のページ掲載が行われています。これらは、上の「許容される行為」に当たる、公表・感謝の範囲にとどまる取組みです。

工事の受注との関係も、よく聞かれる点です。内閣府の解説は、寄附を行った自治体から工事の受注を受けることは、競争入札か随意契約かにかかわらず、自治体側が次の3つをすべて行うことを前提に、禁止される見返りには当たらないとしています。

自治体に求められる取組み内容
法令の遵守条例・規則等を含む法令を守ること
同じ扱い寄附の受領を理由に、他の法人と別の扱いをしない(便宜を図らない)
説明責任手続きの公正性・透明性について、十分に説明責任を果たす

また、過去に契約関係にあった自治体や、現に契約関係にある自治体へ寄附することも、原則として禁止される見返りには当たらず、寄附できるとされています。ただし、受注にからむ場面では、疑問があれば該当の自治体に確認するよう、解説は促しています。建設業など、公共工事と関係の深い業種の企業は、寄附の前後で、入札参加や契約の流れがどう扱われるかを、町の担当課と文書で確認しておくと安心です。

過去にはどんな企業が、どれくらい寄附してきたのか

加美町の公式ページは、寄附をした企業を年度別に公開しています。社名の公表に同意した企業の分で、金額が「非公表」のものも多くあります。公開されている範囲を、年度ごとに整理します。

年度紹介されている企業数公表されている寄附額紹介されている企業の例
平成30年度2社金額の記載なし国立音楽院、積水化学工業。事業は「遊びと体験の充実によるアクティブファミリーの誘致」
令和元年度2社と、ほか2社非公表ピックルスコーポレーション、江崎グリコ。事業は「2020パラリンピックホストタウン推進プロジェクト」「アウトドアとスポーツのまちづくり」
令和3年度3社モンベル250万円。ほかは非公表JRE宮城加美町ウィンドファーム、小林機械、モンベル
令和4年度1社清水建設 東北支社50万円清水建設 東北支社
令和5年度3社センコン物流200万円。ほかは非公表センコン物流、精工、エコサーブ
令和6年度4社アスカカンパニー100万円。ほかは非公表JRE宮城加美、精工、アスカカンパニー、サラリサーチ
令和7年度12社精工150万円、タカラ米穀500万円、アスカカンパニー100万円、櫻田建築設計事務所100万円、リフレッシュかむろ50万円。ほかは非公表JRE宮城加美、オリエンタル白石、西松建設、前田建設工業 東北支店、三菱重工環境・化学エンジニアリング、あいホーム、プランニングドアーズ ほか

この一覧から、読み取れることがいくつかあります。第1に、寄附額の幅が広いことです。公表されている金額は、50万円から500万円までです。下限の10万円から始めて、関係を築きながら増やす、という使い方もできます。第2に、町内に事業所や関連会社を持つ企業が多いことです。たとえば、精工(宮城工場が加美町内)、アスカカンパニー(東北ファクトリーなどが加美町内)、エコサーブ(営業本部が加美町内)、あいホーム(加美店が加美町内)は、本社は町外ですが、町内に拠点があります。取引先や拠点のある地域への寄附は、自然な形の一つです。第3に、令和7年度は、紹介された企業が12社と、それ以前の年度より大きく増えています。

最近の動きとして、町は令和8年2月3日、寄附をしたタカラ米穀株式会社に感謝状を贈呈しました。同日、町は、タカラ米穀と東洋ライス株式会社と、包括的連携協定を締結しています。報道発表資料によると、連携事項は、農業振興、町民の健康増進、教育・食育、地産地消、防災(非常時の食糧提供)、環境保全などで、町内で出産した家庭への「子育て応援ギフト」として金芽米を1年間提供(5kg×6回)する取組みなどが予定されています。企業版ふるさと納税が、寄附だけで終わらず、企業と自治体の継続的なパートナーシップにつながった例といえます。なお、この連携協定の費用負担の詳細や、寄附との関係は、公開資料に書かれていないため、ここでは触れません。

制度はいつまで使えるのか。最近の見直しで何が変わったのか

税額控除の特例措置は、令和2年度の税制改正で、適用期限が5年間延長され、令和6年度までとされていました。令和7年度の税制改正で、再び延長が決まっています。内閣府の資料「令和7年度税制改正 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の延長」には、要望結果として、「制度改善策を講じることを前提に、税額控除の特例措置を3年間(令和9年度まで)延長する」と書かれています。

時期出来事(内閣府の資料より)
平成28年度税額控除の制度が創設される
令和2年度税額控除が最大3割から最大6割に拡充。軽減効果は最大約9割。適用期限は5年延長(令和6年度まで)。令和2年4月1日以後に開始する法人の事業年度から適用
令和2年10月13日企業版ふるさと納税(人材派遣型)が創設される
令和6年12月制度改善策がまとまる
令和7年度税額控除の特例措置を3年間延長(令和9年度まで)

なお、内閣府の資料の中には、旧期限(令和6年度まで)の記載が残っているものもあります。最新の期限は、内閣府地方創生推進事務局の「企業版ふるさと納税ポータルサイト」で確認してください。

延長の背景には、制度が広く使われてきた実績があります。内閣府の資料は、寄附実績が令和元年度の33.8億円から令和5年度の470.0億円へ大幅に増え、本税制を活用した自治体の数も、平成28年度から令和5年度までの累計で1,536団体になった、と書いています。一方で、寄附活用事業の契約手続の公正性に問題があるとして、認定地域再生計画が取り消される事案も生じました。このため、令和6年12月に、次の制度改善策がまとめられています。

制度改善策内容(内閣府の資料より)
チェック機能の強化事業実施の各段階でのチェックリストを導入。一定の場合は国への提出を求める。寄附を受領した全団体に、実施報告とあわせて各会計年度終了後の提出を求める
実施状況の透明化寄附法人・関係会社が、競争入札で一者応札して受託した場合などに、国への実施報告を義務づけ、寄附法人名を公表。寄附活用事業の発注先も、自治体で公表
認定取消し後の欠格期間地域再生計画の認定取消しを受けた場合の再申請に、2年間の欠格期間を設ける
Q&Aの明確化寄附法人・関係会社が再委託先となる場合の留意点を、Q&Aに明記

同じ資料に、令和5年度に寄附を受領した全1,462地方公共団体(寄附総額約470億円、全5,258事業)を対象にした実態調査の結果も載っています。寄附活用事業の契約先等に寄附法人等を含むケースは、30事業(0.7%)でした。寄附法人名を自治体が公表しているケースは9割以上で、発注先を公表していたのは、全体の約半数でした。寄附を考える企業にとっては、自社の寄附が、どのように使われ、どう公表されるかが、これまで以上に見える制度になっていく、と読めます。

人材派遣型の企業版ふるさと納税とは何か

内閣府の資料には、令和2年10月13日に創設された、企業版ふるさと納税(人材派遣型)の説明もあります。これは、企業版ふるさと納税の仕組みを使って、専門的な知識・ノウハウを持つ企業の人材を、自治体等へ派遣することを促すものです。派遣した人材の人件費を含む事業費への寄附についても、当該経費の最大約9割に相当する税の軽減を受けられる、と内閣府は説明しています。

加美町の公式ページには、人材派遣型についての記載はありません。そのため、加美町でこの形が使えるかどうかは、町の企画財政課に確認が必要です。ここでは、通常の企業版ふるさと納税との違いを整理するにとどめます。

比較項目通常の企業版ふるさと納税人材派遣型
寄附の対象寄附活用事業の事業費人件費を含む事業費
企業の関わり寄附のみ寄附に加え、企業の人材が自治体等で寄附活用事業に従事
期待される効果地域への資金の提供資金の提供に加え、企業のノウハウを活かした地域貢献、人材育成
留意点経済的な見返りの禁止人材の受入れを対外的に明らかにして透明性を確保。見返りの禁止

加美町の令和7年度分の寄附企業の中には、教育・地域サポートの分野で活動する企業(プランニングドアーズ)も含まれています。ただし、この寄附が人材派遣型かどうかは、公開資料からは分かりません。

どんな会社に向いていて、どんな会社には向かないのか

状況向き不向き理由
本社が加美町以外にあり、一定の法人税・法人住民税・法人事業税を納めている向く税額控除の上限に余裕があり、軽減の効果が出やすい
町内に工場・営業所・店舗など拠点がある(本社は町外)向く地域との関係を深める手段になる。過去の寄附企業にも同様の例が多い
再生可能エネルギー・食・観光・教育など、町の施策と事業が重なる向く使途の選択や、将来の連携につなげやすい
赤字、または納める税額がごく小さい要確認控除しきれず、軽減が小さくなる可能性がある。損金算入の効果も含めて税理士と試算
本社が加美町にある向かない町の公式ページの条件の対象外
寄附の見返りに、町の仕事や優遇を期待している向かない経済的な利益の供与は禁止。入札参加の要件にもできない
資金に余裕がなく、寄附の負担が経営に響く向かない軽減後も、企業の負担は約1割は残る。さらに、控除が受けられる時期は申告のタイミングになる

この制度の効果は、納める税額の大きさに左右されます。補助金は、事業にかかる費用の一部を国や自治体が補填する仕組みですが、企業版ふるさと納税は、先に寄附のお金を出し、後から税が軽くなる仕組みです。資金繰りの面でも、寄附額の全額を、まず支払うことになります。

申請から税の軽減までの日程は、どう考えればよいのか

この制度には、補助金のような公募期間や締切が、町の公式ページには書かれていません。寄附の申出は、随時受け付けられているように読めますが、具体的な受付期間や締切の有無は、記載がありません。そのため、日程は、自社の決算期から逆算して考えるのが実務的です。

時期の目安企業がやること確認先
決算の数か月前顧問税理士と、納税見込み額・控除の見込みを試算。寄附額の目安を決める顧問税理士
決算の数か月前町の企画財政課に連絡。自社が対象になるか、受付状況、使途、目標支援額を確認加美町企画財政課 企画政策係 0229-63-3115
申出寄附申出書を作成して提出。公表の可否を決めておく町の公式ページの様式
町の依頼後町の納入依頼に従って、寄附金を納入町の依頼書の指示
納入後領収書(受領証)を受け取り、経理に回す町
申告時領収書にもとづき、企業版ふるさと納税の適用がある旨を申告顧問税理士

寄附をした事業年度の申告で、税額控除を使うことになるため、どの事業年度に寄附を計上するかが、控除を受ける年度を決めます。決算の直前に慌てて寄附をするより、事業年度の早い時期から計画するほうが、税理士と試算する時間も取れます。

つまずきやすい点はどこか

つまずき何が起きるか避け方
先に寄附金を振り込む町の手順(申出→納入依頼→納入)とずれる町の依頼を待ってから納入する
本社所在地の誤解本社が町内にあると対象外登記上の本店と、法人税の主たる事務所の所在地を事前に確認
控除額の見込み違い上限が効いて、軽減が約9割に届かない申告書の数字を見ながら、税理士と試算
返礼品や優遇を期待する見返りの禁止に反する感謝状、名称の紹介など、許される範囲を理解
公表の方針が未定申出書の公表可否で迷って、手続きが止まる社内で、社名・金額の公表方針を事前に決める
領収書の紛失控除の根拠書類がなくなる領収書を経理で保管し、申告資料に綴じる
他の自治体と混同加美町以外の制度条件を当てはめる町の公式ページと要綱を、直接確認

特に、申告時に適用を受ける旨を自分で申告することは、見落とされがちです。町の案内にも、領収書の発行後、「申告時に地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の適用がある旨を申告いただきますよう」と書かれています。町が自動で手続きをしてくれるわけではありません。

ほかの制度とは、どう違うのか

比較する制度違い
補助金・助成金補助金は、企業が事業費の一部を受け取る。企業版ふるさと納税は、企業が寄附を出し、税が軽くなる。お金の流れが逆
個人のふるさと納税個人が寄附し、返礼品を受け取れる(自治体による)。企業版は、経済的な見返りが禁止
通常の寄附金(損金算入のみ)損金算入の軽減(約3割)のみ。企業版は、税額控除を上乗せして最大約9割
人材派遣型の企業版ふるさと納税寄附に加え、人材を派遣する。人件費を含む事業費が対象

補助金を使う事業者が、企業版ふるさと納税を、同時に使うこともあります。ただし、寄附活用事業と、自社が受ける補助金の関係が絡むと、見返りの禁止に触れる可能性があるため、同じ自治体の補助金を受けている場合は、特に町の担当課へ確認してください。内閣府の解説にも、「寄附を理由とした補助金の交付」は禁止される行為として挙げられています。

よくある質問

質問回答
補助金のように、お金がもらえる制度ですかいいえ。企業が寄附をする側で、寄附額に応じて法人関係税が軽くなる税制です
いくらから寄附できますか加美町の案内では、下限は10万円です。上限は、目標支援額の範囲内です
加美町に本社がある会社も使えますか町の案内では、本社が加美町にない法人が対象です。本社所在地の自治体への寄附は、内閣府の資料でも対象外とされています
返礼品はもらえますかいいえ。寄附の代償として経済的な利益を供与することは、禁止されています
感謝状や、HPでの社名紹介は受けられますか内閣府の解説では、感謝状の贈呈や、他の寄附者と並べた名称の紹介は、許容される行為とされています
軽減は、必ず寄附額の9割になりますか最大です。税目ごとの上限があり、納めている税額が小さいと、軽減が小さくなります
手続きで、国に何か出しますか企業側が国に出す書類は、町の案内にはありません。企業は、領収書にもとづき、法人税等の申告で適用を受ける旨を申告します
いつまで使えますか内閣府の資料では、税額控除の特例措置は、令和9年度まで延長されています。最新の期限は、内閣府のポータルサイトで確認してください
寄附のお金は、先に振り込めばよいですかいいえ。町に申出書を出したあと、町からの納入依頼を待ちます
寄附をしたら、町の公共工事を受注できますか寄附は入札参加の要件になりません。受注するかどうかは、町の入札・契約のルールで決まります。契約手続きの公正性は、自治体が説明責任を果たすことが前提です
寄附額や社名は公表されますか申出書で、公表の可否を選べます。町のページには、金額を非公表とした企業の例が多くあります

問い合わせ先と、確認すべき資料

確認したいこと窓口・資料
町の受付状況、使途、目標支援額、対象か加美町企画財政課 企画政策係 電話 0229-63-3115(直通)、ファックス 0229-63-2037(〒981-4292 宮城県加美郡加美町字西田三番5番地)
申出書の様式加美町公式ページ「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)のご案内」の寄附申出書(Word・PDF)
町の事務のルール加美町地方創生応援寄附金募集要綱(平成30年6月4日告示 第31号)
町の施策の全体像加美町まち・ひと・しごと創生総合戦略 ダイジェスト版(令和5年3月発行)。ひと・しごと推進課 0229-63-5611
税制の全国共通の仕組み、最新の期限内閣府地方創生推進事務局 企業版ふるさと納税ポータルサイト(電話 03-6257-1421、メール kigyou-furusato@cas.go.jp)
見返りの線引き内閣府「『寄附を行うことの代償として経済的な利益を供与すること』についての解説」
自社の控除額の試算、申告の仕方顧問税理士、または管轄の税務署

この制度は、補助金のように「採択されるか」を気にする必要がありません。一方で、自社の税額に合った寄附額を決めること、見返りを求めないこと、町の手順を守ることの3つが、成否を分けます。ProdX Crowd編集部としては、まず顧問税理士と試算を行い、そのうえで町の企画財政課へ電話で条件を確認する順番をおすすめします。補助金や税制の使い分けでお困りの場合は、補助金検索の他の制度ページも、あわせてご覧ください。

この制度を一言でいうと

「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)のご案内」は、加美町が実施する税制優遇です。対象の地域は加美町・宮城県です。

国が進める地方創生の取組みの中で、地方公共団体が行う地方創生プロジェクトに対して、民間企業の皆さまからの積極的な寄附を行っていただけるよう、平成28年度の税制改革において、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)が創設されました。 民間企業の皆さまにおかれましては、趣旨ご賛同いただき加美町に対する支援をご検討いただきますようお願いいたします。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)のご案内
実施機関加美町
種類税制優遇
対象地域加美町・宮城県
受付期間通年(随時)で受け付けています

「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)のご案内」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域加美町・宮城県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域加美町・宮城県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
団体NPO・組合・団体も対象に含まれています。定款や規約、会員の名簿など、団体としての実態を示す書類が必要になることがあります。
納税税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。

この制度の内容

区分内容
事業者の区分国が進める地方創生の取組みの中で、地方公共団体が行う地方創生プロジェクトに対して、民間企業の皆さまからの積極的な寄附を行っていただけるよう、平成28年度の税制改革において、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)が創設されました。
その他民間企業の皆さまにおかれましては、趣旨ご賛同いただき加美町に対する支援をご検討いただきますようお願いいたします。
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
団体NPO・組合・団体も対象に含まれています。定款や規約、会員の名簿など、団体としての実態を示す書類が必要になることがあります。
納税税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。

「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)のご案内」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 要件の確認対象設備・期限
  2. 認定・証明書の取得取得の前に
  3. 設備の取得事業に使い始める
  4. 決算利益の見通し
  5. 申告で適用特別償却・税額控除

「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)のご案内」についてのよくある質問

Q&A地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)のご案内

経営者のイメージ写真
経営者

Q. 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)のご案内の受付期間はいつですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(加美町・宮城県)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:加美町の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。