募集中地域・自治体の補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

実施機関
中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)
募集期間
通年(随時受付)
地域
全国

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策))の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

ものづくり補助金は、新製品・新サービスの開発のための設備投資に、最大数千万円を補助する制度

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称・ものづくり補助金)は、中小企業・小規模事業者等が、革新的な新製品・新サービスの開発や、海外需要の開拓を行うために必要な設備投資等の経費の一部を補助する制度です。事務局は全国中小企業団体中央会で、申請は電子申請システムで受け付けます。

この記事は、公式サイトに掲載された第23次公募要領の概要版(2026年2月)と、中小機構J-Net21の解説(2025年7月内容改訂)にもとづいて書いています。補助上限額や要件は、公募回ごとに変わります。申請する回の公募要領を、必ず自分で確認してください。

制度の骨格を、先に表で整理します。

項目内容
目的生産性向上に資する革新的な新製品・新サービス開発や、海外需要開拓のための設備投資等を支援する
枠製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠
補助上限額(高付加価値化枠)従業員1〜5人は750万円、6〜20人は1,000万円、21〜50人は1,500万円、51人以上は2,500万円
補助上限額(グローバル枠)従業員規模の区切りなし、3,000万円
補助率中小企業は1/2、小規模企業・小規模事業者と再生事業者は2/3
特例大幅な賃上げで、補助上限額を100万〜1,000万円上乗せ。最低賃金の引上げで、補助率を2/3に引上げ
応募方法電子申請(GビズIDプライムアカウントが必要)
補助金の支払い精算払い(事業を終えて、費用を支払った後に支払われる後払い)
事務局ものづくり補助金事務局サポートセンター(電話:050-3821-7013)

この補助金は、設備を買えば出るという制度ではありません。会社全体の事業計画に沿って、新製品・新サービスを開発し、その結果として、付加価値額と賃金を上げ続けることが求められます。要件を達成できないと、補助金の返還が生じます。申請の前に、要件の重さを理解することが、最も重要です。

第23次公募のスケジュール:2026年8月上旬に採択結果が公表された

公式サイトのお知らせによると、令和8年8月7日に、第23次締切に関する採択結果が公表されました。第23次のスケジュールは次のとおりです。

項目日付
公募開始2026年2月6日(金)
電子申請の受付開始2026年4月3日(金)17:00
申請締切2026年5月8日(金)17:00(厳守)
採択結果の公表2026年8月上旬(令和8年8月7日に公表)

公募の仕組みは、通年に近い形です。J-Net21の解説によると、令和元年度補正・令和2年度補正のものづくり補助金から、通年募集となり、概ね3か月ごとに締め切りが設けられるようになりました。公式サイトの履歴を見ても、第19次から第23次まで、数か月おきに公募要領が出ています。

次の公募に応募する場合は、公式サイト(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)で、最新の公募要領と、スケジュールを確認してください。公募要領は、原則として締切ごとに公表され、公表後に予告なく内容が変更される場合もあると、公式に注意されています。

補助上限額と補助率:従業員の人数で、上限額が変わる

製品・サービス高付加価値化枠

革新的な新製品・新サービスの開発のための設備投資に使う枠です。補助上限額は、従業員の規模で決まります。

従業員規模補助上限額補助率(中小企業)補助率(小規模企業・小規模事業者、再生事業者)
1〜5人750万円1/22/3
6〜20人1,000万円1/22/3
21〜50人1,500万円1/22/3
51人以上2,500万円1/22/3

グローバル枠

海外需要の開拓を行う事業の枠です。国内の生産性を高めるための事業で、4つのいずれかに当たる必要があります。

グローバル要件事業の内容
①海外への直接投資に関する事業
②海外市場開拓(輸出)に関する事業
③インバウンド対応に関する事業
④海外企業と共同で行う事業

補助上限額は、従業員規模の区切りなしで3,000万円です。補助率は、中小企業が1/2、小規模企業・小規模事業者が2/3です。

補助額の計算例

補助額は、補助対象経費の合計に、補助率を掛けて計算します。上限額を超えることはできません。ここでの金額は、仕組みを理解するための仮の数字です。

事例従業員区分補助対象経費(税抜)補助率計算上の補助額上限補助額自己負担
ア10人中小企業2,000万円1/21,000万円1,000万円1,000万円1,000万円
イ10人中小企業3,000万円1/21,500万円1,000万円1,000万円2,000万円
ウ4人小規模企業1,000万円2/3約667万円750万円約667万円約333万円
エ4人小規模企業1,500万円2/31,000万円750万円750万円750万円

事例イとエは、補助対象経費を増やしても、補助額が上限で止まる例です。上限を超える部分は、全額が自己負担になります。投資額を決めるときは、補助額が頭打ちになる水準を、先に見ておくことが大切です。

補助金は後払い:事業費の全額を、先に用意する必要がある

J-Net21の解説は、この補助金の精算払いについて、はっきり注意しています。補助金は、事業が終わり、支払いを済ませた後に支払われます。設備投資などの費用を、全額、先に準備しておく必要があります。

段階資金の動き
交付決定の後設備を発注する
納品・検収の後代金を、全額、自己資金か融資で支払う
実績報告・確定検査の後補助金の額が確定する
補助金の請求の後補助金が入金される

事例アの場合、補助対象経費2,000万円を全額先に支払い、後から1,000万円が入金されます。その間、最大で2,000万円の資金を、立て替える必要があります。金融機関からの借入れで、つなぎ資金をまかなう場合は、事前に、金融機関に相談してください。公式の様式には、金融機関から資金調達を行う場合に提出する「資金調達確認書」があります。

特例:大幅な賃上げで上限額が上がり、最低賃金の引上げで補助率が上がる

大幅な賃上げ特例:上限額を100万〜1,000万円上乗せ

大幅な賃上げに取り組む事業者の補助上限額を、上乗せする特例です。従業員規模ごとの上乗せ額は、次のとおりです。

従業員規模上乗せの上限
1〜5人各枠の補助上限額から最大100万円
6〜20人最大250万円
21〜50人最大1,000万円
51人以上最大1,000万円

この特例を使うには、基本要件に加えて、次の2つの目標値を設定する必要があります。

要件基準値達成する時点
従業員1人あたり給与支給総額年平均成長率+6.0%以上3〜5年の事業計画期間の最終年度
事業所内最低賃金事業実施都道府県の最低賃金+50円以上3〜5年の事業計画期間中、毎年

注意が必要な点が、公式資料に書かれています。小規模企業・小規模事業者は、この特例を使えません。再生事業者は、各申請枠の補助上限額に達していない場合に、使えません。また、この特例を適用すると、基本要件から「事業所内最低賃金水準要件」が除かれます。

目標を達成できなかった場合の返還は、重い内容です。特例要件のいずれか一方でも達成できなかった場合は、上乗せ分の全額に加えて、補助金交付額から上乗せ分を引いた額に、未達成率を掛けた額の返還が求められます。上乗せ分については、返還免除の仕組みがありません。

最低賃金引上げの特例:補助率が1/2から2/3に

最低賃金の引上げに取り組む事業者に、補助率を1/2から2/3に引き上げる特例です。公式資料では、令和6年10月から令和7年9月までの間に、補助事業の主たる実施場所で雇用している従業員のうち、事業実施都道府県の最低賃金以上で、令和7年度改定の最低賃金未満で雇用している従業員が30%以上である月が、3か月以上あることが、要件の1つに挙げられています。

大幅な賃上げ特例(補助上限額の引上げ)との併用はできません。どちらの特例を使うかは、自社の賃金の状況と、事業計画の内容で選びます。

基本要件:4つの要件のうち、3つは数値目標を達成する必要がある

この補助金の核心は、基本要件です。申請者は、3〜5年の事業計画を作り、次の要件を満たす目標値を設定します。

基本要件内容基準値
① 付加価値額の増加付加価値額の年平均成長率を増加させる年平均成長率+3.0%以上
② 賃金の増加従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率を増加させる年平均成長率+3.5%以上
③ 事業所内最低賃金水準事業所内の最低賃金を、毎年、事業実施都道府県の最低賃金より高くする最低賃金+30円以上
④ 従業員の仕事・子育て両立次世代育成支援対策推進法に規定する一般事業主行動計画を、策定・公表する従業員が21名以上の場合のみ

付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものです。

第23次公募で、公式サイトは、特に注意する点を示しています。「返還等に関わる給与支給総額」の考え方について、第23次公募から、1人あたりで成長率を判定する扱いに限定されました。給与支給の総額では判断されません。詳細は、第23次公募要領の14ページに記載があります。

従業員が0人の場合は、目標値を設定できないため、この補助金に申請できません。

目標値の表明と、未達成の場合の返還

申請者が自分で設定した目標値のうち、基本要件②と③は、全ての従業員と従業員代表者に表明する必要があります。表明は、交付申請時までに行います。表明がされていなかった場合は、交付決定の取消しと、補助金の返還が求められます。

要件が未達成の場合の返還について、公式資料は、2つの要件(賃金の増加、事業所内最低賃金水準)の未達成率に応じて、返還額を決める考え方を示しています。例として、3年の事業計画期間で、最低賃金+80円を目標に設定し、1年目は+80円、2年目は+40円、3年目は+85円だった場合は、3年のうち2年を達成しているため、本来の補助上限額の2/3が達成分、1/3が未達成分になります。

つまり、目標値は、高ければ有利になる反面、達成できなかったときの返還のリスクも大きくなります。目標値は、実現可能性を十分に踏まえて、設定する必要があります。公式資料も、実現可能性を踏まえた事業計画で、高い目標値を設定し、達成することが重要だと述べています。

目標値の参考にできる数字

公式資料には、目標値の設定の参考になる数字が載っています。

参考にする数字内容
都道府県別の最低賃金の年平均成長率(直近5年)たとえば、東京は2.8%、徳島は4.3%、全国平均は3.2%
第21次採択者の目標値付加価値額、1人あたり給与支給総額、事業所内最低賃金の目標値の中央値が、公式資料に示されている

基本要件②の1人あたり給与支給総額の目標値は、年平均成長率3.5%以上に、設定する必要があります。

補助対象者:従業員が1人以上で、国内に実施場所があること

補助対象者の条件は、次の表のとおりです。

条件内容
実施場所日本国内に、補助事業の実施場所を有している(グローバル枠で海外への直接投資を行う場合は、海外にも実施場所が必要)
従業員常時使用する従業員の数が1人以上
事業者の区分中小企業者、小規模企業者・小規模事業者、特定事業者の一部、特定非営利活動法人、社会福祉法人のいずれか

補助対象者外となるのは、次の場合です。

補助対象者外になる場合内容
他の補助金との関係申請締切日を起点に16か月以内に、中小企業新事業進出補助金、中小企業等事業再構築促進補助金、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の補助金交付候補者として採択された事業者(採択を辞退した事業者を除く)。または、申請締切日時点で、これらの交付決定を受けて補助事業を実施中の事業者
報告書の未提出申請締切日時点で、第22次締切以前の交付決定を受けたのに、「事業化状況・知的財産権等報告書」を未提出の事業者
大企業との関係みなし大企業、みなし同一事業者 など

過去に、ものづくり補助金や、再構築補助金に採択されている場合は、時期によっては申請できません。申請の前に、自社の採択歴と、期間の関係を確認してください。

補助対象経費:機械装置が中心で、他の経費には上限がある

補助対象経費は、次のとおりです。

経費の種類内容
機械装置・システム構築費機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用の経費。専用ソフトウェア・情報システムの購入、構築、借用の経費。これらと一体で行う改良、修繕、据付けの経費
運搬費運搬料、宅配・郵送料等
技術導入費知的財産権等の導入に要する経費
知的財産権等関連経費特許権等の取得に要する弁理士の手続代行費用等
外注費新製品・サービスの開発に必要な加工、設計、検査等の一部を外注する経費
専門家経費本事業の遂行のために依頼した専門家に支払う経費
クラウドサービス利用費クラウドサービスの利用に関する経費
原材料費試作品の開発に必要な原材料と副資材の購入経費
海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費グローバル枠の海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ対象

機械装置・システム構築費以外の経費には、上限があります。

区分上限
機械装置・システム構築費以外の経費の合計総額で500万円(税抜き)まで。グローバル枠は1,000万円まで
外注費、専門家経費、広告宣伝・販売促進費補助対象経費総額(税抜)の2分の1まで
技術導入費、知的財産権等関連経費補助対象経費総額(税抜)の3分の1まで
海外旅費、通訳・翻訳費補助対象経費総額(税抜)の5分の1まで

注意が必要な条件が、公式資料に3つ書かれています。

条件内容
中古品3者以上の中古品流通事業者から、型式や年式が記載された相見積もりを取得している場合には、中古設備も対象になる
単価50万円以上の設備必ず1つ以上、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が必要
防災性能の設備防災性能の優れた生産設備等を、補助対象経費に含めることは可能

「単に機械装置等を導入するだけで、新製品・新サービスの開発を伴わないもの」は補助対象外です。また、同業の中小企業者等や、同一地域における同業他社において、相当程度普及しているものの開発は、新製品・新サービス開発に当たりません。

審査:5つの視点で、事業計画が評価される

審査項目は、次の5つです。大幅賃上げ特例を使う場合は、さらに6つ目の項目があります。

審査項目見られる点
補助事業の適格性対象者、対象事業、対象要件を満たしているか
経営力経営目標の具体性、外部・内部環境の分析を踏まえた事業戦略、会社全体の売上に占める本事業の売上の水準
事業性付加価値創出や賃上げの目標値の高さと実現可能性、課題の明確化、市場の規模と成長見込み、顧客に与える価値、顧客ニーズの調査・検証、競合との差別化
実現可能性技術力、体制、財務状況、金融機関等からの支援の見込み、事業化までの遂行方法、費用対効果
政策面地域経済への波及効果、成長と分配の好循環に向けた投資の有効性、イノベーション性、米国の追加関税措置により大きな影響を受ける事業者であること
(大幅賃上げ特例のみ)賃上げ計画の妥当性賃上げ計画の内容と根拠、継続性、人材育成、人事評価、体制面・営業面の強化

審査の特徴は、設備の購入額ではなく、事業計画の中身で評価される点です。J-Net21の解説でも、申請書を作成する前に、審査項目を理解しておくことが必須だと書かれています。

加点項目:最大6項目まで、加点を申請できる

公式資料によると、最大6項目について加点の申請ができ、各要件に合致した場合のみ加点されます。

加点項目要件の概要
経営革新計画申請締切日時点で有効な「経営革新計画」の承認を取得している
パートナーシップ構築宣言ポータルサイトで宣言を公表している(応募締切日前日時点)
DX認定申請締切日時点で有効な「DX認定」を取得している
健康経営優良法人認定「健康経営優良法人2025」に認定されている
技術情報管理認証申請締切日時点で有効な認証を取得している
事業継続力強化計画申請締切日時点で有効な「(連携)事業継続力強化計画」を取得している
えるぼし認定、くるみん認定認定を取得している
事業承継/M&A申請締切日を起点に、過去3年以内に事業承継(株式譲渡等)により経営資源を引き継いだ
成長加速マッチングサービス中小企業庁のサービスで会員登録し、挑戦課題を登録している
賃上げ公募要領に定める要件に該当する
被用者保険従業員50名以下の中小企業が、被用者保険の任意適用に先行して取り組む

認定の取得には、時間がかかるものがあります。経営革新計画や、事業継続力強化計画などは、公募の開始を待たずに、取得の準備を始めることが、有利に働く場面があります。

申請の手順と、準備の期間

申請は、電子申請システムで行います。申請には、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。J-Net21の解説によると、プライムは、アカウントの発行に書類審査があり、不備がなくても、1週間程度かかります。公式サイトのお知らせには、GビズIDのメンテナンスで、一定時間、GビズIDが一切使えなくなる日程も、掲載されています。締切の直前は、避けてください。

段階やること目安の期間
1GビズIDプライムアカウントを取得する1週間程度
2従業員が21名以上の場合、一般事業主行動計画を策定し、公表する公表申請の審査に、2週間以上の余裕を見る
3会社全体の事業計画と、補助事業の計画を作成する数週間〜
4見積書を取得する(機械装置は、相見積もりが必要な場合がある)数週間
5加点項目の認定を取得する項目により異なる
6電子申請システムに入力し、申請する申請締切の前日までに、余裕を持って
7審査を受け、採択の結果を待つ約3か月(第23次は、申請締切から約3か月後に採択結果を公表)

公式サイトは、一般事業主行動計画の公表手続きについて、注意を促しています。「両立支援のひろば」では、公表申請の審査状況に関する問合せは受け付けておらず、問合せをしても、公表手続きを早めることはできません。審査の過程で不備が発覚する場合もあるため、2週間以上の余裕をもって、公表申請をするよう案内されています。

採択後の流れ

採択は、補助金の交付が決まったという意味ではありません。採択後に交付申請を行い、補助対象経費として適切かを、事務局が精査します。その結果、補助金申請額から、減額されたり、全額が対象外になったりする場合があります。申請時の補助金申請額を上回ることはできません。

段階内容
採択(交付候補者)公表される
交付申請・交付決定事務局が経費を精査して、決定する。減額や対象外になる場合がある
補助事業の実施交付決定日から10か月以内(採択発表日から12か月以内)。この間に、発注、納入、検収、支払いまで終える
実績報告・確定検査補助金の額を確定する
補助金の請求・支払い後払いで入金される
事業化状況報告毎年4月に報告する

補助事業実施期間の注意は、J-Net21の解説に、はっきり書かれています。この期間内に納入が間に合わない場合は、補助金を受けることができなくなります。

公式サイトには、第22次締切に限った特別な扱いも掲載されています。第22次は、補助金が措置されている予算(令和6年度補正予算)の取扱期限の関係で、「実績報告から確定検査」の期限が2026年12月25日(金)、補助金の額の確定の期限が2027年1月20日(水)、補助金の請求・支払いの期限が2027年1月29日(金)とされています。これらの期限を超過した場合は、状況に応じて「交付決定取消し」になります。

財産の処分制限と、不正への注意

補助金で取得した財産には、処分の制限があります。公式資料によると、本事業で取得した財産を破棄等する場合は、残存簿価相当額または時価により国庫納付をしなければなりません。また、取得した財産は、原則として専ら本補助事業に使用される必要があります。補助事業以外で使うと、目的外使用と判断されます。

不正受給にも、重い罰則があります。公式サイトの注意喚起によると、虚偽の申請による不正受給、補助金の目的外利用、補助金受給額を不当に釣り上げて関係者に報酬を配賦する行為などが判明した場合は、交付規程にもとづき交付決定が取り消されます。補助金が交付済みの場合は、加算金を課したうえで返還が求められます。さらに、不正内容の公表や、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第29条にもとづき、5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方に処せられる可能性があります。

申請支援を受けるときの注意

公式資料の「重要事項」には、事業計画書作成支援について、注意が書かれています。認定経営革新等支援機関や専門家等の支援を受ける場合に、事業者による事業の遂行や計画の達成を考えていない、不適切な業者等に注意するよう促しています。

不適切な行為の例(公式資料より)内容
高額な成功報酬作業等にかかる実際のコストと乖離した、高額な成功報酬等を申請者に請求する
内容の理解なき申請補助金申請代行を主たるサービスとし、申請者が理解しない内容のまま申請する

公式資料は、補助金の活用にあたって、会社全体の事業計画と連動していることが非常に重要だとも述べています。補助金の獲得だけを目的とした、申請支援は避けてください。会社全体の事業計画の策定支援は、よろず支援拠点などの公的支援機関でも、相談窓口があります。

ProdX Crowdの見方:ものづくり補助金は「設備を買う補助金」ではなく「賃上げを約束する補助金」

当社は、これまで500件以上の中小企業支援を行い、累計20億円以上の調達を支援してきました(株式会社ウブントゥ社内集計)。その経験から、ものづくり補助金の相談で、最も多い誤解は、設備の購入に対する補助金だと考えることです。

第23次の概要版でも、基本要件は、付加価値額の年平均成長率3.0%以上、従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上、事業所内最低賃金が最低賃金+30円以上、という数字を求めています。補助金を受け取ることは、これらの数字を、3〜5年にわたって達成する約束をすることです。達成できなければ、返還のリスクがあります。

したがって、申請の前に、次の問いに答えられるかを、確認してください。

問い判断の目安
補助事業で、付加価値額が年平均3.0%以上、伸びる根拠があるか売上と利益の見込みを、具体的な数字で示せる
毎年、1人あたりの給与を、3.5%以上上げ続けられるか賃上げの原資が、事業で生まれる
設備の効果が出るまでの、資金繰りに耐えられるか補助金が入るまでの資金を、先に用意できる
補助事業が、会社全体の事業計画の中で、位置づけられているか全社の戦略と、つながっている

もう1つ、重要なのは、事業計画の質です。審査は、設備の内容ではなく、顧客にどんな価値を提供するのか、競合に対してどう優位に立つのか、という事業の中身で評価されます。申請の準備に、設備の見積もりだけに時間をかけて、事業計画の検討が浅くなる事業者が、多く見られます。事業計画の中身に、時間をかけてください。

自社で使えるかを判断する、確認リスト

確認すること状況
日本国内に、補助事業の実施場所がある□ はい □ いいえ
常時使用する従業員が、1人以上いる□ はい □ いいえ
新製品・新サービスの開発を伴う設備投資である(単なる機械の更新ではない)□ はい □ いいえ
単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が、1つ以上ある□ はい □ いいえ
付加価値額の年平均成長率3.0%以上を、達成できる計画がある□ はい □ いいえ
従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上を、達成できる計画がある□ はい □ いいえ
事業所内最低賃金を、最低賃金+30円以上に、毎年保てる□ はい □ いいえ
従業員が21名以上の場合、一般事業主行動計画を策定・公表できる□ はい □ いいえ
補助金が入るまでの、事業費の全額を、先に用意できる□ はい □ いいえ
過去16か月以内に、同種の補助金に採択されていない□ はい □ いいえ
GビズIDプライムアカウントを、取得している(または取得を始めた)□ はい □ いいえ

よくある質問

Q. 応募すれば、採択が約束されますか。

されません。J-Net21の解説にも、応募申請をしただけでは補助金を受けられず、審査に合格しなければならないと、書かれています。また、公式資料によると、採択結果の理由開示と異議申し立ては、一切受け付けられていません。

Q. 採択されたら、補助金は全額もらえますか。

交付申請後の精査で、減額や、全額対象外となる場合があります。申請時の補助金申請額を上回ることはありません。また、補助事業を終えた後の、確定検査で、補助金の額が確定します。

Q. 設備を、交付決定の前に買ってもよいですか。

補助事業実施期間は、交付決定日から始まります。J-Net21の解説は、この期間内に、発注、納入、検収、支払いを行うことと、説明しています。交付決定の前に購入した設備が、補助対象になるかは、公募要領で確認してください。事前に動く場合は、事務局に確認することを勧めます。

Q. 申請代行を頼んだほうがよいですか。

申請書の作成を、専門家に支援してもらう選択肢はあります。ただし、公式資料は、申請者が理解しない内容のまま申請する、補助金申請代行を主たるサービスとする業者に、注意を促しています。事業計画は、自社の経営者が、中身を理解して、自分の言葉で説明できる状態にしてください。

Q. 問い合わせは、どこにすればよいですか。

ものづくり補助金事務局サポートセンター(電話:050-3821-7013、受付時間:10:00〜17:00、土日祝日および12月29日〜1月3日を除く)に問い合わせられます。GビズIDの新規取得に関する問合せには、対応していません。GビズIDの事務局に問い合わせてください。

まとめ:次の公募を狙うなら、いま要件の準備を始める

ものづくり補助金は、新製品・新サービスの開発のための設備投資に、従業員規模に応じて最大2,500万円(グローバル枠は3,000万円)を補助する制度です。補助率は、中小企業が1/2、小規模企業・小規模事業者が2/3です。引き換えに、付加価値額と賃金の成長を、3〜5年で達成する約束が必要です。

最初の一歩は、次の3つです。

やること内容
公式情報の確認ものづくり補助金総合サイトで、次回の公募要領とスケジュールを確認する
事業計画の整理会社全体の計画の中で、補助事業の位置づけを明確にする
準備の開始GビズIDプライムの取得、一般事業主行動計画(従業員21名以上の場合)、加点項目の認定の準備を進める

公式の情報は、ものづくり補助金総合サイト(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)で確認できます。補助金の活用を、融資や賃上げ、設備投資の計画と合わせて整理したい場合は、ProdX Crowdの無料診断で、自社に使える制度を一緒に確認できます。

この制度を一言でいうと

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)が実施する補助金・助成金です。対象の地域は全国です。

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入など)に対応するため、生産性の向上に資する革新的な新製品・新サービスの開発や、海外需要開拓を行う事業のために、必要な設備投資などに要する経費の一部を支援する補助金です。 補助金事業には独特な面がありますので、まずは全体像を把握しておく必要があります。補助金を利用する際の全体的なスケジュールは、次のようになります。 応募をする前に知っておかなければならないことが3つあります。 ものづくり補助金は、所定の期間内に必要書類をそろえて応募申請をする必要があります。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
実施機関中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)
種類補助金・助成金
対象地域全国
受付期間通年(随時)で受け付けています

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域全国
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域全国
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
賃上げ賃上げに関する要件があります。いつの時点の賃金を、何%引き上げるのかの基準が厳密です。給与の改定の時期と、事業の期間の関係を、先に確認します。
中小企業中小企業者・小規模事業者の定義に当たることが条件です。業種ごとに、資本金や従業員数の上限が決まっています。自社が当たるかを、定義の表で確認します。

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の経費で気をつけたいこと

この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
開発試作・開発・試験・実証に関する費用が含まれています。目的と、試験の方法、評価の基準を、計画書に書いておくと、経費の必要性を説明しやすくなります。
海外翻訳・通訳・海外関係の費用が含まれています。為替レートの前提と、海外とのやりとりの証拠(契約書、請求書)が、日本語以外で作られる場合の扱いを、確認します。

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 申請計画書・見積書を提出
  2. 審査1〜3か月
  3. 交付決定ここから発注できる
  4. 発注・実施期間内に支払いまで
  5. 実績報告証拠書類を提出
  6. 検査・確定補助額が決まる
  7. 入金お金が入るのは最後

発注・契約は「交付決定」の後。お金が入るのは、最後の「入金」です。

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」についてのよくある質問

Q&Aものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

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経営者

Q. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の受付期間はいつですか?

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ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(全国)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関等のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。