募集中地域・自治体の補助金

省エネ関連の支援

実施機関
中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)
募集期間
通年(随時受付)
地域
全国

省エネ関連の支援(中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策))の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

省エネ関連の支援は、設備の更新に使う「SIIの補助金」と、建物を改修する「ビルリノベ」を分けて考える

J-Net21(中小機構)の「省エネ関連の支援」は、資源エネルギー庁や環境省などが用意する省エネ・脱炭素の支援策を、一つのページにまとめた紹介記事です。補助金のほか、利子補給や診断などの支援も並んでいます。この記事では、そのうち中小企業が設備投資に使える補助金に絞り、設備の更新に使う「省エネ・非化石転換補助金」と、建物を改修する「脱炭素ビルリノベ事業」を中心に、金額・要件・日程を公式の公募要領で確認できる範囲で整理します。融資にあたる利子補給、診断や伴走などの支援サービスは、このサイトの対象外のため解説しません。

先に結論を表にします。

見たいこと答え
何に使えるか工場・事業場の省エネ設備への更新、電化・脱炭素燃転、EMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入、業務用建物の断熱・空調などの改修
誰が窓口か一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)。ビルリノベも執行はSII
いまの公募省エネ・非化石転換補助金は4次公募が2026年10月5日から10月30日17:00必着。脱炭素ビルリノベは2026年6月4日から11月30日23:59
補助率の目安1/2から1/3など(J-Net21の記載)。区分で異なり、中小企業は1/2以内が多い
申請の山場補助事業ポータルへの入力、3者見積、省エネ計算、そして書類の郵送
最大の落とし穴交付決定の前に発注すると、その設備は補助対象外になる

J-Net21の記事は2025年7月の内容改訂で、令和7年度の公募を前提に書かれています。その後、令和7年度補正予算の事業が走り、2026年10月12日時点では、SIIの公式ページに4次公募の公募要領が出ています。この記事の数字は、特に断らない限り、SIIの「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(工場・事業場型)公募要領(4次公募用)」と「設備単位型」の公募要領、脱炭素ビルリノベ2026事業の公募情報ページから確認したものです。

どんな支援が並んでいるのか。補助金とそれ以外をどう見分けるか

J-Net21のページには、性格の違う支援策が混ざっています。読み違えないよう、このサイトでの扱いと一緒に表にします。

J-Net21に載っている項目性格この記事での扱い
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金/省エネルギー投資促進支援事業費補助金設備更新への補助金(SII)詳しく解説
業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(脱炭素ビルリノベ)建物改修への補助金(SII)詳しく解説
ストレージパリティ達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業太陽光・蓄電池の補助金(環境イノベーション情報機構)存在の紹介にとどめる
建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業ZEB化の補助(静岡県環境資源協会)存在の紹介にとどめる
アジア等ゼロエミッション化人材育成等事業費補助金海外拠点の人材育成への補助(海外産業人材育成協会)対象が海外拠点のため扱わない
省エネルギー設備投資利子補給金融資に伴う利子の補給対象外
省エネ診断、中小企業等エネルギー利用最適化推進事業専門家による診断・伴走対象外
J-クレジット制度の利用支援書類作成・審査費用の支援対象外

このデータの元になったJ-Net21の項目で補助率が「1/2〜1/3など」と書かれているのは、業務用建築物の脱炭素改修加速化事業の説明部分です。ただ、読者の多くが最初に検討するのは設備の更新だと考え、SIIの設備更新補助金を先に説明し、ビルリノベは後半にまとめます。

設備更新の補助金は、4つの事業区分から自社の設備に合うものを選ぶ

SIIの令和7年度補正予算の事業は、事業区分が4つに分かれます。公募要領には、補助対象は「エネルギー管理を一体で行っている工場・事業場等」で実施する事業と書かれています。事業所単位で効果を測る区分と、設備単位で測る区分があり、どちらを選ぶかで書類の重さがまったく違います。

区分何をする事業か補助率(中小企業者等)上限額下限額
(Ⅰ)工場・事業場型 一般枠オーダーメイド型設備や指定設備への更新で、事業所全体の省エネ要件を満たす1/2以内(投資回収年数7年未満は1/3以内)15億円(非化石転換は20億円)100万円
(Ⅰ)工場・事業場型 中小企業投資促進枠同上。中小企業向けに要件を緩めた枠1/2以内(投資回収年数5年未満は1/3以内)15億円(非化石転換は20億円)100万円
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型化石燃料から電気への転換や、低炭素な燃料への転換を伴う指定設備への更新1/2以内3億円(電化は5億円)30万円
(Ⅲ)設備単位型(従来枠)SIIが公表した指定設備への更新1/3以内1億円30万円
(Ⅲ)GX設備単位型 トップ性能枠トップ性能基準を満たす設備の導入更新1/2以内、新設1/5以内3億円30万円
(Ⅳ)エネルギー需要最適化型SIIに登録されたEMSの導入1/2以内1億円30万円

表の数字は、工場・事業場型の公募要領(1-14)と、設備単位型の公募要領(1-11)の表に基づきます。このほか、サプライチェーン上の4者以上が共同で計画する「サプライチェーン連携枠」、先進的な設備・システムを対象にする「先進枠」もありますが、中小企業が単独で最初に使う区分としては、一般枠、中小企業投資促進枠、設備単位型のほうが現実的です。

選ぶときの目安は、次のとおりです。

自社の状況向く区分理由
工場全体で大きく省エネしたい。投資額が数千万円から数億円工場・事業場型事業所全体の省エネ率などを満たす必要があるが、上限が大きい
ボイラや空調など、特定の設備だけを入れ替えたい設備単位型設備単位の要件で済む。上限は1億円
重油・ガスの設備を電気式(ヒートポンプ等)に替えたい電化・脱炭素燃転型補助率が1/2以内で、電化は上限5億円
既存の設備はそのまま。計測と見える化から始めたいエネルギー需要最適化型事業全体の上限1億円。EMSの活用計画と成果の公表が条件

工場・事業場型の中小企業投資促進枠は、何を満たせば申請できるのか

中小企業が最初に確認したいのが、工場・事業場型の中小企業投資促進枠です。J-Net21には「省エネ率7%以上、省エネ量500kl以上、エネルギー消費原単位改善率5%以上」「投資回収年数が3年以上」と書かれており、これは公募要領の記載と一致します。

要件一般枠中小企業投資促進枠
省エネ率+非化石割合増加率10%以上7%以上
省エネ量+非化石使用量700kl以上500kl以上
エネルギー消費原単位改善率7%以上5%以上
投資回収年数5年以上3年以上
補助率(中小企業者等)1/2以内(7年未満は1/3以内)1/2以内(5年未満は1/3以内)
大企業の補助1/3以内対象外

この表の3つの省エネ要件は、いずれか1つを満たせばよい、と公募要領に書かれています。原油換算量で測るため、電気やガスの使用量を原油換算(kl)に直して計算します。換算係数表は公募要領の付録にあります。

要件はこれだけではありません。公募要領は、工場・事業場型の共通要件として、次の4点を挙げています。

共通要件内容
投資回収年数事業区分ごとに定めた年数以上であること。式は「補助対象経費÷(計画省エネルギー量×燃料評価単価)」
中長期計画書エネルギー使用量が1,500kl以上の工場・事業場と、中小企業者に該当しない会社は、省エネ法に基づく中長期計画書等に記載された事業であること
経費当たりの省エネ量補助対象経費1千万円当たり1kl以上
報告導入した設備の1年間のエネルギー使用量と省エネ効果を報告できること

さらに、更新する設備そのものにも条件があります。指定設備は「省エネ率10%以上」「省エネ量1kl以上」「経費当たり省エネ量1kl/千万円以上」のいずれかを満たす必要があり、オーダーメイド型設備は経費当たり省エネ量の条件を満たす必要があります。

ここで、投資回収年数の「以上」という向きに戸惑う方が多いはずです。通常は回収が早い投資ほど良いと考えますが、この補助金では、補助がなくても自力で回収できる投資を除く趣旨から、回収年数が一定以上であることを求めています。中小企業投資促進枠は3年以上、一般枠は5年以上です。補助対象経費が小さく、省エネ効果が大きすぎる事業は、かえって要件を外れる点に注意してください。

補助金はいくらになるのか。計算例で確認する

補助金額は、補助対象経費に補助率を掛けて求め、上限額と下限額の範囲に収めます。ここでは、公募要領の補助率と上限を使った仮の計算例を示します。経費の金額は説明のための仮定で、実在の案件ではありません。

想定区分計算補助金の目安
補助対象経費6,000万円、投資回収年数が5年以上工場・事業場型 中小企業投資促進枠(1/2以内)6,000万円×1/23,000万円
同じ経費で、投資回収年数が3年以上5年未満同上(1/3以内)6,000万円×1/32,000万円
補助対象経費2,400万円設備単位型 従来枠(1/3以内)2,400万円×1/3800万円
補助対象経費9,000万円設備単位型 従来枠(1/3以内、上限1億円)9,000万円×1/33,000万円
補助対象経費4億円設備単位型 従来枠(1/3以内、上限1億円)4億円×1/3=約1.33億円上限の1億円
補助対象経費8,000万円(電化)電化・脱炭素燃転型(1/2以内)8,000万円×1/24,000万円
補助対象経費1,000万円エネルギー需要最適化型(1/2以内)1,000万円×1/2500万円

経費当たりの省エネ量の条件も、計算で確認できます。たとえば補助対象経費が6,000万円なら、1千万円当たり1klの基準から、計画省エネルギー量は年間6kl以上が必要です。補助率が高くても、効果が小さい計画は申請できません。

補助の対象になる経費は、設計費、設備費、工事費です。次の経費は対象外と公募要領に書かれています。

対象外の経費注意点
SIIが対象外と判断した機器・設備・構造物・基礎工事等見積の内訳に混ざりやすい
交付決定前に生じた経費(事前調査費等)調査を先に始めると対象外になる
建屋等の建築物・外構工事、事業に直接関係のない工事設備と一体の工事かどうかが分かれ目
既存設備・システムの解体・撤去・移設撤去費は補助されない
消費税及び地方消費税税抜で計算する

また、自社製品を調達する場合は、利益を排除して原価で計上する決まりがあります。自社グループから購入する設備が含まれる事業は、見積の組み立て方を事前にSIIへ確認してください。

対象にならない事業はどんなものか

「省エネになるなら何でも」ではありません。公募要領は、補助対象と認められない場合を細かく挙げています。

対象にならない事業内容
新設・増設新たに事業活動を始める新築・新設の事業所への設備導入、既存事業所への設備の追加は対象外(エネルギー需要最適化型は除く)
稼働していない設備の更新事業活動に供していない設備を更新する事業は対象外
居住目的の場所専ら居住を目的とした事業所や居住エリアの設備更新は対象外
売電を目的とする発電発電設備を新たに入れる場合、売電を目的とする事業は対象外。売電する事業所の更新で売電量が増える事業も対象外
他の補助金との重複補助対象経費が重複する他の補助金との併用は不可。ただし、使途の特定されていない地方公共団体の一般財源による補助金との併用は認められる

併用について、公募要領は「中小企業経営強化税制との併用は可能」と明記しています。税制優遇全般の併用可否は、それぞれの税制担当窓口に確認するよう書かれています。補助金で取得した固定資産の圧縮記帳についても、SIIのページに、国税庁から圧縮記帳等の適用を受ける国庫補助金等に該当する旨の回答があったと案内されています。税務処理は税理士等に相談してください。

審査では何が見られるのか

採択は、事業区分ごとに評価項目に従って審査し、外部審査委員会の評価を踏まえて、上位者から予算の範囲内で行われます。公募要領の審査項目は次のとおりです。

区分見られる点
審査項目交付規程・公募要領の要件を満たすか。資金調達計画・工事計画などの全体計画が適切で、遂行の確実性と継続性があるか。経費が、類似事業の標準価格や参考見積を参考に算定されているか
評価項目計画省エネルギー量、計画省エネルギー率、経費当たり計画省エネルギー量、EMSを活用した省エネ取り組み(中長期計画等)
追加で評価される例エネルギー転換を伴う事業、売上高に対するエネルギーコストが10%以上の企業、複数事業者の連携、中小企業者等が行う事業
中小企業の追加評価省エネ・地域パートナーシップのパートナー金融機関の支援を受けた事業、2023年度以降に省エネ診断を受けた事業、経営力向上計画や経営革新計画の認定を受けた企業の事業、パートナーシップ構築宣言の登録企業の事業など

中小企業の追加評価に、別の計画の認定や宣言が並んでいる点は実務で効きます。自社がすでに経営力向上計画の認定を受けているなら、その事実を申請書に確実に反映させてください。逆に、これから認定を取る場合は、10月30日の締切に間に合うかどうかが問題になります。

また、交付申請額の合計が予算額を超えるときは、なるべく多くの事業者や事業分野を採択する観点から、事業者や類似案件の絞り込みが行われることがある、とも書かれています。大きな上限額いっぱいまで申請するより、効果の高い部分に絞った計画のほうが評価されやすい場合があります。

予算額は、4次公募で2026年度分が約60億円、2027年度分が約500億円、2028年度分が約309億円、2029年度分が約79億円と公募要領にあります。ただし、これは工場・事業場型、電化・脱炭素燃転型、GX設備単位型、エネルギー需要最適化型を合わせた額で、3次公募の採択結果により変動する場合があります。

今回の公募の日程から逆算すると、いつまでに何をすべきか

4次公募の日程は、次のとおりです。今日は2026年10月12日で、締切の10月30日までは約2週間半です。

時期内容公式資料の記載
2026年10月5日公募開始公募期間は10月5日から10月30日(17:00必着)
公募期間中3者見積の取得、補助事業ポータル(Web)への入力見積依頼は、1次公募の公募要領公開日(2026年3月25日)以降の発行日であれば、交付決定前でも有効
2026年10月30日17:00申請書類一式の到着期限配送状況が確認できる方法で郵送する。持参は不可。ポータル入力だけでは申請と認められない
12月下旬(予定)交付決定交付決定日が事業開始日。契約・発注はこの後
2027年1月31日補助事業の完了期限(原則)検収と支払いまで完了
完了から30日以内または2027年2月5日のうち早い日実績報告書の提出公募要領の事業全体スケジュールの記載
2027年1月末から3月末精算払請求実績報告・確定の後

ここから読み取れるのは、日程が非常に厳しいという点です。交付決定が12月下旬の見込みで、完了期限が原則として2027年1月31日なので、発注から納入、検収、支払いまで、実質的に5週間程度しかありません。公募要領は、事業規模が大きく単年度での実施が困難な事業について、複数年度事業として申請できるとしています。工場・事業場型では、原則として補助対象経費が5千万円以上の事業が対象で、5千万円未満は個別に判断されます。納期が長い機器を含む場合は、単年度で申請するか複数年度にするかを、申請前にSIIの窓口に相談してください。

準備の時期やること補足
今週中SIIの補助事業ポータルでアカウント登録登録後、約1日でURLが届く。1次から3次公募で取得したアカウントは4次でも使える
今週中区分の選択と、対象設備が指定設備か確認SIIの「補助対象設備一覧」と型番登録を確認
来週前半設備メーカー・施工業者から3者見積を取得発注はしない。見積だけ取る
来週後半省エネ計算(原油換算)、投資回収年数の算定事業区分ごとの計算シートがSIIで公開されている
締切の数日前書類を印刷し、ファイリングして発送到着日が締切のため、余裕を持って簡易書留等で

つまずきやすい点を、公募要領から拾う

公募要領を読んで、現場で起きやすいと思われる失敗を表にしました。いずれも公募要領に書かれた規定が根拠です。

つまずきやすい点起きること避け方
交付決定前の発注契約・発注済みの設備は補助対象外になる見積は取ってよいが、発注は交付決定後
ポータル入力だけで提出した郵送されていなければ申請と認められない入力後に書類を印刷して発送し、到着を確認できる手段を使う
書類の不備・不足原則、申請を受理されない。解消されなければ審査対象外になることがある提出書類一覧と照合してから発送
完了期限の超過遅延すると補助対象外になる場合がある納期を逆算し、遅れが見込まれたら速やかにSIIへ連絡
既存設備の撤去原則、事業完了日までに撤去する並行稼働が必要なら、理由書を申請時に出す
取得した設備の処分法定耐用年数の期間内に処分するには、事前にSIIの承認が必要。補助金の返還が生じる場合もある売却・転用の予定がある設備は申請しない
虚偽の記載交付決定の取消し、加算金(年10.95%)を付けた返還、事業者名の公表がありうる数値の根拠資料を残す

特に、処分制限と不正への対処は、補助金を受けた後も長く効きます。処分制限期間は、導入した機器等の法定耐用年数の期間と公募要領に書かれています。

ビルリノベ事業は、建物の断熱と空調をまとめて直す人向け

もう一つの柱が、環境省の予算によるSIIの「業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(脱炭素ビルリノベ2026事業)」です。工場の機械ではなく、事務所、ホテル、病院、百貨店、学校、飲食店などの既存建物を、まとめて省エネ改修する事業を支えます。

項目内容(公式の公募情報ページ)
予算95億円(令和10年度まで)
補助金の限度額1事業あたり、上限10億円、下限200万円
補助率補助対象となる設備費・工事費・設計費の1/2から1/3
公募期間2026年6月4日から2026年11月30日23:59。交付決定額の合計が予算額に達したら、期間内でも受付を終了
主な要件改修後の外皮性能BPIが1.0以下。一次エネルギー消費量が省エネルギー基準から30%または40%程度以上削減(ホテル・病院・百貨店・飲食店等は30%、事務所・学校等は40%)。BEMS等によるエネルギー管理
主な対象製品断熱窓、断熱材、高効率空調(業務用エアコン等)、制御機能付きLED照明器具、業務用給湯器、BEMS
申請方法GビズIDプライム(メンバー)アカウントでjGrantsから申請
問い合わせ0120-102-912(平日10:00から12:00、13:00から17:00)

設備更新の補助金と大きく違うのは、申請がjGrantsで行われる点と、省エネ計算が建物のエネルギー計算(Webプログラム)で行われる点です。計算には「標準入力法」か「モデル建物法」のいずれかを使います。外皮を高断熱化するだけでなく、空調や給湯の更新と組み合わせ、BPIとエネルギー削減率の両方を満たす計画を作る必要があります。

公式ページは、複数年度の事業を年度の切れ目なく実施できることを特徴として挙げています。大規模な改修も対象になりますが、要件の確認には「申請可否チェックシート」が使えます。また、ZEB事業の実績がある専門家「ZEBプランナー」から助言を受けることもできる、と案内されています。

設備更新の補助金と、ビルリノベは、どちらを使うべきか

同じ「省エネ」でも、対象がまったく違います。次の表で、自社の計画がどちらに当たるかを確認してください。

比べる点SIIの設備更新補助金脱炭素ビルリノベ
主な対象工場・事業場の設備(ボイラ、空調、モータ、工業炉、EMSなど)業務用建物の外皮(断熱窓・断熱材)と空調・照明・給湯・BEMS
省エネの測り方原油換算(kl)、省エネ率、原単位改善率建物の一次エネルギー消費量の削減率とBPI
補助率区分により1/2以内、1/3以内など1/2から1/3
上限額区分により1億円から15億円など10億円
申請の方法補助事業ポータルに入力し、書類を郵送jGrantsで電子申請
現在の公募4次公募(10月30日17:00必着)11月30日23:59まで(予算に達したら終了)

工場の一角にある事務所棟を改修する場合など、両方に当てはまりそうな計画では、同じ経費を二重に申請できません。公募要領は、補助対象経費が重複する他の補助金との併用はできないと明記しています。経費をどう切り分けるか、SIIと環境省系の窓口の両方に確認してください。

向く会社と、向かない会社

向く会社理由
老朽化したボイラ、空調、工業炉、コンプレッサなどの更新を控えている製造業指定設備への更新で、設備単位型や工場・事業場型を使える
重油やガスを使う熱源を、電気式に替える計画のある会社電化・脱炭素燃転型は補助率が1/2以内で、電化は上限5億円
電力・ガスの使用データがあり、省エネ計算の根拠を出せる会社審査の評価項目が、計画省エネ量と省エネ率で決まる
経営力向上計画の認定やパートナーシップ構築宣言を持っている会社中小企業の追加評価項目に当たる
事務所、店舗、学校、病院など、築年数のある建物を改修する事業者ビルリノベの対象建物の用途に当たる
向かない会社理由
工場や店舗を新設する計画の会社新築・新設の事業所への導入は、EMS以外は対象外
すでに発注・契約を済ませた会社交付決定前の契約・発注は対象外
エネルギー使用量や原単位のデータがなく、計算できない会社省エネ率や投資回収年数の算定ができない
発電した電気を売る事業が目的の会社売電目的の発電設備は対象外
完了期限までに納品・支払いを終えられない設備を含む会社完了期限に間に合わないと、補助対象外になりうる。複数年度事業の可否を要確認

ほかの制度との関係。税制、融資、診断とどうつなぐか

省エネ設備の投資には、補助金のほかにも使える仕組みがあります。ただし、このサイトでは融資や診断の中身は扱いません。ここでは、補助金と無理なく併用できるかどうかだけを、公式資料の記載で確認します。

仕組み補助金との関係確認先
中小企業経営強化税制公募要領は、併用は可能と記載税理士、税務署
他の補助金等補助対象経費が重複する場合は併用不可。地方公共団体の一般財源による補助金との併用は可。SIIの「よくある質問(本補助金と併用可能な補助金等)」に、認められる併用の例が掲載されるSII(事業第1部)、自治体の担当課
圧縮記帳国税庁から、圧縮記帳等の適用を受ける国庫補助金等に該当する旨の回答があると、SIIが案内税理士等の専門家
経営力向上計画・経営革新計画認定を受けていると、審査の追加評価になる計画の認定窓口
省エネ診断2023年度以降に診断を受けた事業は、審査の追加評価になる診断の受付窓口(SII等)。内容はこのサイトでは扱わない

融資や利子補給については、利用の可否は金融機関や専門機関の審査によって決まり、補助金の採択と連動するものではありません。J-Net21の記事にも、別の制度として紹介されています。

よくある質問

質問答え
個人事業主でも申請できるか公募要領の「中小企業者等」の定義に、個人事業主が含まれている。ただし、具体的な申請資格はSIIの公募要領で確認する
事業区分は途中で変えられるか申請時に区分を選ぶ。公募要領は、事業特性に応じて申請する区分を選択するよう求めている。迷う場合はSIIに電話で確認する
申請は電子か郵送か工場・事業場型は、補助事業ポータルへの入力に加え、書類の郵送が必要。持参は不可。ビルリノベはjGrantsで電子申請
見積はいつ取ればよいか発注・契約に関する3者以上の見積は、2026年3月25日以降の発行日であれば、交付決定前に取得しても有効
設備を先に入れてしまった場合はどうなるか交付決定前に契約・発注を済ませた設備は、補助対象外
補助金は申請後すぐに入るか実績報告と確定の後に精算払請求を行う。交付決定時点では入金されない
リースで導入してもよいか公募要領の根拠が今回確認できていないため、事前にSIIへ確認すること
採択の確率は公式資料に採択率の記載は確認できなかった。結果は交付決定案件一覧などで公開される
問い合わせ先はどこかSII事業第1部。工場・事業場型の一般枠・中小企業投資促進枠は03-5565-4463、先進枠は03-5565-3840、エネルギー需要最適化型は03-5565-4773、設備単位型(Ⅲ)はナビダイヤル0570-01-5116。受付は平日10:00から12:00、13:00から17:00

ProdX Crowd編集部の見立て

この制度の最大の特徴は、制度が「設備の更新」を前提にしており、新設や増設を除いている点です。業績が伸びて設備を増やしたい会社にとっては使い勝手が悪い一方、老朽化した設備を省エネ型へ入れ替える会社には、補助率1/2以内という高い水準の補助が用意されています。

もう一つの特徴は、事務作業の重さです。工場・事業場型は、補助事業ポータルへの入力、3者見積、省エネ計算、中長期計画書、ファイリングした書類の郵送と、申請のハードルが高く、設備メーカーやエネマネ事業者と組んで進める前提の制度と言えます。設備単位型は上限が小さい分、申請書類が軽く、初めて省エネ補助金に挑戦する中小企業には取り組みやすい区分です。

今回の4次公募を逃しても、令和7年度補正予算の事業は複数回の公募が行われており、SIIのページは次の公募の情報を随時更新します。締切までの時間が足りないと感じたら、無理に申請せず、次の公募に向けて、まず電力・ガスの使用実績を整理し、候補設備の3者見積を取り、経営力向上計画の認定など加点につながる準備を進める方法があります。補助金の申請支援をご検討の場合は、月額10,000円、初期費用0円、成果報酬0円、最低契約期間なし、いつでも解約OKのProdX Crowdでご相談いただけます。

確認先

確認したいこと窓口
工場・事業場型(一般枠・中小企業投資促進枠)の申請一般社団法人環境共創イニシアチブ 事業第1部 03-5565-4463
設備単位型・電化・脱炭素燃転型同 事業第1部 0570-01-5116(IP電話は042-303-0855)、電化・脱炭素燃転型は03-5565-3840
EMS・エネマネ事業者同 事業第1部 03-5565-4773
脱炭素ビルリノベ0120-102-912(平日10:00から12:00、13:00から17:00)
公式ページSII https://sii.or.jp/ 、ビルリノベ https://bl-renos.jp/r8/about/ 、J-Net21の解説 https://j-net21.smrj.go.jp/publicsupport/2020030201.html

この制度を一言でいうと

「省エネ関連の支援」は、中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)が実施する補助金・助成金です。対象の地域は全国です。

以下の取り組みなどに対して、補助金を支給するものです。こうした設備への転換は複数年の投資計画が必要になることから、政府は切れ目なく支援を行っていくようです。 工場・事業所全体で大幅な省エネを図る取り組み 電化やより低炭素な燃料への転換を伴う機器への更新 EMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名省エネ関連の支援
実施機関中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)
種類補助金・助成金
対象地域全国
受付期間通年(随時)で受け付けています

「省エネ関連の支援」でいくら支援されるか

省エネ関連の支援では、対象経費に対して2分の1(50%)が支援されます。上限額の定めがある場合は、その範囲内です。

金額の仕組み:対象経費に補助率を掛けたものが支援額です

対象経費(100%)

対象経費支援額の目安自己負担
300万円150万円150万円
600万円300万円300万円
1,200万円600万円600万円

「省エネ関連の支援」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域全国
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域全国
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
事業所事業所の所在地に関する要件があります。本店の所在地か、実際に事業を行う場所かで判断が分かれるため、自社がどちらに当たるかを確認します。

「省エネ関連の支援」の経費で気をつけたいこと

この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
システムシステム・ソフトウェア・ウェブ関連の経費が含まれています。クラウドの月額利用料は「何か月分まで」と決められていることがあります。契約期間と補助事業の期間の関係を、見積もりの段階で確認します。汎用のパソコンやタブレットは対象外のことが多い点にも注意が必要です。この制度の補助率(2分の1(50%))で考えると、この項目の見積額が100万円なら、支援の目安は50万円、自己負担は50万円です。
省エネ省エネ・再エネ設備が対象に含まれています。対象は、性能の基準を満たす機器(登録製品の一覧など)に限られることが多く、型番ごとの確認が必要です。性能を証明する書類を、メーカーに早めに依頼します。この制度の補助率(2分の1(50%))で考えると、この項目の見積額が100万円なら、支援の目安は50万円、自己負担は50万円です。

「省エネ関連の支援」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 申請計画書・見積書を提出
  2. 審査1〜3か月
  3. 交付決定ここから発注できる
  4. 発注・実施期間内に支払いまで
  5. 実績報告証拠書類を提出
  6. 検査・確定補助額が決まる
  7. 入金お金が入るのは最後

発注・契約は「交付決定」の後。お金が入るのは、最後の「入金」です。

「省エネ関連の支援」についてのよくある質問

Q&A省エネ関連の支援

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経営者

Q. 省エネ関連の支援の受付期間はいつですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(全国)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:中小企業基盤整備機構(J-Net21 中小企業支援施策)の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関等のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。