支援事例自動車整備 / 空気圧供給の制約と対応台数
車両仕上げ作業を止めていた空気圧供給の制約を解消し、対応台数を増やす
車両の買取・販売、整備、修理、コーティングなどを行い、メーカー下取り車両の商品化作業も受ける企業が、顧客から追加の引き合いがあるのに、業務用コンプレッサーの能力不足で連続して稼働できず途中で作業を止める必要があり、複数人が並行して作業することも難しかったという状況を、業務用コンプレッサーの導入で解決しようとする取り組みを整理した事例です。主な作業を支える共通の設備が、複数の作業者の同時稼働の能力を制限する構造に、読みどころがあります。

- 課題追加の引き合いがあるが、コンプレッサーの能力不足で連続稼働ができず、複数人の並行作業も難しかった。
- 支援した打ち手業務用コンプレッサーを導入し、連続稼働と複数の作業者への空気供給を可能にして、対応台数と紹介営業の効果を高める取り組みとして整理した。
- 目指す状態作業時間の短縮・処理能力・生産性など異なる意味の数値が混在することを整理し、定義を揃えて評価する計画として描いた。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01BEFORE
この企業の事業と、強み
この企業は、車両の買取・販売、整備、修理、コーティングなどを行っています。メーカーが下取りした車両を、商品として仕上げる作業も受けています。
車両の仕上げには、工具を動かす圧縮空気など、作業を支える設備が必要です。この設備が、作業者の数と作業の連続性を決めます。
02PROBLEM
直面していた課題と、その本当の原因
顧客から、追加の引き合いがありました。しかし、業務用のコンプレッサーの能力が不足していたことが、制約になっていました。従来の設備は、連続して稼働できず、途中で作業を止める必要がありました。また、複数人で並行して作業することも、難しい状況でした。
起きていたのは、設備の停止、作業員の待機、対応できる台数の制約、受注の機会の損失、という流れです。需要はすでにあるのに、設備の能力が上限を決めていました。人員を増やしても、空気の供給が追いつかなければ、並行作業はできません。
- 1見えていた課題追加の引き合いに応えられない。
- 2一段奥の原因連続稼働と複数人の並行作業ができない。
- 3真因共通設備(コンプレッサー)の能力が、同時稼働の上限を決めている。
03PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1追加の引き合いに応えられない対応台数に上限がある。
- 2作業員が待機する設備の停止と、並行作業の制約。
- 3能力の上限が見えにくい人員で解決できると考えがち。
04STRATEGY
選んだ打ち手と、その理由
構想は、業務用のコンプレッサーの導入です。目指すのは、連続の稼働、複数の作業者への空気の供給、作業時間の短縮、既存顧客の追加の受注、紹介営業の強化です。
重要な経営の知見は、需要はすでにあり、設備の能力が変われば、営業の効果も変わる、という点です。設備が制約になっている間は、営業を強めても、受けられる台数に上限があるため、効果は限られます。設備の制約を解くことで、営業の努力が、受注へ結びつくようになります。
- 1設備の停止
- 2作業員の待機
- 3対応台数の制約
- 4受注の機会の損失
- 5コンプレッサーの導入 → 連続・並行作業 → 対応台数の拡大
設備の能力が変われば、営業の効果も変わる。
05ALT
なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較
人員を増やす選択もあります。しかし、空気の供給が上限であれば、増やした人員も待機するだけです。作業の順序を見直し、設備を使う時間を分ける選択もありますが、並行作業の制約は残ります。
共通の設備の能力を上げる選択は、制約の原因そのものに対処します。ただし、投資の前に、本当にコンプレッサーが上限を決めているのかを、停止と待機の記録で確かめることが必要です。
06STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
設備の導入は、現場の複数の立場に影響します。
- 1現場の作業者待機が減り、並行して作業できるようになる。
- 2顧客・紹介元納期が安定し、追加の依頼がしやすくなる可能性がある。
- 3経営者設備の投資と、受注の増加を比べる。
07ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1現状の記録停止と待機の時間を記録します。
- 2設備の選定必要な能力を見積もります。
- 3導入と運用連続・並行作業を試します。
- 4効果の確認対応台数と作業時間を比べます。
08DIAGNOSTIC QUESTIONS
自社に当てはめるときの問い
共通の設備が、作業の上限を決めていないかを探る問いです。
- 1作業者が、待機している時間はどのくらいか待機の原因を記録します。
- 2複数人が同時に作業できない理由は何か設備、場所、工具のうち、どれか。
- 3設備が止まる原因は何か能力不足、保守、供給などを調べます。
- 4設備の能力が上がれば、受注は増えるか断っている引き合いを数えます。
- 5数値の改善を、同じ基準で測れるか時間・処理能力・生産性の定義を揃えます。
09POINT
読み方のポイント|「共通」の設備が、全員の上限になる
複数の作業者が、一つの設備を共有している場合、設備の能力が、全員の作業の上限を決めます。作業者を増やしても、設備の供給が足りなければ、増やした分は待機に変わります。
共通の設備は、目立たず、作業者の数に比べて小さな投資に見えるため、見過ごされやすいものです。生産や作業の能力を考えるとき、人と主な機械だけでなく、それらを支える共通の設備にも、目を向けることが重要です。
10LEARNINGS
他社が学べること
人を増やしても、共通の設備が上限なら、並行作業は増えません。作業者の待機の記録を取り、どの設備や工程が上限かを確かめてから、投資先を決めます。
また、設備の効果を示す割合は、定義を揃えて読むこと。「作業時間の短縮」と「処理能力の増加」は別であり、実際の改善量を確認することが前提です。
11SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 課題は、需要があるのに、設備停止と待機のために対応台数に上限があること。
- 真因は、共通設備の能力が、複数作業者の同時稼働を制約していること。
- 作業時間の短縮と処理能力の増加は同義ではなく、数値の定義を揃えて確認する。
12RELATED SERVICES
関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
13RELATED CASES
関連する支援事例
加工機ではなくコンプレッサーが生産能力を制限していた金属加工会社の設備投資
運転時間の変化を「稼働可能時間の増加」として扱い、実際の生産量や労働生産性とは分けて評価する計画として描いた。
- 当初の課題
- 取引先から新しい部品の量産の引き合いがあるが、コンプレッサーの稼働の制約で加工機を長時間動かせず、受注の機会を失っていた。
- 支援した打ち手
- 旧型コンプレッサーを更新し、稼働可能な時間を広げて量産対応と受注機会の拡大につなげる取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 運転時間の変化を「稼働可能時間の増加」として扱い、実際の生産量や労働生産性とは分けて評価する計画として描いた。
動物病院の血液検査工程を見直し、診療全体の対応能力を改善
検査工程の負荷を軽くし、診療全体の対応能力を高める計画。
- 当初の課題
- 血球計数器の測定結果で再測定や確認が必要になる場面があり、検査工程に時間を要していた。
- 支援した打ち手
- 血液検査機器の更新により、検査工程の効率化、再測定の負担軽減、検査時間の短縮を取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 検査工程の負荷を軽くし、診療全体の対応能力を高める計画。
自社工場と加工設備を持ち、下請けから元請けへ事業構造を転換
設備投資を、生産能力ではなく、商流とバリューチェーン上の位置を変える手段として位置づけた。
- 当初の課題
- 技術と顧客からの相談はあるが、自社の工場・設備がなく、元請を介した取引に限られていた。
- 支援した打ち手
- 自社の工場と加工設備を持ち、既存製品ではなく新規製品から元請取引を始める取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 設備投資を、生産能力ではなく、商流とバリューチェーン上の位置を変える手段として位置づけた。
同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

