支援事例動物病院 / 血液検査工程の見直し
動物病院の血液検査工程を見直し、診療全体の対応能力を改善
診療、検査、手術、トリミング、ペットホテルなどを提供する動物病院が、既存の血球計数器の測定結果に再測定や確認が必要になる場面があり、検体の採取、測定、再確認・再測定、診療という流れの中で検査に時間がかかっていた課題を、血液検査機器の更新による検査工程の効率化として整理した事例です。診療件数の上限は、診察室や獣医師の数だけでなく、検査工程の処理能力で決まることがある、という視点が読みどころです。

- 課題血球計数器の測定結果で再測定や確認が必要になる場面があり、検査工程に時間を要していた。
- 支援した打ち手血液検査機器の更新により、検査工程の効率化、再測定の負担軽減、検査時間の短縮を取り組みとして整理した。
- 目指す状態検査工程の負荷を軽くし、診療全体の対応能力を高める計画。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01BEFORE
この企業の事業と、強み
この動物病院は、診療を中心に、検査、手術、トリミング、ペットホテルなどを提供しています。診療に加え、複数のサービスを持つことで、飼い主の日常のさまざまな場面に関わっています。
病院の診療は、受付、診察、検査、結果の確認、診療の判断、という流れで進みます。この流れの中で、どの工程が、全体の処理能力を決めているかが、運営の効率を左右します。
02PROBLEM
直面していた課題と、その本当の原因
既存の血球計数器による測定では、結果に再測定や確認が必要になる場面がありました。そのため、検体の採取、測定、再確認・再測定、診療という流れで、検査の工程に時間を要していました。
表面の課題は「予約できる件数が少ない」ことに見えます。しかし、診察室の数や獣医師の数に余裕があっても、検査の工程が詰まれば、診療の全体が待たされます。真因は、診療の処理能力が、血液検査とその確認の工程で制約されていることです。
- 1見えていた課題予約可能な件数が限られる。
- 2一段奥の原因検査の再測定・確認に時間がかかる。
- 3真因診療の流れの中で、検査工程が処理能力の上限を決めている。
03PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1予約できる件数が限られる診療の流れの中で、検査が詰まる。
- 2検査に時間がかかる再測定・確認が必要になる場面がある。
- 3処理能力の上限が見えにくい診察室や獣医師の数だけで考えている。
04STRATEGY
選んだ打ち手と、その理由
構想は、血液検査の機器を更新し、検査工程を効率化し、再測定の負担を軽くし、検査の時間を短縮することです。
重要な経営の視点は、診療の件数の上限は、診察室の数や獣医師の数だけでは決まらない、という点です。検査工程の処理能力が、ボトルネックになる場合があります。そのため、診療を増やす投資を考えるとき、診察室を増やす前に、どの工程が詰まっているかを確認します。
- 1受付
- 2診察
- 3血液検査
- 4測定の確認・再測定
- 5診療の判断
検査工程の負荷が、診療全体の処理能力を決めている。
05ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1現状の把握検査の所要時間と再測定の頻度を記録します。
- 2機器の選定仕様を確認し、更新の機器を選びます。
- 3導入と運用検査の流れを見直します。
- 4効果の確認所要時間と予約枠を比べます。
06STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
検査工程の見直しは、複数の立場に影響します。
- 1飼い主待ち時間が短くなり、予約が取りやすくなる可能性がある。
- 2獣医師・スタッフ検査の確認の手間が変わり、診療に集中しやすくなる可能性がある。
- 3病院の経営者設備の費用と、診療全体の対応能力の変化を評価する。
07NOTE
補足|導入前の記録が、効果の確かめ方を決める
設備を更新する前に、検査の所要時間、再測定の頻度、診療の待ち時間を記録しておくと、導入後の変化を同じ基準で比べられます。記録がなければ、効果があったのかどうかを、あとから確かめられません。
診療全体の処理能力は、複数の工程の組み合わせで決まります。検査だけでなく、診察、説明、会計までの流れを通して見て、最も詰まっている工程を、数字で特定することが、投資の優先順位を決める出発点です。診療の待ち時間は、飼い主の満足にも関わります。検査の待ち時間を、飼い主へどう説明するかも、運用の一部として考えておくと、設備の効果が実感されやすくなります。
08DIAGNOSTIC QUESTIONS
自社に当てはめるときの問い
診療や、サービスの処理能力を上げるときの問いです。
- 1待ち時間が長いのは、どの工程か工程ごとの所要時間を測ります。
- 2再作業や再確認は、どのくらい発生しているか頻度と、一回あたりの時間を数えます。
- 3設備の更新で、どの工程の時間が減るか期待する効果を、工程単位で書きます。
- 4減った時間を、何に使うか予約枠の追加、診療の質の向上などを決めます。
- 5効果を、実績として確かめる指標は何か導入前の記録を取っておきます。
09POINT
読み方のポイント|補助工程が、主工程の上限を決める
診察は、獣医師が行う主な工程です。検査は、その診察を支える補助の工程です。しかし、補助の工程が詰まれば、主の工程が待たされます。これは、病院に限らず、製造や物流など、複数の工程が連なる事業でも見られる構造です。
投資の優先順位を考えるとき、目立つ主工程に目が向きがちですが、実際に全体を決めているのは、最も処理能力の低い工程です。どの工程が詰まっているかを、数字で確認してから、投資先を決めることが、無駄の少ない設備投資につながります。
10LEARNINGS
他社が学べること
全体の処理能力は、最も処理能力の低い工程で決まります。診察室や人員を増やす前に、どの工程が詰まっているかを確認することが、投資の効率を高めます。
予約枠の増加と、実際の需要、費用を並べて、慎重に評価することが前提です。
11SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 課題は、再測定や確認が必要になる場面があり、検査に時間がかかること。
- 真因は、診療の流れの中で、検査工程が処理能力の上限を決めていること。
- 設備の導入効果を、そのまま売上増加の実績へ換算しない。診断上の効果は断定しない。
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関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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車両仕上げ作業を止めていた空気圧供給の制約を解消し、対応台数を増やす
作業時間の短縮・処理能力・生産性など異なる意味の数値が混在することを整理し、定義を揃えて評価する計画として描いた。
- 当初の課題
- 追加の引き合いがあるが、コンプレッサーの能力不足で連続稼働ができず、複数人の並行作業も難しかった。
- 支援した打ち手
- 業務用コンプレッサーを導入し、連続稼働と複数の作業者への空気供給を可能にして、対応台数と紹介営業の効果を高める取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 作業時間の短縮・処理能力・生産性など異なる意味の数値が混在することを整理し、定義を揃えて評価する計画として描いた。
目視検査と複数器具による工程を見直し、診療業務の効率化を計画
人から機械へ、順番の作業から並行の作業へ、という構造の変化を描いた。
- 当初の課題
- 検査は担当者が完了まで張り付き、目視で判断していた。手術では器具の持ち替えで工程が増えていた。
- 支援した打ち手
- 検査の自動測定と、器具の集約による工程の短縮を計画し、並行処理を可能にする業務設計として整理した。
- 目指す方向
- 人から機械へ、順番の作業から並行の作業へ、という構造の変化を描いた。
設備待ちを解消し、施術可能数と紹介販路の拡大を計画
設備能力→待ち時間→処理能力→空き時間→営業→新規顧客という一連の流れを描いた。
- 当初の課題
- 繁忙時間に特定の設備が足りず、待ち時間が処理能力の上限を決めていた。
- 支援した打ち手
- 設備の追加で待ちを減らし、空いた時間を営業活動に充て、紹介による新規顧客につなげる取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 設備能力→待ち時間→処理能力→空き時間→営業→新規顧客という一連の流れを描いた。
同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

