支援事例観光・サービス / 受託型の接客から観光アテンドへ

多言語コンシェルジュの接客力を、訪日富裕層向け観光アテンドへ転換

自治体や民間企業から観光案内所やサービスカウンター、コンシェルジュ業務を受託してきた企業が、契約先・稼働時間・配置人数によって売上が制約される受託型の構造と、案内所の利用者に対してより詳しい旅程の提案や個別の同行を提供できる余地という二つの課題を、観光通訳アテンドという新しいサービスで解こうとした構想を整理した事例です。人材の能力を、受託先の施設の中だけでなく、新しいサービス市場で販売するという転換が読みどころです。

業種
観光・サービス
支援テーマ
受託型から直接サービスへ
区分
経営コンサルティング
観光・サービスのイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01BEFORE

この企業の事業と、強み

この企業は、自治体や民間企業から、観光案内所、サービスカウンター、コンシェルジュ業務を受託しています。強みは、多言語での対応、接客の研修、観光の案内、顧客への対応、そして法人からの受託の実績です。

案内所では、日々さまざまな旅行者の質問に答えます。何を見たいのか、どれくらいの時間があるのか、誰と来ているのかといった情報は、旅程を考えるうえで貴重な手がかりですが、受託の業務の範囲では、それ以上の提案には広げにくい構造でした。

02PROBLEM TREE

課題を掘り下げる

目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。

  • 1契約の枠に売上が縛られる契約先・稼働時間・配置人数。
  • 2人材の力が施設内に閉じる直接のサービスがない。
  • 3新事業の根拠が未確認集客・法令・提携の実態が不明。

03STRATEGY

選んだ打ち手と、その理由

構想している新事業は、観光通訳アテンドです。訪日観光客向けの同行、旅程の相談、観光の提案、多言語でのサポートを提供し、海外の旅行会社との提携も計画しています。

流れは、案内所での接客で旅行の目的を把握し、個別の旅程を提案し、観光に同行し、追加の価値を届けるというものです。重要なのは、コンシェルジュの人材の能力を、受託先の施設の中だけでなく、新しいサービス市場で販売する、という転換です。

図解|案内所の接客 → 旅行目的の把握 → 個別旅程 → 観光同行 → 追加の価値
  1. 1案内所での接客日々の対応
  2. 2旅行目的の把握何を求めているか
  3. 3個別旅程の提案相談・提案
  4. 4観光同行多言語サポート
  5. 5追加の価値直接の収益

04ALT

なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較

受託の事業を拡大し、契約先を増やす選択は、収益の予測が立てやすい反面、契約の枠に縛られる構造は変わりません。

観光アテンドを始める選択は、人材の力を直接の収益に変えられますが、法令の確認、集客の経路、人の稼働の上限という課題があります。まず少人数で試行し、需要と単価を確かめてから広げる順序が、リスクを抑えます。

05STAKEHOLDERS

関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか

観光アテンドは、複数の立場に関わります。

  • 1訪日の旅行者個別の提案と安心を求めるが、料金に見合う価値を見極める。
  • 2海外の旅行会社(提携の候補)送客の条件や手数料、品質の管理を確認する。
  • 3既存の受託先(自治体・企業)本業の受託と新事業の関係を気にする。
  • 4スタッフ受託の接客から同行へ、役割と働き方が変わる。

06ACTION STEPS

実行に向けた段階(目標)

事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。

  • 1法令・契約の確認必要な許可と範囲を確かめます。
  • 2少人数での試行需要と単価を確認します。
  • 3提携先の開拓送客の条件を整理します。

07DIAGNOSTIC QUESTIONS

自社に当てはめるときの問い

受託型の事業者が、直接サービスを考えるときの問いです。

  • 1接客で得ている顧客の情報は何か目的・同行者・滞在時間などの手がかりを整理します。
  • 2その情報から、どんな追加の提案ができるか受託の範囲を超える価値を具体化します。
  • 3同時に対応できる顧客の数はいくつか同行型は人の稼働に上限があります。
  • 4提携先は、どこから来るのか集客の経路を確かめます。
  • 5必要な許可や契約の範囲は何か旅行や通訳に関わる法令を確認します。

08POINT

読み方のポイント|人材の能力は、どの市場でも売れる資産

受託先の施設の中で磨かれた接客の力は、施設の外でも価値を持つ可能性があります。契約の枠に売上が縛られている企業は、人材の能力を別の市場で直接販売できないかを検討する余地があります。

ただし、直接販売は、法令、集客、品質管理を自社で担うことを意味します。受託の安定と、直接販売の自由度の間で、どこまで進むかを判断する必要があります。

09HOW TO USE

自社の計画に使うときの読み方|受託型の人材サービス

この事例を、自社の検討に使うときは、業種の違いに引きずられず、構造を取り出して当てはめると役に立ちます。次の問いに、自社の場合を書き込んでみてください。

  • 1受託先の外で、価値を求める顧客はいるか案内所の利用者の声から探す。
  • 2同行や相談を、有料にできるか無料の案内との線引きを決める。
  • 3人の稼働の上限は、何人分か月間の顧客数と照らす。
  • 4提携先は、本当に送客するか条件と手数料を確かめる。

10LEARNINGS

他社が学べること

人材の能力を、別の市場で直接提供できないかを検討することが、構造を変える入口になります。

一方、直接のサービスは、同時に対応できる人数、法令、集客の経路という条件に左右されます。

11SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 課題は、受託型で契約先・稼働時間・配置人数に売上が制約されること。
  • 打ち手は、案内所での接客から得た顧客理解を、個別旅程の提案と観光同行へつなげること。

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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

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