支援事例ゴルフ用品 / 一点物ブランドの文化体験への拡張

一点物のゴルフ用品ブランドを、日本文化と体験型店舗へ拡張

職人が手編みで仕上げるオーダーメイドのゴルフ用品(主力はヘッドカバー)を、一点物、デザイン性、希少性、高価格帯という強みで販売してきたブランドが、国内外での認知不足と海外販路の未整備を、広告や展示会による販路拡大で補い、さらに着物素材を使った新製品とアトリエ・カフェを組み合わせた体験型の店舗でインバウンド観光客へ届ける取り組みを整理した事例です。商品を売るだけでなく、日本文化と職人の製造工程と体験と買い物を一体にして、価格で比べられにくい価値をつくる発想が読みどころです。

業種
アパレル雑貨・ゴルフ用品
支援テーマ
ブランドの体験化と価格決定力
区分
経営コンサルティング
アパレル雑貨・ゴルフ用品のイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01BEFORE

この企業の事業と、強み

このブランドは、職人によるオーダーメイドのゴルフ用品を手がけています。主力は手編みのヘッドカバーで、一点物であること、デザイン性、希少性、職人の技術、高価格帯であることが特徴です。販売はECと、一部の販売店で行っています。

手仕事の価値は、同じものを大量に作れないことにあります。その代わり、供給量に限りがあり、一つひとつの価格と、見つけてもらう機会を高めることが鍵になります。

02PROBLEM

直面していた課題と、その本当の原因

表面の課題は、国内外での認知の不足、海外の販路が整っていないこと、販売の機会が限られること、そして製造と職人を育成する拠点が足りないことでした。

真因は、製品の価値が高いのに、それを知る人と買える場所が少ないことです。さらに、職人の手仕事に頼る製品は、数量を増やしにくいため、数量で伸ばす戦略は取れません。価値を高めながら、見つけてもらう機会を増やす必要があります。

  • 1見えていた課題認知不足、海外販路の未整備、拠点の不足。
  • 2一段奥の原因手仕事のため数量を増やしにくく、販売の場も限られる。
  • 3真因価値の高さを、知ってもらい買える形にする経路が不足している。

03PROBLEM TREE

課題を掘り下げる

目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。

  • 1販売の機会が限られる認知不足と海外販路の未整備。
  • 2数量を増やしにくい手仕事のため、製造の拠点と職人が足りない。
  • 3価格で比べられやすい価値が体験として伝わっていない。

04ALT

なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較

数量を増やすために、製造を外部へ委託したり、機械で量産したりする選択もあります。しかし、手編みの一点物という価値を損ない、高価格帯のブランドの前提が崩れる可能性があります。

広告と展示会で販路を広げる第1段階は、価値を保ったまま買い手を増やす方法です。体験型の店舗は、価値を伝える場を自社でつくる選択です。二つを段階に分けたのは、先に販路を広げて反応を確かめ、店舗への投資を、需要の確かさが見えてから行うためです。体験型店舗を先に作ると、固定費が先に発生するからです。

05STAGE1

第1段階の計画|販路を広げる

最初の構想は、雑誌広告、SNS広告、PRの配信、海外のバイヤー向けの展示会、販売パートナーの開拓などによる販路の拡大です。これは、既存の製品を、より多くの人と販売先へ届ける取り組みです。

展示会は、海外のバイヤーに実物を見てもらい、取引につなげる場です。広告は、まだ知らない人に知ってもらう入口です。それぞれの役割が異なるため、何を成果として測るかも、別に決める必要があります。

06STAGE2

第2段階の計画|日本文化と体験の店舗

次の構想は、着物の素材を使ったゴルフ用品や小物を開発し、さらに、アトリエ、商品の展示、物販、カフェ、イベントを組み合わせて、インバウンドの観光客へ販売するというものです。

戦略の本質は、商品を売るだけではない点です。日本の文化、職人の製造の様子、体験、買い物を一体にして、価格で比較されにくい価値を提供します。同じ手編みのヘッドカバーでも、職人の仕事を見て、素材の背景を知り、体験したうえで買う場合は、他の商品と並べて価格を比べにくくなります。

図解|製品 → 文化体験 → 物販 → ブランド
  1. 1製品一点物・手編み
  2. 2文化着物素材・職人技
  3. 3体験アトリエ・カフェ
  4. 4物販店舗・既存製品への送客
  5. 5ブランド価格で比べにくい価値

07ACTION STEPS

実行に向けた段階(目標)

事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。

  • 1販路の整理広告・展示会・パートナーの役割を決めます。
  • 2新製品の開発着物素材の製品を試作します。
  • 3店舗の試行小規模な体験の場で反応を見ます。

08DIAGNOSTIC QUESTIONS

自社に当てはめるときの問い

ブランドの価値を、価格で比べにくくするときの問いです。

  • 1商品の価値は、どこから生まれているか素材、技術、背景、物語のうち、何が差を生んでいるかを書き出します。
  • 2商品を知らない人は、どこで出会えるか広告、展示会、店舗の役割を分けて考えます。
  • 3体験は、商品の購入につながっているか送客の効果を記録します。
  • 4数量を増やせない商品で、売上をどう伸ばすか価格と体験の価値を高める方法を考えます。

09POINT

読み方のポイント|数量を増やせない事業の伸ばし方

手仕事の商品は、数量を増やすことが難しいため、価格を高めるか、買う人の数を増やすかの二つに限られます。この事例は、その両方を、販路の拡大と体験の店舗で狙っています。

価格を高めるには、商品の価値が他と比べられない状態をつくる必要があります。体験は、そのための手段です。ただし、体験の場は費用がかかるため、体験の費用が、常に確かめる必要があります。

10LEARNINGS

他社が学べること

数量を増やしにくい事業では、販売の量ではなく、一つあたりの価値と、見つけてもらう機会を設計します。製品、文化、体験、物販を一つの流れにすると、価格で比べられにくい価値になります。

ただし、体験の場は固定費を伴います。営業利益として残るかを数字で確かめることが、計画を現実に近づけます。

11SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 課題は、認知不足、海外販路の未整備、販売機会の限定、拠点の不足にあった。
  • 計画は二段階で、第1段階が販路拡大、第2段階が着物素材の新製品と体験型店舗である。

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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

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