支援事例食品・小売 / ギフトの販路を地域の菓子へ
冠婚葬祭ギフトの市場変化を受け、地域性のある菓子を自社開発する事業へ転換
茶の卸売と小売から事業を始め、葬儀用のギフト、ブライダルのギフト、OEMの食品、地域の土産へと広げてきた企業が、ブライダル市場の変化により従来のカタログギフトの販売が減り、特定の市場への依存のリスクが顕在化したという課題を、地域の観光資源をモチーフにした菓子を自社で企画・製造して、既存の販路に乗せる事業で解こうとした構想を整理した事例です。市場が縮小したからといって、保有している経営資産がすべて失われるわけではなく、販路、取引先、商品企画の力は別の商品へ転用できる、という点が読みどころです。

- 課題ブライダル市場の変化で従来のカタログギフトの販売が減り、特定の市場への依存のリスクが顕在化した。
- 支援した打ち手既存の販路と商品企画の経験を活かし、地域の観光資源をモチーフにした菓子を企画し、外部製造が難しい仕様のため自社製造へ進む構想として整理した。
- 目指す状態どの取り組みが実行済みかも未確認。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01BEFORE
この企業の事業と、強み
この企業は、茶の卸売と小売から事業を始め、その後、葬儀用のギフト、ブライダルのギフト、OEMの食品、地域の土産へと、事業を広げてきました。
既存の資産は、卸売先とのネットワーク、全国のギフトの販売チャネル、食品メーカーとの関係、商品の企画の経験、そして小売と卸売のノウハウです。
02PROBLEM
直面していた課題と、その本当の原因
ブライダルの市場が変化したことで、従来のカタログギフトの販売が減少しました。特定の市場への依存のリスクが、現実のものになりました。
真因は、販路や取引先の関係が、特定の商品と市場に結びついていたことです。しかし、市場が縮小しても、築いた販路や関係、企画の力が失われたわけではありません。
- 1見えていた課題カタログギフトの販売の減少。
- 2一段奥の原因特定の市場への依存。
- 3真因資産を、市場に合わせて別の商品へ振り向ける仕組みがなかった。
03PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1従来のギフトの販売が減る市場の変化。
- 2特定の市場への依存商品と販路が結びつく。
- 3資産の転用先がない新しい商品がない。
04STRATEGY
選んだ打ち手と、その理由
新しい商品は、地域の観光資源をモチーフにした菓子です。流れは、既存の販路を使って新しい商品を企画し、まず外部の製造を検討し、仕様への対応が難しいことが分かり、自社の製造へ進み、土産物店などに販売する、というものです。
外部の製造を検討したときに、独自の構造など、製造が難しい仕様があり、自社で製造する判断になりました。販路は、土産物店、道の駅、観光関連の販売店、卸売先などを想定しています。
- 1既存の販路卸売先・ギフトのチャネル
- 2新商品の企画地域の観光資源
- 3外部製造の検討仕様への対応が難しい
- 4自社製造独自の仕様に対応
- 5販売土産物店・道の駅など
05ALT
なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較
既存のギフトの事業を縮小しながら維持する選択は、費用が小さい一方、依存の課題は残ります。
外部の製造に任せたまま、商品を出す選択もあります。投資は小さくなりますが、仕様の実現が難しいという課題が残ります。自社の製造へ進む選択は、独自の商品を実現できますが、製造の責任を負います。小ロットで試し、品質と需要を確かめる順序が現実的です。
06CROWD
クラウドファンディングの構想
新商品の認知の獲得と資金の調達を目的に、クラウドファンディングを構想しています。支援者向けには、商品のセット、試作品、商品開発への参加などを検討しています。
クラウドファンディングは、資金の調達だけでなく、商品への関心を事前に測る手段にもなります。
07ASSETS
重要な経営の知見|縮小した市場から、資産を引き出す
市場が縮小したからといって、保有している経営資産がすべて失われるわけではありません。販路、取引先、商品企画の力は、市場が変わっても、別の商品へ転用できます。
本件では、ブライダルのギフトで培った販路と企画の力を、地域の土産という別の商品に向けています。一方で、新しい商品を自社で製造する場合は、製造の設備、衛生管理、人員など、新しく必要になる資産もあります。
- 1転用できる資産卸売先のネットワーク、販売チャネル、企画の経験。
- 2新しく必要な資産製造の設備、衛生管理、人員。
- 3確認することどの取り組みが実行済みで、どれが構想か。
08STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
地域の菓子の自社製造は、複数の立場に関わります。
- 1土産物店・道の駅など取り扱いの条件、品質、売れ行きを見る。
- 2地域・観光の関係者地域の資源を使うことへの理解と協力が必要になる。
- 3製造を担う従業員衛生管理と品質の維持の責任が加わる。
- 4購入する観光客土産としての魅力と価格を比べる。
09ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1実行済みの確認計画と実績を区別します。
- 2試作・小ロット品質と需要を確かめます。
- 3法令の確認衛生と表示を整えます。
- 4販路への展開取り扱いの条件を決めます。
10DIAGNOSTIC QUESTIONS
自社に当てはめるときの問い
縮小した市場の資産を転用するときの問いです。
- 1築いた販路や取引先は、他の商品を扱えるか転用できる範囲を確かめる。
- 2新商品は、既存の販路の顧客に必要とされるか需要を確かめる。
- 3製造は、外部か自社か仕様と費用で判断する。
- 4食品の衛生と表示は、確認済みか法令の確認が必要。
- 5どの取り組みが実行済みか計画と実績を区別する。
11POINT
読み方のポイント|市場の縮小と、資産の価値は別
市場が縮小したとき、その市場向けの商品だけが価値を失うのであって、販路や関係、企画の力が失われるわけではありません。資産を、市場から切り離して棚卸しすると、新しい使い道が見えてきます。
ただし、新しい商品が、既存の販路にとって魅力的かどうかは、別に確かめる必要があります。資産の転用は、需要の確認とセットで考えます。
12HOW TO USE
自社の計画に使うときの読み方|縮小した市場に依存してきた企業
この事例を、自社の検討に使うときは、業種の違いに引きずられず、構造を取り出して当てはめると役に立ちます。次の問いに、自社の場合を書き込んでみてください。
- 1築いた販路は、他の商品を扱えるか転用できる範囲を確かめる。
- 2取引先は、新しい商品に関心を持つか事前に意見を聞く。
- 3自社で製造すると、新しく必要になる資産は何か設備・衛生・人員。
- 4構想と実績を、区別して記録しているか議事録の読み方を点検する。
13LEARNINGS
他社が学べること
縮小した市場で築いた販路、取引先、企画力は、別の商品に転用できる資産です。資産を市場から切り離して棚卸しすることが、次の事業の入口になります。
新しい商品を自社で製造する場合は、衛生管理や設備など新しい責任が生じます。計画と実績を区別し、小さく試すことが前提です。
14SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 課題は、ブライダル市場の変化による従来のギフトの販売の減少と、特定の市場への依存。
- 打ち手は、既存の販路と企画力を活かした、地域の観光資源をモチーフにした菓子の自社開発と販売。
15RELATED SERVICES
関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
16RELATED CASES
関連する支援事例
ダイビングとシュノーケリングの異なる需要に対応する専用船の整備を構想
目的の異なる顧客に、専用の船と商品を分けて用意する構想。
- 当初の課題
- ダイビングとシュノーケリングの顧客は利用したい海域と体験が異なり、既存の船だけでは特定の需要に応えにくかった。
- 支援した打ち手
- シュノーケリング専用の船を整備し、シュノーケリング、体験ダイビングとの組み合わせ、写真撮影、ホテル送迎などの商品を目的別に提供する構想として整理した。
- 目指す方向
- 目的の異なる顧客に、専用の船と商品を分けて用意する構想。
被災した船舶関連事業者が、マリンランプの事業再開と地域産業の復旧を構想
事業の復旧と、商品・ブランドの再展開を結びつける構想。
- 当初の課題
- 大きな災害で、事業の拠点、工場、船舶関連の事業の継続に課題が生じた。
- 支援した打ち手
- 拠点を復旧し、船舶の照明を住宅や店舗でも楽しめる商品として再展開し、資金調達と需要の検証にクラウドファンディングを使う構想として整理した。
- 目指す方向
- 事業の復旧と、商品・ブランドの再展開を結びつける構想。
ECで始めた米粉シフォン事業を、製造店舗と地域販路へ展開
地域の原料を生かしながら、売上の最大化ではなく、一人で運営を続けられる構造を整理した。
- 当初の課題
- 創業初期は通販が中心で、認知度が低く、ECだけでは集客が進みにくかった。
- 支援した打ち手
- EC・地域の店舗・地域での販売・全国向けの販売へ販路を広げ、代表1名で回せる業務設計(設備・店舗の配置・受注のIT化・宅配・在庫)を一体で考えた。
- 目指す方向
- 地域の原料を生かしながら、売上の最大化ではなく、一人で運営を続けられる構造を整理した。
同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

