支援事例食品 / 創業初期の販路拡張・一人で回せる事業構造
ECで始めた米粉シフォン事業を、製造店舗と地域販路へ展開
創業初期にEC(通販)を中心に米粉のシフォンケーキを販売してきた事業者が、認知度の低さによる集客の難しさに向き合い、製造を行う店舗と地域の販売、全国向けの通販を組み合わせた販路へ広げる取り組みを整理した、支援事例です。代表1名で製造から発送までを行う前提で、「一人でも回せる事業構造」の設計を中心に扱っています。

- 課題創業初期は通販が中心で、認知度が低く、ECだけでは集客が進みにくかった。
- 支援した打ち手EC・地域の店舗・地域での販売・全国向けの販売へ販路を広げ、代表1名で回せる業務設計(設備・店舗の配置・受注のIT化・宅配・在庫)を一体で考えた。
- 目指す状態地域の原料を生かしながら、売上の最大化ではなく、一人で運営を続けられる構造を整理した。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01ISSUE
課題|通販だけでは、知ってもらえない
通販は、店舗を持たずに始められる反面、商品を知ってもらう入口が限られます。創業初期で認知度が低い段階では、ただサイトを開いているだけでは、訪れる人が増えません。広告に費用をかければ、小さな事業者の負担になります。
また、食品は、実際に食べる前に、味や品質を判断しにくい商品です。購入の前に、手に取る、試食する、作っている人の顔が見える、といった接点があるほうが、選ばれやすくなります。
02REAL ISSUE
本当の課題|知ってもらう入口と、確かめてもらう場がない
課題の本質は、販路が通販に偏り、「知ってもらう入口」と「確かめてもらう場」がなかったことです。
一方で、事業者は一人です。販路を増やせば、業務も増えます。この構想では、販路の拡大と、一人で運営を続けられることを、同時に成り立たせる設計が、最も難しい点でした。
米粉シフォン(自社製造)
EC(既存)
- 全国へ届ける
- 遠方の顧客との接点
製造を行う店舗
- 作っている場で販売
- 手に取って・試して選べる
地域での販売
- 地域の人に知ってもらう
- 地域の原料の物語を伝える
全国販売
- 地域で得た評判を通販へ
- 贈答などの需要
03PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1表面|通販だけでは集客が進まない認知度が低く、訪問者が増えません。
- 2原因|知ってもらう入口と確かめてもらう場がない販路が一つに偏っています。
- 3さらに奥|運営が一人で、増やした販路を支えきれない業務が重なり、処理能力が限られます。
- 4経営上の制約売上の拡大が、一人の時間に縛られます。
04BUSINESS BEFORE
事業の出発点
この事業者は、米粉を使ったシフォンケーキの製造・販売を始めたばかりの創業初期の事業者です。販売は通販を中心に行い、地域で採れる原料も活用しながら、商品を作っています。商品づくりに、地域の素材を使うことが、事業の特徴の一つです。
05NEW PLAN
計画|製造店舗と地域販路を加える
支援では、通販に加えて、シフォンケーキを製造する店舗を持ち、地域の人に直接販売することが整理されています。店舗は、販売の場であると同時に、製造の場です。作っている様子が見えることは、食品の信頼につながります。
また、地域の原料を使っていることを、地域の人に伝えることで、地域での認知が広がりやすくなります。地域で評判を得て、その評判を、全国に向けた通販にも生かす。販路が互いを支える構造です。
06ONE PERSON
代表1名で回すための業務設計
この事例の最も重要な論点は、運営の人員です。代表1名で、次の業務をすべて行う想定です。
- 1製造仕込み・焼成・冷却・仕上げ。商品の品質を決める中核の業務です。
- 2接客店舗での販売と、顧客への説明です。
- 3仕入米粉などの原料の手配と、在庫の管理です。
- 4受注通販・店頭・地域販売の注文を、受け付ける業務です。
- 5問い合わせ対応商品・配送・アレルギーなどへの質問に答える業務です。
- 6発送梱包と宅配の手配です。
これらすべてを、一人で毎日行うことは、時間的に難しい場合があります。そのため、売上の最大化ではなく、一人で運営を続けられる事業構造を設計することが、計画の中心になります。
07DESIGN
一体で考える5つの設計
業務を減らす、または重ならないようにするための設計を、次の5つで整理します。
- 1設備製造の時間を短縮し、同時に複数の工程が進められる設備を選びます。
- 2店舗のレイアウト製造と販売の動線を短くし、作業の合間に接客できる配置にします。
- 3受注のIT化注文の受付・管理をシステム化し、転記や確認の手間を減らします。
- 4宅配梱包と発送の手順を標準化し、配送業者の集荷を活用します。
- 5在庫作りすぎ・足りなさを避けるため、日ごとの製造量の考え方を決めます。
08NOTE
表現についての注意
米粉を使った商品について、健康への効果を断定する表現は用いません。商品の特徴は、原料・製法・味・食感などの事実の範囲で説明します。アレルギーに関する表示は、法令に基づいて正確に行います。
09ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1処理能力の把握一日に作れる量と、作業時間の内訳を測ります。
- 2店舗と設備の設計製造と販売の動線、設備、在庫の考え方を決めます。
- 3受注と発送の仕組み化IT化と標準化で、事務の手間を減らします。
- 4地域販路の開始と調整来店と注文を記録し、製造量と営業日を調整します。
10TAKEAWAY
この事例から分かること
以下は、この事例から一般的に考えられる経営上のポイントです。実際に行った支援内容とは区別しています。
- 1販路は、知ってもらう入口と、確かめてもらう場で考える通販だけでは、入口が限られます。
- 2創業初期は、処理能力から逆算する一人で回せる範囲が、売上の現実的な上限です。
- 3設備・店舗・IT・宅配・在庫を一体で設計する一つだけ最適化しても、全体は回りません。
11HOW TO USE
自社の計画に使うときの読み方|一人(少人数)で回る事業構造
この事例を、自社の検討に使うときは、業種の違いに引きずられず、構造を取り出して当てはめると役に立ちます。次の問いに、自社の場合を書き込んでみてください。
- 1自分(自社)の一日の処理能力は、どれだけか時間を、製造・接客・事務・発送に分けて測ります。
- 2販路を増やすと、どの業務が増えるか販路ごとの業務の増加を書き出します。
- 3業務を減らす手段は何か設備・配置・IT・標準化から選びます。
- 4売上の目標と処理能力は合っているか目標を、処理できる範囲に合わせて見直します。
- 5止まったときの代替はあるか不在・繁忙の時の運営の基準を決めます。
12SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 課題は、創業初期の認知度の低さで、ECだけでは集客が進みにくいことだった。
- 販路をEC・地域店舗・地域販売・全国販売へ広げる取り組みを整理した。
- 論点は売上の最大化ではなく、代表1名で製造・接客・仕入・受注・問い合わせ・発送を回せる構造だった。
- 設備・店舗のレイアウト・受注のIT化・宅配・在庫を一体で設計した。
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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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無店舗ブランドを起点に、オーツ麦専門カフェへ展開
無店舗販売で生まれた需要を受け止める拠点を作り、製造能力と顧客接点の不足を同時に解消する構想を整理した。
- 当初の課題
- 無店舗販売のため、製造・販売・顧客体験・ブランド発信が分散しており、食品事業の業務も代表者に集中していた。
- 支援した打ち手
- 単なるカフェ出店ではなく、販売・製造・体験・新商品テスト・物販を1つの拠点に集約する多用途の店舗として設計した。
- 目指す方向
- 無店舗販売で生まれた需要を受け止める拠点を作り、製造能力と顧客接点の不足を同時に解消する構想を整理した。
コーヒー加工で培った品質管理を、D2Cスイーツ事業へ展開
消費者との直接の接点を持ち、継続購入とデータを、次の商品開発に生かす構造を整理した。
- 当初の課題
- BtoB販売は、取引先の業績や仕入価格などの外部環境の影響を受けやすく、最終消費者との接点がなかった。
- 支援した打ち手
- 卸から、商品開発→製造→D2C→消費者データ→継続購入へ。熟練の技術を商品設計に使い、量産の工程は標準化する設計とした。
- 目指す方向
- 消費者との直接の接点を持ち、継続購入とデータを、次の商品開発に生かす構造を整理した。
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実店舗に加え、WEB・SNS・ECによる販路を併用し、BtoCへ顧客層を広げる取り組みを整理した。
- 当初の課題
- 販売先が工務店等の法人に限られ、実際に商品を使う個人(職人)と直接の接点を持っていなかった。
- 支援した打ち手
- 現場の理解を「工務店→現場→職人→仕事の動き方→必要な機能→作業服の提案」という知識の転用として整理した。
- 目指す方向
- 実店舗に加え、WEB・SNS・ECによる販路を併用し、BtoCへ顧客層を広げる取り組みを整理した。
同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

