支援事例卸売・小売 / BtoBからBtoC・現場理解の転用・EC
工具卸の現場理解を、一般消費者向け作業服販売へ展開
工務店等に工具・建築資材を卸してきた企業が、「会社」に売ってきた経験の中で深く理解してきた「現場で働く個人」の動きと必要な機能を、一般消費者・職人向けの作業服販売へ転用する取り組みを整理した、支援事例です。

- 課題販売先が工務店等の法人に限られ、実際に商品を使う個人(職人)と直接の接点を持っていなかった。
- 支援した打ち手現場の理解を「工務店→現場→職人→仕事の動き方→必要な機能→作業服の提案」という知識の転用として整理した。
- 目指す状態実店舗に加え、WEB・SNS・ECによる販路を併用し、BtoCへ顧客層を広げる取り組みを整理した。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01STRENGTHS
既存事業の強み
- 1建築現場の理解現場でどのような作業が行われ、何が必要になるかを知っています。
- 2工具・資材の知識商品の特性と、現場での使われ方を理解しています。
- 3複数の仕入先多様な商品を、比較して提案できる調達力があります。
- 4短納期対応現場の事情に合わせて、素早く届ける運営力があります。
- 5人材教育現場を理解したスタッフを育てる仕組みがあります。
- 6長年の工務店ネットワーク信頼関係のある法人顧客との接点があります。
02LIMIT
既存事業の構造
BtoBの卸の事業では、購入の判断をするのは「会社」です。工務店が、現場の資材や工具をまとめて発注し、使う個人は、その商品を選んでいるわけではありません。つまり、商品を実際に使う個人との接点は、多くの場合、間接的です。
このため、企業は、現場で働く人々の仕事の動き、必要としている機能、不満や工夫について、豊富な知識を持ちながら、その人たちに直接商品を届ける経路を持っていませんでした。
03SYNERGY
既存事業とのシナジー
- 1法人顧客 → 個人既存の工務店との関係を通じて、現場の職人への案内ができます。
- 2個人 → 法人作業服を購入した個人が、将来、独立したり、現場の責任者になったりしたときに、既存の卸の顧客になる可能性があります。
- 3仕入れの共通化既存の仕入れの関係を、作業服の調達にも使える可能性があります。
- 4教育の共通化現場を理解した接客の教育を、新店舗にも応用できます。
04REAL ISSUE
本当に解決すべき課題|知識があるのに、届ける先がない
計画で整理された課題の本質は、「知っていること」と「売れる相手」の間のずれです。現場を理解しているという最大の強みが、法人への卸という一つの経路にしか使われていませんでした。同じ理解を使えば、現場で働く個人に、直接価値を届けられる可能性があります。
- 1工務店(法人顧客)
- 2建築の現場
- 3働く職人(個人)
- 4仕事内容・動き方・必要な機能
- 5作業服の提案
「会社」に売る中で、「個人」について学んでいた。
05PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1表面|法人の顧客に限られる商品を使う個人に、直接届ける経路がありません。
- 2原因|購入の判断者が会社である現場の個人は、商品の選び手ではありません。
- 3さらに奥|理解が活かされていない現場の知識が、法人への卸の提案にしか使われていません。
- 4経営上の制約強みの活かし先が一つの経路に限られています。
06BUSINESS BEFORE
支援前の事業
この企業は、工務店等を顧客として、工具や建築資材を卸してきました。複数の仕入先から商品を集め、現場の要望に応じて短い納期で届ける。建築の現場が止まらないように支えるのが、事業の価値でした。
07NEW BUSINESS
新事業|一般消費者・職人向けの作業服小売
新事業は、一般消費者と職人を対象とした作業服の小売です。作業服は、現場で長時間身につけるもので、動きやすさ、丈夫さ、機能、着心地が、働きやすさに直結します。単なる衣類ではなく、仕事道具の一つです。
現場を知らない販売者は、ファッションとして作業服を並べるかもしれません。しかし、この企業は、工事の種類、作業の姿勢、季節ごとの課題など、現場の具体的な状況から、「この仕事にはこの機能が必要」という提案ができます。この提案の質が、専門店としての価値になります。
08CHANNEL
販路の考え方|店舗とWEBの併用
販路は、実店舗だけでなく、WEB・SNS・ECも想定されています。作業服は、実際に着て確かめたいという人と、すぐに必要なものを探して購入したい人の両方がいます。
実店舗は、サイズや着心地を確かめたい人の入口になり、ECは、遠方の職人や、仕事の合間に探したい人の入口になります。SNSは、現場の工夫や使い方を発信する場として、専門性を伝える役割を担います。
09ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1現場の知識の棚卸し職人の動き・仕事ごとの必要な機能を、提案の材料として整理します。
- 2商品構成の決定仕事の種類と季節に合わせた品揃えを決めます。
- 3販路の整備店舗・WEB・SNS・ECの役割を決めて整えます。
- 4既存顧客への案内工務店を通じて、現場の職人に案内します。
10TAKEAWAY
この事例から分かること
以下は、この事例から一般的に考えられる経営上のポイントです。実際に行った支援内容とは区別しています。
- 1BtoBで培った理解は、BtoCの資産になる商品を使う個人の理解は、法人営業の中でも蓄積されます。
- 2商品の知識より、使われる状況の知識現場の動きを知っていることが、提案の質を決めます。
- 3販路は、役割の違う入口を組み合わせる店舗・WEB・SNSの役割を分けて考えます。
- 4個人と法人の関係を、行き来させるBtoCの顧客が、将来のBtoBの顧客になる循環を設計します。
11SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 既存の強みは、商品ではなく建築現場そのものの理解と、複数仕入先・短納期・人材教育・長年の工務店ネットワークだと整理した。
- 「会社」への販売経験から、実際に使う「個人」の理解が蓄積されている点を転用の根拠とした。
- 店舗だけでなく、WEB・SNS・ECで販路を広げる前提で設計した。
- BtoBの信頼を、BtoCの入口に使う流れを描いた。
12RELATED SERVICES
関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
13RELATED CASES
関連する支援事例
スポーツ玩具の卸売から、自社ECによる消費者直販へ
データを次の商品選定に戻し、卸売と直販が互いを支える循環を整理した。
- 当初の課題
- 卸売だけでは最終消費者との接点が少なく、購入者・購入理由・支持された商品・不満・次に求めるものを直接把握しにくかった。
- 支援した打ち手
- 卸売に自社ECを加える複線化として整理し、ECの最大の価値を売上ではなく一次顧客データの取得に置いた。
- 目指す方向
- データを次の商品選定に戻し、卸売と直販が互いを支える循環を整理した。
造園で培った植物の専門知識を、一般消費者向け園芸店へ展開
園芸店の来店客が庭・外構の相談につながり、既存の造園事業へ還流する逆方向の流れも整理した。
- 当初の課題
- 売上の大部分が特定の取引先に集中しており、その取引先の動向が事業全体の経営リスクになっていた。
- 支援した打ち手
- 単に顧客を増やすのではなく、造園で蓄積した植物の専門知識を、一般消費者向けの商品選び・相談・提案へ変換する事業として整理した。
- 目指す方向
- 園芸店の来店客が庭・外構の相談につながり、既存の造園事業へ還流する逆方向の流れも整理した。
中古車事業の販促力を生かし、若年層向け飲食事業へ進出
若年層に向けた飲食店で、既存の販促力が顧客獲得に使えるかを検証する多角化の取り組みを整理した。
- 当初の課題
- 自動車という単一の領域に事業が集まっており、市場の変化に対する事業の幅が限られていた。
- 支援した打ち手
- 飲食を「中古車の派生事業」として無理に説明せず、販促・ネットワークの運用力という転用可能な資産に絞って事業を整理した。
- 目指す方向
- 若年層に向けた飲食店で、既存の販促力が顧客獲得に使えるかを検証する多角化の取り組みを整理した。
同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

