支援事例店舗支援・飲食・レンタル / 複数事業の顧客接点を統合

飲食・レンタル等の顧客情報を統合し、法人契約と顧客LTVを高めるアプリを構想

店舗の出店支援、設備販売、店舗の施工、資金調達の支援に加えて、飲食店、レンタル事業、その他の店舗運営を展開する企業が、各事業で顧客データが分かれていて、相互送客ができない、再来店の施策が弱い、顧客獲得の費用が分散する、法人向けの定期契約をつくりにくいという課題を、会員管理・サービス案内・利用促進・複数事業の接続・法人向けの福利厚生などを備えた顧客接点を統合するアプリで解決する構想を整理した事例です。多角化した事業は、売上を分散するだけではシナジーを生まず、顧客の接点を接続して初めて相互送客の仕組みが生まれるという点が読みどころです。

業種
店舗支援・サービス
支援テーマ
複数事業の顧客接点の統合
区分
経営コンサルティング
店舗支援・サービスのイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01BEFORE

この企業の事業と、強み

この企業は、店舗の出店支援(物件の仲介から設備の導入、資金調達まで一体で提供)、設備の販売、店舗の施工、資金調達の支援を行っています。さらに、自社で飲食店、レンタル事業、その他の店舗の運営を展開しています。

自社で店舗を運営する経験は、出店支援の現場の知識を深めます。支援する側と運営する側の両方の視点を持つことが、強みです。

02PROBLEM

直面していた課題と、その本当の原因

各事業で、顧客のデータが分かれていました。その結果、事業の間で、相互に顧客を紹介することができない、再来店を促す施策が弱い、顧客を獲得する費用が分散する、法人向けの定期的な契約をつくりにくい、という課題が生じていました。

真因は、複数の事業を持っていても、顧客との接点が、事業ごとに独立していることです。飲食店を利用する人が、レンタルの顧客にもなりうるのに、その接点がつながっていないため、それぞれの事業が、ゼロから顧客を探している状態です。

  • 1見えていた課題相互送客ができない、再来店の施策が弱い。
  • 2一段奥の原因顧客データが事業ごとに分かれている。
  • 3真因顧客との接点が、事業ごとに独立している。

03PROBLEM TREE

課題を掘り下げる

目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。

  • 1相互送客ができない顧客データが事業ごとに分かれている。
  • 2再来店の施策が弱い顧客との接点が事業ごとに独立している。
  • 3法人の定期契約がつくれない法人が使う統合された価値がない。

04STRATEGY

選んだ打ち手と、その理由

新しい事業は、顧客との接点を統合するアプリです。会員管理、サービスの案内、利用の促進、複数の事業の接続、法人向けの福利厚生サービスなどを計画しています。

戦略の流れは、飲食店の顧客、レンタル事業の顧客、その他の事業の顧客という、別々の顧客を、顧客接点の統合によって一つにつなぎ、クロスセルと再利用を促し、顧客の生涯の価値(LTV)を高める、というものです。

図解|複数事業の顧客接点の統合
  1. 1飲食店の顧客
  2. 2レンタル事業の顧客
  3. 3その他の事業の顧客
  4. 4顧客接点の統合(アプリ)
  5. 5クロスセル・再利用 → LTVの向上

05ALT

なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較

事業ごとに、別々のアプリや会員の仕組みを持つ選択もあります。各事業の運営の自由度は保てますが、顧客の接点は分かれたままで、相互送客は生まれません。外部の既存のポイントサービスに参加する選択もありますが、自社の顧客のデータを活かしにくくなります。

自社で接点を統合するアプリを持つ選択は、顧客のデータと関係を自社で持てる点が強みです。ただし、個人データの管理と、事業間の運用の責任を自社で負います。まず、二つの事業で始めて、相互送客の効果を確かめてから広げる順序が望まれます。

06SYNERGY

重要な経営の知見|多角化は、つなげて初めてシナジーになる

事業を多角化すると、売上の源が分散して、一つの事業の落ち込みに強くなります。しかし、売上を分散するだけでは、事業の間のシナジー(相乗効果)は生まれません。

事業の間に顧客の接点をつなげて初めて、具体的な相互送客の仕組みが生まれます。同じ顧客が複数の事業を利用すれば、顧客を獲得する費用が、事業の間で共有され、一人あたりの収益が大きくなります。多角化の価値を高めるのは、事業の数ではなく、事業の間のつながりです。

  • 1分散だけの多角化一つの事業の落ち込みには強くなる。
  • 2つなげた多角化相互送客・再利用で、獲得費用を共有できる。
  • 3必要なもの顧客接点の統合と、顧客の同意に基づくデータの活用。

07STAKEHOLDERS

関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか

顧客接点の統合は、複数の立場に影響します。

  • 1利用者(個人)一つのアプリで複数のサービスを使えるが、個人情報の扱いに関する説明と同意が重要。
  • 2法人の契約企業・従業員福利厚生として使えるが、利用価値が問われる。
  • 3運営企業個人データの共同利用の管理と、事業間の連携の運用を担う。

08ACTION STEPS

実行に向けた段階(目標)

事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。

  • 1データの整理各事業の顧客データと同意を確認します。
  • 2接続の試行二つの事業で相互送客を試します。
  • 3アプリの整備会員管理と案内を整えます。
  • 4法人向けの検討福利厚生の価値を確かめます。

09DIAGNOSTIC QUESTIONS

自社に当てはめるときの問い

複数の事業の顧客を、つなげるときの問いです。

  • 1顧客は、事業の間で重なっているか重なりの程度を数えます。
  • 2顧客データは、同意に基づいて共同利用できるか目的と同意を確認します。
  • 3どの事業から、どの事業へ送客できるか具体的な流れを書き出します。
  • 4統合で、獲得費用は下がるか費用の共有の効果を見ます。
  • 5法人向けの契約で、従業員は使うか利用の価値を確かめます。

10POINT

読み方のポイント|顧客を、事業の持ち物ではなく、会社の資産にする

事業ごとに顧客を管理していると、顧客は事業の持ち物になります。しかし、顧客から見れば、同じ会社のサービスを複数使っているだけです。顧客を会社全体の資産として捉え直すと、事業の間で顧客を紹介し合える仕組みが見えてきます。

ただし、顧客の情報は、本人のものです。事業の間で共有するには、本人への説明と同意が必要です。顧客を会社の資産にするという発想と、本人の権利を守るという責任は、セットで考える必要があります。

11LEARNINGS

他社が学べること

多角化は、事業を増やすだけでは、強みになりません。事業の間で顧客の接点をつなぎ、相互送客と再利用の仕組みをつくって、初めてシナジーが生まれます。

その際、個人データの扱いは、事業の前提です。目的を明示し、同意を得て、管理の体制を整えること。法人契約などの成果は、段階を踏んで確かめることが前提です。

12SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 課題は、事業ごとに顧客データが分かれていて、相互送客・再来店・法人契約がつくりにくいこと。
  • 考え方は、多角化は売上を分散するだけではシナジーを生まず、顧客接点を接続して初めて相互送客が生まれること。
  • 個人データの共同利用・利用目的・同意・管理体制の確認が必要。福利厚生契約の獲得は実績扱いしない。

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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

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同じような課題を検討している方へ

同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。