支援事例製造・眼鏡 / 設備投資・高付加価値化・受けられなかった仕事への対応

5軸加工の技術を高め、高付加価値眼鏡市場へ進出

眼鏡・レンズ関連の加工を長年手がけ、5軸加工や3D CAD/CAMを活用してきた企業が、既存の機械では実現できない曲面・角度・複雑なデザインの案件を断ってきた現状を起点に、「これまで受けられなかった仕事を受けられるようにする」ための設備投資を整理した、支援事例です。

業種
製造・眼鏡
支援テーマ
高付加価値化
区分
公的支援制度・設備投資
公的支援制度
公的支援制度を活用
製造・眼鏡のイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01STRENGTHS

既存事業の強み

  • 15軸加工複数の軸を同時に動かし、複雑な形状を一度の工程で加工できます。
  • 2複雑形状の加工曲面や角度のある形状に対応してきた経験があります。
  • 33Dデータの活用3D CAD/CAMで、設計から加工までのデータを連続して扱えます。
  • 4レンズとフレームの知識素材の特性と、製品としての使われ方を理解しています。
  • 5長年蓄積した加工ノウハウ条件の見極めや、仕上がりの調整の経験があります。
  • 6厳しい品質基準見た目と装着感の両面で、高い基準の要求に応えてきました。

02PROBLEM TREE

課題を掘り下げる

目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。

  • 1表面|高付加価値の相談を断っている要求が厳しい案件ほど、受けられません。
  • 2原因|既存の機械の限界曲面・角度・複雑なデザイン・加工面に限界があります。
  • 3さらに奥|設備の能力が受けられる仕事を決めている技術者の技能ではなく、機械の性能が上限です。
  • 4経営上の制約価格帯が、低〜中に固定されています。

03BUSINESS BEFORE

支援前の事業

この企業は、眼鏡やレンズに関わる部品の加工を手がけてきました。5軸加工や3D CAD/CAMを長年活用し、複雑な形状の加工に取り組んでいます。眼鏡は、顔に直接つけるものであり、使い心地と見た目の両方に、高い品質が求められる製品です。

04LIMIT

既存機の限界

強みのある企業でも、使う機械の性能には、物理的な限界があります。この企業が使う既存の機械では、次のような要求に対応するのが難しい場面がありました。

  • 1曲面滑らかで複雑な曲面を、安定した精度で加工することに限界があります。
  • 2角度深い角度や、難しい向きからの加工に制約があります。
  • 3複雑なデザインデザイン性の高い形状を、意図どおりに再現しにくい場合があります。
  • 4滑らかな加工面仕上がりの面の質に、要求を満たしきれない場合があります。

05LOST

断っていた仕事

こうした制約の結果、企業は、相談を受けても、受けられない案件を抱えていました。デザインに力を入れた、高付加価値の製品の案件ほど、要求が厳しく、既存の機械では応えにくかったのです。

この「断っていた仕事」は、見えにくい損失です。受注できなかった分は、売上の帳簿には現れません。しかし、事業の成長の上限を決めていたのは、技術者の腕ではなく、機械の物理的な能力でした。

06REASON

設備投資の本当の意味

この計画で最も重要なのは、新しい設備を入れる理由です。目的は、既存の仕事を速く、安く行うことではありません。「これまで断っていた仕事を受けられるようにする」ことです。

生産性の向上を目的にした投資は、既存の仕事の効率を高めます。一方、この計画の投資は、受けられる仕事の種類を広げる投資です。顧客の側から見れば、「この会社なら、難しいデザインにも応えてもらえる」という新しい信頼につながります。

図解|制約の突破
  1. 1低〜中価格帯の案件が中心
  2. 2設備・加工の制約
  3. 3高デザインの案件を失注
  4. 4新しい5軸加工能力 + CAM
  5. 5曲面・複雑加工が可能に
  6. 6高付加価値市場へ

設備は、「受けられる仕事」を広げるために入れる。

07MARKET

新たな市場|高付加価値な眼鏡

新たに目指す市場は、デザイン性が高く、価格帯も高い眼鏡です。この市場では、形状の独自性や、仕上がりの品質が、製品の価値を直接決めます。加工の質が、価格の根拠になる市場でもあります。

既存の強みである5軸加工・3Dデータ・長年のノウハウが、新しい設備と結びつくことで、これまで届かなかった領域に踏み出せる可能性があります。

08PUBLIC SUPPORT

公的支援制度の位置づけ

この構想は、事業戦略と投資判断が先にあり、公的支援制度は、投資を実行する際の資金手段の一つとして検討されるものです。制度の対象・要件・公募の時期・手続きは、公式の情報で確認する必要があります。補助金の有無にかかわらず、投資として成立するかを、先に確かめることが重要です。

09ACTION STEPS

実行に向けた段階(目標)

事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。

  • 1断った案件の整理案件の内容・理由・条件を記録し、必要な能力を特定します。
  • 2設備とCAMの選定要求に応える設備とデータ環境を選びます。
  • 3加工条件の確立と試作試作を重ねて、加工条件と品質を確立します。
  • 4高付加価値案件の受注顧客に案内し、受注を進めます。

10TAKEAWAY

この事例から分かること

以下は、この事例から一般的に考えられる経営上のポイントです。実際に行った支援内容とは区別しています。

  • 1断っていた仕事を数える見えない損失が、設備投資の根拠になります。
  • 2生産性の投資と、受けられる仕事を広げる投資を区別する目的が違えば、効果の測り方も違います。
  • 3既存の強みと新しい設備が組み合わさって、新市場へ届く技術と設備の両方が必要です。
  • 4単価の向上は、加工の質で支える高付加価値市場では、品質が価格の根拠です。

11SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 新設備の目的は、単純な生産性の向上ではなく、これまで断っていた仕事を受けられるようにすることだと整理した。
  • 5軸加工・複雑形状・3Dデータ・レンズとフレームの知識・品質基準を強みとした。
  • 既存機では曲面・角度・複雑なデザイン・滑らかな加工面に限界があり、失注が生じていた。
  • 低〜中価格帯から、高デザインの高付加価値市場へ移る構造を描いた。

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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

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同じような課題を検討している方へ

同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。