支援事例人材・教育 / 育成ノウハウのシステム化と外部提供

未経験人材の育成ノウハウをシステム化し、同業者へ提供する事業へ展開

事務代行、営業代行、SNS運用、Web制作、動画制作などのアウトソーシングを行い、未経験の人材を採用して研修と実務で専門人材に育ててきた企業が、研修内容や進捗が分散して見えにくいという課題に対して育成管理のシステムをつくり、さらに別年度の計画で研修コンテンツ制作の工数をAIで減らす構想を整理した事例です。

業種
人材・IT・教育
支援テーマ
育成ノウハウの商品化
区分
経営コンサルティング
人材・IT・教育のイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01BEFORE

この企業の事業と、強み

この企業は、事務代行、営業代行、SNS運用、Web制作、動画制作、CG制作、エンジニア業務などのアウトソーシングを行っています。特徴は、未経験の人材を採用し、研修と実務の経験を通じて専門人材に育ててきたことです。

強みは、段階的な育成の仕組み、OFF-JTとOJTと勉強会の組み合わせ、適性に応じたリスキリング、複数の業務ができる多能工化、外部の専門講師との連携、そして研修コンテンツの蓄積です。採用してから戦力になるまでの道筋を、自社で持っている企業です。

02PROBLEM

直面していた課題と、その本当の原因

研修の内容が、チャットツールなどに分散していました。そのため、誰が、何を、どこまで学び、どの程度理解したのかが、見えにくい状態でした。教育の管理者は、本人へのヒアリングや進捗の確認に、多くの工数をかけていました。

真因は、教育の内容と進み具合が、記録として一か所に集まっていないことです。教える力と教材はあるのに、その状況が見える形になっていないため、教育の品質を揃えることも、外へ提供することも難しくなります。

  • 1見えていた課題研修内容がチャット等に分散している。
  • 2一段奥の原因誰が何をどこまで学んだかが、記録として集まっていない。
  • 3真因教育の状況を、可視化する仕組みがない。

03PROBLEM TREE

課題を掘り下げる

目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。

  • 1教育の状況が見えない研修内容がチャット等に分散している。
  • 2確認の工数が大きい本人へのヒアリングで、進み具合を把握している。
  • 3教材の制作に時間がかかる年間に多数のコンテンツを、手作業で制作している。

04STAGE1

第1段階の計画|人材育成管理システム

第1段階は、人材育成の管理システムです。研修コンテンツの管理、学習の履歴、習得の度合い、進捗の把握、スキルの可視化を行います。社内の教育の品質を標準化するとともに、同業の他社へ、教育支援のサービスとして提供する計画です。

ただし、これは当時の計画の値であり、現在の料金ではありません。価格は、需要と競合の状況を見て決めるものであり、計画の数値を現在の条件として読まないことが必要です。

図解|採用 → 教育 → サービス外販 → AI制作効率化
  1. 1未経験者の採用段階的な育成
  2. 2実務への対応OJTと研修
  3. 3教育ノウハウの蓄積教材・履歴
  4. 4システム化して同業者へ月額のID課金
  5. 5AIで教材制作を効率化制作工数の削減

05PROBLEM2

課題2|教育コンテンツ制作の工数

別の年度の支援では、研修のコンテンツを年間で約144本制作しており、一本あたり約8時間の工数がかかっていることが示されています。SNS運用や動画制作などの分野は、内容の更新も必要なため、研修のコンテンツをつくること自体が、次の制約になります。

ここで見えてくるのは、教育を事業にする際の、二つ目の壁です。育成の仕組みができても、教える内容の制作と更新に専門家の時間を使い続けると、教育のコストが下がりません。

  • 1年間の制作本数約144本(計画資料の記載)。
  • 2一本あたりの工数約8時間(計画資料の記載)。
  • 3更新の必要SNS運用・動画制作などは、内容が変わりやすい。

06STAGE2

第2段階の計画|AIによる研修コンテンツ制作

第2段階は、AIを使った研修コンテンツの制作システムです。入力は、研修のテーマ、業務のノウハウ、講義の内容、台本など。出力は、研修の構成、講義内容の案、教材の案、確認の課題などです。支援では、一本あたりの制作工数を8時間から5.6時間へ短縮することを想定しています。

ここで混同してはいけないのは、このAIのシステム自体を外部に販売する計画ではない、という点です。既存の社内研修と、同業者向けの研修サービスの、コンテンツ制作に使うものです。AIは、専門家の代わりではなく、専門家が内容の確認や判断に時間を使えるようにするための道具です。

07SUPPORT

補助資料|採用広告は別の施策

この企業については、採用広告に関する別の資料もあります。人材を確保するための施策であり、教育システムの開発の成果としては扱いません。採用は、育成の入口として事業の流れに位置づけられますが、教育システムの効果と混ぜて評価しないことが、数字を正しく読む前提です。

08STAKEHOLDERS

関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか

育成の仕組みは、複数の立場に関わります。

  • 1受講する人自分の進み具合と、次に学ぶことが分かる。
  • 2教育管理者ヒアリングと確認の工数が減る可能性がある。
  • 3同業の企業自社で育成の仕組みを整える手間を、外部のサービスで補える。

09ACTION STEPS

実行に向けた段階(目標)

事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。

  • 1現状の整理教育の内容と記録の分散を洗い出します。
  • 2管理システムの導入履歴と進捗を一か所に集めます。
  • 3社内での運用品質の標準化を確かめます。
  • 4AIによる制作の検証工数と品質を確かめます。
  • 5外部への提供同業者向けの提供を検討します。

10DIAGNOSTIC QUESTIONS

自社に当てはめるときの問い

自社の育成ノウハウを外へ提供するときの問いです。

  • 1社内の教育は、記録として見えるか誰が何をどこまで学んだかを、確かめられるかを見ます。
  • 2教材の制作に、どれだけの工数がかかっているか制作と更新の時間を数えます。
  • 3外部の企業は、何に困っているか育成の仕組みを持たない理由を聞き取ります。
  • 4AIは、どの工程の工数を減らすか専門家の判断が必要な部分は、残します。
  • 5価格の根拠は、現在の市場で確かめられるか計画時点の価格を、そのまま使わない。

11LEARNINGS

他社が学べること

社内の教育は、見えにくい資産です。記録として見えるようにすると、品質を揃えられ、外へ提供する材料にもなります。さらに、教材の制作に使う専門家の時間を減らせれば、教育のコスト構造が改善します。

ただし、AIで工数を減らすことと、教育の質を保つことは別です。内容の確認は専門家が行い、AIは制作の下書きに使う。この役割分担を、先に決めておくことが前提です。

12SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 課題は、教育の状況が見えにくいことと、研修コンテンツの制作に大きな工数がかかること。
  • 資産は、段階的な育成の仕組みと、研修コンテンツの蓄積にある。
  • 計画は二段階で、第1段階が育成管理システム、第2段階がAIによる研修コンテンツ制作である。

13RELATED SERVICES

関連するサービス

※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

14RELATED CASES

関連する支援事例

飲食・教育社内ノウハウの商品化経営支援

飲食店で培った調理・接客・教育ノウハウを、業界向け人材育成サービスへ転換

講座収入と法人契約を軸に、人材紹介は適法な体制が確認できた場合のみ別に評価する計画として描いた。

当初の課題
飲食業は人手不足の影響を受けやすく、店舗の売上も席数と営業時間に制約される。
支援した打ち手
社内の教育ノウハウをカリキュラムにして外部へ提供し、受講者と飲食事業者をつなぐ構想として整理した。
目指す方向
講座収入と法人契約を軸に、人材紹介は適法な体制が確認できた場合のみ別に評価する計画として描いた。

IT・運輸関連代理店からメーカーへ経営支援

運行管理システムの販売代理店が、自社勤怠管理システムの開発へ進出

顧客理解を活かして、販売代理店から自社システムのメーカーへ進出する計画。

当初の課題
メーカーから仕入れて販売するため、市場環境の変化にも左右された。
支援した打ち手
顧客の労務管理の課題を把握し、勤怠管理システムを自社で開発して全国の運送事業者へ販売する取り組みとして整理した。
目指す方向
顧客理解を活かして、販売代理店から自社システムのメーカーへ進出する計画。

美容・健康関連収益モデル転換経営支援

健康商材の提案力を、継続型のサロンサービスへ転換

既存商品とのクロスセルと、1店舗の運営条件を標準化して多店舗へ展開する再現性の設計を整理した。

当初の課題
商品販売は商談・対面説明に依存しやすく、外部環境の影響も受けやすい。1回の販売で顧客との接点が途切れやすかった。
支援した打ち手
販売型から、継続的な来店が前提となるサービス型へ。収益を、新規集客数ではなく来店頻度と顧客生涯価値で捉え直した。
目指す方向
既存商品とのクロスセルと、1店舗の運営条件を標準化して多店舗へ展開する再現性の設計を整理した。

同じような課題を検討している方へ

同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。