支援事例IT・運輸 / 販売代理店から自社システムの開発へ
運行管理システムの販売代理店が、自社勤怠管理システムの開発へ進出
運送事業者向けの運行管理システムや業務用無線の販売代理店として、運送事業者との既存取引、複数メーカーの製品知識、顧客の業務理解、導入支援、現場での設置、アフターサポートを持つ企業が、メーカーから仕入れて販売する構造のために、需要や市場環境の変化にも左右されるという課題に対して、顧客の労務管理の課題を把握し、勤怠管理システムを自社で開発して全国の運送事業者へ販売する取り組みを整理した事例です。販売代理店がメーカーへ進出するとき、新しい商品を作れるだけでは成功せず、既存顧客への提案経験こそが強みになるという点が読みどころです。

- 課題メーカーから仕入れて販売するため、市場環境の変化にも左右された。
- 支援した打ち手顧客の労務管理の課題を把握し、勤怠管理システムを自社で開発して全国の運送事業者へ販売する取り組みとして整理した。
- 目指す状態顧客理解を活かして、販売代理店から自社システムのメーカーへ進出する計画。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01BEFORE
この企業の事業と、強み
この企業は、運送事業者向けの運行管理システムや、業務用の無線の販売代理店です。強みは、運送事業者との既存の取引、複数メーカーの製品の知識、顧客の業務への理解、導入の支援、現場での設置の対応、そしてアフターサポートです。
複数のメーカーの製品を扱えるため、顧客の業務に合わせて、最適な組み合わせを提案できる体制を持っています。顧客の現場に足を運び、実際の運用を見てきた経験は、製品の開発を考えるときの大きな資産です。
02PROBLEM
直面していた課題と、その本当の原因
既存の事業では、メーカーから商品を仕入れて販売します。そのため、商品の仕様、販売価格、供給の条件が、メーカー側の影響を受けます。また、既存の商品の需要や、市場環境の変化にも、事業が左右されます。
真因は、価値をつくる部分(製品の設計・開発)をメーカーが持ち、自社は販売と導入を担っている、という立場にあります。顧客の課題を最もよく知っているのは自社なのに、その知識を、製品の形にして届ける手段を持っていません。
- 1一段奥の原因販売代理店の立場で、製品の設計を持たない。
- 2真因顧客理解という強みを、自社製品の形にできていない。
03PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1需要の変化に弱い既存商品に依存している。
- 2顧客の課題を製品にできない開発の手段を持っていない。
04STRATEGY
選んだ打ち手と、その理由
戦略は、運行管理システムの代理店として運送事業者に関わる中で把握した、労務管理の課題から出発し、勤怠管理システムを自社で開発し、全国の運送事業者へ販売することです。
重要な経営の知見は、販売代理店がメーカーへ進出する場合、「新しい商品を作れる」だけでは成功しない、という点です。既存顧客への提案の経験から、何に困っているか、どんな機能が必要か、導入後にどんな支援が必要かを把握している点が、強みになります。技術があっても、顧客の困りごとを知らなければ、使われない製品になります。
- 1代理店販売・導入・サポート
- 2顧客接点・業界理解現場の業務を知る
- 3未充足の課題労務管理など
- 4自社のSaaS勤怠管理システム
- 5新しい収益の柱利用料金
05ALT
なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較
販売代理店のまま、取り扱う製品を増やす選択もあります。メーカーの製品を自社の名前で販売するOEMの選択もありますが、製品の設計の自由度は限られます。
自社でシステムを開発する選択は、顧客理解を製品に直接反映でき、利用料金という継続の収益を持てる点が強みです。同時に、開発・保守・法改正対応という新しい責任を負います。まず既存の顧客に試作品を使ってもらい、必要な機能を確かめる順序が現実的です。
06CONDITION
事業が成り立つ条件|顧客理解と、開発・保守は別
顧客の運送業務を理解していることと、労務管理のシステムを開発し、保守できることは、別の能力です。顧客の課題を知っていても、開発の体制がなければ、製品は完成しません。完成しても、保守が続かなければ、顧客は離れます。
事業の成立条件として、開発の体制、法改正への対応、サポートの体制、保守、情報セキュリティ、解約の割合を、説明する必要があります。特に労務管理は、法改正によって要件が変わるため、継続的に改修する体制がなければ、製品の価値が下がります。
- 1開発体制自社で開発するか、協力会社と進めるか。
- 2法改正対応制度の変更に継続して対応する。
- 3サポート・保守導入後の支援を続ける。
- 4情報セキュリティ勤怠という個人情報の管理。
- 5解約率継続して使われるかを測る。
07STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
自社製品への進出は、複数の立場に関わります。
- 1運送事業者(既存顧客)自社に合う機能を期待するが、サポートの継続を求める。
- 2メーカー(既存の仕入れ先)代理店が競合製品を持つことになる場合、関係の整理が必要になる。
- 3自社の営業・導入の担当者販売から、製品の説明・保守へ役割が広がる。
08ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1顧客の課題の整理共通する労務管理の課題を集めます。
- 2試作必要最小限の機能で作ります。
- 3既存顧客での試用声を集めて改善します。
- 4販売の拡大保守体制を整えて広げます。
09DIAGNOSTIC QUESTIONS
自社に当てはめるときの問い
販売代理店が、自社製品を持つときの問いです。
- 1既存顧客が共通して抱える課題は何か複数の顧客に共通する困りごとを探します。
- 2メーカーの商品で解決できていないことは何か未充足の課題を特定します。
- 3自社製品なら何を改善できるか具体的な機能で書きます。
- 4開発後の保守体制を作れるか法改正・サポート・セキュリティを確認します。
- 5既存の取引関係への影響は何か仕入れ先との関係を整理します。
10POINT
読み方のポイント|売る力が、作る力の入口になる
代理店として顧客に製品を提案する仕事は、顧客の困りごとを深く知る仕事でもあります。その知識は、製品を作る立場に移ったときに、最も役立つ情報になります。
ただし、売る力と作る力は別です。作る側には、開発の体制、保守、法改正対応という、販売では必要なかった責任が加わります。進出の判断では、顧客理解という強みと、新しく必要になる能力を、並べて点検することが大切です。
11LEARNINGS
他社が学べること
仕入れて売る立場にいる企業は、顧客の困りごとを深く知っています。その知識を製品の形にすれば、仕様・価格・利益を自社で決められる範囲が広がります。
ただし、進出には、開発・保守・法改正対応・セキュリティという新しい能力が要ります。売上の目標は目標値として扱い、まず既存の顧客に試作品を使ってもらうことが前提です。
12SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 強みは、既存顧客への提案経験から、困りごとと必要な機能、導入後の支援を把握していること。
- 開発・保守・法改正対応・セキュリティの体制が、事業成立の条件。
13RELATED SERVICES
関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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- 保守から工事へ、工事から保守へ、双方向に送客する仕組みを整理した。
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同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

