支援事例飲食 / 人材育成ノウハウの外部提供
飲食店で培った調理・接客・教育ノウハウを、業界向け人材育成サービスへ転換
イタリア料理などを提供する飲食店が、調理、仕込み、接客、店舗運営、人材教育の経験を蓄積し、人手不足と席数・営業時間に縛られた売上の制約という課題に対して、そのノウハウを業界向けの人材育成サービスにする取り組みを整理した事例です。自社の従業員を教育するための仕組みを、外部の受講者向けの商品に変える考え方が読みどころです。

- 課題飲食業は人手不足の影響を受けやすく、店舗の売上も席数と営業時間に制約される。
- 支援した打ち手社内の教育ノウハウをカリキュラムにして外部へ提供し、受講者と飲食事業者をつなぐ構想として整理した。
- 目指す状態講座収入と法人契約を軸に、人材紹介は適法な体制が確認できた場合のみ別に評価する計画として描いた。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01BEFORE
この企業の事業と、強み
この企業は、イタリア料理などを提供する飲食店を運営しています。調理、仕込み、接客、店舗の運営、人材の教育という、飲食店を回すために必要な経験を、長く積み重ねてきました。
自社の従業員を育ててきた経験は、店舗の運営の中で磨かれたものです。外から見ると、これは「人を育てる方法」として、他の飲食事業者にとっても価値がある可能性があります。
02PROBLEM
直面していた課題と、その本当の原因
飲食店は、人手不足という外部環境の影響を受けやすい事業です。さらに、店舗の売上は、席数と営業時間に制約されます。外部の環境を変えることはできず、店舗の大きさにも限りがあります。
育てる方法を持っているのに、それが売上になっていません。
- 1一段奥の原因教育のノウハウが、社内で完結している。
- 2真因ノウハウが、外部へ提供できる形になっていない。
03PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1売上に上限がある店舗の席数と営業時間に制約される。
- 2人手不足の影響を受ける飲食業の外部環境の影響が大きい。
- 3教育のノウハウが収益になっていない社内の仕組みが、外へ提供できる形になっていない。
04STRATEGY
選んだ打ち手と、その理由
新しい事業は、飲食業向けの人材育成サービスです。座学、調理の実習、店舗のオペレーション、接客、衛生の知識などを教える構想です。さらに、育成した人材と、飲食事業者を結びつけるマッチングや紹介も検討しています。
戦略は、自社の従業員を教育するためのノウハウを、カリキュラムにして、外部の受講者へ提供し、教育の収益を得ること。さらに、受講者と、飲食店の採用の需要をつなぐことです。
- 1社内のノウハウ調理・接客・運営
- 2カリキュラム座学・実習
- 3外部の受講者個人・法人
- 4教育収益講座・継続教育
- 5採用の需要へ紹介は適法性を確認
05ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1教育内容の整理社内の教育を、項目に分けて書き出します。
- 2カリキュラム化座学と実習の構成を決めます。
- 3試験的な講座少人数で開き、反応を確かめます。
- 4継続教育の整備法人向けの契約を検討します。
06STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
この構想は、関わる人の立場ごとに、変わることが異なります。
- 1受講者実際の現場に近い学びを得るが、成果は本人の努力にも左右される。
- 2飲食事業者人材の育成に使える一方、費用に見合う効果を求める。
- 3教える側のスタッフ店舗の仕事に加えて、教育の役割を担う。
07HOW TO USE
自社の計画に使うときの読み方|社内のノウハウを教育サービスへ
この事例を、自社の検討に使うときは、業種の違いに引きずられず、構造を取り出して当てはめると役に立ちます。次の問いに、自社の場合を書き込んでみてください。
- 1教育の内容を書き出す自社で当たり前に行っている教育を、項目に分ける。
- 2教育だけで成立するか確かめる紹介に頼らずに、教育の収益が成り立つかを見る。
- 3規制のある領域は後回しにする許認可を確認してから、検討する。
08DIAGNOSTIC QUESTIONS
自社に当てはめるときの問い
社内のノウハウを商品にするときの問いです。
- 1社内で当たり前にしている教育は何か項目に分けて書き出します。
- 2外の人が学びたいと思うのはどの部分か需要を、小さく確かめます。
- 3教育だけで収益が成り立つか紹介などに頼らずに見ます。
- 4規制のある領域は何か許認可を先に確認します。
- 5教える人の負担をどう抑えるか店舗の仕事との両立を考えます。
09POINT
読み方のポイント|ノウハウは、商品になる条件がある
社内のノウハウが、そのまま商品になるわけではありません。商品になる条件は、体系化されていること、他の人が学べる形になっていること、そして、学びたい人がいることです。
社内では「見て覚える」「聞いて覚える」で伝わっていたものを、順序立てて教えられる形にするには、手間がかかります。
教える内容は、店舗で働く人の「できること」を言葉にする作業から始まります。調理の手順、接客の判断、仕込みの段取り。無意識にやっていることを書き出すと、教える項目が見えてきます。これは、自社の従業員の教育の質を上げる作業でもあり、外部の教育の準備と、社内の改善が重なる部分です。
受講者の目線で考えることも欠かせません。受講者は、何を学べば、どんな仕事ができるようになるのかを知りたいと考えます。カリキュラムの各項目に、修了後にできることを対応させると、教育の内容が、受講者にとって選びやすいものになります。講座の案内には、学べる項目、時間、費用、受講の条件を、具体的に示すことが基本です。
10POINT
読み方のポイント|受講者と店舗、二つの顧客
この構想には、受講者と、人材を求める飲食事業者という二つの顧客が登場します。受講者は「学びたい人」で、費用を払うのは受講者本人の場合もあれば、事業者の場合もあります。誰が費用を負担するかによって、サービスの設計が変わります。
事業者が費用を負担するなら、受講後に自社で働く人の育成が目的です。受講者が負担するなら、技能の習得そのものが目的です。まず、どちらの顧客に向けた商品なのかを決め、その顧客が何を得たいのかに合わせて内容と料金を決めると、計画が整理しやすくなります。
11LEARNINGS
他社が学べること
自社の従業員を育てる仕組みは、他の会社にとっても必要な仕組みである場合があります。これを「社内の当たり前」で終わらせず、商品にできないかを問います。
ただし、教育の収益が成立するかは、受講者が集まるか、続けてもらえるかで決まります。人材の紹介のように、規制のある領域は、教育の事業が成り立ってから、別に検討する。この順序を守ることが、計画を堅実にします。
12SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 課題は、人手不足の影響を受けやすいことと、店舗の売上に上限があること。
- 資産は、調理・仕込み・接客・店舗運営・人材教育の経験にある。
- 構想は、教育ノウハウをカリキュラムにして外部へ提供する構想で、人材紹介は適法性の確認を前提とする。
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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

