支援事例飲食・食品製造 / BtoCからBtoBへ

飲食店の調理技術を、法人向けスイーツ製造という継続受注モデルへ転換

地域の食材を使う飲食店を運営してきた企業が、席数・営業時間・来店人数という店舗の制約から離れ、地域産のサツマイモを使った業務用スイーツの製造・卸売へ進む取り組みを整理した事例です。

業種
飲食・食品製造
支援テーマ
調理技術の商品化
区分
経営コンサルティング
飲食・食品製造のイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01BEFORE

この企業の事業と、強み

この企業は、地域の食材を使った飲食店を運営しています。持っている力は、調理技術、品質管理、地域食材の調達ルート、メニュー開発の経験、飲食店経営の知識、そして顧客のニーズへの理解です。

この六つは、すべて店舗の中で磨かれてきたものです。しかし、よく見ると、どれも「店の中でしか使えない」ものではありません。調理技術は製造にも使えます。調達ルートは仕入にも使えます。店舗という売り方を外せば、同じ力が別の売上に変わる可能性があります。

02PROBLEM TREE

課題を掘り下げる

目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。

  • 1店舗の売上に上限がある席数・営業時間・来店人数に売上が縛られている。
  • 2成長の余地が限られる調理技術が、店舗内でしか消費されていない。
  • 3法人へ供給する仕組みがない製造・保存・配送の体制が整っていない。

03STRATEGY

選んだ打ち手と、その理由

構想は、地域産のサツマイモを使った業務用スイーツの製造です。製品の例として、テリーヌ、プリン、焼き菓子が挙げられています。戦略は、BtoCの飲食から、調理技術を商品化し、BtoBの食品製造へ、法人からの継続発注を受ける形へ、という順です。

ここで売るものは、「店の料理」ではなく「再現できる製品」です。店舗では、その場で一皿を仕上げれば足りました。製造では、毎回同じ品質のものを、決まった量、決まった期日に作る必要があります。この違いが、実行課題の中心になります。

04CUSTOMER

法人顧客が求めること

計画の販売先は、飲食店、ホテル、観光施設、小売事業者です。これらの法人に共通するのは、自社で一から製造せずに、品質の安定したデザート商品を仕入れたい、という必要です。

法人は個人客と異なり、一度の購入で終わらず、継続して発注します。見た目や味だけでなく、納期が守られること、品質が一定であること、必要な数量に応えられることが選ぶ理由になります。つまり、調理技術の価値は、「おいしい」に加えて「安定して届く」へ広がります。

05MODEL

事業モデル

  • 1WHO飲食店、ホテル、観光施設、小売事業者。
  • 2WHAT地域産サツマイモを使ったテリーヌ、プリン、焼き菓子などの業務用スイーツ。
  • 3HOW調理技術と品質管理を製造へ移し、再現できる製品にする。
  • 4CHANNEL法人営業。既存の飲食の関係先も入口になる。
  • 5COST食材費、製造設備、人件費、衛生管理、保存、配送。

06EXECUTION

実行課題|作れることと、作り続けられることは別

支援では、製造設備、食品衛生管理、品質の再現、保存、在庫、配送、法人営業という課題が挙がっています。店舗で作れる味と、毎回同じ品質で一定量を作り続けることは、別の能力です。

特に、保存と在庫は、店舗の料理にはなかった論点です。作った商品を一定期間保ち、注文に応じて届けるには、品質を保つ条件と、売れ残りの損失を抑える仕組みが要ります。法人営業も新しい仕事になるため、誰が、どの順で取引先を開拓するのかを決めておく必要があります。

  • 1製造設備業務用の量を、一定の品質で作れる環境。
  • 2食品衛生管理製造・保存・配送の各段階での衛生。
  • 3品質の再現毎回同じ味と形に仕上げる手順。
  • 4在庫と保存売れ残りの損失を抑える数量管理。
  • 5法人営業取引先を開拓する担当と順序。

07STAKEHOLDERS

関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか

製造を始めると、関わる人が変わります。

  • 1法人の取引先品質と納期の安定を求め、継続して発注する。
  • 2店舗のスタッフ店舗の運営と、製造の両方に関わる。
  • 3経営者設備、衛生、営業の三つを同時に管理する。

08COMPARISON

店舗と製造|変わるもの、変わらないもの

調理の技術や素材へのこだわりは変わりません。変わるのは、売り方と管理の対象です。店舗では、その場での提供が中心でしたが、製造では、保存、配送、納期の管理が加わります。

製造では、取引先を増やし、発注の頻度を保つことが中心です。

09ACTION STEPS

実行に向けた段階(目標)

事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。

  • 1製品の絞り込み業務用に向く商品と、再現できる手順を決めます。
  • 2製造・衛生の準備設備と衛生管理の体制を整えます。
  • 3試作と取引先の確認数社に試作品を見てもらい、仕様と価格を確かめます。
  • 4継続受注の開始発注の頻度とロットを見ながら、製造を安定させます。

10DIAGNOSTIC QUESTIONS

自社に当てはめるときの問い

調理や接客の強みを、法人向けの製品にするときの問いです。

  • 1店の外でも使える力は何か技術、品質管理、調達ルートなど、店舗に閉じていない力を選びます。
  • 2法人は何を基準に選ぶか味に加えて、品質の安定、納期、数量の対応が基準になります。
  • 3毎回同じ品質で作れるか店で作れる味と、製造で再現できる味は別です。
  • 4保存と在庫の損失をどう抑えるか店舗にはなかった論点です。
  • 5最初の取引先は、どこから開拓するか既存の関係先から始めると、立ち上げが早くなります。

11LEARNINGS

他社が学べること

この事例の核は、「店舗内でしか消費できないサービス」を、「複数の法人へ供給できる製品」に変える発想です。飲食店に限らず、サービス業で、人の手や技術が強みの会社では、同じ構造が見つかることがあります。

ただし、技術の商品化には、再現性、保存、配送、営業という別の力が必要です。自社の強みを外へ出すときは、強みそのものを褒めるのではなく、それを毎回同じ品質で、決まった量、法人へ届ける仕組みを作れるかを、先に確かめることが出発点になります。

12SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 課題は、店舗の席数と営業時間に売上が縛られていることだった。
  • 手がかりは、調理技術・品質管理・地域食材の調達ルートという、店の外でも使える力を持っていたことにある。
  • 構想は、店舗内でしか消費できないサービスを、複数の法人が使える製品へ転換する内容である。

13RELATED SERVICES

関連するサービス

※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

14RELATED CASES

関連する支援事例

飲食・介護関連サービス工程単位の業務受託経営支援

飲食店の調理技術を、介護施設の業務負担を減らす給食サービスへ転換

施設の業務負担を減らす価値を軸に、直接営業と紹介連携による販路を計画として描いた。

当初の課題
介護施設では食事提供のための業務が多く、人手不足の中で介護スタッフの負担になっている。
支援した打ち手
構想は、単に弁当を納品する事業ではありません。
目指す方向
施設の業務負担を減らす価値を軸に、直接営業と紹介連携による販路を計画として描いた。

飲食・教育社内ノウハウの商品化経営支援

飲食店で培った調理・接客・教育ノウハウを、業界向け人材育成サービスへ転換

講座収入と法人契約を軸に、人材紹介は適法な体制が確認できた場合のみ別に評価する計画として描いた。

当初の課題
飲食業は人手不足の影響を受けやすく、店舗の売上も席数と営業時間に制約される。
支援した打ち手
社内の教育ノウハウをカリキュラムにして外部へ提供し、受講者と飲食事業者をつなぐ構想として整理した。
目指す方向
講座収入と法人契約を軸に、人材紹介は適法な体制が確認できた場合のみ別に評価する計画として描いた。

美容・健康関連収益モデル転換経営支援

健康商材の提案力を、継続型のサロンサービスへ転換

既存商品とのクロスセルと、1店舗の運営条件を標準化して多店舗へ展開する再現性の設計を整理した。

当初の課題
商品販売は商談・対面説明に依存しやすく、外部環境の影響も受けやすい。1回の販売で顧客との接点が途切れやすかった。
支援した打ち手
販売型から、継続的な来店が前提となるサービス型へ。収益を、新規集客数ではなく来店頻度と顧客生涯価値で捉え直した。
目指す方向
既存商品とのクロスセルと、1店舗の運営条件を標準化して多店舗へ展開する再現性の設計を整理した。

同じような課題を検討している方へ

同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。