支援事例飲食 / 介護施設の給食業務の一括受託
飲食店の調理技術を、介護施設の業務負担を減らす給食サービスへ転換
地域の食材を使う飲食店を運営してきた企業が、まとめて受託する給食サービスを整理した事例です。商品としての給食を納めるだけでなく、施設側の業務負担そのものを減らすことを価値にしている点が特徴です。

- 課題介護施設では食事提供のための業務が多く、人手不足の中で介護スタッフの負担になっている。
- 支援した打ち手構想は、単に弁当を納品する事業ではありません。
- 目指す状態施設の業務負担を減らす価値を軸に、直接営業と紹介連携による販路を計画として描いた。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01BEFORE
この企業の事業と、強み
この企業は、地域の食材を使った飲食店を運営しています。調理技術、メニュー開発、食品の仕入れルート、調理のオペレーション、品質管理という力を持っています。
飲食店で毎日回している調理と品質管理の仕組みは、そのまま、大量に提供する給食にも応用できる部分があります。
02PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1介護スタッフの負担が大きい食事に関わる調理から洗浄までの業務が、施設の中で行われている。
03STRATEGY
選んだ打ち手と、その理由
構想は、単に弁当を納品する事業ではありません。調理から、配送、食事の提供、洗浄までを、一括で提供するものです。顧客が購入する価値は、給食そのものだけではなく、介護施設の業務負担の削減です。
この考え方は、「商品を売る」から「顧客の工程を引き受ける」への転換です。一部の工程だけを担う場合と比べて、施設の手間は大きく減ります。その分、受託する側が担う工程と責任は増えます。
04CUSTOMER
顧客が解決したいこと|食事の「周辺」の負担
介護施設では、食事の提供のために、調理、配膳、片付け、洗浄といった業務が発生します。人手が足りない中では、これらが介護スタッフの負担になります。
施設が本当に解決したいのは、おいしい給食を手に入れることよりも、介護の本来の仕事に使える時間を確保することです。食事の業務を、誰かがまとめて引き受けてくれれば、スタッフはケアに集中できます。
- 1調理献立に沿って、必要な量を作る。
- 2配膳施設内で、利用者へ届ける。
05CHANNEL
販路|直接営業と、紹介連携
販路は、介護施設への直接営業と、介護関連の事業者からの紹介連携などです。施設は、一度契約すると、継続して利用することが多い顧客です。信頼できる紹介を得られれば、新規の施設に出会いやすくなります。
ただし、食事は利用者の健康に関わるため、信頼を得るまでの検討は慎重になります。実績がない最初の段階では、少数の施設で小さく始め、運用の安定を示すことが、次の契約につながります。
06ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1顧客の工程の把握施設で、食事に関わる業務を書き出します。
- 2提供体制の確認衛生・アレルギー・栄養の条件を整理します。
- 3小規模な試行少数の施設で、一部の工程から始めます。
- 4一括受託への拡大運用が安定してから、工程を広げます。
07STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
この構想は、関わる人の立場ごとに、変わることが異なります。
- 1介護施設の運営者食事の業務負担が減るが、品質と安全を任せる責任が生じる。
- 2介護スタッフケアに使える時間が増える可能性がある。
- 3受託する企業工程ごとの費用と責任を負い、運営を安定させる。
08HOW TO USE
自社の計画に使うときの読み方|顧客の工程を引き受ける
この事例を、自社の検討に使うときは、業種の違いに引きずられず、構造を取り出して当てはめると役に立ちます。次の問いに、自社の場合を書き込んでみてください。
- 1顧客の業務を分解する自社の商品の周辺にある、顧客の手間を書き出す。
- 2引き受ける範囲を決める工程ごとの費用と責任を見て、範囲を決める。
- 3小さく試す一部の工程から始め、運用の安定を示す。
09DIAGNOSTIC QUESTIONS
自社に当てはめるときの問い
顧客の工程を引き受ける事業を考えるときの問いです。
- 1顧客は、どの工程に一番手間をかけているか商品の周辺の手間が、価値の入口です。
- 2引き受ける工程を増やすと、費用はどう変わるか工程ごとに費用を分けます。
- 3責任の範囲を、契約で明確にできるか一括で受けるほど、責任も増えます。
- 4小さく始める最初の顧客は誰か少数で運用を確かめます。
10POINT
読み方のポイント|価値の置き場所
この計画が示しているのは、顧客が買う価値の置き場所の変え方です。給食という商品を売るなら、味や価格で比べられます。業務の負担を減らす価値を売るなら、比べられる軸が変わり、工程全体の信頼が選ばれる理由になります。
ただし、価値の置き場所を変えると、求められる水準も上がります。衛生、安全、継続の安定は、商品の質以上に問われます。この水準を満たす体制を先に整えられるかが、計画の鍵です。
体制を整える順序も重要です。最初から全工程を受けるのではなく、衛生と安全の確認を終えた工程から引き受けます。一つの施設で運用が安定したことを確かめてから、次の施設へ広げる。この慎重な拡大が、信頼を積み上げる確かな進め方です。施設側から見れば、食事の業務を預けることは、日々の安全を預けることでもあります。実績が少ない段階では、施設の担当者と運用の手順を一緒に確かめ、問題が起きたときの連絡と対応の流れを、先に取り決めておくことが安心につながります。
11LEARNINGS
他社が学べること
顧客が困っている業務を工程ごとに分け、一部の商品を納めるのではなく、一連の工程を引き受ける。この考え方は、介護に限らず、多くのBtoBの事業で使えます。
自社の商品を、「顧客の手間」として見直すと、価値の置き場所が変わります。ただし、工程を引き受けるほど、費用と責任も増えます。引き受ける範囲を決めるときは、工程ごとの費用を分けて見ておくことが出発点です。
12SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 顧客の課題は、食事の調理から洗浄までの業務が、人手不足の介護施設で負担になっていること。
- 提供する価値は、給食という商品ではなく、施設側の業務負担の削減にある。
- 収益は、契約施設数、提供食数、給食単価から、複数の費用を差し引いて評価する。
13RELATED SERVICES
関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

