支援事例不動産 / 住居の賃貸から時間貸しスペースへ

住居用の賃貸管理ノウハウを活かし、オフィスワーカー向けレンタルスペースへ進出

住宅用の不動産を中心に賃貸経営を行い、金融の知識、物件の利回りの分析、資金調達、物件管理の経験を持つ事業者が、リモートワークやオンライン会議などに使える時間貸しのスペースという新しい事業に進む取り組みを整理した事例です。住居として貸して月額の賃料を得る形から、スペースを時間単位で貸して利用回数に応じた収入を得る形への転換であり、空間の用途、利用の時間、利用者を変えることで、異なる市場に参入できるという点が読みどころです。計画の時点で一部のスペースをすでに運営している記述があるため、試験的な運営と、補助事業による新たな展開を分けて確認します。

業種
不動産・レンタルスペース
支援テーマ
空間の用途と時間を変える
区分
経営コンサルティング
不動産・レンタルスペースのイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01PROBLEM

直面していた課題と、その本当の原因

住居の賃貸は、月額の賃料という安定した収入を得られる一方、同じ空間が、1日のうち使われていない時間にも、固定された用途のままです。

真因は、空間の使い方を「住居として長期に貸す」ことに固定していて、時間や用途を変えて別の需要に応える発想が取り込まれていないことです。

  • 1見えていた課題月額賃料に限られる収益。
  • 2一段奥の原因空間の用途が住居に固定されている。
  • 3真因利用の時間と利用者を変える選択をしていない。

02PROBLEM TREE

課題を掘り下げる

目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。

  • 1月額賃料に限られる収益住居の賃貸。
  • 2空間の用途が固定時間単位の需要を取り込めない。
  • 3運営の力が不足予約・清掃・対応。

03STRATEGY

選んだ打ち手と、その理由

新しい事業は、リモートワークやオンライン会議などに使える、時間貸しのスペースです。ターゲットは、集中できる作業の場所を求める社会人です。

既存は、住居として不動産を貸し、月額の賃料を得る形です。新事業では、スペースを時間単位で貸し、利用回数に応じた収入を得ます。不動産の事業は、自社が保有する物件を販売、賃貸するだけではありません。空間の用途、利用の時間、利用者を変えることで、異なる市場に参入できます。

図解|月額賃貸と時間貸しの比較

同じ空間の使い方

既存(住居の賃貸)

  1. 住居として貸す
  2. 月額の賃料

新事業(時間貸し)

  1. 時間単位で貸す
  2. 利用回数に応じた収入

04ALT

なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較

住居の賃貸を続ける選択は、安定していますが、収益は月額賃料の水準に限られます。

時間貸しに進む選択は、収益の上振れの余地がありますが、稼働率の変動と運営の負担を負います。一部のスペースで試し、稼働率を測ってから広げる順序が現実的です。

05ASSETS

既存の資産|立地・評価・調達・連携

活かせる資産は、立地の分析、収益物件の評価、物件の取得や賃借、管理会社との連携、資金の調達です。

時間貸しは、立地の良し悪しが稼働率に直結するため、立地の分析の力が活きます。一方で、予約の管理、清掃、利用者への対応といった、運営の力は新しく必要になる部分です。そのため、外部への運営の委託も選択肢に含まれています。

06STAKEHOLDERS

関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか

時間貸しスペースは、複数の立場に関わります。

  • 1利用者(社会人)立地、静かさ、設備、料金を比べる。
  • 2物件の貸主用途の変更と利用の仕方に同意する。
  • 3運営の委託先清掃や予約の対応を担う。
  • 4近隣出入りの増加への配慮を求める。

07ACTION STEPS

実行に向けた段階(目標)

事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。

  • 1立地の検証需要を調べます。
  • 2試験運営稼働率と費用を記録します。
  • 3運営の委託清掃・予約の体制を決めます。
  • 4展開数字を確認して広げます。

08NOTE

補足|予約の入り方を見る

時間貸しの収益は、貸出できる時間のうち、どの時間帯がよく埋まるかで変わります。平日の昼、夕方、夜、休日で稼働が違うことが多いため、時間帯ごとに稼働率と単価を記録して、料金や貸出の時間の区切りを見直します。

予約サイトの手数料は、予約の1件ごとに引かれます。サイト経由と自社の直接予約で、手元に残る金額が違うため、利用者の再来を促す工夫も、利益の面で意味を持ちます。

09NOTE

補足|自社で試すときの順序

最初に、その物件を住居として貸した場合の月額の収入と、時間貸しにした場合に必要な費用を、同じ表に書きます。次に、周辺の働き方や競合の料金と照らして、現実的かを判断します。

そのうえで、一つのスペースで試験運営を行い、稼働率、清掃と対応の工数を記録します。結果が計画と合うことを確かめてから、スペースの数を増やします。

10DIAGNOSTIC QUESTIONS

自社に当てはめるときの問い

空間の使い方を変えるときの問いです。

  • 1この立地で、時間単位の需要は見込めるか周辺の働き方を調べる。
  • 2稼働率の目安を、何から導くか根拠を確かめる。
  • 3運営の何を自社で行い、何を委託するか役割分担を決める。
  • 4すでに運営している分と、新たに広げる分は試験と本格展開を分ける。
  • 5用途の変更は、契約や法令の面で問題ないか確認する。

11HOW TO USE

自社の計画に使うときの読み方|賃貸経営の事業者

この事例を、自社の検討に使うときは、業種の違いに引きずられず、構造を取り出して当てはめると役に立ちます。次の問いに、自社の場合を書き込んでみてください。

  • 1同じ物件を、時間単位で貸すと何が変わるか用途・時間・利用者。
  • 2家賃に対して必要な稼働率はどれくらいか費用から逆算する。
  • 3すでに運営しているスペースの実績はあるか試験と本格展開を分ける。
  • 4委託の費用を含めても利益は残るか手数料と委託費の合計。

12LEARNINGS

他社が学べること

不動産の事業は、保有物件の販売や賃貸に限られません。空間の用途、利用の時間、利用者を変えることで、別の市場に参入できる場合があります。

試験運営と本格展開を分けて、数字を確かめます。

13SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 課題は、住居の賃貸が月額賃料に限られ、空間の別の使い方を取り込めていないこと。
  • 打ち手は、作業場所を求める社会人向けの時間貸しスペース。外部の運営委託も含めて展開。
  • 試験運営と新たな展開を分けて確認。

14RELATED SERVICES

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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

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