募集中認定制度

先端設備等導入制度による支援(中小企業等経営強化法等)

実施機関
尼崎市
募集期間
通年(随時受付)
地域
兵庫県・尼崎市

先端設備等導入制度による支援(中小企業等経営強化法等)(尼崎市)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

尼崎市の先端設備等導入制度は、補助金ではなく「計画の認定」を受けて固定資産税(償却資産)を軽くする仕組み

この制度は、お金が振り込まれる補助金ではありません。位置づけは、中小企業等経営強化法にもとづく計画の認定制度と、それに連動する固定資産税の特例措置です。中小企業が、労働生産性を上げるための設備投資の計画(先端設備等導入計画)を作り、尼崎市の認定を受けると、認定後に取得した設備にかかる固定資産税(償却資産)が、一定期間、軽くなります。

尼崎市の公式ページ(2025年4月30日更新)は、2025年(令和7年)4月から特例の内容が変わった点を、冒頭で強調しています。変わったのは、賃上げを行う企業を対象に、賃上げ率に応じて軽減率を引き上げる形になったことです。賃上げの表明がなければ、固定資産税の特例そのものを受けられません。

先に、制度の骨格を表にまとめます。

項目内容(尼崎市の公式ページ・導入促進基本計画より)
制度の性格計画の認定と税の特例。補助金のような給付金は出ない
根拠中小企業等経営強化法等
認定する人尼崎市
認定の条件計画期間の年平均3%以上の労働生産性の向上を見込む計画であること
計画期間3年、4年または5年
税の特例の適用期限令和9年(2027年)3月末までに取得した設備が対象
特例の中身賃上げ表明なしは特例なし。1.5%以上の表明で3年間、課税標準を2分の1。3%以上の表明で5年間、課税標準を4分の1
対象の設備機械装置、工具、器具備品、建物附属設備
審査の標準処理期間概ね2週間程度
窓口経済環境局 経済部 産業政策課(市役所本庁中館7階)電話06-6489-6670

この記事では、「認定」と「税の特例」が別々の関門であること、賃上げ表明の中身、設備の最低取得価格、申請書類、取得の順番、尼崎市が定めた地域のルール、市の別の補助金との違いを、順に整理します。融資や、相談窓口・専門家派遣などの支援サービスにあたるものは、このサイトの対象外のため、取り上げません。

この制度で「もらえるもの」は何か。認定と税の特例を分けて考える

尼崎市の公式ページは、先端設備等導入計画の認定を受けると、固定資産税の特例措置などの支援策を受けられる、という構成で説明しています。ここで大事なのは、認定を受けただけでは、税の特例の要件を満たしたことにならないという点です。

認定の対象になる事業者は、中小企業等経営強化法第2条第1項に定める中小企業者です。一方、固定資産税の特例を受けられる事業者は、それとは別の、次の範囲に絞られます。公式ページは「税制上、固定資産税の特例措置を受けることができる事業者は次節の対象者となります」と区別して書いています。

段階対象になる事業者見るべきポイント
計画の認定中小企業等経営強化法第2条第1項に定める中小企業者業種ごとの資本金・従業員数の基準
固定資産税の特例資本金1億円以下の法人、または、従業員数1,000人以下の法人もしくは個人事業主等(大企業の子会社を除く)認定を受けたうえで、設備の要件もすべて満たすこと

つまり、認定の関門と、税の特例の関門は別です。特に、認定対象の中小企業者の範囲に入っていても、税の特例の対象者の定義を満たさないケースがありえます。たとえば、資本金や従業員数の基準は満たしていても、大企業の子会社にあたる場合です。申請する前に、両方の定義を、自社の登記簿上の資本金、従業員数、株主構成と照らして確認してください。

認定の対象になる中小企業者の範囲はどう決まるか

公式ページは、業種ごとに、資本金の額(または出資の総額)と、常時使用する従業員の数の上限を表で示しています。資本金と従業員数は、どちらかを満たせばよい形の基準です。ページの表の内容を、そのまま整理します。

業種分類資本金の額または出資の総額常時使用する従業員の数
製造業その他3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
小売業5千万円以下50人以下
サービス業5千万円以下100人以下
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)3億円以下900人以下
ソフトウェア業または情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5千万円以下200人以下

「製造業その他」は、卸売業から旅館業までに該当しない業種がすべて入る区分だと、公式ページに書かれています。たとえば、建設業や運送業は、この区分の基準で見ることになります。

ただし、この表は認定の対象になる範囲を決めるものです。税の特例は、前の節の表のとおり、資本金1億円以下の法人、または従業員数1,000人以下の法人もしくは個人事業主等という、別の物差しも加わります。個人事業主の場合は、法人の資本金という物差しがないため、従業員数など、公式ページの定義に沿って確認することになります。判断に迷う場合は、後ろの窓口に問い合わせてください。

特例の中身は、賃上げの表明で3つに分かれる

2025年(令和7年)4月1日から、特例は次のように整理されています。公式ページの要点は、中小企業の前向きな投資を後押しするため、賃上げを行う企業を対象に、赤字か黒字かを問わず、設備投資にともなう負担を軽くする、というものです。

賃上げの表明固定資産税の特例措置軽減の期間
賃上げ表明なしなしなし
1.5%以上の賃上げ表明あり課税標準を2分の1に軽減3年間
3%以上の賃上げ表明あり課税標準を4分の1に軽減5年間

対象は、令和9年3月末までに取得した設備です。

ここで言う「課税標準」は、固定資産税の税額を計算するときの、もとになる評価額のことです。課税標準が2分の1になれば、同じ税率のもとで、税額もおおむね半分になります。4分の1なら、4分の1です。

仮の数字で、軽減のイメージをつかむ

次の計算は、仕組みを理解するための仮の数字です。実際の評価額は、取得価額や経過年数、市の評価の方法によって変わります。ここでは、話を単純にするために、課税標準となる評価額が5年間変わらず1,000万円で、税率が1.4%だと仮定します。税率は尼崎市の資産税の担当部署で確認してください。

ケース1年あたりの税額(仮)軽減の期間期間中の税額の合計(仮)特例なしとの差(仮)
特例なし(賃上げ表明なし)14万円なし5年間で70万円なし
1.5%以上の賃上げ表明7万円3年間3年間で21万円3年間で21万円の軽減
3%以上の賃上げ表明3.5万円5年間5年間で17.5万円5年間で52.5万円の軽減

この仮の例では、1.5%と3%の差は、軽減率の差(2分の1と4分の1)と、期間の差(3年と5年)の、両方から生まれています。ただし、これは税の軽減額の話であって、賃上げを実際に行う負担とは別の話です。賃上げの表明は、あとで見るように、従業員への表明という形で行うもので、実際の給与総額の増加を方針として掲げる意味を持ちます。税額の軽減だけを見て、賃上げ率を決めないでください。

賃上げ表明では、何を、誰に対して、どの期間で約束するのか

公式ページの申請書類の項目には、従業員への賃上げ方針を表明したことを証するもの(従業員代表者の署名または押印した原本)が入っています。記載上の注意の内容は、次のとおりです。

確認項目公式ページの記載
何を比べるか従業員に対する給与等の総額
どの期間で比べるか計画申請日を含む事業年度、またはその翌事業年度を、申請事業年度の直前の事業年度と比較
どれだけ増やすか1.5%以上、または3%
何をするか増加させる方針を策定して、従業員に表明する
誰に表明するか従業員全員でなくてもよく、従業員の代表者のみに行うことも可能
何を提出するか表明したことを証するもの。従業員代表者の署名または押印がある原本

ここで読み違えやすいのが、比べる年度です。比べる相手は、申請する事業年度の直前の事業年度です。比べられる側は、計画申請日を含む事業年度、またはその翌事業年度です。たとえば3月決算の会社が2026年12月に申請するなら、計画申請日を含む事業年度は2026年度(2027年3月期)にあたります。そのとき比べる相手は、直前の2026年3月期です。これは、年度の数え方を理解するための例で、賃上げ率を満たしたかどうかの最終的な判断は、公式の様式と市の窓口の確認が必要です。

賃上げ表明を、従業員全員ではなく、従業員の代表者のみに行うことも可能とされている点は、小さな会社にとって実務上の助けになります。それでも、表明の中身は、従業員の給与総額を増やす方針です。社内で、役員や経理担当者と、決算の見通しを共有したうえで、実行できる率を決めてください。

令和5・6年度に「賃上げ表明なし」で認定を受けた事業者の扱い

公式ページには、重要な注意書きがあります。令和7年度の税制改正で、賃上げ表明がない場合は、固定資産税の特例措置を受けることができなくなりました。さらに、令和5年度および6年度に、賃上げ表明なしで認定を受けた事業者は、賃上げ表明ありに切り替える変更申請はできません。

過去の認定の状況公式ページの扱い
令和5・6年度に賃上げ表明なしで認定を受けた賃上げ表明ありでの変更申請はできない
令和7年度以降に新たに申請する賃上げ表明がなければ特例なし。1.5%または3%の表明が必要

過去に認定を受けたことがある事業者が、追加の設備投資をする場合は、新しい計画を作る流れになるかどうかを、窓口に確認してください。このページの記載だけでは、個別の事業者の扱いまでは判断できません。

対象になる設備は何か。種類と最低取得価格を表で見る

特例の対象になる設備は、年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれる投資計画に記載された、投資の目的を達成するために必要不可欠な設備です。その投資利益率の見込みは、認定経営革新等支援機関の確認を受けた投資計画で示す必要があります。

固定資産の種類ごとの最低取得価格は、公式ページに次のように書かれています。

固定資産の種類最低取得価格注意点
機械装置160万円以上
工具30万円以上
器具備品30万円以上
建物附属設備60万円以上家屋と一体で課税されるものは対象外

最低取得価格は、機械装置が一番高く、160万円です。工具と器具備品は30万円、建物附属設備は60万円です。たとえば、工作機械は機械装置、測定のための道具類は工具、什器や専用の機器は器具備品、構内の配電設備などは建物附属設備の候補になりえます。ただし、どの区分に入るかは、会計や課税の扱いで決まります。購入前に、顧問税理士や市の窓口に確認してください。

建物附属設備のうち、家屋と一体で課税されるものは対象外です。固定資産税の課税の区分が、家屋として評価されるものは、償却資産の特例の対象にならない、という考え方です。工事を伴う設備を入れるときは、その設備が家屋の一部として課税されるのか、償却資産として課税されるのかを、先に確認してください。

「必要不可欠な設備」と投資利益率5%の読み方

公式ページの要件の文言は、年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれることについて、認定経営革新等支援機関の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備、というものです。ここから読み取れる点を、表にします。

読み取れる点意味
投資計画が前提設備を買う理由と目的が、投資計画に書かれている必要がある
認定経営革新等支援機関の確認投資利益率が年平均5%以上になる見込みを、第三者である認定支援機関が確認する
必要不可欠投資の目的の達成に、その設備が欠かせないという関係が必要
設備単位の判断計画に書いた設備がすべて対象になるとは限らない。要件に合うかを設備ごとに見る

この要件で、実務上一番時間がかかりやすいのが、投資計画の作成と、認定支援機関の確認です。公式ページには、確認書の様式(認定経営革新等支援機関による確認書と、投資計画に関する確認書)が必要書類として挙がっています。確認を頼める認定支援機関は、中小企業庁のホームページで、経営革新等支援機関の情報が公開されています(公式ページの外部リンクより)。

申請書類は4点。持参か郵送で、産業政策課に出す

尼崎市の公式ページが示す、新規の先端設備等導入計画の申請書類は、次の4点です。

書類内容
先端設備等導入計画にかかる認定申請書計画の本体
認定経営革新等支援機関による確認書計画に記載の設備の導入で、労働生産性が年平均3%以上向上することが見込まれるかを確認する書類
投資計画に関する確認書年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれるかを確認する書類
従業員への賃上げ方針を表明したことを証するもの従業員代表者の署名または押印がある原本

提出先は、産業政策課(市役所本庁中館7階)です。提出方法は、直接持参するか、郵送です。郵送の場合は、返信用封筒(角型2号の封筒に宛先を書き、切手を貼付したもの)を一緒に提出する、と書かれています。各様式は、尼崎市のページから、該当するものをダウンロードして使います。

計画を変更するときの書類

認定後に、導入する設備や数量を変えたいときは、変更の認定申請が必要です。公式ページが挙げる書類は次のとおりです。

書類補足
先端設備等導入計画の変更に係る認定申請書認定を受けた計画を修正する形で作る。変更・追加部分は、わかりやすいように下線を引く
認定経営革新等支援機関による確認書変更後の計画について
投資計画に関する確認書変更後の計画について
リース契約見積書の写し(リース契約の場合)リース契約の場合に追加
公益社団法人リース事業協会が確認した固定資産税軽減額計算書の写し(リース契約の場合)リース契約の場合に追加

リースで設備を入れる場合の取扱いが、書類として明記されている点に注目してください。リースの場合は、通常の購入とは必要書類が違います。リース会社にも、早めに、この制度を使いたい旨を伝えてください。

いちばん多い失敗は「先に買ってしまう」こと。取得の順番を守る

公式ページは、太字で次のことを強調しています。先端設備等については、先端設備等導入計画の認定後に取得することが、固定資産税の特例を受けるための必須事項です。取得時期に注意するように、とも書かれています。

つまり、順番は固定です。

順番やること守るべき点
1設備投資の内容と、投資計画をまとめる設備の種類、金額、導入の目的を整理する
2認定経営革新等支援機関に、確認書の作成を依頼する労働生産性3%以上、投資利益率5%以上の見込みを確認してもらう
3賃上げ方針を決め、従業員(代表者)に表明する署名または押印のある原本を残す
4市に認定申請書を提出する持参または郵送。標準処理期間は概ね2週間程度
5認定を受ける認定の通知を確認する
6設備を発注・取得する認定後に取得すること。取得の期限は、令和9年3月末まで

契約や発注を、認定の前に済ませてしまうと、設備の取得時期が、認定より前になるおそれがあります。公式ページは、取得の時期が認定の後であることを、特例の必須事項としています。この制度の最大の失敗は、ここにあります。見積書をとる、納期を確認する、というところまでは、認定前でも進められますが、契約や引き渡しのタイミングは、窓口に具体的に確認してください。

今日から逆算した日程の目安

この記事を書いた日は、2026年10月12日です。特例の対象になるのは、令和9年(2027年)3月末までに取得した設備ですから、残りはおよそ5か月半です。次の表は、認定の標準処理期間(概ね2週間)だけを根拠にした、日程の考え方です。確認書の取得にかかる期間は、公式ページに書かれていないため、各認定支援機関や、窓口で確認してください。

時期の目安やること
今すぐ投資の内容を固める。認定支援機関に相談・依頼する。賃上げの方針を社内で決める
認定支援機関の確認書が整い次第市に認定申請書を提出(標準処理期間は概ね2週間程度)
認定の通知後設備を発注。納品・取得は令和9年3月末までに終える
納期が長い設備の場合納品が3月末を過ぎると、特例の対象外になるおそれがあるため、発注の時期を逆算して、早めに窓口へ

納期の長い機械は、とくに注意が必要です。認定が下りたあとに発注しても、納品が3月末に間に合わないケースがあります。取得の時点がいつになるのかは、設備によって扱いが違いうるため、事前に確認してください。

尼崎市の導入促進基本計画で決まっていること

先端設備等導入計画は、国の枠組みの中で、市町村が「導入促進基本計画」を作り、国の同意を受けて初めて、その市で認定ができるようになります。尼崎市の基本計画は、平成30年(2018年)6月13日付けで国の同意を受け、その後の法改正や税制改正を踏まえて、新規の計画を作り直し、令和7年(2025年)3月28日付けで、国の同意を受けました。

基本計画の主な内容を、表にまとめます。

項目尼崎市の基本計画の内容
計画期間(基本計画の期間)令和7年4月1日から令和9年3月31日まで
導入計画の期間3年間、4年間または5年間
対象地域尼崎市全域
対象業種・事業限定しない
対象設備中小企業等経営強化法施行規則第7条第1項に定める先端設備等のすべて
認定件数の目標年間50者程度(延べ認定事業者数)
労働生産性の目標認定した中小企業者の労働生産性が、年率3%以上向上
配慮事項公序良俗に反する取組や、反社会的勢力との関係が認められるものは、認定の対象としない

尼崎市の基本計画は、業種や事業を限定せず、設備の種類も、法令で定められた先端設備等のすべてを対象にしています。製造業だけでなく、卸売業・小売業・サービス業など、市内の多様な事業者が使えるように作られています。基本計画では、市内の事業所の状況について、事業所数、従業者数ともに減少傾向にあること、経営上の問題点として資材高騰と人手不足が深刻であることを、課題として挙げています。そのうえで、市内中小企業の生産性の抜本的な向上により、人手不足などに対応した事業基盤をつくること、後継者が引き継ぎたいと思える企業にしていく取り組みを支援することが、急ぎの課題だと書いています。

この背景は、審査で見られる視点を考えるうえで参考になります。人手不足や資材高騰への対応として、生産性を上げる設備投資の筋道が、投資計画で説明できているかどうかが、基本線になります。

市の省力化・生産性向上設備導入支援補助金とは、何が違うのか

尼崎市の設備投資に関する支援のページには、この先端設備等導入制度のほかに、「省力化・生産性向上設備導入支援補助金」が並んでいます。名前が似ていますが、仕組みは違います。公式ページの記載にもとづいて、比べます。

比較の観点先端設備等導入制度尼崎市省力化・生産性向上設備導入支援補助金2026
性格計画の認定と固定資産税(償却資産)の特例導入費用の一部を補助する補助金
窓口産業政策課(電話06-6489-6670)市の経済環境局 経済部 イノベーション推進担当(電話06-6489-6675)。提出先は、通常枠も同じ窓口
補助率・上限補助金ではないため、なし補助対象経費の2/3以内(千円未満切捨て)。通常枠は製造業で最大200万円、それ以外の業種は最大100万円。拡充枠は最大500万円
順番の決まり認定後に設備を取得交付決定を受けた日以降に事業に着手(交付決定前の着手は対象外)
募集の状況令和9年3月末までに取得した設備が対象公式ページ(2026年9月14日更新)に「本年度の募集についてはすべて受付けを終了しました」と記載。通常枠の公募は、第1回が令和8年2月2日から4月30日まで、第2回が令和8年6月1日から8月31日まで
財源税の特例国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用

2つの制度は、順番のルールが似ていて、混同しやすいところです。補助金のほうは、交付決定を受けた日以降に事業に着手しなければなりません。先端設備等導入制度のほうは、認定を受けた後に設備を取得しなければなりません。どちらも「先に買ってはいけない」という点は同じですが、基準になる日付が違います。

なお、補助金の側には、補助対象外の経費として、パソコン、スマートフォン、タブレットなどの汎用性があるもの、自動車などの車両、省エネ設備(空調、照明、太陽光発電設備、蓄電池、換気設備、給湯設備、熱電併給システムなど)が挙がっています。先端設備等導入制度のほうは、対象設備の分類が、機械装置、工具、器具備品、建物附属設備です。対象の考え方が違うため、同じ設備でも、片方では対象、もう片方では対象外、ということがありえます。

補助金の2026年度分の募集は、すべて終了しています。次の年度の公募について、尼崎市の公式ページで、今後の予定が示されているかどうかは、この記事を書いた時点では確認できません。最新の情報は、イノベーション推進担当の窓口(電話06-6489-6675)で、確認してください。

つまずきやすい点を、実務の順に整理する

制度の説明の中で、つまずきやすい点を、公式ページの記載にもとづいて、整理します。

つまずきやすい点起きること対策
認定の前に設備を取得した固定資産税の特例の必須事項を満たせない契約・発注・引き渡しの時期を、認定の後に置く。迷うときは窓口へ
賃上げ表明がない特例措置が受けられない1.5%以上、または3%以上の方針を決めて、従業員(代表者)に表明する
認定の対象と、税の特例の対象を混同した認定は受けたのに、特例の対象者の定義を満たさない資本金1億円以下、従業員1,000人以下など、税の特例の定義を別に確認する
最低取得価格に届かないその設備は特例の対象にならない機械装置160万円、工具・器具備品30万円、建物附属設備60万円の水準を、見積の段階で確認
建物附属設備が家屋と一体で課税される特例の対象外工事を伴う設備は、償却資産か家屋かを先に確認
認定支援機関の確認書を準備する時間がない申請が遅れ、取得期限の令和9年3月末に間に合わない計画の骨子ができた時点で、すぐに相談する
リースで導入する通常の購入と、必要書類が違う見積書の写し、リース事業協会が確認した軽減額計算書の写しを用意
令和5・6年度に賃上げ表明なしで認定を受けていた賃上げ表明ありに変更できない追加の投資が出るときは、窓口で扱いを確認

自社に向いているか。向く会社と向かない会社を分ける

制度の特徴から、向き不向きを整理します。

向く会社理由
令和9年3月末までに、一定の額の機械や設備を入れる予定がある会社固定資産税(償却資産)の特例の対象期間に、取得が収まる
賃上げを、すでに計画している会社賃上げ表明が、特例を受ける前提になっている
人手不足への対応として、設備による省力化や、生産性の向上を考えている会社計画の目的が、労働生産性の向上であり、基本計画の方向と合う
赤字か黒字かを問わず、設備投資の負担を軽くしたい会社公式ページは、赤字黒字を問わず負担を軽減する特例だと説明している
向かない、または準備が必要な会社理由
すでに、認定前に設備を発注・取得してしまった会社認定後に取得することが、特例の必須事項だから
賃上げの方針を、まったく考えられない会社賃上げ表明がないと、特例措置がない
設備の1台あたりの取得価格が、最低取得価格を大きく下回る会社機械装置160万円、工具・器具備品30万円、建物附属設備60万円に届かないと、特例の対象にならない
給付金のような、現金の補助を期待している会社この制度は、税の特例であり、給付金は出ない。給付金を探すなら、市の別の補助金を確認する

類似制度、関連制度との関係

公式ページは、先端設備等導入制度を、中小企業等経営強化法等にもとづく、設備投資に関する支援として位置づけています。同じ法律の中には、別の計画の制度もあります。このサイトで解説している、経営革新計画(都道府県知事等の承認を受ける制度)は、新事業活動を中期の計画にまとめるもので、設備の導入によって労働生産性を上げることを主な目的とする先端設備等導入計画とは、中心が違います。経営革新計画のほうは、新しい商品や役務、新しい生産・販売の方式などの、新事業活動が中心です。

制度中心にあるもの窓口の考え方
先端設備等導入計画(市が認定)設備投資による労働生産性の向上。税の特例設備を導入する市区町村。尼崎市の場合は産業政策課
経営革新計画(都道府県知事等が承認)自社にとって新しい事業活動と、中期の経営目標原則として、都道府県の担当部局
尼崎市の省力化・生産性向上設備導入支援補助金省力化や生産性向上のための設備等の導入費用の補助市のイノベーション推進担当

同じ設備投資で、複数の制度を検討する場合は、それぞれの制度が、費用の扱いや、手続の順番を、別々に決めていることに注意してください。補助金は、交付決定後の着手が前提です。先端設備等導入計画は、認定後の取得が前提です。順番がぶつからないように、事前に、各窓口に確認してください。たとえば、補助金で購入する設備の、固定資産税の扱いを、先端設備等導入計画と組み合わせられるかどうかは、このページの記載だけでは判断できません。窓口で確認してください。

よくある質問

質問答え
この制度でお金はもらえますかもらえません。計画の認定を受けて、認定後に取得した設備の固定資産税(償却資産)が軽減される制度です
賃上げ表明をしないとどうなりますか令和7年度の税制改正により、賃上げ表明がない場合は、固定資産税の特例措置を受けることができません
1.5%と3%のどちらを選べばよいですか1.5%以上の表明で、3年間、課税標準が2分の1。3%以上の表明で、5年間、課税標準が4分の1です。実行できる賃上げ率で決めてください
賃上げ表明は、従業員全員にしなければなりませんか従業員全員ではなく、従業員の代表者のみに行うことも可能です
審査にどのくらいかかりますか申請から認定までの審査の標準処理期間は、概ね2週間程度です
申請はどこに出しますか産業政策課(市役所本庁中館7階)に、直接持参するか、郵送で提出します。郵送では返信用封筒(角型2号)が必要です
いつまでに設備を取得すればよいですか令和9年(2027年)3月末までに取得した設備が対象です。ただし、認定を受けた後に取得する必要があります
認定の前に契約だけ済ませてもよいですか認定後の取得が必須事項です。契約や引き渡しの時期の扱いは、窓口に確認してください
固定資産税のどの部分が軽くなりますか公式ページは、認定を受けた計画にもとづき取得した設備に係る固定資産税(償却資産)を、取得後3年間2分の1、または5年間4分の1に軽減する、と説明しています
認定を受けたあとで、設備を変更したいときは計画の変更の認定申請が必要です。変更後の計画について、認定経営革新等支援機関の確認書と、投資計画に関する確認書も出します

確認先と、この記事の根拠

制度の詳細や、個別の事業者の扱いは、尼崎市の窓口に確認してください。

項目内容
窓口尼崎市 経済環境局 経済部 産業政策課(市役所本庁中館7階)〒660-8501 兵庫県尼崎市東七松町1丁目23番1号
電話06-6489-6670
ファクス06-6489-6491
メールama-keikatsu@city.amagasaki.hyogo.jp
公式ページhttps://www.city.amagasaki.hyogo.jp/sangyo/yusi_josei/1011977/1011980.html(2025年4月30日更新)
導入促進基本計画上記ページに掲載されているPDF(令和7年4月1日から令和9年3月31日まで)
設備投資に関する支援の一覧https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/sangyo/yusi_josei/1011977/index.html

ProdX Crowd編集部は、申請書類の様式や、国の手引き、Q&Aは、尼崎市のページにリンクされている中小企業庁の資料を、最新のものでご確認いただくことをおすすめします。固定資産税の具体的な税額は、評価額や税率によって変わりますので、顧問税理士や、市の資産税の担当部署にご相談ください。

まとめ

尼崎市の先端設備等導入制度は、現金が出る補助金ではなく、計画の認定と、固定資産税(償却資産)の特例です。賃上げ表明がなければ特例はなく、1.5%以上の表明で3年間2分の1、3%以上の表明で5年間4分の1です。対象は、令和9年3月末までに取得した、機械装置、工具、器具備品、建物附属設備で、最低取得価格があります。最大の注意点は、認定の後に設備を取得することです。審査の標準処理期間は概ね2週間ですが、認定支援機関の確認書の準備に時間を見てください。迷ったときは、まず産業政策課に電話してください。

この制度を一言でいうと

「先端設備等導入制度による支援(中小企業等経営強化法等)」は、尼崎市が実施する認定制度です。対象の地域は尼崎市・兵庫県です。

中小企業が導入する一定の要件を満たす設備等について、労働生産性の向上を図るための「先端設備等導入計画」を策定し、市の認定を受けることで、固定資産の特例等の支援措置を受けることができます。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名先端設備等導入制度による支援(中小企業等経営強化法等)
実施機関尼崎市
種類認定制度
対象地域尼崎市・兵庫県
受付期間通年(随時)で受け付けています
対象者・資本金額1億円以下の法人

「先端設備等導入制度による支援(中小企業等経営強化法等)」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域尼崎市・兵庫県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
  2. 2対象者・資本金額1億円以下の法人 / ・従業員数1,000人以下の法人または個人事業主
  3. 3規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域尼崎市・兵庫県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
対象者・資本金額1億円以下の法人 / ・従業員数1,000人以下の法人または個人事業主等(大企業の子会社を除く) / 年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれることについて、認定経営革新等支援機関の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
個人事業主個人事業主も対象に含まれています。開業届の提出や、納税地の要件が求められることがあります。確定申告書の控えを、準備しておきます。
法人法人が対象です。履歴事項全部証明書(登記事項証明書)と、直近の決算書が、基本の提出書類になります。
従業員従業員数や、雇用保険・社会保険への加入に関する条件があります。数え方(常勤・パートの扱い)は、制度の定義に従います。
認定認定・登録・承認を受けていることが、条件になっている場合があります。取得に時間がかかるものは、申請より先に手続きを始めます。

「先端設備等導入制度による支援(中小企業等経営強化法等)」の経費で気をつけたいこと

この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
認定認証・規格の取得に関する費用が含まれています。審査費用、コンサルティング費、更新費用のうち、どれが対象かを、制度の定めで確認します。

「先端設備等導入制度による支援(中小企業等経営強化法等)」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 計画の作成現状・目標・内容
  2. 支援機関の確認制度による
  3. 申請期限・申請先を確認
  4. 認定設備取得の前に
  5. 優遇措置の利用税制・融資・加点
  6. 毎年の報告実施状況

「先端設備等導入制度による支援(中小企業等経営強化法等)」についてのよくある質問

Q&A先端設備等導入制度による支援(中小企業等経営強化法等)

経営者のイメージ写真
経営者

Q. 先端設備等導入制度による支援(中小企業等経営強化法等)の受付期間はいつですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

経営者のイメージ写真
経営者

Q. 先端設備等導入制度による支援(中小企業等経営強化法等)の対象になるのは、どんな事業者ですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

・資本金額1億円以下の法人

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(尼崎市・兵庫県)に、事業所がある□ はい □ いいえ
対象者の条件に当てはまる□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:尼崎市の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。