募集中認定制度

脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)

実施機関
尼崎市
募集期間
通年(随時受付)
地域
兵庫県・尼崎市

脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)(尼崎市)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

尼崎市の「脱炭素経営宣言・認定制度」は補助金ではなく認定。ただし取ると、市の脱炭素補助金に申請できる入口になる

この記事で扱う「脱炭素経営宣言・認定制度」は、尼崎市が独自に設けている認定制度です。補助金そのものではありません。市内の事業者が、脱炭素経営に取り組んでいる、または取り組む予定であることを宣言し、その取組目標や達成状況を市が評価して、「あまがさき脱炭素経営事業所」として、ブロンズ、シルバー、ゴールドの3段階で認定します。

では、なぜ補助金を探す方が気にする制度なのか。理由は、尼崎市が別に実施している「令和8年度尼崎市脱炭素化設備等導入促進支援事業補助金」に申請するための前提条件が、この認定だからです。市の補助金のページには、申請にあたって、事前にこの認定制度でブロンズ、シルバー、ゴールドのいずれかの認定を取得する必要がある、と明記されています。

つまり、順番は、認定を取る、補助金に申請する、の二段階です。この記事では、前半で認定制度そのもの(対象、15の宣言項目、3つのランク、申請の流れ、認定後の義務)を、後半で認定を取ったあとに使える補助金(補助率、上限額、対象経費、日程、注意点)を、公式資料の文言に沿って整理します。

最初に、制度の骨格を表にします。

項目内容(尼崎市の要綱・公式ページより)
制度の種類認定制度(尼崎市が独自に設定)
根拠尼崎市脱炭素経営宣言・認定制度実施要綱(2024年11月29日施行、2026年7月16日に改正施行)
実施機関尼崎市。申請窓口は公益財団法人尼崎地域産業活性化機構 事業課
対象市内に事業所があり、市内で事業活動を行っている法人(大企業・中小企業)と個人事業主
認定の区分ブロンズ、シルバー、ゴールド
認定の期間認定日から2030年度末まで
申請の方法電子申請専用フォーム(様式第1号など)
認定を取ると認定証の交付、認定ロゴのデータ提供、市のホームページ等での公表、市の補助金への申請資格、支援機関のメニューの利用
申請の締切公式ページに、締切の日付は示されていない。随時の申請

対象になるのは誰か:市内の法人(大企業も)と個人事業主

認定の対象は、要綱の第4条に、5つの条件をすべて満たす者として書かれています。

条件内容
事業所の所在市内に事業所を有し、市内で事業活動を行う法人(大企業、中小企業)と個人事業主
宣言項目の数15の宣言項目のうち、5項目以上が「取組済」または「取組予定」
営業の種類風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律に定める「性風俗関連特殊営業」と「接客業務受託営業」を行う者に該当しない
暴力団との関係尼崎市暴力団排除条例に定める暴力団、暴力団員、暴力団密接関係者に該当しない
市税の納付市税の未納がない

ここで注目したいのは、認定制度は大企業も対象になる、という点です。あとで説明する補助金は、中小企業者等のための制度で、みなし大企業は対象外です。つまり、認定は取れても、補助金は使えない会社があり得ます。認定の対象と補助金の対象は、別々に確認する必要があります。

市税の未納については、FAQにも説明があります。電子申請専用フォームから申込みを受理した際に、市が市税の納付状況を調べ、未納や滞納があった場合は認定できない、とされています。

15の宣言項目:「知る」「測る」「減らす」の取組区分で整理されている

認定の土台になるのが、要綱の第3条に並ぶ15の宣言項目です。公式ページには、これらを、「知る」「測る」「減らす」の取組区分で整理する考え方が出てきます。ゴールドの条件に、この3つの区分から1項目以上ずつ「取組済」を求める定めがあるためです。以下の表は、宣言項目を、市の資料の言葉のまま並べたものです。取組区分への当てはめは、各項目の内容から編集部が読み取ったものではなく、市の様式で確認する必要があります。ここでは項目の言葉だけを載せます。

番号宣言項目
1市や関係団体が実施する脱炭素関連施策への参加・協力
2自社の脱炭素に向けた推進体制の整備
3自社のエネルギー使用状況の把握
4環境マネジメントシステムの構築
5自社のCO2排出量の把握・削減
6身近な省エネ取組
7環境負荷の少ない資材・物品・原料の調達
83R(リデュース、リユース、リサイクル)の実践
9従業員の通勤時や業務時等での公共交通機関の利用促進
10省エネ・再エネ設備への切り替え・導入
11社用車の電動化
12再エネ由来の電力・クリーン電力(水素エネルギー等)の調達または活用
13太陽光発電設備の導入や蓄電池の設置
14自社建屋のZEB認証取得(市のページには、Nearly ZEB、ZEB Ready、ZEB Orientedを含むと記載。要綱とFAQの表記は「ZEB Ready化」)
15その他脱炭素経営に向けた取組

14番目の項目は、要綱とFAQが「自社建屋のZEB Ready化」と書いているのに対し、尼崎市の公式ページは「ZEB認証取得(Naerly ZEB、ZEB Ready、ZEB Orientedを含む)」と書いています。表記が資料によって違うため、この項目を「取組済」にしたい場合は、どの水準までが該当するのかを、窓口に確認しておくのが安全です。

身近な取組でも5項目に届く

5項目以上でブロンズ、という基準は、特別な設備投資を求めるものではありません。たとえば、6番の「身近な省エネ取組」、8番の「3Rの実践」、9番の「公共交通機関の利用促進」などは、設備を新たに買わなくても、すでに実施している会社が多い項目です。もちろん、ある項目に「取組済」と書くからには、あとから取組の内容を説明できる状態にしておく必要があります。

3つのランク:宣言、計画、実績報告の順に上がる

3つの区分は、取組の段階を表します。公式ページと要綱の条件を、表にします。

ランク位置づけ条件出す書類
ブロンズ脱炭素取組の宣言、方針の表明宣言書兼認定申請書を出していて、15項目のうち5項目以上が「取組済」または「取組予定」様式第1号(宣言書兼認定申請書)
シルバー宣言内容の計画化、目標の設定ブロンズの認定を受けていて、計画書を出している様式第2号(計画書)
ゴールド実績の報告、宣言内容の達成シルバーの認定を受け、報告書を出している。15項目のうち10項目以上が「取組済」。さらに「知る」「測る」「減らす」のそれぞれ1項目以上が「取組済」様式第3号(報告書)

ブロンズからシルバーへは、計画書を出すだけで条件を満たします。一方、ゴールドへは、実績を報告書で示し、10項目以上を「取組済」にする必要があるため、ここが最も重い段差です。

ランクごとの添付書類(FAQ)

FAQの「認定に必要な書類」には、次のように書かれています。

ランク必要な書類
ブロンズ宣言書兼認定申請書(様式第1号)、会社概要及び事業内容が確認できる書類等。個人事業主の場合は、代表者の本人確認書類の写し(運転免許証など有効期限内のもの)
シルバー計画書(様式第2号)、別紙1(前年度エネルギー使用量算定表)、別紙2(前年度温室効果ガス排出量算定表)
ゴールド報告書(様式第3号)、別紙1(事業活動に伴う原油換算エネルギー使用量算定表)、別紙2(温室効果ガス排出量算定表)

シルバーとゴールドでは、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量の算定表が必要です。前年度の排出量の実績を示す根拠について、FAQは、市の様式以外での代用提出が可能なものとして、SBT認証などを挙げています。毎年報告する実績値を代用できるとされていますが、原則は市の様式で、異なる様式での報告を考える場合は、あらかじめ相談することになっています。

申請から認定までの流れ

公式ページの「申請の流れ」は、ランクごとに手順が異なります。

ランク手順
ブロンズ手順1:電子申請専用フォームに入力し、作成したExcelと必要資料(エネルギー使用量の数値の根拠など)を添付
シルバー手順1:様式第2号の計画書(Excel)を入力。手順2:電子申請専用フォームに登録し、Excelと必要資料を添付。手順3:メールでマイページのURLが届いたことを確認して保管
ゴールド手順1:様式第3号の報告書(Excel)を入力。手順2:シルバー申請時または修正時にメールで届いたマイページURLから申請(報告)し、Excelと必要資料(エネルギー使用量の根拠資料、取組内容が確認できる報告書など)を添付

ここで、マイページのURLの扱いが、実務で大事になります。公式ページには、シルバーの申請後に、メールでマイページのURLが送られ、今後の修正、追記、報告(ゴールドの申請)に必要なので、大切に保管するように、と書かれています。担当者が替わったときに、URLのメールが行方不明にならないようにしておく必要があります。

FAQによる、認定までの大きな流れは3段階です。市のホームページにある電子申請専用フォームから申請する。市が申請内容を審査し、必要に応じて問い合わせをする。申請内容が受理されたあと、事業所に認定書が送られる。FAQには、認定取得までには一定の期間を要する、との注意があり、補助金を使いたい場合は、早めに申請することが勧められています。

認定のあと:毎年の報告、認定期間、取消し

認定を取ったら終わりではありません。要綱は、認定後の義務を定めています。

項目内容根拠
認定期間認定日から2030年度末まで要綱 第9条、FAQ
毎年度の報告計画の目標期間中は、毎年度、報告書(様式第3号)を出す。シルバーまたはゴールドの認定を受けた事業所が対象要綱 第6条、FAQ
報告の期限(4月1日〜12月末に認定)翌会計年度の5月末まで要綱 第6条第2項
報告の期限(1月1日〜3月末に認定)翌々会計年度の5月末まで要綱 第6条第2項
書類の保存認定証など本制度に関わる書類を整備し、目標年度の経過後3年間保存要綱 第11条
認定証市が交付し、認定事業所を市のホームページ等で公表要綱 第8条

会計年度は、4月1日から翌年3月末日までの1年間です。たとえば、仮に2027年2月に認定を受けた場合は、1月1日から3月末までの認定にあたるため、報告の期限は、翌々会計年度の5月末日(2029年5月末)になります。一方、仮に2026年11月に認定を受けた場合は、4月1日から12月末の認定にあたるため、報告の期限は、翌会計年度の5月末(2028年5月末)です。この日付は、要綱の文言から導いた例です。ただし、特段の事情がある場合は別、という但し書きがあります。実際の期限は、受け取る認定の通知や、市の案内で確認してください。

認定が取り消されるのはどんなときか

要綱の第13条は、市が認定を取り消せる場合を、次のように定めています。

取消しの理由内容
届出認定を受けた事業者から取消しの届出があったとき
要件違反要綱第4条の要件に反することが認められたとき
解散・破産認定を受けた団体、事業者が解散または破産したとき
虚偽宣言書兼認定申請書、計画書、報告書に虚偽の内容が認められたとき
報告の怠り毎年度の報告を怠ったとき

取り消された場合は、認定証を、速やかに市に返さなければなりません。さらに、市は、要綱に重大な違反をして認定を受けた者や、認定への信頼を失わせる行為をした者について、直ちに認定を取り消して、再度の申請も拒否できる、とされています。FAQでは、報告書を出さなかった場合に、認定が取り消されると明記されています。補助金を使いたい会社ほど、報告の期限を管理表に入れておく必要があります。

認定でできること:公表と、市の補助金への申請資格

認定を取ると、市の公式ページが、次のような特典を挙げています。

特典内容
支援機関等の各種サービス支援機関等が用意するソリューションやサービスとの連携、インセンティブ
認定証・ロゴ認定区分ごとの認定証の発行、認定ロゴマーク画像データの提供
公表・PR市や支援機関等のホームページで、認定事業所として公表
補助金(CO2の可視化)CO2排出量を可視化し、計画を策定するために必要な経費の一部を補助
補助金(設備)CO2排出量を減らす取組に必要な設備を導入する際の経費の一部を補助

FAQによると、認定された企業は、尼崎市のホームページに公表されます。自社のホームページなどで、認定を受けたことを公表してもかまいません。この「公表できる」点は、取引先や金融機関に、脱炭素への取組を見せる材料になります。ただし、公表することで具体的に何が得られるかは、会社の事業によって異なります。

認定のあとに使える補助金:令和8年度尼崎市脱炭素化設備等導入促進支援事業補助金

ここからが、補助金の話です。市の補助金のページによると、2026年7月16日に、令和8年度の申請様式等がホームページに公開され、郵送、持参いずれの申請も、同日から受け付けています。

補助率と上限額は、認定ランクで決まる

補助金の対象事業と上限額は、取得した認定のランクによって変わります。市のFAQの表を整理します。

認定ランク補助対象経費補助率補助上限額
ブロンズ二酸化炭素削減量可視化ツール・サービスの利用料、省エネ診断の受診費用10分の1020万円
シルバー上記に加え、再生可能エネルギー設備、省エネルギー設備(付属品等を含む)の導入と、認定の広報にかかる費用3分の250万円
ゴールド同上3分の2100万円

ブロンズの20万円の内訳は、FAQに書かれています。二酸化炭素削減量可視化ツール・サービスの利用料は、月3万円までで最大6か月、省エネ診断の受診費用は2万円まで、です。3万円の6か月分は18万円で、省エネ診断の2万円と合わせると、ちょうど20万円になります。

計算例(仮の数字)

以下は、補助率と上限額の動きを理解するための、仮の数字を使った計算例です。実際の見積額ではありません。補助額は、千円未満が切り捨てられます。

場面仮の補助対象経費計算補助額
ブロンズで、可視化ツールを6か月使う(月2万円と仮定)12万円10分の1012万円(月3万円の範囲内)
ブロンズで、省エネ診断を受ける(費用3万円と仮定)3万円10分の10だが上限2万円2万円
シルバーで、省エネ設備を導入する60万円60万円×3分の240万円
シルバーで、設備経費が上限を超える90万円90万円×3分の2=60万円だが上限50万円50万円
ゴールドで、再エネ設備と省エネ設備を併用(市の資料の例)再エネ120万円、省エネ80万円再エネ80万円、省エネ53万円だが合計上限100万円再エネ80万円と省エネ20万円で100万円

最後の行は、FAQが、「再生可能エネルギー設備と省エネルギー設備の併用」の例として挙げている数字です。それぞれ3分の2をかけると、再エネ設備の補助が約80万円、省エネ設備の補助が約53万円で、合計は133万円になりますが、ゴールドの上限が100万円であるため、省エネ設備の補助額は20万円までになります。両方の設備を合算して、上限までです。

対象経費の線引き

交付要綱の別表第1は、設備等の導入に関わる経費を細かく定めています。

区分内容
補助の対象再生可能エネルギー設備(太陽光、風力、水力、波力、バイオマス、地熱、地中熱、太陽熱、雪氷熱、空気熱、潮汐、潮流等)と蓄電池設備の導入費用
補助の対象省エネルギー設備(高効率空調設備、LED照明設備、デマンド監視システム、ボイラー設備等)
補助の対象設備の導入に必要な作業の費用のうち、設置費、配送費、工事費(改修費を含む)、設定費
補助の対象認定を受けた取組の広報費用(チラシ、パネル、名刺、広報動画の作成、企業ホームページの作成・編集、展示会の出展)
補助の対象外メーカー希望販売価格等から大きく離れていて、金額の妥当性が確認できない設備
補助の対象外設備のリース
補助の対象外パソコン、スマートフォン、タブレット、モニター等の、別用途に流用できる可能性がある設備
補助の対象外設備の保守費用(メンテナンスパックなど。補助対象期間内に相当する部分も対象外)
補助の対象外使い方に慣れるための講習費用(販売元による有料の操作講習も含む)
補助の対象外自動車等の車両(付属部品、修理、車検費用を含む)。電源装置としてのEV車の導入も対象外
補助の対象外ソフトウェア(付属品として導入する場合は除く)
補助の対象外科学的、論理的な根拠に基づかない設備の導入費用

補助対象経費には、消費税と地方消費税が含まれません。太陽光発電設備のみを導入する場合も対象になります。

自宅兼事業所は、事業用部分のみが対象

FAQには、自宅と事務所・店舗が一体になっている会社の注意点が詳しく出ています。補助の対象は、建屋のうち、事業用途に供する部分に限られます。事務所や店舗の部分への設備導入は対象になりますが、リビング、ダイニング、寝室、風呂、洗面所、トイレ等の居室部分は対象外です。事業所部分と居住部分が明確に区別されていない場合は、居住部分と扱われて、補助の対象になりません。提出書類で区分が確認できない場合は、設置図面や、建屋と室内の全体の現況写真などを追加で求められることがあります。

申請できる会社の条件

交付要綱の別表第1が、補助対象者の条件を、次のように並べています。

条件内容
認定あまがさき脱炭素経営事業所として、ブロンズ、シルバー、ゴールドのいずれかの認定を受けている
所在市内に事業所を有する
規模中小企業基本法の中小企業者、小規模企業者、個人事業主で、みなし大企業でない
営業の種類性風俗関連特殊営業、接客業務受託営業を行う者でない
暴力団暴力団排除条例に定める暴力団等と関係を有する者でない
団体の性格宗教・政治団体等でない
市税納付すべき尼崎市税を滞納していない

FAQには、対象者に関する細かな回答もあります。

場面扱い
医療法人、社会福祉法人、一般社団・財団法人中小企業者には該当しないが、本事業ではサービス業とみなし、資本金5,000万円以下または従業員100人以下の場合は対象
医師、士業確定申告で事業収入として計上されていれば、個人事業主として対象。給与収入の場合は対象外。事業収入と給与収入の両方がある場合は、事業収入が合計の5割以上であれば、特例的に個人事業主として扱う
定まった事業所を持たないフリーランス脱炭素化の取組を行う事業所が特定できないため、対象外
個人事業主で尼崎市外に住んでいる事業所(店舗、工場、事務所等)が市内であれば対象
市内に複数の事業所がある1事業者につき1事業所のみ。事業所ごとの申請はできない
リース会社設備を導入する事業者のみが対象。リース会社は対象外

過去に補助を受けた会社の扱い

FAQには、重要な上限ルールがあります。補助金の交付は、1つの認定区分につき1回が上限です。たとえば、前年度にブロンズ認定を受けてブロンズ向けの補助金を受けた会社が、今年度にシルバー認定を受けてシルバー向けの補助金を受けることは、認められます。一方で、前年度にシルバー認定でシルバー向けの補助金を受けた会社が、今年度もシルバーのまま、シルバー向けの補助金を受けることは、認められません。ただし、ブロンズ認定事業者の二酸化炭素削減量可視化ツール・サービス利用料は、2年度にまたがって申請できます。令和6年度以前に設備導入補助金を受けている会社も、今年度の募集では対象になります。省エネ診断の受診費用の申請は、1度限りです。

この仕組みを踏まえると、ブロンズ、シルバー、ゴールドと、ランクを上げながら、それぞれの段階で補助を使っていく、という使い方が、制度の設計に沿ったものと言えます。

補助金の日程:事前着手の線引きに注意

市の補助金のページに書かれた申請期間は、2026年7月16日(木)から2027年1月29日(金)まで(当日消印有効)です。先着順で、予算の上限に達し次第、終了します。

時期・場面内容
2026年7月16日令和8年度の補助金の申請様式を公開。郵送・持参の受付を開始
2027年1月29日(金)申請期限(当日消印有効)。設備の導入は、この日までに事業着手から完了まで終える。予算の上限に達した場合は、期限前に終了
設備の導入交付申請書の提出後に送られる交付決定通知書を受け取ってから、事業に着手する。受領前の着手は補助の対象外
可視化ツールの利用、省エネ診断交付申請より前の、2026年4月1日以降の事業着手でも対象。事後の申請もできる
実績報告・請求経費の支払い、領収書の受領が終わったあとに、実績報告書兼請求書を出す

設備の導入では、発注書、納品書、請求書の日付が、すべて交付決定通知書の日付よりも後であることが必要です(FAQ)。ここは、申請の失敗が最も起きやすい点です。見積を取り、交付決定を待たずに発注してしまうと、その設備は補助の対象外になります。

「補助対象期間中に手続きがすべて完了している」とは、FAQによると、設備等の発注(契約)、納品(工事等の完了)、代金の支払い(領収書等の受領)までが済んでいて、さらに、市に対する実績報告と補助金の交付請求書の提出まで終わっている状態です。申請期限内に交付申請をしても、2027年1月29日までに実績報告書兼請求書を出せなければ、補助金の交付の対象外になります。補助金が振り込まれるまでの期間は、書類の不備が一切ない場合に、市が実績報告書兼請求書を受理してから1か月程度が目安です(目安であり、1か月以上かかる場合もあります)。

申請に必要な書類

交付要綱の別表第2と、市のFAQから、書類を整理します。

時期書類
交付申請補助金交付申請書(第1号様式)、宣誓・同意書(第1号様式の2)、事業計画書(第2号様式)、収支予算書(第3号様式)、補助対象経費の明細と金額が分かる書類の写し(見積書等)、利用するツール・サービスの概要が分かるものまたは設備等の製品カタログ等、設備等の導入場所の現況写真、設置場所の所在地と事業所であることが分かる書類(建物賃貸借契約書の写し、事業所所在地が記載された許認可証の写し等)
実績報告・請求事業実績書(第9号様式)、収支決算書(第10号様式)、支払いが完了したことが分かる書類の写し(領収書や口座振込伝票の写し)、設備等導入後の現況写真、他の補助金を併用する場合はその金額が分かる書類、振込先口座情報が分かる書類

ブロンズ認定事業所の場合は、設備等導入場所の現況写真(申請時)と、導入後の現況写真(請求時)の提出は不要です。写真は、現像した写真ではなく、写真データをWord等に貼り付けたものにします。口座情報の書類は、当座預金で通帳がない場合は、当座勘定照合表、残高証明書、口座証明書、当座預金入金帳等の写し、ネットバンキングの場合は、金融機関名、支店名、口座カナ名義、口座種別、口座番号が分かる画面のスクリーンショットを印刷したものです。

内容を変えるときの手続き

交付決定のあとに計画が変わるときの扱いは、FAQに具体例が出ています。

変更の場面手続き
設備費の値上がりで、補助対象経費が増える(例:100万円から150万円)導入に着手する前に、事業変更承認申請書(第6号様式)が必要
値引きで補助対象経費が減る(例:150万円から100万円)変更の申請は不要。そのまま工事を進められる
LED照明から空調へと、導入する設備の内容が変わる導入に着手する前に、第6号様式と、変更内容が分かる書類が必要
代表者が変わった第6号様式と、履歴事項全部証明書の写しなど、変更が分かる書類が必要
事業を取りやめる事業廃止届出書(第5号様式)

他の補助金との併用は、可能ですが、併用する補助金が国庫補助金を財源にしている場合は併用できません。併用する場合は、補助対象経費の合計から他の補助金の額を引いた額が、この制度の対象経費です。FAQの例では、対象経費が200万円、他の補助金が100万円の場合、この制度の対象経費は100万円で、補助額は100万円の3分の2にあたる66万円(千円未満切り捨て)です。

この制度が向く会社、向かない会社

認定制度と補助金を、別々に判断する必要があります。

判断の軸向く会社向かない会社
所在市内に事業所があり、事業活動をしている市外のみ、または定まった事業所を持たない
目的脱炭素の取組を、取引先や地域に示したい。設備更新の費用を軽くしたい補助金額の大きさだけで判断したい(上限は100万円まで)
規模認定だけなら大企業も可。補助金は中小企業者等みなし大企業は補助金の対象外
設備投資の時期交付決定のあとに発注できる計画があるすでに発注した設備を、あとから補助の対象にしたい
事務毎年度の報告書を、期限までに出せる報告書や、エネルギー使用量・排出量の算定表をつくる担当者がいない
納税市税の未納がない市税を滞納している
事業所の形事務所、店舗、工場など、事業用部分に設備を入れる居住部分に設備を入れたい

類似制度との違い:認定、補助金、国の枠組みを混同しない

「脱炭素」を掲げる制度は、国、府県、市に多くあります。この制度を、ほかの制度と混同しないために、位置づけを整理します。

比較の軸尼崎市の脱炭素経営宣言・認定制度同じ市の脱炭素化設備等導入促進支援事業補助金
種類認定補助金
お金が出るか出ない(認定は、補助金の申請資格につながる)出る(対象経費の一部)
対象市内の法人(大企業を含む)と個人事業主市内の中小企業者等(みなし大企業は対象外)
申請の時期随時(締切の記載なし)2026年7月16日から2027年1月29日まで。先着順
義務毎年度の報告、書類の保存実績報告、5年間の帳簿等の保管、財産の管理
有効期間認定日から2030年度末まで年度ごとの募集

補助金の交付要綱は、帳簿その他の関係書類を、補助対象事業が完了した日の属する市の会計年度の翌年度の初日から起算して5年間、保管することを求めています。補助金を受けた財産は、取得財産等管理台帳を備えて管理し、市の承認なしに、目的に反して使用、譲渡、貸付などをしてはなりません。

つまずきやすい点

つまずき起きやすい理由防ぐ方法
認定が間に合わず、補助金の申請ができない認定の取得に一定の期間がかかる設備導入を考えているなら、認定の申請を先に出す
設備を先に発注して、補助の対象外になった交付決定通知書より前の着手は対象外発注書、納品書、請求書の日付を、通知書より後にする
報告書を出し忘れて認定が取り消された認定後の毎年度の報告が義務認定日から、報告期限を逆算して、予定表に入れる
同じ区分で2度目の補助を申請してしまった1つの認定区分につき1回が上限前年度の交付実績と、現在の認定区分を照らす
自宅兼事務所の居室部分に設備を入れた事業用部分のみが対象設置図面で、事業用部分と居住部分を分ける
設備だけでなくメンテナンスパックまで申請した保守費用は対象外見積書を、本体、工事、保守に分けてもらう
ブロンズでは設備が使えないと知らなかった設備の導入と広報費は、シルバー以上が対象使いたい補助の内容から、取得すべきランクを決める
複数の事業所をまとめて申請しようとした1事業者につき1事業所のみ実施する事業所を、あらかじめ1つに絞る

よくある質問

質問回答(尼崎市の資料による)
この制度は補助金ですか認定制度です。認定そのものにお金は出ませんが、認定を受けると、市の補助金に申請できます
認定を取らずに、市の補助金だけ申請できますかできません。ブロンズ、シルバー、ゴールドのいずれかの認定が必須です
大企業でも認定を受けられますか認定の対象には、大企業も含まれます。ただし、補助金はみなし大企業が対象外です
いつまで有効ですか2030年度末までです
認定後に必要な手続きはシルバーまたはゴールドの事業所は、毎年度、報告書(様式第3号)を出します。より上位の認定を目指して、取組を進めることも求められます
報告書を出さないとどうなりますか認定が取り消されます
認定が受理されないことはありますか要綱で定める基準に該当しない場合は、受理されません。申込みの受理後に市税の納付状況を調査し、未納や滞納があれば認定できません
排出量の実績根拠は、市の様式以外でもよいですかSBT認証など、毎年報告する実績値を代用できる場合があります。原則は市の様式のため、事前に相談してください
設備はいつ発注できますか補助金の交付決定通知書を受け取ったあとです。受領前の着手は対象外です
補助金はいつ振り込まれますか書類の不備がなければ、実績報告書兼請求書の受理から1か月程度が目安です
省エネ診断の補助は何回受けられますか申請は1度限りです

実務の目線:認定から補助金までの段取り

当社(ProdX Crowd編集部)は、株式会社ウブントゥの支援(500件以上、20億円以上、社内集計)の経験から、補助金の申請の失敗は、制度の理解よりも、段取りの順序で起きやすいと見ています。この制度では、認定、交付申請、交付決定、発注、支払い、実績報告の順序が、少しでも前後すると、補助金を受けられなくなります。段取りを、日付の並びで確認します。

段階先にやること確認する書類・日付
認定の申請15項目を自己点検して、5項目以上を「取組済」または「取組予定」にする様式第1号、会社概要が分かる書類。エネルギー使用量の数値の根拠
設備の検討見積を取り、補助対象と対象外の経費を分ける見積書の内訳(本体、工事、保守)
交付申請認定取得のあとで、見積・カタログ・現況写真を添えて申請第1号〜第3号様式、賃貸借契約書または許認可証の写し
交付決定通知書を受け取る通知書の日付
発注・工事通知書の日付より後に、発注・納品・工事を進める発注書、納品書、請求書の日付
支払い領収書や振込伝票を受け取る支払い完了の書類
実績報告2027年1月29日までに、実績報告書兼請求書まで出す第8号〜第10号様式、導入後の現況写真

公式資料と確認先

この記事は、尼崎市公式ホームページの「脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)」(2026年8月25日更新)と、同ページに掲載された実施要綱、よくあるご質問、「令和8年度尼崎市脱炭素化設備等導入促進支援事業補助金」のページ、同補助金の交付要綱とよくあるご質問を読んで整理しました。

資料場所
認定制度のページhttps://www.city.amagasaki.hyogo.jp/sangyo/yusi_josei/eco_sien/1035126.html
認定制度の実施要綱https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/035/126/R8datsutansoyoukou.pdf
認定制度のよくあるご質問https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/035/126/ninteishitsumon.pdf
補助金のページhttps://www.city.amagasaki.hyogo.jp/sangyo/yusi_josei/eco_sien/1006271/1043627.html
補助金の交付要綱https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/043/627/R8youkou.pdf
補助金のよくあるご質問https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/043/627/R8hoositsumon.pdf
申請に関するお問い合わせ先公益財団法人 尼崎地域産業活性化機構 事業課(尼崎市中小企業センター アイル4階)、電話06-6488-9565、平日9時から17時(祝日を除く)。年末年始は閉設
補助金の申請先公益財団法人 尼崎地域産業活性化機構 脱炭素化設備等導入促進支援事業係、郵送または持参

補助金の申請は、郵送か持参で行います。郵送の場合は、配達確認ができる方法(レターパック、簡易書留等)で出すことが、市から案内されています。制度の細部は、年度や要綱の改正で変わります。実際に申請する前に、最新の公式ページを確認してください。

この制度を一言でいうと

「脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)」は、尼崎市が実施する認定制度です。対象の地域は尼崎市・兵庫県です。

脱炭素経営に取り組む事業者のみなさまを、「ゴールド」、「シルバー」、「ブロンズ」の3段階で認定します。認定を受けると、支援機関のメニューや市の補助金等、様々な支援を受けることができます。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)
実施機関尼崎市
種類認定制度
対象地域尼崎市・兵庫県
受付期間通年(随時)で受け付けています

「脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域尼崎市・兵庫県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域尼崎市・兵庫県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
認定認定・登録・承認を受けていることが、条件になっている場合があります。取得に時間がかかるものは、申請より先に手続きを始めます。

「脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)」の経費で気をつけたいこと

この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
認定認証・規格の取得に関する費用が含まれています。審査費用、コンサルティング費、更新費用のうち、どれが対象かを、制度の定めで確認します。

申請の方法と、そろえる書類

区分内容
申請の方法8 補助金の申請(認定後に可能) / 9 申請に関する
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
計画書事業計画書の提出が求められています。課題→取り組み→効果を、一貫した流れで書くことが基本です。数字の根拠(見積書、市場の資料、過去の実績)を添えると、説得力が増します。
支援機関商工会議所・商工会・支援機関が関与する手続きがあります。窓口の予約や、確認書の発行に、日数がかかる場合があります。

この制度で、特に注意したいこと

区分内容
申請の方法第4条本制度の申請対象者は、次の各号に掲げる要件をすべて満たしている者とする。
地域(1) 市内に事業所を有し、市内において事業活動を行う法人(大企業・中小企業)及び個
その他(2) 前条に掲げる脱炭素経営に向けた宣言項目のうち、 5項目以上について、その取組状 / 況が「取組済」又は「取組予定」である者 / (3) 風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条 / 第5項に規定する「性風俗関連特殊営業」及び当該営業に係る同条第13項に規定する / 「接客業務受託営業」を行う者に該当しない者 / (4) 暴力団等(暴力団(尼崎市暴力団排除条例(2013年尼崎市条例第13号)第2条第

「脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 計画の作成現状・目標・内容
  2. 支援機関の確認制度による
  3. 申請期限・申請先を確認
  4. 認定設備取得の前に
  5. 優遇措置の利用税制・融資・加点
  6. 毎年の報告実施状況

「脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)」についてのよくある質問

Q&A脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)

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経営者

Q. 脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)の受付期間はいつですか?

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ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

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経営者

Q. 脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)の申請は、どのように行いますか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

8 補助金の申請(認定後に可能)

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経営者

Q. 脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)で、注意すべきことはありますか?

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ProdX Crowd編集部
A.

第4条本制度の申請対象者は、次の各号に掲げる要件をすべて満たしている者とする。

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経営者

Q. 脱炭素経営宣言・認定制度について(市内事業者向け)で、注意すべきことはありますか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

(1) 市内に事業所を有し、市内において事業活動を行う法人(大企業・中小企業)及び個

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(尼崎市・兵庫県)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:尼崎市の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。