企業版ふるさと納税による寄附を募集しています
企業版ふるさと納税による寄附を募集しています(糸満市)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。
糸満市の企業版ふるさと納税は、市が受け取る寄附に対して、企業の法人関係税が軽くなる税制である
まず位置づけから確認します。沖縄県糸満市が呼びかけている「企業版ふるさと納税による寄附」は、補助金ではありません。企業が糸満市に寄附をし、その寄附に応じて、法人住民税・法人税・法人事業税が軽くなる、税制上の仕組みです。お金を受け取る制度ではなく、出す制度であり、出した額の一部が、税の軽減という形で戻ります。
糸満市のページ(企画部行政経営課、2026年4月21日更新)は、この制度を、国の認定を受けた地方公共団体の地方創生事業に対して行われる企業の寄附を活用し、地方創生の充実を図るものと説明しています。さらに、この寄附に対して、寄附額の最大9割となる法人関係税の軽減を受けることができる、と書いています。
この記事では、糸満市のページと、市が公開している地域再生計画「第3期糸満市創生推進計画」のPDF、そして内閣府地方創生推進事務局の資料(制度概要、令和7年度税制改正の資料、「寄附の代償として経済的な利益を供与すること」の解説)を読んで、この制度の使い方を整理します。糸満市の計画が何を目指しているのか、寄附金の目安はいくらなのか、どんな順番で手続きが進むのか、どんな会社に向いているのかを、具体的に確認していきます。
最初に、全体像を表でまとめます。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 制度の性格 | 補助金ではなく、寄附に対する法人関係税の軽減(税制) | 糸満市のページ、内閣府の制度概要 |
| 寄附の相手 | 国の認定を受けた地域再生計画をもつ糸満市 | 糸満市のページ |
| 最低額 | 1回につき10万円以上 | 糸満市のページ |
| 軽減の大きさ | 法人関係税の軽減で、寄附額の最大9割 | 糸満市のページ |
| 対象外の企業 | 本社(地方税法における主たる事務所または事業所)が糸満市にある法人 | 糸満市のページ |
| お礼品 | なし | 糸満市のページ |
| 禁止事項 | 寄附の代償として経済的な利益を受け取ること(例:寄附の見返りとして補助金を受け取る) | 糸満市のページ |
| 窓口 | 糸満市 企画部 行政経営課(電話098-840-8193、ouen-kifu@city.itoman.lg.jp) | 糸満市のページ |
「最大9割」は、どうやって9割になるのか
糸満市のページには、「寄附金額の最大9割税額控除を受けられます」とあります。ここは、内閣府の資料と合わせて読むと、仕組みがよく分かります。
内閣府の制度概要では、寄附額に対する軽減は、2段階で説明されています。1つめは、通常の寄附でも適用される損金算入による軽減(約3割)です。2つめは、この制度で追加される税額控除(最大6割)です。両方を合わせて、最大で約9割の軽減効果になります。つまり、糸満市のページの「9割」は、損金算入の効果も含んだ数字として読むのが自然です。税額控除だけで9割が戻るわけではありません。
| 段階 | 軽減の大きさ | 内容 |
|---|---|---|
| 損金算入 | 約3割 | 通常の寄附でも受けられる。実際の効果は、自社の実効税率による |
| 税額控除(法人住民税・法人税) | 寄附額の4割 | 法人住民税から控除し、足りない分を法人税から控除する |
| 税額控除(法人事業税) | 寄附額の2割 | 法人事業税から控除する |
| 合計 | 最大約9割 | 企業の実質的な負担は約1割になる、と内閣府の資料の図は示している |
内閣府の資料は、1,000万円を寄附すると、最大で約900万円の法人関係税が軽減される、という例を示しています。これは、あくまで最大の例です。
税目ごとの上限に注意する
税額控除には、税目ごとの上限があります。
| 税目 | 控除の割合 | 控除の上限 |
|---|---|---|
| 法人住民税 | 寄附額の4割 | 法人住民税法人税割額の20% |
| 法人税 | 法人住民税で4割に達しない場合、その残額。ただし寄附額の1割まで | 法人税額の5% |
| 法人事業税 | 寄附額の2割 | 法人事業税額の20% |
つまり、寄附額が大きくても、自社の税額が小さければ、控除は上限で止まります。最大約9割は、上限に余裕がある会社の話です。
計算例(仮の数字)
次の2つの例は、公式資料の控除割合と上限を当てはめた、編集部の計算です。糸満市や内閣府が示した例ではなく、数字はすべて「仮の数字」です。
| 項目 | 例A(仮) | 例B(仮) |
|---|---|---|
| 寄附額 | 200万円 | 1,000万円 |
| 法人住民税法人税割額 | 400万円(上限は20%で80万円) | 150万円(上限は20%で30万円) |
| 法人税額 | 2,000万円(上限は5%で100万円) | 800万円(上限は5%で40万円) |
| 法人事業税額 | 600万円(上限は20%で120万円) | 250万円(上限は20%で50万円) |
| 法人住民税の控除 | 寄附額の4割は80万円。上限と同額の80万円 | 寄附額の4割は400万円だが、上限30万円まで |
| 法人税の控除 | 残額は0円 | 不足の370万円のうち、寄附額の1割=100万円以内で、上限40万円まで |
| 法人事業税の控除 | 寄附額の2割=40万円 | 寄附額の2割は200万円だが、上限50万円まで |
| 税額控除の合計 | 120万円(寄附額の6割) | 120万円(寄附額の12%) |
例Aは、控除が寄附額の6割にそろう場合です。例Bは、寄附額が大きくても、税額が小さいために、控除が120万円で止まる場合です。同じ控除額でも、寄附額が200万円と1,000万円では、会社の負担の重さが、まったく違います。寄附額は、自社の税額から逆算して決めるのが、考え方の基本です。
損金算入の約3割は、自社の実効税率で決まります。内閣府も糸満市も「約3割」と書いており、正確な額は、税理士に確認してください。
糸満市は、寄附金で何を実現しようとしているのか
寄附を使う事業は、国が認定した地域再生計画に書かれたものに限られます。糸満市は、「第3期糸満市創生推進計画」(沖縄県糸満市の全域が対象)を、計画のPDFとして公開しています。このPDFを読むと、市が、何に困っていて、何を目指すのかが、具体的に分かります。
計画が書いている課題
計画の目標の部分は、住民基本台帳をもとにした人口の動きを、次のように書いています。
| 項目 | 2020年 | 2025年 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 総人口(9月末現在) | 62,270人 | 62,096人 | 174人の減少 |
| 生産年齢人口(15〜64歳) | 37,723人 | 36,814人 | 約900人の減少 |
| 老年人口(65歳以上) | 13,320人 | 14,844人 | 約1,500人の増加 |
| 年少人口(0〜14歳) | 11,277人 | 10,438人 | 減少 |
計画は、さらに、出生数が減る傾向にあることも書いています。2020年には、出生数703人、死亡数504人で、199人の自然増でしたが、2023年には71人の自然減に転じました。社会動態では、2020年に転入3,451人、転出3,379人で、72人の社会増ですが、2021年以降は増減を繰り返しており、このまま続くと社会減が続くおそれがある、と記載されています。
この現状認識から、市は、「選んでもらえる地域づくり」を戦略的に行うと書き、まちづくりの将来像「つながりの豊かなまち」の実現を目指して、雇用促進、定住化対策、子育て支援に取り組む、と整理しています。
計画の3つの基本目標と数値目標
| 基本目標 | 数値目標(KPI) | 現状値(計画開始時点) | 目標値(2030年度) |
|---|---|---|---|
| 基本目標1 雇用の創出と多様性を実現し、安心して働けるまち | 新規就業・進出企業数(者/年) | 141 | 151 |
| 基本目標2 まちの魅力を高め、住み続けたくなるまち | 糸満市を住みよいと感じている市民の割合(%) | 80.4 | 85 |
| 基本目標3 若者や子育て世代の希望がかなうまち | 0〜64歳の転入超過人数(累計)(人) | なし | 150 |
この数字は、寄附で何かが保証されるという意味ではなく、市が自ら設定した目標です。寄附をする企業にとっては、自分の寄附が、どの目標につながるのかを確認する材料になります。
計画の3つの事業
計画の5-2は、制度の特例措置(地域再生法に基づく「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に関連する寄附を行った法人に対する特例(内閣府)」)を適用する事業として、「糸満市創生推進事業」を位置づけ、次の3つに分けています。
| 事業 | 市の問題意識(計画の記載) | 具体的な事業(計画に例示) |
|---|---|---|
| 雇用の創出と多様性を実現し、安心して働けるまち事業 | 「新たに就業または転職する場合、糸満市で働きたい」と答えた市民の割合は、2015年度の43.5%から2019年度の56.9%へ改善した。一方で、市外で働きたい理由の最多は「より高い賃金を得るため」(55.6%)で、収入面に課題がある | 地域資源を活用した商品開発事業、立地企業等支援事業 |
| まちの魅力を高め、住み続けたくなるまち事業 | 「住みよい」と答えた市民の割合は、2015年度の74.7%から2019年度の80.3%へ上がったが、26.5%が転居の意向を示している。理由は、「通勤・通学が不便」(32.1%)、「買い物等の日常生活が不便」(21.1%) | 西崎運動公園・体育施設機能強化事業、糸満ハーレー・糸満大綱引等観光行事支援事業 |
| 若者や子育て世代の希望がかなうまち事業 | 「結婚したいと思う」と答えた市民の割合は、2015年度の73.3%から2019年度の57.2%に減少。子育てでは、経済的な支援、保育サービス等・教育の充実への要望がある | ブックスタート事業 など |
最初の事業の計画の本文には、産業についての具体的な書き込みがあります。水産物地方卸売市場の移転に伴う水産物流通・加工業等の発展を促進すること、国際物流特区の対象地区と情報通信産業振興地域の対象地区であることを広く周知して関連企業の誘致を促進すること、市内産業へのIT技術の活用と企業へのIT導入・利活用の促進に取り組むことです。この部分は、IT・物流・水産・農業に関わる会社にとって、寄附の目的を考えるうえで、参考になります。
寄附金の目安と、計画の期間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 寄附の金額の目安 | 6,500,000千円(2026年度〜2030年度の累計) |
| 事業実施期間 | 2026年4月1日から2031年3月31日まで |
| 計画期間 | 2026年4月1日から2031年3月31日まで |
| 事業の評価の方法 | 毎年度8月頃に、外部有識者による効果検証を行い、翌年度以降の取り組み方針を決める。検証後速やかに、市の公式Webサイトで公表する |
寄附金の目安は、65億円(6,500,000千円)です。これは、5年間の累計の目安で、あくまで市の想定する規模であり、目標としてのKPIとは別の数字です。この規模から、市が企業版ふるさと納税に、かなり力を入れていることが分かります。
事業の評価は、外部の有識者による効果検証が、毎年行われると書かれています。寄附した企業は、市が、毎年、どのような報告を公表するのかを、自社の寄附の成果を確認するために見ることができます。
糸満市のページに載っている、寄附対象事業の具体例
糸満市のページは、市が、企業の力を借りて特に取り組みを推進したいプロジェクトを、3つのグループで例示しています。
| グループ | 主な事業の一例(糸満市のページ) | 傾向 |
|---|---|---|
| 産業・観光 | 農業基盤整備促進事業、観光農園推進事業、水産業振興事業、道の駅支援事業、企業誘致推進事業 など | 基幹産業の農業・水産業と、観光、企業誘致 |
| 環境・健康・スポーツ | 重点対策加速化事業(脱炭素関係)、運動公園・体育施設機能強化事業、健康づくり普及啓発事業、市道環境美化対策事業、いとまん平和マラソン推進事業 など | 脱炭素、スポーツ施設、健康づくり |
| 教育・子育て | 書籍等購入事業、ブックスタート推進事業、ICT支援員配置事業、小学校ICT教育強化環境整備事業、公立こども園機能強化事業、親子健康支援事業 など | 読書、ICT教育、こども園、親子の健康 |
ページには、これらに挙がっていないプロジェクトでも、地域再生計画に掲げている事業であれば、企業版ふるさと納税の対象になる、という注記があります。つまり、上の表は、一例にとどまります。
自社の事業と関係が深い分野を選ぶと、寄附の意義を社内外に説明しやすくなります。たとえば、IT関連の会社なら教育のICT環境の整備、食品や農業に関わる会社なら農業基盤や観光農園、健康関連の会社なら健康づくりの普及啓発、といった組み合わせが考えられます。ここは編集部の考え方の例で、市がこの組み合わせを勧めているわけではありません。
手続きは、どう進むのか
糸満市のページは、寄附の流れを4つの段階で示しています。
| 段階 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 寄附の申し出 | 「糸満市企業版ふるさと納税寄附申出書」に記入して、提出する | 電子メール、郵送またはFaxで提出。押印は不要。申出書は、市のページからWord形式(20KB)で入手できる |
| 寄附金の納付 | 糸満市が発行する納付書、または口座振込で納める | 納付書は、市が発行するため、申し出のあとの連絡が必要 |
| 受領証の交付 | 納付の確認後、糸満市から企業あてに「受領証」が郵送される | 受領証は、税の申告のときに必要なので、大切に保管する |
| 税の申告手続き | 受領証に基づき、企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)である旨を申告し、税額控除を受ける | 自社の法人税等の申告で行う |
提出先は、糸満市の企画部行政経営課です。連絡先は、次のとおりです。
| 方法 | 連絡先 |
|---|---|
| 電話 | 098-840-8193(平日の8時30分から12時00分、13時00分から17時15分) |
| メール | ouen-kifu@city.itoman.lg.jp |
| FAX | 098-840-8157 |
| 市の代表電話 | 098-840-8111(開庁時間は、月曜日から金曜日の8時30分から12時00分、13時00分から17時15分。祝日・休日と12月29日〜1月3日を除く) |
日程の考え方
糸満市のページには、寄附の受付期間や、締切の記載はありません。ページの更新日は、2026年4月21日です。一方、計画の期間は2026年4月1日から2031年3月31日までなので、少なくとも、この期間は、計画に基づく寄附が行える見込みです。ただし、税額控除の特例そのものは、内閣府の資料では、令和9年度までの延長とされており、その後の扱いは、資料からは確認できません。
決算期から逆算した日程の目安は、次のとおりです。市の処理にかかる日数は資料に書かれていないため、時期の幅は編集部の目安です。
| 時期の目安 | やること | 備考 |
|---|---|---|
| 決算の数か月前 | 当期の法人関係税の見込みを、税理士と確認する | 控除の上限は、税額で決まる |
| 寄附の1か月以上前 | 行政経営課に連絡し、寄附対象事業と寄附額を相談する | 申出書は、電子メール、郵送またはFaxで提出できる |
| 事業年度末までの余裕をもった時期 | 納付書または口座振込で、寄附金を納める | 納付書の発行には、市の対応時間がかかる |
| 納付後 | 受領証が郵送される | 受領証が届くまでの日数は、市に確認する |
| 決算・申告 | 受領証をもとに、税額控除を申告する | 受領証は、決算書類と一緒に保管する |
寄附の見返りは、なぜ受け取れないのか
糸満市のページには、制度の注意事項として、次の内容が書かれています。
| 注意事項 | 内容 |
|---|---|
| 最低額 | 1回につき10万円以上の寄附が対象 |
| 本社所在地 | 本社が糸満市にある法人は対象外 |
| 見返りの禁止 | 寄附の代償として、経済的な利益を受け取ることは禁止。例として「寄附の見返りとして補助金を受け取る」 |
| お礼品 | 企業版ふるさと納税には、寄附に対するお礼品がない |
内閣府の解説(令和4年6月27日、令和8年4月1日一部改正)は、この禁止を、地域再生法施行規則第13条に基づくものとして、具体例を挙げて説明しています。
| 区分 | 具体例(内閣府の解説) |
|---|---|
| 禁止される例 | 寄附を理由とした補助金の交付 |
| 禁止される例 | 寄附を理由とした、他の法人より低い金利での貸付け |
| 禁止される例 | 入札や許認可での便宜の供与 |
| 禁止される例 | 合理的な理由なく、市場価格より低い価格で財産を譲渡すること |
| 禁止される例 | 換金性の高い商品(商品券やプリペイドカード等)の提供 |
| 禁止される例 | 寄附を、公共事業の入札参加要件とすること |
| 禁止される例 | 寄附で整備した施設を、専属的に利用させること |
| 許される例 | 感謝状やこれに類するものの贈呈 |
| 許される例 | 自治体のホームページや広報誌で、寄附を活用した事業の紹介とあわせ、寄附した法人の名称を他の寄附者と並べて紹介すること |
| 許される例 | 施設に銘板を設け、寄附した法人の名称を他の寄附者と並べて列挙すること |
| 許される例 | 社会通念上許容される範囲内の記念品の贈呈 |
糸満市が、同意を得たうえで、企業名や寄附の活用分野を、市のホームページで紹介するのは、許される例の2つめにあたります。糸満市のページは、この紹介を、企業の地域貢献・社会貢献活動を知ってもらう機会(企業のPR)として位置づけています。
内閣府の資料は、さらに、この禁止に反して、寄附の代償として経済的な利益を供与したことが明らかになった場合には、自治体の地域再生計画の認定が取り消されるなど、自治体に不利益が生じることがある、と書いています。寄附する企業にとっても、見返りを求めない姿勢が、制度を壊さないために必要です。
市と取引のある会社は、どうなるのか
糸満市に、すでに工事や物品の納入で関わっている会社や、これから入札に参加したい会社は、寄附ができるのかが気になるところです。内閣府の解説は、次のように整理しています。
| 場面 | 内閣府の解説の答え |
|---|---|
| 寄附した自治体から、工事の受注などをすること | 自治体が、法令・条例・規則の遵守、寄附を理由に別扱いしないこと、手続きの公正性・透明性の説明責任を果たすことの3つを行うなら、寄附の代償にはあたらない |
| すでに契約関係にある自治体へ寄附すること | 原則として、寄附の代償にはあたらないため、寄附できる |
| 疑問が生じたとき | 該当する自治体に確認する |
また、内閣府は、令和7年度の税制改正に合わせて、制度改善策を講じています。寄附活用事業で、契約手続の公正性等に問題があって、認定地域再生計画が取り消される事案が生じたため、チェック機能の強化、実施状況の透明化(寄附法人名の公表や、寄附活用事業の発注先の公表)、認定取消し後の再申請に2年間の欠格期間を設ける、といった内容が示されています。市との取引と寄附を同時に考える会社は、この改善策を前提に、慎重な確認が必要です。
糸満市の寄附は、どんな会社に向くのか
| 会社のタイプ | 向くか | 理由 |
|---|---|---|
| 法人税等を、一定額以上納めている青色申告の法人 | 向く | 税額控除の上限に余裕があれば、寄附額の最大6割の控除と、損金算入の約3割を合わせた軽減が期待できる |
| 地域貢献を、企業のPRとしても生かしたい会社 | 向く | 同意を得たうえで、糸満市のホームページで、企業名や活用分野を紹介してもらえる |
| 農業、水産、観光、IT、教育、健康、脱炭素など、市の事業分野と、自社の事業が重なる会社 | 向く | 寄附先の事業が、自社の関心と近いと、社内外に説明しやすい |
| 沖縄県外や、県内の別の市町村に本社がある会社 | 向く | 本社が糸満市以外にあれば、対象になる |
| 赤字で、法人関係税をほとんど納めていない会社 | 向かない | 税額から差し引く仕組みのため、控除できる税額がない |
| 糸満市に本社がある会社 | 向かない | 本社所在地の自治体への寄附は、対象外 |
| 寄附の見返りに、補助金や入札での有利な扱いを期待する会社 | 向かない | 寄附の代償としての経済的な利益は禁止 |
| 返礼品やお礼の品を期待する会社 | 向かない | 企業版には、お礼品がない |
なお、糸満市のページには、青色申告書を提出している法人であることの条件が書かれていません。他の自治体のページには記載があるため、条件に関わる場合は、行政経営課に確認するのが確実です。
補助金や、他の寄附制度との違い
この制度を、このサイトで探す補助金と、混同しないために、違いを整理します。
| 項目 | 補助金 | 企業版ふるさと納税 |
|---|---|---|
| お金の流れ | 国や自治体から、会社へ入る | 会社から、自治体へ出る |
| 会社が得るもの | 事業の経費の補てん | 法人関係税の軽減 |
| 審査 | あり(採択される必要がある) | なし(寄附の申し出と、条件の確認) |
| 見返り | 審査に通った事業に、補助金が支払われる | 禁止(お礼品なし) |
| 向く会社 | 設備や事業に、資金が必要な会社 | 税額に余裕があり、地域に貢献したい会社 |
補助金と企業版ふるさと納税は、別の制度なので、同じ会社が、併せて活用することは考えられます。ただし、糸満市に寄附したことを理由に、市の補助金を受け取ることは、禁止された見返りにあたります。そのため、寄附と補助金の申請は、切り離して考える必要があります。
人材派遣型という使い方
内閣府の制度概要には、企業の人材を地方公共団体等に派遣し、人件費分の寄附を合わせて行うことで、「人材派遣型」としても活用できると書かれています。糸満市のページに、この型の記載はないため、関心がある会社は、内閣府のポータルサイトと、行政経営課の両方で確認してください。
物品による寄附
内閣府の物品寄附のQ&Aは、現金以外の物品でも、事業に直接供することができ、寄附時の価額を計算できる場合には、寄附として受け取れることがあるが、価額の特定が難しいため、できる限り現金で受け取るようにする、と書いています。糸満市のページは、納付書または口座振込による納付を書いているため、物品による寄附の可否は、資料からは確認できません。
つまずきやすい点
| つまずきやすい点 | 資料から言えること | 対策 |
|---|---|---|
| 「最大9割」を、全額が戻ると誤解する | 損金算入の約3割と、税額控除の最大6割を合わせた軽減効果。現金が戻るのではなく、税の負担が軽くなる | 資金繰りでは、いったん全額が出ていくと考える |
| 税額控除の上限を、見落とす | 税目ごとの上限がある | 寄附の前に、前期の税額で、上限を試算する |
| 本社所在地を、確認していない | 糸満市に本社がある法人は、対象外 | 登記簿上の本社所在地を、事前に確認する |
| 市の取引と寄附を、同時に進める | 公正性・透明性の説明責任が、自治体に求められる | 取引の状況を、行政経営課に事前に伝える |
| お礼品を期待する | お礼品は、ない | 企業のPRと、税の軽減が、制度のメリット |
| 受領証を、なくす | 税の申告に必要 | 決算書類と一緒に、大切に保管する |
| 年度末ぎりぎりで動く | 納付書の発行、納付の確認、受領証の郵送に、それぞれ時間がかかる | 余裕をもって、1か月以上前に連絡する |
| 特例の期限を、確認していない | 税額控除の特例は、令和9年度までの延長 | 内閣府のポータルサイトで、最新の情報を確認する |
よくある質問
| 質問 | 答え(資料に基づく) |
|---|---|
| 最低いくらから寄附できますか | 1回につき10万円以上です |
| 税金は、どれくらい軽くなりますか | 糸満市のページでは、寄附額の最大9割の軽減です。内閣府の資料では、損金算入の約3割と、税額控除の最大6割(法人住民税・法人税で4割、法人事業税で2割)の合計です。税目ごとの上限があります |
| お礼品は、もらえますか | もらえません。企業版ふるさと納税には、お礼品がありません |
| 本社が糸満市にある場合は、どうなりますか | 本社が糸満市にある法人は、対象外です |
| 申出書は、どうやって提出しますか | 電子メール、郵送またはFaxで、提出します。押印は不要です |
| 寄附金は、どうやって納めますか | 糸満市が発行する納付書、または口座振込で納めます |
| 税の控除は、どう受けますか | 糸満市から郵送される受領証に基づき、企業版ふるさと納税である旨を申告します |
| 寄附の使いみちは、選べますか | 糸満市のページは、産業・観光、環境・健康・スポーツ、教育・子育ての3つのグループで、主な事業を例示しています。例に挙がっていなくても、地域再生計画に掲げた事業であれば、対象になります |
| 企業名は、市のホームページに載りますか | 企業の同意を得たうえで、企業名や寄附の活用分野を掲載します |
| 締切は、いつですか | 糸満市のページに、締切の記載はありません。行政経営課(098-840-8193)に確認してください |
| 計画は、いつまでですか | 第3期糸満市創生推進計画の期間は、2026年4月1日から2031年3月31日までです。税額控除の特例は、内閣府の資料で令和9年度までの延長とされています |
確認先と、次の一歩
| 確認したいこと | 確認先 |
|---|---|
| 寄附の手続き、寄附申出書、納付方法、寄附対象事業 | 糸満市 企画部 行政経営課(電話098-840-8193、ouen-kifu@city.itoman.lg.jp、FAX098-840-8157) |
| 糸満市のページ | https://www.city.itoman.lg.jp/site/furusatoouen/24886.html |
| 糸満市の地域再生計画 | 糸満市のページに掲載の「第3期糸満市創生推進計画」(PDF) |
| 制度全体の仕組み、Q&A、最新の税制 | 内閣府地方創生推進事務局の企業版ふるさと納税ポータルサイト(https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/kigyou_furusato.html) |
| 自社の税額、控除の試算、申告 | 顧問の税理士 |
ProdX Crowd編集部としての見方を、最後にまとめます。企業版ふるさと納税は、補助金のように、事業の費用をまかなう制度ではありません。ただ、法人関係税に余裕のある会社が、同じ金額を、地域の課題解決に向けられる機会になります。糸満市の計画は、人口や出生数、市民意識調査の数字まで具体的に示しており、寄附の先の課題が見えやすいことが特徴です。まず、前期の税額から、控除の上限を試算し、そのうえで、行政経営課に、寄附の時期と事業を相談してください。
この制度を一言でいうと
「企業版ふるさと納税による寄附を募集しています」は、糸満市が実施する税制優遇です。対象の地域は糸満市・沖縄県です。
本制度は、国の認定を受けた地方公共団体の地方創生事業に対して行われる、企業の皆さんからのご寄附を活用し、地方創生の充実を図るものです。本制度による寄附に対して、寄附額の最大9割となる法人関係税の軽減を受けることが可能です。 糸満市の地方創生の更なる強化に向け、企業版ふるさと納税を通じて糸満市を応援してくださる企業の皆さんを募集しています。
受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。
| 制度名 | 企業版ふるさと納税による寄附を募集しています |
|---|---|
| 実施機関 | 糸満市 |
| 種類 | 税制優遇 |
| 対象地域 | 糸満市・沖縄県 |
| 受付期間 | 通年(随時)で受け付けています |
「企業版ふるさと納税による寄附を募集しています」の対象になる方
対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。
- 1地域糸満市・沖縄県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
- 2規模従業員数の制約は示されていません
| 確認すること | この制度の内容 |
|---|---|
| 地域 | 糸満市・沖縄県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本) |
| 規模 | 従業員数の制約は示されていません |
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 法人 | 法人が対象です。履歴事項全部証明書(登記事項証明書)と、直近の決算書が、基本の提出書類になります。 |
| 団体 | NPO・組合・団体も対象に含まれています。定款や規約、会員の名簿など、団体としての実態を示す書類が必要になることがあります。 |
| 納税 | 税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。 |
| 認定 | 認定・登録・承認を受けていることが、条件になっている場合があります。取得に時間がかかるものは、申請より先に手続きを始めます。 |
「企業版ふるさと納税による寄附を募集しています」が目指していること
やさしい日本語キーワード検索Googleカスタム検索ページID検索キーワード検索Googleカスタム検索分類でさがす組織でさがすカレンダーでさがす地図でさがす申請・届け出でさがすマイナンバーカード暮らし・手続き子育て・教育産業・しごとトップページ組織でさがす企業版ふるさと納税による寄附を募集しています企業版ふるさと納税による寄附を募集していますページID:0024886更新日:2026年4月21日更新印刷ページ表示糸満市の地方創生を応援してください!本制度は、国の認定を受けた地方公共団体の地方創生事業に対して行われる、企業の皆さんからのご寄附を活用し、地方創生の充実を図るものです。本制度による寄附に対して、寄附額の最大9割となる法人関係税の軽減を受けることが可能です。糸満市の地方創生の更なる強化に向け、企業版ふるさと納税を通じて糸満市を応援してくださる企業の皆さんを募集しています。
「企業版ふるさと納税による寄附を募集しています」の経費で気をつけたいこと
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| 認定 | 認証・規格の取得に関する費用が含まれています。審査費用、コンサルティング費、更新費用のうち、どれが対象かを、制度の定めで確認します。 |
「企業版ふるさと納税による寄附を募集しています」の手続きの流れと日程
この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。
- 要件の確認対象設備・期限
- 認定・証明書の取得取得の前に
- 設備の取得事業に使い始める
- 決算利益の見通し
- 申告で適用特別償却・税額控除
「企業版ふるさと納税による寄附を募集しています」についてのよくある質問
Q&A企業版ふるさと納税による寄附を募集しています
Q. 企業版ふるさと納税による寄附を募集していますの受付期間はいつですか?
通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。
この制度を検討するときの確認リスト
| 確認項目 | 状況 |
|---|---|
| 対象の地域(糸満市・沖縄県)に、事業所がある | □ はい □ いいえ |
| 交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない | □ はい □ いいえ |
| 後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている | □ はい □ いいえ |
情報の確認元:糸満市の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。
補助金・経営支援顧問