募集中税制

企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!

実施機関
宇土市
募集期間
通年(随時受付)
地域
熊本県・宇土市

企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!(宇土市)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

宇土市の企業版ふるさと納税は、補助金ではなく、寄附をした法人の法人関係税を軽くする「税制」の仕組み

宇土市(熊本県)が募集している「企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)」は、企業が受け取るお金ではありません。企業が宇土市に寄附をし、その寄附額に応じて、法人住民税・法人税・法人事業税が軽くなる制度です。補助金や助成金のように、事業費の一部が交付される制度とは、お金の流れが逆になります。

この制度の位置づけを、先に表で整理します。

項目内容
制度の種類税制(寄附をした法人に対する法人関係税の税額控除)。補助金・助成金ではない
寄附の受け手宇土市(国が認定した「第3期宇土市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進計画」に位置づけられた事業)
税の軽減内閣府の資料では、損金算入による軽減(寄附額の約3割)と税額控除(最大6割)を合わせて、最大で寄附額の約9割
寄附の条件1回あたり10万円以上。本社が宇土市に所在する場合は対象外
禁止されること寄附の代償として経済的な利益を受けること
申し込み先宇土市 企画財政部 企画課 企画係(電話 0964-27-3305)
計画の期間2025年4月1日から2031年3月31日まで

宇土市の公式ページは、2026年8月4日付で掲載されています。J-Net21の記事は、この市の案内をもとにしたものです。この記事では、市の公式ページと、市が公表している地域再生計画、寄附申出書の記載例、令和7年度の契約相手方の公表資料、そして内閣府の企業版ふるさと納税ポータルサイトの資料を読んで、企業の経営者や経理担当者が判断するための材料を整理します。

融資や貸付けにあたる制度、相談窓口などの支援サービスは、このサイトの対象外のため、扱いません。

「実質的な負担が約1割」とは、どういう計算なのか

宇土市の公式ページには、「通常の寄附による損益算入による軽減効果(寄附額の約3割)と合わせて、最大で寄附額の約9割が軽減され、実質的な負担が約1割にまで圧縮されます」とあります。「損益参入」と書かれている部分は、内閣府の資料では「損金算入」です。つまり、寄附額を会社の費用(損金)として計上できる効果が約3割、そのうえで、税額から直接引ける税額控除が最大6割、合わせて約9割、という説明です。

内閣府の資料にある例は、1,000万円を寄附すると、最大で約900万円の法人関係税が軽減される、というものです。

区分軽減の目安内容
通常の寄附約3割寄附額が損金に算入される効果
企業版ふるさと納税税額控除で最大6割法人住民税・法人税・法人事業税から、直接引く
合計最大で約9割企業の実質的な負担は約1割

ただし、ここで言う「最大」は、すべての会社に当てはまるわけではありません。税額控除には、税目ごとに上限があるからです。

税額控除の上限は、税目ごとに決まっている

内閣府の資料は、控除の仕組みを3つの税目に分けて説明しています。

税目控除の割合上限
法人住民税寄附額の4割を税額控除法人住民税の法人税割額の20%が上限
法人税法人住民税で4割に達しない場合、その残額を税額控除寄附額の1割を限度。法人税額の5%が上限
法人事業税寄附額の2割を税額控除法人事業税額の20%が上限

読み方は次のとおりです。まず法人住民税から、寄附額の4割を引きます。ただし、会社の法人住民税の法人税割額が小さいと、その20%が上限になるため、4割に届かないことがあります。届かなかった分を、法人税から引きます。ただし、法人税から引ける額は、寄附額の1割までです。さらに、法人事業税から、寄附額の2割を引きます。

3つを合わせると、住民税と法人税の合計で最大4割、事業税が2割で、税額控除は最大6割になります。公式資料の「最大6割」は、この3つの上限がそろった場合の数字です。

仮の数字で、2つの会社を比べる

次の例は、内閣府の資料にある計算のルールを使った、仮の数字による計算です。実際の控除額は、会社の税額によって変わります。税額控除の手続(申告)や算出は、内閣府の資料にあるとおり、税理士か所管の税務署に相談してください。

項目(仮の数字)A社:税額が十分に大きい場合B社:法人税割額が小さい場合
寄附額100万円100万円
法人住民税から寄附額の4割=40万円(上限に届く)法人税割額が100万円なら、その20%で上限20万円
法人税から住民税で4割に達したので、0円4割に不足する20万円を補いたいが、寄附額の1割=10万円が限度
法人事業税から寄附額の2割=20万円寄附額の2割=20万円(事業税額が十分に大きい場合)
税額控除の合計60万円50万円
損金算入による軽減(資料の目安)約30万円(寄附額の約3割)約30万円(寄附額の約3割)

B社の事業税額は、20%の上限(寄附額の2割より大きい)に達していないものと仮に置いています。A社は税額控除が60万円で、損金算入の約30万円と合わせて約90万円の軽減になり、負担は約10万円です。B社は税額控除が50万円となるため、軽減は約80万円で、負担は約20万円になります。同じ100万円を寄附しても、会社の税額によって、軽減の幅が変わります。

寄附をする前に、決算書の数字をもとに、税額控除の上限を概算しておくと、手元に残る負担額が見えます。

宇土市に寄附をするための条件は何か

宇土市の公式ページは、「制度活用にあたっての留意事項」として3つを挙げています。内閣府の資料も、同じ内容を示しています。

条件内容補足(内閣府の資料)
金額1回あたり10万円以上の寄附が対象10万円未満は対象にならない
本社の所在地本社が宇土市に所在する場合は対象外本社とは、地方税法における「主たる事務所又は事業所」。例として、A県B市に本社があれば、A県とB市への寄附は対象外
見返りの禁止寄附を行うことの代償として経済的な利益を受けることは禁止後述

宇土市以外の自治体の場合は、さらに、地方交付税の不交付団体である都道府県などが対象外となる定めがあります。内閣府の資料によると、東京都と、市区町村のうち地方交付税の不交付団体で、三大都市圏の既成市街地等にあるものは、対象外です。宇土市は、国が認定した計画にもとづいて公式ページで募集しています。対象外の団体に当たるかどうかの個別の確認は、企画課に尋ねてください。

「見返りの禁止」は、どこまでが許されるのか

内閣府の資料は、寄附の代償としての経済的利益の供与について、具体的な例を示しています。

区分具体例(内閣府の資料)
禁止される例寄附の見返りとして補助金を受け取る。寄附を行うことを入札の参加要件にする。商品券やプリペイドカードなど、換金性が高いものを受け取る。寄附活用事業で整備された施設を、専属的に利用する
問題ない例自治体のホームページや広報誌で、寄附した企業の名前を紹介される。感謝状を受け取る。整備された施設に、他の寄附者と並んで企業名の銘板が設置される。社会通念上許される範囲の記念品を受け取る
契約の扱い公正なプロセスを経た上で、寄附した法人が自治体との契約の相手方になることは、一般に問題ない。ただし、寄附を理由に他の法人と別に扱う場合は別

宇土市の公式ページに載っている「企業様にとってのメリット」は、この問題ない例の範囲に収まっています。感謝状の贈呈、広報紙への掲載、ホームページへの掲載(企業のURLのリンク付き)、庁舎内の掲示板への企業名の掲載、そして寄附額が50万円以上の場合の感謝状贈呈式です。

注意が必要なのは、契約との関係です。内閣府の資料には、寄附をした会社が、そのあと自治体の入札で仕事を受ける場合や、寄附の前から契約関係にある場合の、考え方が示されています。たとえば、すでに契約関係にあった法人から寄附を受けること自体は、一般に問題ないとされています。一方で、寄附を理由に、寄附した会社しか応札できない条件を設けるような場合は、禁止される経済的利益に当たるおそれがあります。契約の予定がある会社は、寄附の申し出の前に、市の担当課に事情を伝えておくと安全です。

寄附をした会社に、禁止された経済的利益を与えたことが明らかになると、自治体の地域再生計画の認定が取り消されるなど、自治体に不利益が生じることがある、とも書かれています。会社の側も、この点を知っておいてください。

宇土市の寄附は、何に使われるのか

寄附が使われる事業は、国に認定された地域再生計画に書かれています。宇土市の計画の名称は「第3期宇土市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進計画」で、作成主体は熊本県宇土市、区域は市の全域です。計画期間は、2025年4月1日から2031年3月31日までです。

計画の背景にある宇土市の人口の課題

計画の目標の項に、宇土市が置かれている状況が書かれています。

項目計画に書かれている数字
総人口のピーク2005年の38,023人
2020年の国勢調査人口36,122人
2060年の推計人口24,901人(現在の7割以下)
年少人口(0〜14歳)2005年5,951人から2020年4,866人へ減少
老年人口(65歳以上)2005年8,412人から2020年10,966人へ増加
生産年齢人口(15〜64歳)2005年の23,654人がピーク。2020年は20,290人
出生数2003年の388人がピーク。2023年は242人
死亡数2023年は508人(自然増減は266人の減少)
社会動態2005年以降は転出超過の傾向。2024年は147人の転入超過

計画は、20代を中心とした若年層が大幅な転出超過になっていることを、進学や就職に伴う転出の影響などによるものと見ています。そのため、若年層の転出抑制、出生数の上昇、健康寿命の延伸につながる施策を進める、としています。

4つの基本目標と、数値目標

計画の基本目標は、4つです。それぞれに、2024年の現状値と2030年度の目標値が定められています。

基本目標指標現状値(2024年)目標値(2030年度)
1 誰もが結婚・出産・子育ての希望がかなうまちをつくる出生数231人240人
2 魅力あるしごとをつくり、雇用を創出する労働者数(個人市民税納税義務者数)18,018人18,600人
2 同上個人市民税の課税額1,406,693千円1,488,000千円
3 誰ひとり取り残されないみんなが誇れる地域をつくる「宇土市は住みやすい」と思う市民の割合72.9%80%
4 「九州のどまんなか」へ人の流れをつくる社会増数29人300人(累計)

寄附をする会社にとっては、この表が、寄附の成果を測る物差しになります。計画は、これらの指標を、事業の実施状況に関する客観的な指標(重要業績評価指標)として使うと書いています。

計画が挙げる具体的な事業

計画は、基本目標ごとに、具体的な事業の例を挙げています。

基本目標事業の方向計画に挙がる具体的な事業(抜粋)
1 結婚・出産・子育て結婚から子育て、仕事と子育ての両立の支援。こどもの居場所・遊び場の充実、ICT機器を活用した授業など、教育環境の整備結婚チャレンジ事業、不妊・不育治療費助成事業、就学援助事業、多目的市民交流施設整備事業、宇土走潟地区かわまちづくり事業
2 しごと・雇用産業振興と経営基盤の強化、若者の定住に向けた働く場づくり、農業・漁業の振興、女性活躍とワーク・ライフ・バランスの推進創業・開業支援事業、市内企業人材応援奨学金返済補助事業、6次産業化等支援事業、スマート農水産業推進事業
3 地域づくり健康づくり支援、地域でのつながりの強化、環境維持と利便性・安全性の向上地域介護予防活動支援事業、まちづくり活動支援事業、避難所強化事業
4 人の流れシティプロモーション、県外に転出した若者へのUターン促進、地域資源を活用した観光交流台南市友好交流事業、空き家バンク活用事業、宇土マリーナイベント開催事業

計画は、詳細は「第3期宇土市まち・ひと・しごと創生総合戦略」のとおりとしています。寄附の金額の目安は、2025年度から2030年度の累計で、970,000千円(9億7,000万円)です。

寄附の申し出では、どの分野を選べるのか

寄附申出書の記載例には、寄附をする会社が選べる分野と、対応する重点プロジェクトが載っています。ここで注意したいのは、これは記入例として公開されている書式の内容で、年度や募集状況によって変わる可能性がある点です。

分野重点プロジェクト(申出書の記載例より)
まちづくり多目的市民交流施設整備事業
スポーツジュニアスポーツ応援事業
文化雨乞い大太鼓活用事業
健康・福祉ジョギングコース整備事業
教育子どもサードプレイス事業
観光・産業住吉海岸公園整備事業
令和8年熊本地震地震からの復旧・復興事業
地方創生の取り組み(使途を限定しない)申出書に使途を限定しない欄として記載

どの分野に寄附するかを決めないときは、最後の「使途を限定しない」を選ぶことになります。自社の事業とのつながりがある分野(たとえば、子育て世代を多く雇う会社なら教育や子育て、観光に関わる会社なら観光・産業)を選ぶ、という考え方もあります。

申し込みの手順と、申出書に書くこと

宇土市の公式ページは、寄附の申し出の方法を、2つ挙げています。

方法内容
申出書を提出する「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業(企業版ふるさと納税)寄附申出書」に記入し、企画課へ郵送、メール、またはファクスで提出する
電子申請市が案内するスマート申請のURLか、2次元バーコードから申請する

提出先は、次のとおりです。

項目内容
宛先宇土市 企画財政部 企画課
郵送〒869-0492 熊本県宇土市浦田町51番地
電子メールkikaku01@city.uto.lg.jp
ファクス0964-23-6247
担当部署・電話宇土市役所 企画財政部 企画課 企画係、電話 0964-27-3305

申出書の記載例を読むと、書く内容は次のとおりです。

申出書の項目書く内容
法人の情報法人名、法人番号、代表者名、本社住所
寄附申出額金額。記載例は1,000,000円
寄附希望時期年月。記載例は令和8年8月
寄附を希望する分野前の表の分野から、チェックを入れる
寄附の理由記載例には、「市内に営業所があり、市の地域活性化を支援したいため」「社長が宇土市出身のため」「社会貢献活動の一環として、こどもに関わる事業の支援を行いたいため」の3つの例がある
公表の希望企業名・寄附額を公表してよい/企業名は公表してよいが寄附額は公表を希望しない/企業名・寄附額とも公表を希望しない、の3つから選ぶ。公表を希望する場合は、URLを書く
感謝状贈呈式寄附額が50万円以上の場合に、開催を希望するかどうか
問い合わせ先部署名、担当者名、書類の送付先、電話、メール

公表の希望については、内閣府の制度改善策の中に、関連する点があります。寄附をした会社が、名前の公表を望まない場合、自治体は、第三者を含む審議会等でその理由を確認したうえで、国へ報告し、国が理由を公表する、という扱いが示されています(令和6年12月の制度改善策)。公表を希望しない場合は、その点を知っておいてください。

申し込みから税の申告まで、どんな順序で進むのか

内閣府のパンフレットは、企業が寄附をするときの手続の一例として、5つの段階を示しています。企業側から寄附先の自治体を募る場合や、企業が事業の立案から加わる場合もあるため、あくまで一例です。

段階内容(内閣府のパンフレットより)宇土市への寄附に当てはめると
1寄附の方針の検討、寄附先の候補となる自治体の選定社会貢献の方針と、宇土市との縁(事業所、出身者など)を確認する
2社内提案資料の作成、社内調整(メリット、寄附先の選定基準など)税の軽減額の概算を、仮の数字で作る
3自治体との調整、寄附活用事業などについての手続企画課に連絡し、分野と金額、公表の希望を相談して、申出書を出す
4プロモーションに向けた調整(寄附贈呈式、報道発表など)50万円以上なら、感謝状贈呈式の希望を伝える
5税務処理の手続寄附の後、税理士や税務署に相談して申告する

寄附を実際に行うタイミングについて、内閣府は、令和5年度の寄附についての実態調査を公表しています。調査の対象は、令和5年度に寄附を受けた1,462の自治体(寄附活用事業5,258事業、寄附総額約470億円)でした。

調査の項目結果
寄附法人の名前を、自治体が公表している4,807事業(91%)で、一部の公表を含めて公表
寄附活用事業の発注先を公表している4,193事業のうち2,033事業(49%)で、一部の公表を含めて公表
寄附金を受領した時期物品による寄附を除く5,118事業のうち、歳出予算の議決後に受け取ったのが4,386事業(86%)、議決前が732事業
寄附活用事業の契約先等に、寄附法人等が含まれる4,228事業のうち30事業(0.7%)

歳出予算の議決の前に寄附を受け取る場合は、国へのチェックリストの提出が求められる場合がある、と制度改善策に書かれています。寄附の時期を決めるときは、その事業の予算が、すでに議決されているかを、市に確認しておくと、手続きがスムーズに進みます。

令和6年12月の制度改善策と、期限の延長

内閣府の資料によると、企業版ふるさと納税は、令和2年度の税制改正で、税の軽減効果が最大約3割から最大約9割へ拡充されました。そのあと、寄附の実績が大きく増えています。

年度寄附額備考
令和元年度33.8億円税額控除が最大3割だった時期
令和5年度470.0億円全国で1,462団体が寄附を受領(実態調査の対象)
令和6年度631.4億円前年比34%増。寄附企業数は8,464社(前年比10%増)

令和7年度の税制改正では、制度改善策を講じることを前提に、税額控除の特例措置を、3年間(令和9年度まで)延長する、とされました。背景には、寄附活用事業の契約手続の公正性などに問題があるとして、認定した地域再生計画を取り消す事例が生じたことがあります。

制度改善策のポイントは、次のとおりです。

改善策内容
自治体のチェック機能の強化事業の実施にあたって留意すべき事項のチェックリストを導入し、各実施段階でチェックする。一定の場合は、国への提出を求める
実施状況の透明化競争入札で一者応札になった場合など、一定の場合には、国への実施報告を義務づけ、寄附法人名を公表する。寄附活用事業の発注先は、自治体が公表する
認定の取り消し後の再申請認定の取り消しを受けた場合は、再申請できない欠格期間(2年間)を設ける
Q&Aの更新寄附法人・関係会社が再委託先となる場合の留意点を明記する

宇土市の公式ページにある「寄附活用事業における契約の相手方の公表」は、この流れの中のものです。市は、一般競争入札、指名競争入札、または随意契約(少額のものを除く)で、寄附金を充てた事業の契約の相手方を選んだ場合は、その相手方を公表する必要がある、としています。令和7年度については、次の事業の契約の相手方が公表されています。

令和7年度の寄附活用事業(市の公表資料より)契約の相手方の公表
情報発信強化事業1社
多目的市民交流施設整備事業1社
住吉海岸公園整備事業1社
農水産加工施設整備事業記載なし(「-」)
子どもサードプレイス事業2社
ジュニアスポーツ応援事業記載なし(「-」)
多目的市民交流施設整備事業(実施設計業務委託料)1社
小規模特認校事業1社

地方自治法施行令第167条の2第1号に基づく、少額の随意契約による契約の相手方は除く、と注記されています。寄附をする会社は、自社が将来、宇土市の発注を受ける立場になる可能性があるなら、この公表の仕組みを、あらかじめ理解しておいてください。

事業の評価は、どのように行われるのか

地域再生計画には、事業の評価の方法が書かれています。毎年度の6月から7月ごろに、外部の有識者による効果の検証を行い、翌年度以降の取組の方針を決める、というものです。検証の結果は、できるだけ速やかに、市の公式ウェブサイトで公表すると書かれています。

寄附をした会社は、このあと、計画の成果を、市のサイトで確認できます。社内への報告や、株主・取引先への説明に、使える材料になります。

人材派遣型という使い方もある

内閣府のパンフレットは、「企業版ふるさと納税(人材派遣型)」も紹介しています。企業が、人件費を含む事業費について寄附をし、寄附と同じ年度に、寄附活用事業に従事する自治体職員として、人材を任用(または、地域活性化事業を行う団体等が採用)してもらう仕組みです。

タイプ内容
常勤タイプ常勤職員として出向する
副業タイプ派遣元の会社と兼業する

企業の側のメリットとして、派遣した人材の人件費に相当する額を含む事業費への寄附で、その経費の最大約9割に相当する税の軽減を受けられること、事業の企画・実施に派遣した人材が加わることで、企業のノウハウを地域貢献に生かしやすいこと、人材育成の機会にできることが挙げられています。宇土市の公式ページには、人材派遣型の募集は載っていません。関心がある場合は、企画課に問い合わせてください。

つまずきやすい点

ここまでの資料から、会社が申し込みの前に見直すべき点を、表にまとめます。

場面つまずきやすい点事前にすること
本社の所在地本社が宇土市にあると対象外。本社とは、地方税法の「主たる事務所又は事業所」登記上の本店と、税の申告上の主たる事務所を確認する
金額1回あたり10万円未満は対象外複数回に分けるときも、1回ごとに10万円以上にする
税額控除の上限税額が小さいと、控除の上限に届かない決算書の税額から、概算を作る。税理士に相談
見返りの期待補助金の受け取り、入札の優遇、換金性の高い物品は禁止寄附の社内稟議に、「見返りを求めない」ことを明記する
契約の予定市との契約が予定されている場合、扱いに注意が必要申し出の前に、企画課に事情を伝える
公表名前や寄附額が、市のサイトなどで公表される申出書の公表の希望欄を、社内で決めておく
申告税額控除の手続は、通常の寄附とは別に必要寄附の後、税理士か税務署に相談する
予算の議決寄附活用事業の歳出予算の議決前に受け取る場合がある事業の予算が議決済みか、市に確認する

この制度が向く会社、向かない会社

向く会社理由
宇土市や熊本県に縁があり、地域への貢献を考えている会社申出書の記載例にも、市内に営業所がある、社長が宇土市出身、といった理由が挙がっている
法人税等の納税額が十分にあり、税額控除の上限を使える会社税額控除は、納めている税額を限度に引くため
社会貢献の取り組みを、対外的に発信したい会社感謝状、広報紙、ホームページ、庁舎内の掲示などで、企業名が紹介される
将来、人材派遣型の活用も検討したい会社人件費を含む寄附で、人材を地域の事業に参加させられる
向かない会社理由
本社が宇土市にある会社対象外
赤字などで、法人関係税の納税額が小さい会社税額控除の上限が小さく、軽減の幅が限られる
寄附の見返りに、市の仕事や補助金を期待する会社見返りは禁止されている
事業費を受け取りたい会社この制度は、会社が寄附をする側。受け取る補助金とは別

補助金や、他の寄附との違い

比較する対象違い
補助金・助成金補助金は、事業にかかった経費の一部を、国や自治体から受け取る。企業版ふるさと納税は、会社が寄附をして、税が軽くなる
通常の寄附通常の寄附は、損金算入による軽減(寄附額の約3割)が中心。企業版ふるさと納税は、そこに税額控除(最大6割)が加わる
個人のふるさと納税内閣府の資料が説明しているのは、法人が地域再生計画に位置づけられた事業へ寄附する仕組み。企業版では、返礼品などの経済的利益は禁止されている
人材派遣型寄附に加えて、人材を派遣する。人件費相当額も税の軽減の対象になる

補助金と組み合わせて考えるときの注意があります。内閣府の資料は、寄附の見返りとして補助金を受け取ることを、禁止される例として挙げています。同じ自治体に寄附をしながら、同じ自治体から補助金を受ける予定があるときは、時期や関係を、市の担当課に先に相談してください。

よくある質問

質問答え(公式資料の記載)
少額でも寄附できますか1回あたり10万円以上が対象です
本社が宇土市にある場合は対象外です。本社とは、地方税法における「主たる事務所又は事業所」です
寄附すると、税はどのくらい軽くなりますか最大で寄附額の約9割(損金算入約3割と税額控除最大6割)です。会社の税額により、控除の上限があります
寄附のお礼に、返礼品はもらえますか経済的な利益を受けることは禁止されています。感謝状や、企業名の紹介は問題ありません
企業名を公表されたくない場合は申出書の公表の希望欄で選べます。非公表の場合の手続は、制度改善策で定められています
どこに申し込みますか宇土市 企画財政部 企画課。申出書の提出か、電子申請です
税の申告は、どうすればよいですか内閣府の資料では、税理士か所管の税務署に相談するよう案内されています
制度はいつまでですか税額控除の特例措置は、令和7年度の税制改正で、令和9年度まで延長されました。宇土市の計画の期間は2031年3月31日までです
全国の自治体は、探せますか内閣府の企業版ふるさと納税ポータルサイトで、寄附を募集している自治体や事業を確認できます

確認先と、この記事で扱えなかったこと

この記事は、宇土市の公式ページ(2026年8月4日掲載)、市が公開している地域再生計画、寄附申出書の記載例、令和7年度の契約相手方の公表資料、内閣府の企業版ふるさと納税ポータルサイトの資料(制度概要、令和7年度税制改正の資料、パンフレット、経済的利益に関するQ&A)を読んでまとめました。

宇土市の企業版ふるさと納税のパンフレット(約2MBのPDF)は、画像が中心で、文字として読み取れませんでした。令和5年度から令和7年度に寄附をした企業の一覧のページも、今回は確認していません。また、スマート申請の画面や、申出書の最新の様式は、市のサイトで入手してください。税額控除の具体的な計算と申告は、記事の仮の数字ではなく、自社の決算の数字で、税理士か税務署に確認する必要があります。

確認したいこと問い合わせ先
宇土市への寄附の申し込み、分野、金額、公表の希望宇土市役所 企画財政部 企画課 企画係 電話 0964-27-3305、メール kikaku01@city.uto.lg.jp
制度の全体像、税額控除の仕組み内閣府 地方創生推進事務局(企業版ふるさと納税)電話 03-6257-1421、メール kigyou-furusato@cas.go.jp(パンフレット令和8年3月版の記載)
全国の寄附募集事業内閣府 企業版ふるさと納税ポータルサイト(https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/kigyou_furusato.html)
税額控除の申告と算出税理士、または所管の税務署

当編集部(ProdX Crowd編集部)は、補助金や助成金だけでなく、税制や認定の制度も、公式資料にもとづいて整理しています。企業版ふるさと納税のように、受け取る制度ではなく、出して軽くする制度も、地域との関係づくりの手段のひとつです。自社に合う制度か、判断に迷うときは、条件の読み方から確認します。

この制度を一言でいうと

「企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!」は、宇土市が実施する税制優遇です。対象の地域は宇土市・熊本県です。

宇土市では、令和2年度から第2期宇土市まち・ひと・しごと創生総合戦略を開始し、様々な取組を行っています。 地方創生の充実・強化に向け、企業の皆様の応援をお願いいたします!

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!
実施機関宇土市
種類税制優遇
対象地域宇土市・熊本県
受付期間通年(随時)で受け付けています
問い合わせ先宇土市役所 企画財政部 企画課 企画係

「企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域宇土市・熊本県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域宇土市・熊本県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
規模従業員数の制約は示されていません

「企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!」が目指していること

企業版ふるさと納税は、国が認定した宇土市の地方創生プロジェクト「 第3期宇土市まち・ひと・しごと創生総合戦略推進計画(PDF 約127KB) 」に対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税から税額控除する仕組みです。税額控除について通常の寄附による損益参入による軽減効果(寄附額の約3割)と合わせて、最大で寄附額の約9割が軽減され、実質的な負担が約1割にまで圧縮されます。企業様にとってのメリットHP掲載(企業URLリンク貼り付け)庁舎内掲示板企業名掲載感謝状贈呈式開催(寄付額50万円以上)寄附をいただいた企業一覧2025年度企業版ふるさと納税として寄附をいただきました(サイト内リンク)2024年度企業版ふるさと納税として寄附をいただきました(サイト内リンク)2023年度企業版ふるさと納税として寄附をいただきました(サイト内リンク)制度活用にあたっての留意事項1回あたり10万円以上の寄附が対象となります。

申請の方法と、そろえる書類

区分内容
その他宇土市 企画財政部 企画課 / ファクス:0964-23-6247
申請の方法郵送:〒869-0492 熊本県宇土市浦田町51番地 / 電子メール:kikaku01@city.uto.lg.jp / (2)次の電子申請フォームから申請 / ・ スマート申請URLから申請 <外部リンク> / ・2次元バーコードから申請
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
電子申請申請は電子(オンライン)で行います。入力の画面が複雑なことがあるため、締切の直前ではなく、余裕を持って入力を始めます。入力内容は、一時保存して、第三者に見てもらいます。
郵送書類の郵送や持参が必要です。到着の期限(必着か、消印有効か)を確認し、余裕を持って発送します。コピーを手元に残しておきます。
第2期公募が複数回に分かれています。回ごとに、期間、予算、要件が変わることがあるため、自社が申請する回の定めを、確認します。

「企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 要件の確認対象設備・期限
  2. 認定・証明書の取得取得の前に
  3. 設備の取得事業に使い始める
  4. 決算利益の見通し
  5. 申告で適用特別償却・税額控除

申請の方法:宇土市 企画財政部 企画課

「企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!」についてのよくある質問

Q&A企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!

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経営者

Q. 企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!の受付期間はいつですか?

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ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

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経営者

Q. 企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!の申請は、どのように行いますか?

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ProdX Crowd編集部
A.

宇土市 企画財政部 企画課

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経営者

Q. 企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を募集します!の問い合わせ先はどこですか?

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ProdX Crowd編集部
A.

宇土市役所 企画財政部 企画課 企画係

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(宇土市・熊本県)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:宇土市の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。