募集中共済

小規模企業共済

実施機関
中小企業基盤整備機構(中小機構)
募集期間
通年(随時受付)
地域
全国

小規模企業共済(中小企業基盤整備機構(中小機構))の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

小規模企業共済は補助金ではなく、掛金が全額所得控除になる、経営者のための退職金の積み立て制度

小規模企業共済は、国の機関である中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する共済制度です。補助金のように国や自治体からお金が交付される制度ではありません。小規模企業の個人事業主、共同経営者、会社の役員が、廃業や退職のときに備えて、自分で掛金を積み立てます。この記事の冒頭で位置づけをはっきりさせておくと、この制度は「補助金」ではなく、「共済(退職金の積み立て)」であり、その税制上の扱い(掛金の所得控除、受取時の退職所得や雑所得の扱い)が、経営者にとっての大きな意味になります。

中小機構の公式サイトによると、令和8年3月時点の在籍者は約172万人です。昭和40年に始まった制度で、設立の趣旨は、小規模企業の経営者などが廃業や退職をしたあとの生活の安定と事業の再建に備えること、そして、一般の従業員に比べて社会保険や労働保険の恩恵を受けることが少ない小規模企業の経営者に対して、社会保障を補う役割を果たすことと説明されています。

この記事では、中小機構の小規模企業共済のサイト(トップページと、加入資格、デメリット、iDeCoとの比較、役員退任時の共済金、税制優遇の各解説ページ)を読んで、ProdX Crowd編集部が整理しました。融資にあたる貸付制度は、このサイトの対象外のため、解説しません。まず、制度の骨格を表で示します。

項目内容(中小機構の公式サイトより)
制度の位置づけ小規模企業の経営者・役員・個人事業主のための、積み立てによる退職金制度(共済)
運営独立行政法人 中小企業基盤整備機構
加入できる人個人事業主、共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)、会社等の役員(登記があること)で、従業員数の条件を満たす人
掛金月額1,000円から70,000円まで、500円単位。増額・減額はいつでも可能(変更手続きが必要)
税制掛金は全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得から控除できる
受け取り一括、分割、一括と分割の併用。満期や満額はない
受給権の保護共済金の受給権は差押え禁止。国税等滞納の差押えは除く
申込みオンライン(マイナンバーカードとスマートフォン)または窓口。共同経営者の加入は窓口での手続きが必要

誰が加入できるのか:従業員数と、役員の登記が分かれ目

加入できるのは、次の2つの条件を満たす人です。1つは、個人事業主、その共同経営者、または会社等の役員であること。もう1つは、常時使用する従業員の数が、業種ごとの上限以下であることです。

業種・事業の形加入できる人の従業員数の条件
建設業、製造業、運輸業、不動産業、農業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)など常時使用する従業員が20人以下の個人事業主、または会社等の役員
商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)常時使用する従業員が5人以下の個人事業主、または会社等の役員
企業組合事業に従事する組合員が20人以下の企業組合の役員
協業組合常時使用する従業員が20人以下の協業組合の役員
農事組合法人常時使用する従業員が20人以下で、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
士業法人常時使用する従業員が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
共同経営者上の個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者。個人事業主1人につき2人まで

「従業員」は、常時雇用の従業員(正社員に限る)です。トップページの記述では、フリーランスは、雇用関係がなく、請負契約や準委任契約などで、事業所得として申告している人が対象です。

加入資格がないのは、どんな場合か

中小機構の解説ページには、「加入資格のない例」が載っています。ここを読み違えると、加入できていると思っていたのに、後で資格がなかったと分かることがあります。

加入資格がない例理由・補足
アパート経営などを兼業している給与所得者、会社員本業が給与所得で、小規模企業の経営者に当たらない
会社等の役員として加入したいが、登記事項証明書に役員として登記されていない役員の登記があることが条件
商業登記簿に役員として登記されているが、経営に従事していない経営に従事していることが前提
中小企業退職金共済、建設業退職金共済、清酒製造業退職金共済、林業退職金共済の被共済者他の退職金共済制度の被共済者は、加入できない
加入した地位のほかに、加入資格のない地位(例:従業員数の要件を超える会社、医療法人、NPO法人の役員など)を兼ね、その資格のない地位が主たる事業である主たる事業が資格のない地位だと、加入できない
配偶者などの事業専従者共同経営契約書があり、共同経営者の要件を満たす場合は加入資格がある

配偶者などの事業専従者が加入できるかどうかは、共同経営者に当たるかどうかで決まります。共同経営者として加入する場合の申込みは、窓口での手続きが必要で、オンライン申込みの対象外です。

掛金はいくらから始められて、どう変えられるのか

掛金は、月額1,000円から70,000円までの範囲で、500円単位で選びます。この範囲内で、増額も減額も、いつでもできます。ただし、変更には別途手続きが必要です。投資ではないため、自分で運用する必要はありません。

掛金の払い方には、月払いのほか、年払いがあります。掛金を前納すると、一定割合の前納減額金が受け取れると、中小機構の解説ページにあります。割合の数字は、読んだ資料に出ていないため、ここには書きません。前納を考える場合は、中小機構の共済サポートnaviで確認してください。

掛金の増額・減額が重要になるのは、資金繰りが厳しくなったときです。中小機構の解説ページは、納付が難しくなったとき、解約ではなく、掛金を最低の1,000円に減額する方法を勧めています。理由は、次のとおり、解約すると不利になる場面があるためです。

状況受け取り・扱い
掛金納付月数が12か月未満で任意解約解約手当金は出ない(掛け捨て)
掛金納付月数が12か月以上240か月未満で任意解約解約手当金は出るが、掛金合計額を下回る
12か月以上、掛金を滞納して機構解約解約手当金は元本割れする
掛金納付月数が240か月以上で任意解約掛金合計額と同額(掛金区分ごとの月数で判定。後述)

注意したいのは、240か月の数え方です。中小機構の解説では、加入期間が240か月以上であっても、途中で掛金を増額・減額し、掛金区分ごとの掛金納付月数が240か月を下回る場合は、任意解約したときの解約手当金が掛金合計額を下回ることがあるとされています。たとえば、掛金を増額して2年たった段階で任意解約するなら、増額した部分は24か月分として計算されます。

いくら受け取れるのか:月1万円の場合の、公式の例

共済金の額は、掛金の月額、納付した月数、そして共済金の種類によって決まります。中小機構の解説ページに、掛金月額1万円で加入した場合の、基本共済金等の例が載っています。数字は公式のものです。

掛金納付年数掛金合計額共済金A共済金B準共済金解約手当金
5年600,000円621,400円614,600円600,000円480,000円
10年1,200,000円1,290,600円1,260,800円1,200,000円1,020,000円
15年1,800,000円2,011,000円1,940,400円1,800,000円1,665,000円
20年2,400,000円2,786,400円2,658,800円2,419,500円2,400,000円

この表をもとに、編集部が計算した差額を、次に示します。これは公式表の数字から引き算したもので、新しい数字ではありません。

掛金納付年数共済金Aと掛金合計額の差共済金Bと掛金合計額の差解約手当金は掛金合計額の何パーセントか
5年21,400円14,600円80パーセント
10年90,600円60,800円85パーセント
15年211,000円140,400円92.5パーセント
20年386,400円258,800円100パーセント

加入が長くなるほど、共済金と掛金合計額の差が広がります。トップページには、「20年間で720万円積み立てた場合には、100万円を超える上乗せ額が生じる」という例も載っています。これは、月3万円を20年間(240か月)積み立てた場合に当たる、中小機構の図の例で、予定利率は1パーセントで計算されています。

予定利率は、将来、経済情勢や金利水準が大きく変化した場合に、将来収支の見通しなどに基づく検討を経て、変更されることがあります。また、共済金A・共済金B・準共済金の額は、源泉徴収前の額です。掛金月額や契約期間によっては、手取り額が掛金合計額を下回る場合がある、と公式の解説にも書かれています。

共済金の種類は、請求の理由によって決まる

共済金には、共済金A、共済金B、準共済金、解約手当金があります。受取額が大きい順は、共済金A、共済金B、準共済金です。どの種類になるかは、「請求事由」で決まります。

種類個人事業主会社等の役員共同経営者
共済金A個人事業を廃業した場合。共済契約者が亡くなった場合法人が解散した場合個人事業主の廃業に伴って共同経営者を退任した場合。病気やけがのため退任した場合。共済契約者が亡くなった場合
共済金B老齢給付病気やけが、または65歳以上で役員を退任した場合。共済契約者が亡くなった場合。老齢給付老齢給付
準共済金個人事業を法人成りして加入資格がなくなり、解約した場合法人の解散、病気、けが以外の理由、または65歳未満で役員を退任した場合個人事業を法人成りして加入資格がなくなり、解約した場合
解約手当金任意解約、機構解約、法人成りして加入資格がなくならなかったが解約した場合任意解約、機構解約任意解約、機構解約、共同経営者の任意退任による解約

この表には、役員の人にとって見落としやすい点が、いくつかあります。法人が解散したときは共済金Aですが、役員を退任する場合は、65歳以上、または病気やけがによる退任でなければ、共済金Bにならず、準共済金になります。たとえば、60歳で後継者に社長を譲って役員を退任しても、病気やけがではない、65歳未満の退任は、準共済金です。準共済金は、共済金Bよりも受取額が少なくなります。表の20年では、共済金Bが2,658,800円、準共済金が2,419,500円です。

また、老齢給付は、退職や廃業をしていなくても受け取れるしくみです。トップページのFAQには、年齢が65歳以上で、掛金を15年以上納付していれば、共済金を受け取れると書かれています。解説ページでは、65歳以上で180か月以上掛金を納付した人は、解約手当金の対象としても扱われています。

共済金Aと共済金Bは、掛金納付が6か月以上あれば、廃業や死亡の場合に受け取れます。6か月未満の場合は、掛け捨てです。準共済金と解約手当金は、納付月数が12か月未満だと受け取れません。

税金はどうなるのか:入口と出口の2か所で優遇がある

この制度の最も大きな意味は、税の扱いにあります。掛金を払うとき(入口)と、共済金を受け取るとき(出口)の2か所で、優遇があります。

場面税の扱い
掛金を払うとき全額が、小規模企業共済等掛金控除として、課税対象の所得から控除できる。1年以内の前納掛金も控除できる
共済金・準共済金を一括で受け取るとき退職所得扱い
共済金を分割で受け取るとき公的年金等の雑所得扱い
一括と分割を併用するとき一括分は退職所得扱い、分割分は公的年金等の雑所得扱い
任意解約・共同経営者の任意退任で解約手当金を受け取るとき65歳以上なら退職所得扱い、65歳未満なら一時所得扱い
12か月以上の掛金滞納による機構解約で解約手当金を受け取るとき一時所得扱い
契約者が死亡して、遺族が共済金を受け取るとき(死亡退職金)相続税法上「みなし相続財産」。相続税の申告が必要

節税額の公式の例

中小機構の解説ページには、課税される所得金額と掛金月額ごとの、年間の節税額の例が載っています。税額は令和6年10月時点の税率に基づき、所得税は復興特別所得税を含めて計算されています。住民税の均等割は5,000円としています。

課税される所得金額掛金月額1万円掛金月額3万円掛金月額5万円掛金月額7万円
200万円20,700円56,900円93,000円129,400円
400万円36,500円109,500円182,500円241,300円
600万円36,500円109,500円182,500円255,600円
800万円40,100円120,500円200,900円281,200円
1,000万円52,400円157,300円262,200円367,000円

読み方の例を示します。課税所得が400万円の人が、月3万円(年36万円)を払うと、年間の節税額は109,500円です。ここで、実際に払った掛金は年36万円で、節税できるのは、その一部です。「掛金のかなりの部分が戻ってくる」わけではなく、所得控除の効果として、所得税と住民税が減ります。また、この節税額は、所得や税率の改定によって変わります。自分の場合の金額は、中小機構の「共済金試算シミュレーション」で、将来受け取れる共済金と所得控除額を試算できます。

注意したいのは、掛金は、共済契約者の収入のなかから払うため、事業上の損金や必要経費には算入できない、という点です。これは、会社の役員が加入している場合も同じで、掛金を会社が払う経費として処理する制度ではありません。控除の具体的な手続きは、税務署または税理士に確認してください。

一括と分割の受け取り方の条件

共済金の受け取りは、一括、分割、一括と分割の併用の3つです。分割や併用を選べる条件が、中小機構の解説ページにあります。

項目条件
共済金の種類共済金Aまたは共済金Bであること
請求事由共済契約者の死亡ではないこと
年齢請求事由が発生した日に60歳以上であること
分割受け取りの金額共済金の受取額が300万円以上
一括と分割の併用の金額330万円以上(一括受け取りが30万円以上、分割受け取りが300万円以上)
準共済金・解約手当金要件を満たさないため、一括のみ

分割で受け取ると、公的年金等の雑所得扱いになるため、他の年金収入などとの関係で、税の負担が変わります。どちらが有利かは、個々の所得状況によって異なります。退職所得扱いの一括と、雑所得扱いの分割を併用することも、できます。受け取る前に、税務署や税理士に確認してください。

どう申し込み、どう受け取るのか

申込みの流れと、受け取りの流れを、それぞれ表にします。

申込み

方法内容
オンライン申込みマイナンバーカードとスマートフォンがあれば、窓口に出向かず、ご自宅や職場から申し込める
窓口での申込み個人事業主の共同経営者が加入する場合は、窓口での手続きが必要
資料請求未加入者向けの資料を、無料で請求できる
試算共済金試算シミュレーションで、将来の共済金と所得控除額を確認できる

共済金の受け取り(役員を退任する場合の例)

中小機構の「役員退任時の共済金」の解説ページに、手続きの流れが書かれています。

段階やること
書類の入手共済金等請求書(様式 小701)と退職所得申告書は、中小機構に資料請求する。そのほかに、履歴事項全部証明書(役員退任登記済みのもの、交付後3か月以内の原本)、印鑑登録証明書(発行後3か月以内の原本)、共済契約締結証書、マイナンバー確認書類。病気やけがによる退任の場合は、医師の診断書(病名と就業できない旨の記載が必要)
記入共済金等請求書と退職所得申告書に記入、捺印。共済金をすべて分割で受け取る場合、退職所得申告書の提出は不要
金融機関での確認受け取りを希望する口座のある金融機関の窓口で、共済金等請求書を提示し、口座の確認印をもらう
郵送マイナンバー確認書類は、専用封筒に入れて封をし、必要書類とともに中小機構へ郵送。簡易書留など追跡できる方法が望ましい
受け取り審査が終わると、指定口座に振り込まれる。振込までは約3週間。書類に不備があれば、さらに時間がかかる
通知中小機構から、支払決定通知書兼振込通知書が届く

請求事由が生じた年、または前年4年以内に、ほかから退職手当金を受け取っている場合は、その退職手当金の源泉徴収票の添付が必要です。退職所得の計算に関わる書類のためです。

法人を解散・役員を退任したあと、また事業を始めるときは

加入者が役員を退任したり、会社を解散したりしたあとに、個人事業主として、または別の会社の役員として、事業を続けることがあります。そのときに使えるのが、掛金納付月数の「通算(同一人通算)」の手続きです。

項目内容
目的これまでの掛金納付月数を引き継いで、加入を継続する
条件個人事業または法人が小規模事業者であること。退任から新たな事業を行うまでが1年以内であること
期限を過ぎた場合退任から1年以上たつと通算の手続きができず、共済金の請求のみ可能
手続きの方法書類を窓口に提出する方法と、オンライン手続き(共済サポートnaviの「掛金納付月数の通算(同一人通算)」)がある
必要書類(個人事業主になった場合)退任後等の履歴事項全部証明書、新事業の開業届の控えまたは確定申告書の控え、納付月数通算申出書兼契約申込書(同一人通算用、様式 小141)

この制度の長所は、納付月数が積み上がると受け取りが有利になることです。通算ができれば、240か月の判定でも、納付月数が引き継がれます。一方、役員の退任から1年を過ぎると、通算はできず、共済金を受け取って、新たに加入し直すことになります。この場合、納付月数は0から数え直しです。

個人事業を法人成りした場合も、扱いが変わります。法人成りして加入資格がなくなると、解約して準共済金を受け取ります。法人成りしても加入資格がなくならなかった場合の解約は、解約手当金の扱いです。事業の形を変える計画がある人は、事前に中小機構の共済サポートnaviで、扱いを確認してください。

デメリットは何か

中小機構は、自らのサイトで、デメリットや注意点を解説しています。主な点を、表にします。

注意点内容対処
12か月未満の任意解約は掛け捨て解約手当金が出ない掛金を減額して継続する
240か月未満の任意解約は元本割れ解約手当金が掛金合計額を下回る同上。掛金を1,000円に減額して継続する
機構解約でも元本割れ12か月以上の掛金滞納で機構解約となった場合納付が難しくなる前に減額の手続きをする
受給時に課税される退職所得または雑所得などとして課税。ただし退職所得控除などの優遇がある受け取り方を、一括・分割・併用から選ぶ
掛金は経費にならない所得控除であり、損金・必要経費ではない資金繰りを、損金になる支出と分けて考える
予定利率の変更経済情勢や金利水準が大きく変化した場合は変更される場合がある将来の受取額は、試算の前提を確認する

掛金を滞納すると、掛金の払込みが止まるだけでなく、解約になる可能性がある点は、重要です。経営が苦しいときは、掛金を払い続けるために借入れをする、といった形は避け、減額の手続きを先にしてください。減額の手続きは、解約ではなく、加入を続けながら、毎月の負担を軽くする方法です。

iDeCoやNISAとは、何が違うのか

退職後の備えとしては、iDeCoや新NISAも、よく並べて比較されます。中小機構の解説ページから、3つの制度の違いを整理します。

項目小規模企業共済新NISAiDeCo
加入資格小規模企業の経営者・役員、個人事業主など18歳以上20歳以上65歳未満(一定の条件あり)
掛金月額1,000円から70,000円つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円(合計360万円)月額5,000円から(加入区分によって上限が異なる)
運用方法中小機構が運用加入者が、適した投資信託などを選んで運用加入者が、運用商品(定期預金、保険商品、投資信託)を選んで運用
税制上のメリット掛金全額が所得控除の対象運用益は非課税(無期限)掛金全額が所得控除の対象。運用益は非課税で再投資
途中解約可能(納付期間240か月未満で解約すると掛金合計額を下回る)可能(払い出し制限なし)原則不可(60歳まで引き出せない)
元本割れの可能性任意解約などの場合に限る投資のため、元本割れのリスクがある投資のため、元本割れのリスクがある

新NISAの非課税保有限度額は、全体で1,800万円と、同じ解説ページに書かれています。iDeCoは、手数料がかかる点にも注意が必要と、中小機構の解説ページにあります。口座開設時の手数料として2,829円がかかり、毎月の収納手数料、事務委託手数料、運営管理機関手数料もかかるとされています。金額は金融機関によって異なるため、加入前の確認が必要です。

小規模企業共済とiDeCoは、併用できます。共通点は、掛金が全額所得控除になること、受け取り方を選べることです。iDeCoは、60歳から75歳までの間に、一時金として一括で受け取るか、有期年金(5年以上20年以下)として受け取るかを選びます。小規模企業共済は、一括、分割、併用から選びます。

どちらを優先するかは、経営者の状況によって違います。参考になる考え方を、表にします。これは、中小機構の資料から読み取れる違いの整理で、投資のアドバイスではありません。

重視すること向く制度の傾向
自分で運用せず、積み立てだけしたい小規模企業共済(中小機構が運用)
事業をやめるときに退職金として受け取りたい小規模企業共済(廃業・退任が受け取りの事由)
60歳までお金を動かさず、自分の判断で運用したいiDeCo
いつでも払い出せる投資がよい新NISA
個人事業主で国民年金の第1号被保険者iDeCoにも加入できる。小規模企業共済と併用できる

補助金・助成金とは、何が違うのか

この制度を、補助金と並べて考えたいという経営者もいます。違いを、表にします。

項目補助金・助成金小規模企業共済
お金の流れ国・自治体から事業者に、返済不要の資金が交付される事業者が自分で積み立て、将来の退職金として受け取る
目的設備投資、販路開拓、賃上げなど、特定の取り組みの支援経営者の廃業・退職後の生活と、事業の再建への備え
募集公募期間があり、審査がある公募期間は資料に出てこない。加入資格を満たせば申し込める
使い道事業の経費受け取ったあとの使い道は、自由(退職金として生活費などに)
税の扱い受け取った補助金は、原則として収入になる掛金は所得控除。受取時は退職所得などの扱い
負担補助金の対象外の自己負担がある掛金を、自分で払い続ける

共済は、事業の資金繰りを助ける交付金ではありません。また、共済に積み立てた資金は、掛金として払い出すものであり、手元の運転資金が減ることになります。補助金の申請で自己負担分が必要になる経営者は、事業の資金繰り全体を見ながら、掛金の額を決めてください。

向く人・向かない人

ここまでの内容から、向く人と向かない人を整理します。

向く人理由
退職金のない個人事業主・フリーランス自分で退職金を積み立てる仕組みがある
所得が一定以上あり、節税を検討している人掛金が全額所得控除になる
小規模会社の役員で、役員退職金を自分で準備したい人会社の経費ではなく個人の積み立てだが、退職所得の扱いで受け取れる
自分で運用する時間のない経営者運用は中小機構が行う
創業して間もない人創業時から加入すれば、納付月数が長くなる(加入者の声に、創業当初から加入した例がある)
向かない・慎重に考える人理由
数年以内に事業をやめる予定が全くなく、資金繰りが厳しい人払い込んだ資金は、解約すると不利になる場面がある。減額で続ける手もある
短期間で解約する可能性がある人12か月未満の解約は掛け捨て、240か月未満は元本割れ
加入資格を満たさない人従業員数の上限を超えている、役員の登記がない、会社員など
運用益を狙って増やしたい人予定利率の範囲で積み上がるもので、投資のような運用益を狙う仕組みではない

よくある質問

中小機構のFAQと、解説ページから、経営者から出やすい質問を整理しました。

質問答え
どんな制度ですか小規模企業の個人事業主、共同経営者、会社等の役員が、第一線を退いたときの生活の安定や事業の再建を図るための資金を、あらかじめ準備する共済制度
誰が入れますか商業・サービス業(宿泊・娯楽業を除く)は従業員5人以下、建設業・製造業等は従業員20人以下の個人事業主または会社等の役員。フリーランスは、雇用関係がなく請負契約等で、事業所得で申告している人
掛金はいくらですか月額1,000円から70,000円。500円刻みで増額・減額が、いつでもできる。変更の手続きは別途必要
税制上のメリットは掛金は全額が、小規模企業共済等掛金控除として所得から控除できる。共済金を一括で受け取れば退職所得扱い、分割なら公的年金等の雑所得扱い
共済金はいつもらえますか退職、事業廃業時などに受け取れる。満期や満額はない。退職や廃業でなくても、65歳以上で掛金を15年以上納付していれば受け取れる
6か月だけ払って廃業したら掛金納付が6か月以上あれば、廃業や死亡の場合に共済金(共済金A・共済金B)を受け取れる。6か月未満は掛け捨て
掛金が払えなくなったら解約せず、掛金を1,000円まで減額して継続する方法がある。12か月以上の滞納は機構解約となり、元本割れする
役員を退任して、また事業を始めたら退任から1年以内に事業を始めれば、掛金納付月数の通算手続きで、加入を続けられる
会社の経費にできますかできない。掛金は、共済契約者の収入のなかから払い、損金・必要経費に算入できない
iDeCoと併用できますかできる。どちらも掛金が全額所得控除になる。小規模企業共済は中小機構が運用、iDeCoは自分で運用する
受給権は守られますか共済金の受給権は差押え禁止。ただし、国税等滞納の差押えは除く
貸付制度はありますか加入者向けの貸付制度が、公式サイトにある。融資にあたるため、この記事では解説しない。中小機構の公式サイトで確認してください

加入を決める前に、自分に問いたい4つのこと

制度の仕組みを理解したうえで、加入や掛金の額を決めるときに、確認することを4つに絞ります。

問い確認の仕方結論の方向
自分は、従業員数・役員登記の条件を満たすか加入資格のページと、登記事項証明書で確認満たさなければ加入できない
毎月いくらなら、資金繰りに無理がないか事業の収支を見て、月1,000円から70,000円の範囲で決める迷えば、低めに始めて、増額する
自分の所得で、節税額はいくらか中小機構の共済金試算シミュレーションで試算節税額が小さければ、他の制度との比較をする
何歳まで事業を続ける予定か事業計画と、共済金の種類(65歳以上の退任など)を照らす受取額や税の扱いを、受け取りの時期から逆算する

小規模企業共済は、補助金のような公募期間が、読んだ公式資料には出てきません。その分、加入するかどうか、いくらにするかは、自分で決める必要があります。迷う点があれば、中小機構の共済サポートnavi(https://kyosai-web.smrj.go.jp/skyosai/index.html)の資料や、公式サイトのよくある質問(https://kyosai-faq.smrj.go.jp/skyosai/)で、確認してください。税務の個別の判断は、税務署や税理士に相談してください。

ProdX Crowd編集部では、補助金や税制、共済を含めて、会社の状況に合う制度を整理するお手伝いをしています。月額10,000円、初期費用0円、成果報酬0円、最低契約期間なし、いつでも解約できます。この記事の内容は、令和8年10月12日時点で確認した、中小機構の公開資料にもとづきます。掛金の範囲、予定利率、税制の扱いは、改定されることがあるため、加入の前には、公式サイト(https://skyosai.smrj.go.jp/)で最新の内容を確認してください。

この制度を一言でいうと

「小規模企業共済」は、中小企業基盤整備機構(中小機構)が実施する共済制度です。対象の地域は全国です。

小規模企業共済|独立行政法人 中小企業基盤整備機構 事業をやめられた後の備えとなる 「退職金」を積み立てる制度 小規模企業共済は、小規模企業の個人事業主(共同経営者を含む)または小規模企業の役員の方が、廃業や退職後の生活安定資金、事業再建資金をあらかじめ積み立てて準備することができる退職金制度です。 事業をやめられた後の生活の備えとなる 「退職金」を積み立てる制度 です。満期や満額は無く、廃業や退職時に受け取れます。また、 共済金の受給権は差押え禁止 であり、国税等滞納の差押え以外は保護されます。 困ったときには事業者を支えるまとまった資金 として、活用することができるのです。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名小規模企業共済
実施機関中小企業基盤整備機構(中小機構)
種類共済制度
対象地域全国
受付期間通年(随時)で受け付けています

「小規模企業共済」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域全国
  2. 2規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域全国
規模従業員数の制約は示されていません
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
個人事業主個人事業主も対象に含まれています。開業届の提出や、納税地の要件が求められることがあります。確定申告書の控えを、準備しておきます。
法人法人が対象です。履歴事項全部証明書(登記事項証明書)と、直近の決算書が、基本の提出書類になります。
滞納税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。
小規模企業中小企業者・小規模事業者の定義に当たることが条件です。業種ごとに、資本金や従業員数の上限が決まっています。自社が当たるかを、定義の表で確認します。

この制度の内容

区分内容
事業者の区分小規模企業共済|独立行政法人 中小企業基盤整備機構 事業をやめられた後の備えとなる 「退職金」を積み立てる制度 小規模企業共済は、小規模企業の個人事業主(共同経営者を含む)または小規模企業の役員の方が、廃業や退職後の生活安定資金、事業再建資金をあらかじめ積み立てて準備することができる退職金制度です。
その他事業をやめられた後の生活の備えとなる 「退職金」を積み立てる制度 です。 / 満期や満額は無く、廃業や退職時に受け取れます。 / 困ったときには事業者を支えるまとまった資金 として、活用することができるのです。
注意点また、 共済金の受給権は差押え禁止 であり、国税等滞納の差押え以外は保護されます。
この制度の文章にある言葉ProdX Crowd編集部の見方
個人事業主個人事業主も対象に含まれています。開業届の提出や、納税地の要件が求められることがあります。確定申告書の控えを、準備しておきます。
法人法人が対象です。履歴事項全部証明書(登記事項証明書)と、直近の決算書が、基本の提出書類になります。
滞納税金や社会保険料の滞納がないことが条件になっています。納税証明書を取得するのに、日数がかかることがあります。
小規模企業中小企業者・小規模事業者の定義に当たることが条件です。業種ごとに、資本金や従業員数の上限が決まっています。自社が当たるかを、定義の表で確認します。

「小規模企業共済」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 加入資格の確認業種・従業員数
  2. 申込み窓口に書類
  3. 掛金の納付毎月
  4. 貸付・共済金条件を満たしたとき

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「小規模企業共済」についてのよくある質問

Q&A小規模企業共済

経営者のイメージ写真
経営者

Q. 小規模企業共済の受付期間はいつですか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(全国)に、事業所がある□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:中小企業基盤整備機構(中小機構)の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関等のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。