支援事例リサイクル・製造 / 未利用資源の収益化・再生素材
廃車から生まれる未利用資源を、新たな再生素材事業へ
廃車を解体し、中古部品・金属・貴金属を販売してきた企業が、自社の工程の中にすでに存在していながら、価値を十分に取り出せていなかった素材(プラスチック等)を分離・再資源化し、新たな収益源とする取り組みを整理した、支援事例です。

- 課題既存の工程では、価値を十分に取り出せていない素材があり、一台の廃車から得られる価値が限られていた。
- 支援した打ち手新しい原材料を買って製品を作るのではなく、すでに自社工程にある未利用資源を、分離・加工・商品化して新市場へ販売する方針とした。
- 目指す状態一つの仕入資産から取り出せる付加価値を増やす戦略を、設備投資とあわせて整理した。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01STRENGTHS
長年の蓄積
- 1廃車の調達廃車を安定して仕入れる関係と、調達の経験があります。
- 2解体の技術車種ごとの構造を理解し、効率よく解体する技能があります。
- 3部材の選別素材ごとに分け、品質を見極める力があります。
- 4販売チャネル中古部品や素材を売る、複数の経路を持っています。
- 5国内外の取引国内だけでなく、海外との取引の経験があります。
- 6リサイクルのノウハウ資源を循環させる運営の知識と経験があります。
02REAL ISSUE
本当の課題|価値を取り出しきれていない
事業計画で整理された課題は、「仕入れた廃車から、取り出せる価値を取り出しきれていない」ということです。廃車を一台仕入れるコストは、すでに支払っています。その上で、解体の工程にある素材のうち、販売されるものとされないものがあります。
特に、プラスチックなどは、種類が混ざった状態では価値が低く、分離して品質をそろえる工程がなければ、再び資源として売ることができません。取り出しきれていない部分は、潜在的な収益でありながら、現在は、収益にも、処分費の負担にもなりうる状況でした。
03PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1表面|価値を取り出せていない素材があるプラスチックなどが、十分に収益になっていません。
- 2原因|分離・加工の工程がない混ざった状態では、再び資源として売れません。
- 3さらに奥|1台あたりの価値を最大化する設計がない仕入れた廃車の価値の一部が、残ったままです。
- 4経営上の制約収益を増やすには、仕入れ台数を増やす方法に頼ることになります。
04BUSINESS BEFORE
支援前の事業
この企業は、廃車を仕入れて解体し、使える部品は中古部品として、金属は資源として、貴金属はその価値に応じて、それぞれ販売してきました。廃車を一台ずつ分解し、価値のあるものを取り出して売る事業です。
05SURFACE ISSUE
表面的に見えていた課題
廃車から取り出して販売できるものは、すでに事業として成り立っています。しかし、解体の過程では、価値が十分に認識されず、安く扱われたり、処分されたりしている素材もありました。
06NEW BUSINESS
新事業|再生素材事業
新事業として整理されたのは、廃車由来のプラスチックを分離し、再資源化して、再生プラスチック素材として販売する事業です。
重要なのは、新しい仕入れを必要としない点です。すでに自社の工程にある素材を対象にするため、原材料の調達という新たな課題がありません。
07INVESTMENT
投資の考え方
再資源化には、分離・破砕・選別などの工程のための設備が必要になります。ただし、設備の機能ではなく、「再生素材として売れる品質に整える」ことが、投資の目的です。
- 1分離の精度素材の種類を分けることが、再生素材の品質と価格を決めます。
- 2品質の安定買い手が求める規格を、継続して満たすことが必要です。
- 3販売先の確保再生素材を購入する、新しい顧客との関係づくりが必要です。
- 4既存工程との連携現在の解体の流れの中で、素材を無駄なく取り出す工夫が求められます。
08PUBLIC SUPPORT
公的支援制度の位置づけ
この構想は、事業戦略と投資判断が先にあり、公的支援制度は、投資を実行する際の資金手段の一つとして検討されるものです。制度の対象・要件・公募の時期・手続きは、公式の情報で確認する必要があります。補助金の有無にかかわらず、投資として成立するかを、先に確かめることが重要です。
09ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1未利用資源の把握現在の工程で出る素材の量と種類、扱いの現状を把握します。
- 2分離・加工の試験素材の分離と、品質を確かめる試験を行います。
- 3販売先の確認買い手の規格・数量・価格の条件を確認します。
- 4設備の導入と本格化確認した条件に合わせて、設備を整え、稼働させます。
10TAKEAWAY
この事例から分かること
以下は、この事例から一般的に考えられる経営上のポイントです。実際に行った支援内容とは区別しています。
- 1既存工程の中に、未利用の価値がないかを探す安く扱っているもの、処分費がかかっているものが、手がかりです。
- 2新規の仕入れを要しない事業は、立ち上げのリスクが低い調達の課題を新たに抱えずに済みます。
- 3設備は、売れる品質をつくるために入れる機能ではなく、販売できる状態に整えることが目的です。
- 4資源循環は、収益と社会的な価値を両立できる廃棄物の削減と、事業の収益の関係を設計します。
11SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 長年の強みは、廃車の調達・解体・部材選別・販売チャネル・国内外の取引・リサイクルのノウハウにあった。
- 1台の廃車から取り出せる価値を増やす、資源循環型の戦略として位置づけた。
12RELATED SERVICES
関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
13RELATED CASES
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処分費がかかる竹・間伐材を、新たな活性炭商品へ変える事業を設計
供給側は廃棄費用の低減、自社は低コストの原料調達、購入側は活性炭の調達という三者の構造を整理した。
- 当初の課題
- 既存事業は、仕入価格の変動・商品の差別化の難しさ・価格競争の影響を受けやすい構造だった。
- 支援した打ち手
- 中古車との直接のシナジーは強調せず、「地域の誰かが処分費を払って捨てているものを、別の顧客が必要とする商品へ変える」という地域課題起点の事業として整理した。
- 目指す方向
- 供給側は廃棄費用の低減、自社は低コストの原料調達、購入側は活性炭の調達という三者の構造を整理した。
空調工事で発生する廃材処理を内製化し、新たなリサイクル事業へ
費用だった工程を自社の能力に変え、新しい売上にもつなげる構造を整理した。
- 当初の課題
- 計画で整理された課題の本質は、工事の流れの一部(廃棄の処理)が、自社の外にあることです。
- 支援した打ち手
- 外注していた工程を自社の能力に取り込み(STEP1)、その能力を既存の法人顧客向けのサービスとして外販する(STEP2)という二段階の取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 費用だった工程を自社の能力に変え、新しい売上にもつなげる構造を整理した。
破砕・積込工程の一体化で、再生資材の製造能力を強化する計画。
再生資材の製造能力の強化を目指す。
- 当初の課題
- 破砕・積込に人手と重機作業が必要で、粒度も安定しにくい。
- 支援した打ち手
- 移動式破砕設備と工程の連続化を整理。
- 目指す方向
- 再生資材の製造能力の強化を目指す。
同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

