支援事例自動車・環境 / 廃棄物の資源化・地域連携・三者の構造
処分費がかかる竹・間伐材を、新たな活性炭商品へ変える事業を設計
中古車販売・車検・板金を営む企業が、仕入価格の変動・商品の差別化の難しさ・価格競争という既存事業のリスクに向き合い、活性炭として水槽関連などへ販売する、廃棄物を商品へ変える事業を設計した、支援事例です。

- 課題既存事業は、仕入価格の変動・商品の差別化の難しさ・価格競争の影響を受けやすい構造だった。
- 支援した打ち手中古車との直接のシナジーは強調せず、「地域の誰かが処分費を払って捨てているものを、別の顧客が必要とする商品へ変える」という地域課題起点の事業として整理した。
- 目指す状態供給側は廃棄費用の低減、自社は低コストの原料調達、購入側は活性炭の調達という三者の構造を整理した。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01ISSUES
既存事業を取り巻く課題
- 1仕入価格の変動中古車の仕入れ値は、市場の動きで大きく変わります。
- 2商品の差別化の難しさ同じ車種は、どの店でも同じ商品に近く、差がつきにくい面があります。
- 3価格競争差別化が難しいため、価格での競争になりやすい構造です。
これらの課題は、中古車の事業に特有のものであり、自社の努力だけでは、変えにくい面があります。そのため、事業の幅を広げる検討が出発点になりました。
02PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1表面|中古車の事業が価格の影響を受ける仕入価格と競争が利益を左右します。
- 2原因|事業が一つの領域に集まっている他の収益の柱がありません。
- 3さらに奥|地域の課題を事業の視点で見ていない近隣の事業者の困りごとが、事業の機会として捉えられていません。
- 4経営上の制約収益の分散と、新しい価値の創出が必要です。
03BUSINESS BEFORE
支援前の事業
この企業は、中古車の販売、車検、板金などを手がけています。車を仕入れ、整備し、顧客に販売し、その後の車検や修理も担う、自動車に関わる一連の事業です。
04HONEST
中古車との「シナジー」は強調しない
新しい事業は、竹や間伐材を原料にした活性炭の事業です。中古車の事業と、商品や顧客が直接つながるわけではありません。この構想は、無理にシナジーを説明せず、事業をどのような理由で選んだかを、正直に整理しています。
評価できるのは、次の2点です。1つは、事業を複数持つことによる、収益の分散です。もう1つは、地域で実際に起きている課題を、起点にしていることです。
05LOCAL ISSUE
起点|地域の造園事業者の困りごと
新事業の起点は、地域の造園事業者が抱えていた課題でした。伐採などの仕事で発生する、竹や間伐材の処分です。
- 1造園の仕事
- 2伐採
- 3竹・間伐材が発生
- 4廃棄
- 5処分費がかかる
処分費を払って捨てているものが、地域に存在する。
06NEW MODEL
新しい流れ|廃棄から原料へ
活性炭にし、水槽に関連する用途などの顧客へ販売します。
地域の竹・間伐材
供給する側(造園事業者)
- 処分費を払っていた
- 廃棄コストが下がる
自社
- 低コストで原料を調達
- 加工して活性炭に
- 新しい商品・収益
購入する側
- 活性炭を必要とする
- 水槽関連などで利用
07PROCESS
事業として成立させるために確認すること
廃棄物を原料とする事業は、原料の質が安定しなければ、商品の質も安定しません。竹や間伐材は、種類・大きさ・水分・汚れが一定ではないため、受け入れの基準と、選別の方法が重要です。
また、活性炭の品質は、購入側の用途に合う必要があります。水槽関連であれば、利用者の要求に合う品質かを、販売の前に確認する必要があります。
08ENVIRONMENT
環境面の表現について
この事例では、環境への効果を、断定的に述べません。「未利用の材の活用」「廃棄量の低減につながる可能性」「循環利用を目指す」といった表現に留めます。加工の工程でのエネルギーの使用や排出など、環境への影響は、事業全体で確認すべき事項であり、効果を一般に断定できるものではありません。
09ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1原料の供給の確認地域の造園事業者から出る竹・間伐材の量と種類を把握します。
- 2加工の試験と品質の確認小規模な加工で、活性炭の品質を確認します。
- 3購入先の確認用途の要求と数量・価格を確認します。
- 4事業の立ち上げ設備と運営を整え、販売を始めます。
10TAKEAWAY
この事例から分かること
以下は、この事例から一般的に考えられる経営上のポイントです。実際に行った支援内容とは区別しています。
- 1誰かがお金を払って捨てているものを探す廃棄物が、原料と商品に変わる可能性があります。
- 2シナジーを無理に作らない直接のつながりが弱ければ、分散と地域課題起点として正直に評価します。
- 3三者の構造を書く供給側・自社・購入側のそれぞれのメリットを確認します。
11SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 新事業の起点は、中古車との直接のシナジーではなく、地域の造園事業者が抱える竹・間伐材の処分の困りごとだった。
- 廃棄物→原料→商品の流れで、供給側・自社・購入側の三者にメリットが生まれる構造を整理した。
- 既存事業との強い商品シナジーは主張せず、事業ポートフォリオの分散と地域課題起点として正直に位置づけた。
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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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補助金・経営支援顧問

