支援事例建設・飲食 / モデル店舗・多目的事業設計・採用接点
建設会社が自ら店舗を運営し、飲食・営業・採用をつなぐモデルを設計
新築・改修・設計・施工・解体・リノベーション・家具製作を一括して手がける建設会社が、建設需要の変動、属人的な経営、人材採用、新たな収益源という課題に向き合い、地域食材を使ったハンバーガーショップを「飲食の収益・モデル店舗・地域コミュニティ・建設の相談入口・採用の入口」を兼ねる多目的な事業として設計した、支援事例です。

- 課題建設需要の変動、属人的な経営、人材採用、新たな収益源の不足が重なっていた。
- 支援した打ち手「建設会社が飲食へ多角化」ではなく、1つの店舗に複数の経営課題の解決を担わせる多目的事業として設計し、営業時間も利益最大化の観点で組み立てた。
- 目指す状態飲食の収益に加え、店舗がモデル店舗・相談の入口・採用の接点として機能する構造を整理した。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01STRENGTHS
既存事業の強み
- 1設計から施工までの一括対応複数の工程を一つの窓口で進められます。
- 2顧客ニーズの具体化漠然とした要望を、実現可能な計画にまとめる力です。
- 3工程管理・品質管理複数の工事を調整し、品質を保つ運営力です。
- 4店舗設計の経験飲食店などの店舗を設計・施工した経験があります。
- 5口コミによる受注顧客の満足が、新たな顧客を呼んでいます。
02REAL ISSUE
本当の課題|課題ごとに別の施策を打つと、手が足りない
これらの課題は、別々の問題に見えます。需要変動には営業、属人性には仕組みづくり、採用には求人、収益源には新事業。しかし、課題ごとに施策を打てば、それぞれに人と費用が必要で、中小企業では手が回りません。
この計画の発想は、一つの事業に、複数の課題を同時に解かせることでした。
03PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1表面|工事の量が安定しない建設の需要が変動します。
- 2原因|収益源が工事に集中している他の収益の柱がありません。
- 3さらに奥|経営が特定の人に集中している属人的で、人の確保も難しい構造です。
- 4経営上の制約課題ごとに施策を打つ余力がありません。
04BUSINESS BEFORE
支援前の事業
この企業は、建物の新築、改修、設計、施工、解体、リノベーション、家具の製作までを手がける建設会社です。設計から施工まで一括して請け負うため、顧客の要望を具体的な形にまとめ、工程と品質を管理する力があります。受注の多くは、顧客の口コミを通じて広がってきました。
05ISSUES
重なっていた課題
- 1建設需要の変動工事の量が一定せず、収益が波打ちます。
- 2属人的な経営判断や関係が特定の人に集中しています。
- 3人材の採用建設業の人材確保が難しくなっています。
- 4新たな収益源工事以外の収入の柱がありません。
06NEW BUSINESS
新事業|地域食材を使ったハンバーガーショップ
新事業は、地域の食材を使ったハンバーガーショップです。しかしこの構想では、店を「飲食事業」としてだけ位置づけていません。店舗が、複数の役割を果たすように設計されています。
ハンバーガーショップ(自社運営)
飲食の収益
- 新しい収益の柱
- 建設の需要変動を補う
モデル店舗
- 店舗設計・施工の実例
- 来店客が「建てた店」を体験
地域コミュニティ
- 地域住民との接点
- 地域ブランドの形成
建設の入口
- 店舗工事・住宅の相談
- 営業活動を店が担う
採用の入口
- 若い人との接点
- 会社を知る機会
07SYNERGY
飲食と建設をどうつなぐか
- 1店舗そのものが営業資料設計・施工した店舗を実際に使ってもらうことで、完成後の空間を体験できます。図面や写真より、説得力があります。
- 2来店客から相談へ店を気に入った人が、店舗や住宅の相談をする入口になります。
- 3地域との接点地域の食材を使うことで、地域のつながりが生まれ、会社の信頼が育ちます。
08LEVELS
新事業の価値を3層で見る
この事例では、店舗の価値を、次の3つの層で評価できます。
- 1LEVEL 1|新事業単体の利益飲食の売上と、そこから残る利益です。
- 2LEVEL 2|既存事業への効果店舗工事・住宅の相談、営業の機会です。
- 3LEVEL 3|会社全体への構造効果採用、地域でのブランド、収益の柱の多様化です。
飲食店として見れば小さな利益でも、3つの層を合わせれば、1つの固定費から得られる効果は大きくなります。「1つの固定費から、いくつの効果を得られるか」という見方が、モデル店舗戦略の中心です。
09ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1店舗の役割の確定飲食・モデル店舗・営業・採用のそれぞれの目的と測り方を決めます。
- 2店舗の設計と施工自社で設計・施工し、完成後の空間を実例として整えます。
- 3営業時間と人員の設計ピーク時間に集中した運営を設計します。
- 4効果の記録と見直し来店数・相談件数・採用の接点を記録します。
10HOURS DETAIL
営業時間を決める考え方の具体例
営業時間の設計は、数字を置いて初めて意味を持ちます。
- 1時間帯ごとの来店の見込みどの時間帯に来店が集中するかを、立地と地域の暮らしから見積もります。
- 2時間帯ごとに必要な人数ピークには複数人、それ以外は少人数、あるいは閉店、といった判断になります。
- 3人件費と売上の比較ある時間帯の売上が、その時間の人件費と光熱費を上回るかを確認します。
- 4仕込みと片付けの時間営業時間の外に必要な作業も含めて、総労働時間を見ます。
- 5働き手の条件子育て世代など、特定の時間帯なら働きやすい人が、無理なく勤務できる時間割を考えます。
営業時間を短くすることは、売上の機会を捨てることにも見えます。
11MODEL STORE
モデル店舗として機能させるための工夫
店舗が建設の営業にも採用にも働くためには、飲食店として運営するだけでなく、意図的な工夫が必要です。
- 1空間の「使われ方」を見せる素材・動線・照明・家具の選び方に、設計の意図があることを、押しつけにならない形で伝えます。
- 2相談の入口を用意する店内の一角に、店舗や住宅の相談につながる自然な案内を置きます。
- 3地域との接点を増やす地域の食材を使い、生産者や近隣の人との関係を育てます。
- 4働く姿を見せる若い人が、働く現場を見て、会社の雰囲気を知る機会をつくります。
- 5効果を記録する相談・採用・来店の目的を記録し、どの役割が機能しているかを確かめます。
12TRADEOFF
多目的な事業設計のトレードオフ
一つの店舗に複数の役割を持たせることには、利点と同時に、注意点もあります。
- 1役割の衝突飲食としての収益を優先すると、営業の場としての空間の作りが難しくなる場合があります。
- 2運営の負担複数の目的を意識するほど、運営の担当者への負担が増えます。
- 3評価の難しさ建設の相談や採用への効果は、飲食の売上のようにすぐ数字に出ません。記録の仕組みが必要です。
- 4経営の集中飲食の運営に経営者の時間を取られ、本業の質が下がらないかを確認します。
13STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
店舗が複数の役割を担う構想は、関係者ごとに、期待される役割が異なります。
- 1来店客地域の食材を使った食事と、居心地のよい空間を得られます。営業の場として使われすぎると、足が遠のきます。
- 2建設の顧客・見込み客設計・施工の実例を、体験として確かめられます。相談は、来店客の自然な関心から始まるのが望ましい形です。
- 3従業員飲食の運営と建設の仕事の両方への配分が変わります。担当者の負担を見ておく必要があります。
- 4地域の生産者・住民地域の食材と、地域の人が集まる場が、関係を深めます。
14TAKEAWAY
この事例から分かること
以下は、この事例から一般的に考えられる経営上のポイントです。実際に行った支援内容とは区別しています。
- 1課題が複数あるときは、1つの事業に複数の役割を持たせる施策ごとに手を打つより、固定費あたりの効果を高められます。
- 2店舗を新事業だけで評価しないショールーム・営業・採用・コミュニティとしての価値を見ます。
- 3売上ではなく利益で営業時間を決める限られた人員と時間の最適化です。
- 4働き方の設計が、採用できる層を決める時間設定が、採用の間口を広げます。
15HOW TO USE
自社の計画に使うときの読み方|1つの店舗に複数の役割を持たせる
この事例を、自社の検討に使うときは、業種の違いに引きずられず、構造を取り出して当てはめると役に立ちます。次の問いに、自社の場合を書き込んでみてください。
- 1自社が抱える課題は、いくつあるか需要の変動・属人性・採用・収益源など、別々に見える課題を並べます。
- 21つの事業で、いくつの課題に働けるか店舗・拠点・サービスが、営業・採用・ブランドなど、複数に働く設計を考えます。
- 3それぞれの効果を、どう記録するか飲食の売上と、相談・採用・地域の評価を、別々に記録する仕組みを決めます。
- 4役割どうしが衝突しないか収益を優先すると営業の質が落ちる、といった衝突を想定します。
- 5営業時間・人員を、利益で決められるか時間帯ごとの売上と、人件費・光熱費の関係を確かめます。
16SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 課題は、需要変動・属人性・採用・収益源という複数の問題が重なっていたことだと整理した。
- 新店舗に、飲食収益・モデル店舗・地域コミュニティ・建設相談の入口・採用の入口という5つの役割を持たせた。
- ピーク時間に営業を集中し、人件費・必要人数・営業時間を最適化する「利益最大化」の考え方を示した。
- 子育て世代が働きやすい時間設定で、採用できる層を広げる考えを含めた。
17RELATED SERVICES
関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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内装業の地域ネットワークを、新たな美容サービスの集客基盤へ
自社で施工した店舗が、運営の場であり、施工の実例にもなる構造を整理した。
- 当初の課題
- 内装・リフォームは案件ごとの受注に左右され、自社で運営する事業を持っていなかった。
- 支援した打ち手
- 既存の法人ネットワークを、新サービスの最初の認知の入口に、店舗改装の経験を自社サロンの店づくりに使う取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 自社で施工した店舗が、運営の場であり、施工の実例にもなる構造を整理した。
住宅会社が地域カフェをつくり、顧客との接点を「工事後」まで広げる
店舗が内装・店舗施工の実例にもなる、顧客接点の継続を狙う取り組みを整理した。
- 当初の課題
- 住宅が完成した後、リフォームや追加工事の時期までに長い空白期間があり、顧客との接点が途切れていた。
- 支援した打ち手
- 新規事業のカフェを、新しい収益源としてだけでなく、既存顧客を維持する装置として位置づけ、地域交流と住まいの相談の入口として設計した。
- 目指す方向
- 店舗が内装・店舗施工の実例にもなる、顧客接点の継続を狙う取り組みを整理した。
外国人支援の知見を生かし、宿泊事業へ事業領域を拡張
宿泊の利用者が相談事業の入口になり、相談事業の顧客が宿泊の利用者にもなる双方向の流れを整理した。
- 当初の課題
- 特定の顧客層・単一の事業に収益が寄っており、その顧客層の動向が経営リスクになっていた。
- 支援した打ち手
- 「宿泊業へ参入する」のではなく、外国人顧客を理解してきた経験を、訪日外国人の滞在ニーズへ転用する事業として整理した。
- 目指す方向
- 宿泊の利用者が相談事業の入口になり、相談事業の顧客が宿泊の利用者にもなる双方向の流れを整理した。
同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

