支援事例建設・解体 / 外注工程の内製化・ワンストップ化
解体工事に付随する外注工程を内製化し、アスベスト除去まで一括対応
建物解体・RC解体・鉄骨解体・プラント解体・産業廃棄物関連を手がける企業が、解体の前提として生じる専門工程を外注に頼っていた構造を見直し、調査・除去・解体・廃棄物対応までを一括して担う体制を整理した、支援事例です。なお、本事例は施工方法を説明するものではありません。

- 課題この計画で整理された本質は、「解体という主サービスを提供するために、必ず発生する工程を、自社でコントロールできていない」ことでした。
- 支援した打ち手外注していた必須工程を自社の事業に取り込み、「外注費の削減」と「新たな売上」の2つの効果を同時に生む内製化として整理した。
- 目指す状態解体と専門工程の間で、双方向に案件を呼ぶ一括対応のサービスを整理した。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01REAL ISSUE
本当の課題|必須の工程を、他社に委ねている
この計画で整理された本質は、「解体という主サービスを提供するために、必ず発生する工程を、自社でコントロールできていない」ことでした。この工程は、案件によって発生するたびに、外部の都合に合わせなければなりません。
解体の企業にとって、専門工程は、本来、顧客の依頼の一部です。顧客から見れば、解体の依頼先が、必要な工程まで責任を持ってくれることが、安心につながります。
02PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1表面|外注費と調整の手間案件ごとに専門業者との調整が発生します。
- 2原因|専門工程を自社で持っていない必要になるたびに外部の都合に合わせます。
- 3さらに奥|主サービスの前提工程を管理できていない工期と利益が外部の工程に左右されます。
03BUSINESS BEFORE
支援前の事業
この企業は、建物の解体を中心に、RC造、鉄骨造、プラントなどの解体と、産業廃棄物に関わる業務を手がけています。解体は、建物の構造や規模、周辺環境によって、段取りや安全管理が大きく変わる事業であり、現場の経験の蓄積が、品質と安全を支えています。
04FLOW
従来の流れ|途中で外部の専門業者が入る
解体の前には、建物の調査が必要です。調査の結果、案件によっては、専門的な対応を要する素材が見つかります。その場合、従来は、次のような流れになっていました。
- 1解体を受注
- 2事前の調査
- 3専門的な対応が必要と判明
- 4専門業者へ外注
- 5業者間の調整
- 6専門工程の完了
- 7解体の工事
途中の外注が、費用・調整・工期のそれぞれに影響する。
05ISSUES
外注構造が生んでいた課題
- 1工程の調整専門業者と解体のスケジュールを合わせる手間があります。
- 2工期専門工程が終わるまで、解体を始められません。調整の遅れは、そのまま工期に影響します。
- 3顧客の負担顧客が複数の企業と調整する必要が生じる場合があります。
06NEW BUSINESS
新事業|専門工程まで自社対応する体制
新事業として整理されたのは、専門性の高い除去工程まで自社で対応する体制です。調査、除去、解体、廃棄物の対応までを、一つの窓口で一括して引き受けます。
従来
- 1解体の受注
- 2外注(専門工程)
- 3解体
計画
- 1調査
- 2専門工程(自社)
- 3解体
- 4廃棄物の対応
07TWO EFFECTS
経済効果は2方向
内製化の効果は、一つではありません。
- 1A|外注費の削減今まで支払っていた外注費が、自社の費用に置き換わります。ただし、設備・人員・教育の費用がかかるため、差額を検討する必要があります。
- 2B|新規売上専門工程そのものを、解体を伴わない案件や、他社の解体案件の前工程として受注できる可能性があります。
つまり、「コスト削減」と「新規売上」を同時に狙う内製化です。
08SYNERGY
双方向の案件
- 1解体案件 → 専門工程解体の依頼に、必要な専門工程を、一緒に提案できます。
- 2専門工程の案件 → 解体専門工程を依頼した顧客が、その後の解体も依頼する可能性があります。
- 3顧客の窓口の一本化複数の企業との調整が不要になることは、顧客にとっての価値になります。
09PUBLIC SUPPORT
公的支援制度の位置づけ
この構想は、経営課題の特定と事業戦略が先にあり、公的支援制度は、投資を実行する際の資金手段の一つとして検討されるものです。制度の対象・要件・公募の時期・手続きは、公式の情報で確認する必要があります。補助金の有無にかかわらず、その投資が事業として成立するかを先に確かめることが重要です。
10ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1外注工程の実態把握外注の件数、費用、待ち時間、顧客の負担を整理します。
- 2必要な体制の確認法令・資格・設備・安全管理の要件を確認します。
- 3体制の整備人員・設備・教育・保険を整えます。
- 4一括対応の開始解体案件の提案に専門工程を組み込み、受注を記録します。
11BEFORE AFTER
案件1件あたりの流れの違い(目標)
一件の案件で、何がどう変わるかを、顧客・自社・外部の三者の視点で整理します。施工の方法ではなく、事業の流れの比較です。
複数の企業と調整
一つの窓口で完結
外部の都合に合わせる
自社で全体の日程を管理
外注費が別に発生
一括の見積で把握しやすい
工程ごとに分かれる
一社が全体に責任を持つ
解体のみ
解体+専門工程の収益
12PREREQUISITE
事業化の前提条件(施工方法ではなく、体制の話)
この種の工事を事業にするには、次の前提が必要です。これらは、事業の合理性を検討する前に、満たすべき条件です。
- 1法令と手続きの遵守関係する法令に基づく届出や手続きを、適切に行う体制が必要です。
- 2必要な資格と教育業務に必要な資格を持つ人員の確保と、継続的な教育が必要です。
- 3専門の設備と安全管理作業者と周辺の人々の安全を守るための設備と管理の仕組みが必要です。
- 4適正な処理と記録発生した廃棄物を適正に処理し、記録する体制が必要です。
- 5保険と責任の整理万一の事故に備えた保険と、責任の範囲の整理が必要です。
これらの条件を満たす費用と時間は、内製化の経済性を評価するときに、必ず含める必要があります。条件を満たせない場合は、無理に内製化せず、専門の事業者と連携する選択も、合理的な判断です。
13DECISION
内製化するかどうかの判断軸
内製化は、常に正解とは限りません。判断の軸を整理しておくことが重要です。
- 1発生頻度専門工程が必要になる案件が、どのくらいの頻度で発生するか。少なければ、人員と設備の稼働が低くなります。
- 2外販の見込み解体を伴わない案件や、他社の案件を受けられる見込みがあるか。
- 3外注先との関係外注先との協力関係を、どう維持するか。内製化しても、繁忙期に連携する選択肢を残すか。
- 4安全と品質への自信体制が整い、品質と安全を維持できるという確信が持てるか。
14STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
内製化の計画も、関係者ごとの影響を見ると、事業の姿がはっきりします。
- 1顧客(発注者)複数の企業と調整する負担が減り、責任の所在が明確になります。一方、一社に集中することへの不安に、体制と実績で応える必要があります。
- 2自社の従業員資格・教育・安全管理の負担が増えます。安全を最優先にした働き方の設計が必要です。
- 3現在の外注先案件の一部が自社に移るため、関係の見直しが必要です。繁忙期の連携や、扱えない案件の依頼先として、関係を維持する選択もあります。
- 4周辺の住民・関係者安全と情報の提供が、事業の信頼の前提です。
- 5金融機関・保険会社設備投資と体制の整備、責任の範囲について、説明が求められます。
15TAKEAWAY
この事例から分かること
以下は、この事例から一般的に考えられる経営上のポイントです。実際に行った支援内容とは区別しています。
- 1主サービスに必ず付随する外注工程を探す外注費・待ち時間・顧客の負担・品質・納期の観点で分析します。
- 2内製化の効果は、コスト削減と新規売上の2つで見る工程そのものを事業にできるかを考えます。
- 3顧客の窓口の一本化は、価値になる調整の手間を減らすことが、選ばれる理由になります。
- 4専門性の高い工程は、法令と安全が前提事業の合理性と同じくらい、適正な体制が重要です。
16HOW TO USE
自社の計画に使うときの読み方|外注工程の内製化
この事例を、自社の検討に使うときは、業種の違いに引きずられず、構造を取り出して当てはめると役に立ちます。次の問いに、自社の場合を書き込んでみてください。
- 1自社の主サービスに、必ず付随する外注工程は何か案件ごとの外注の有無と、費用・待ち時間を、1年分、一覧にします。
- 2その外注工程は、費用以外に何を生んでいるか調整の手間、工期の延び、顧客の負担、品質のばらつきを書き出します。
- 3内製化の前提条件は何か法令・資格・設備・安全管理など、必ず満たすべき条件を、費用と時間も含めて確認します。
- 4外販する需要は本当にあるか自社の案件以外に、その工程だけを必要とする顧客がいるか、聞き取ります。
- 5やらない選択の理由は何か外注のままのほうが合理的な場合を、先に検討しておきます。
17SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 解体に必ず付随する外注工程があり、そこに費用・調整・工期の負担が集中していた。
- 内製化の効果を「外注費の削減」と「その工程そのものの新規売上」の2方向に分けて整理した。
- 顧客にとっては、複数企業との調整が不要になる一括対応の価値を整理した。
- 専門性の高い工事であり、法令・資格・設備・安全管理が前提であることを明示した。
18RELATED SERVICES
関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
19RELATED CASES
関連する支援事例
空調工事で発生する廃材処理を内製化し、新たなリサイクル事業へ
費用だった工程を自社の能力に変え、新しい売上にもつなげる構造を整理した。
- 当初の課題
- 計画で整理された課題の本質は、工事の流れの一部(廃棄の処理)が、自社の外にあることです。
- 支援した打ち手
- 外注していた工程を自社の能力に取り込み(STEP1)、その能力を既存の法人顧客向けのサービスとして外販する(STEP2)という二段階の取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 費用だった工程を自社の能力に変え、新しい売上にもつなげる構造を整理した。
飲食店運営の強みを、肉割烹とセントラルキッチンへ再構築
各店舗の負担を下げながら、低シナジーの事業から成長余地のある事業へ人員・資源を移す「選択と集中」を整理した。
- 当初の課題
- 計画で整理された課題の本質は、店舗の数ではなく、運営の構造にありました。
- 支援した打ち手
- 新業態1店舗の追加ではなく、セントラルキッチンで仕込みを集約し、既存店舗と新業態の両方へ供給する構造に再設計した。
- 目指す方向
- 各店舗の負担を下げながら、低シナジーの事業から成長余地のある事業へ人員・資源を移す「選択と集中」を整理した。
釣具販売の企画力を生かし、国内製造・OEMへ事業を拡張
自社ブランド製品と他社向けOEMの二本立てで、企画から製造・販売・メンテナンスまでの価値連鎖を広げる取り組みを整理した。
- 当初の課題
- 海外の製造・調達に依存しており、工場の停止や物流費・原材料の高騰が、そのまま販売機会の損失につながる構造だった。
- 支援した打ち手
- 足りなかったのは企画力ではなく生産能力だと整理し、設備導入を「メーカー化」という戦略の一部として位置づけた。
- 目指す方向
- 自社ブランド製品と他社向けOEMの二本立てで、企画から製造・販売・メンテナンスまでの価値連鎖を広げる取り組みを整理した。
同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

