支援事例小売・製造 / 垂直統合・国内製造・OEM
釣具販売の企画力を生かし、国内製造・OEMへ事業を拡張
一般量販店では扱わない希少な商品を売ってきた釣具販売会社が、海外製造への依存による供給リスクに向き合い、自社の企画・設計力を生かして国内で製造する側へ進むことを検討した、支援事例です。

- 課題海外の製造・調達に依存しており、工場の停止や物流費・原材料の高騰が、そのまま販売機会の損失につながる構造だった。
- 支援した打ち手足りなかったのは企画力ではなく生産能力だと整理し、設備導入を「メーカー化」という戦略の一部として位置づけた。
- 目指す状態自社ブランド製品と他社向けOEMの二本立てで、企画から製造・販売・メンテナンスまでの価値連鎖を広げる取り組みを整理した。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01STRENGTHS
既存事業の強み
事業計画の整理では、次の点が、新しい事業の土台になる強みとして位置づけられました。
- 1商品の目利き量販店が扱わない商品を見極めて仕入れる力は、「何が良い道具か」を判断できることの証明でもあります。
- 2リール・ルアーに関する深い知識構造や仕様の違いを理解していることは、設計の議論に参加できる知識です。
- 3企画・設計の経験すでに商品の企画や設計に関わった経験があり、頭の中にある製品像を図面に落とす力があります。
- 4販売店ネットワーク全国の販売店との関係は、新製品の販路になります。
- 5コアな釣り愛好者との接点要望を直接聞ける関係は、製品開発の最大の情報源です。
02SYNERGY
既存事業とのシナジー
既存事業とのつながりは、次の流れで整理されています。
- 1既存の販売店ネットワーク
- 2自社製品を取り扱う販売店が増える
- 3販売店との接点が増える
- 4既存のツアー・メンテナンスへの送客
- 5コア顧客の声が次の製品企画へ
製品が、既存事業との接点を増やす。
03REAL ISSUE
本当に解決すべき課題
事業計画で重視されたのは、これらの変動が「販売機会の損失」に直結する構造そのものです。仕入れる商品が届かなければ売れません。供給が不安定であれば、顧客に約束できる納期も不安定になります。
ここで、経営者は問いを変えます。「仕入れ先を増やすか」という対処ではなく、「仕入れる会社のままでいるべきか。それとも、自社の企画・設計力を生かして作る側へ進むべきか」。この問いが、計画全体の出発点です。
04BUSINESS BEFORE
支援前の事業
この企業は、釣具の販売を中心に、希少な商品の取り扱い、釣りツアー、リールなどのメンテナンスを手がけてきました。一般の量販店が置かない商品を探し出して提供することで、価格よりも「ここにしかない」ことを求めるコアな釣り愛好者との関係を築いてきた事業です。
顧客は、道具の性能や仕様に強いこだわりを持つ層です。そうした顧客と日々接するなかで、どのような道具が求められているか、既存の商品の何が足りないかを、企業は具体的な声として蓄積していました。
05SURFACE ISSUE
表面的に見えていた課題
最初に表面化していた課題は、海外で製造された商品の仕入れが不安定になることでした。工場の稼働停止、物流費の上昇、原材料価格の高騰、調達の遅れ。これらは、どれも企業の努力では防げない外部の変動です。
06KEY INSIGHT
何が足りていて、何が足りなかったのか
計画の整理では、企画力・設計経験・販売網・顧客接点といった要素は、すでに社内にあることが確認されました。足りないのは、それを形にする「生産能力」だけでした。つまり、問題は能力の総量ではなく、能力の一部の欠落にありました。
- 1海外製造・調達への依存
- 2供給の制約が生じる
- 3販売機会の損失
- 4自社に設計・企画の能力は存在する
- 5不足していたのは生産能力
- 6加工設備の導入
- 7メーカー化
- 8自社ブランド + OEM
設備導入は目的ではなく、「作る側へ進む」戦略の最後のピース。
07NEW BUSINESS
新事業の姿
新事業として整理されたのは、リール・ルアーの国内製造です。自社ブランドの製品として販売することに加え、他社向けのOEM・受託製造も行う計画です。
自社ブランドは、これまで蓄積した顧客の声を製品の仕様に反映できる点が強みです。OEM・受託製造は、設備の稼働を安定させ、収益の柱を複数にする役割を持ちます。両者を組み合わせることで、一つの商品の売れ行きだけに頼らない構造にします。
08INVESTMENT
投資の考え方
想定された投資は、マシニング系の加工設備と、設計・加工データを扱うCAD/CAMなどです。ただし、支援では、設備の名前を主役にしません。
- 1加工能力国内で、自社の設計した部品を、必要な精度で作れることが基本の要件です。
- 2設計から加工への連続性CAD/CAMを活用し、企画した形状をそのまま加工に渡せる環境を整えます。
- 3小ロット・多品種への対応コアな愛好者向けの製品は、少量・多品種になりやすく、段取り替えの効率が重要になります。
- 4品質の確認釣具は使用者の期待が高く、品質の一貫性が、ブランドの信頼を左右します。
09VALUE CHAIN
この事例の経営テーマ|垂直統合
この計画の本質は、価値連鎖の拡張です。これまでの事業は、仕入れと販売が中心でした。新事業では、企画、製造、販売、メンテナンスまでを、自社が持つ流れに広げます。
- 1仕入・販売従来の事業
- 2企画顧客の声を製品像へ
- 3製造国内で作る
- 4販売自社ブランド・OEM
- 5メンテナンス使用後も接点を持つ
垂直統合の目的は、売上を足すことだけではありません。供給リスクの低減、利益の改善、独自商品の開発、品質と納期の管理、OEMの受託、そして顧客情報の蓄積まで含めた戦略です。
10PUBLIC SUPPORT
公的支援制度の位置づけ
設備投資の資金手段の一つとして、公的支援制度の活用も検討されました。ただし、制度は戦略を実行するための手段であり、「メーカー化」という戦略の判断が先にあります。制度の対象・要件・公募の時期は、公式の情報で確認する必要があります。
11ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1設計と仕様の確定顧客の声をもとに、自社ブランド製品の仕様と、OEMで受ける加工の範囲を決めます。
- 2設備と加工環境の整備加工設備とCAD/CAMなどの環境を整え、試作を行います。
- 3自社ブランドの発売既存の販売店ネットワークを通じて、製品を案内します。
- 4OEM・受託の開拓稼働に余力があれば、他社向けの加工・製造を受けます。
12TAKEAWAY
この事例から分かること
以下は、この事例から一般的に考えられる経営上のポイントです。実際に行った支援内容とは区別しています。
- 1設備の前に、不足している能力を特定する足りないのが生産能力だけなら、投資の意味は明確になります。
- 2販売会社の資産は「顧客の声」作る側へ進むとき、最大の強みは、何が求められているかを知っていることです。
- 3垂直統合は、供給リスクへの答えである外部の変動に左右されない供給の確保が、販売の約束の信頼性を高めます。
13SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 問いは「設備を買うか」ではなく「仕入れる会社のままでいるか、作る側へ進むか」だった。
- 不足していたのは企画・設計力ではなく、国内で作る生産能力だと整理した。
- 既存の販売店ネットワークが、新製品の販路になると位置づけた。
- 価値連鎖を、仕入・販売から企画・製造・販売・メンテナンスまで広げる垂直統合の戦略として説明した。
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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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- 移動手段の提供から、飲食・直売所の利用、地域内消費までを連ねた事業モデルを計画として描いた。
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- 目指す方向
- 解体と専門工程の間で、双方向に案件を呼ぶ一括対応のサービスを整理した。
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- 目指す方向
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補助金・経営支援顧問

