支援事例ファッション・インテリア / 新分野展開・顧客価値拡張・ライフスタイル提案
「似合う服を選ぶ力」を、「その人に合う空間を選ぶ力」へ。
体型・色・職業・目標・ライフスタイルを聞き取り、その人に合うファッションを提案してきた個人向けのコンサルティング事業者が、既存顧客から寄せられた「内装や家具も相談したい」という声をきっかけに、顧客の価値観を理解して選ぶ力を、服から住空間へ広げる事業を構想した、支援事例です。

- 課題既存顧客から「服だけでなく内装や家具も相談したい」という声が出ていたが、現在のサービスは服の提案に限られ、顧客のニーズが暮らし全体へ広がっていた。顧客の相談は、サービスの範囲より先に広がっていた。
- 支援した打ち手ファッション提案で培ったヒアリングと信頼関係を軸に、内装・家具の選定を支援するライフスタイルコンサルティングへ提供価値を広げる構想を整理した。聞き取りから入り、完成前にバーチャルで確認する流れで差別化を図る。
- 目指す状態服だけでなく暮らし全体を相談できる存在になり、顧客との継続的な関係を、新しい価値に変える事業を目指す。得意な「聞く力」を軸に、無理のない範囲で提供価値を広げる。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01STRENGTHS
会社が持っていた強み
この事業者の強みは三つに整理されています。
- 1コーチング的な対話を取り入れたヒアリング単に服の好みを聞くのではなく、「自分をどう見せたいか」「何を実現したいか」まで聞き取ります。なぜ競争力になるのかといえば、お客様自身も言葉にできていなかった希望が引き出され、提案の納得感が高まるからです。
- 2DM等によるアフターフォロー提案して終わりではなく、その後も関係が続きます。関係が続くことで、お客様の変化や新しい悩みが、自然に相談として出てきます。
- 3経営者顧客を通じた企業ネットワーク経営者や、職業上、外見が重要な立場の顧客とのつながりは、新しいサービスの広がりを支える基盤になります。
02CORE ISSUE
本質的な経営課題
本質的な課題は、「顧客のニーズが、サービスの範囲よりも先に広がっている」ことです。お客様は、すでにこの事業者を信頼しており、服以外のことも相談したいと考えています。事業者の側がその範囲を広げなければ、お客様の次の相談は、別の事業者に流れてしまいます。
一方で、全く関係のない事業を始めるのでは、これまで築いた信頼を活かすことができません。「顧客の価値観を理解して、その人に合うものを選ぶ」という中核の能力を、服から別の分野へ展開できるかが論点でした。
03STRATEGY
選んだ打ち手と、その理由
戦略は、ファッションコンサルタントから、ライフスタイルコンサルタントへの、提供価値の拡張です。
もし、服の相談を続けるだけなら、顧客あたりの取引は、服を選ぶ機会に限られます。ライフスタイル全体を相談できる存在になれば、一人のお客様との関係が、より長く、広くなります。さらに、顧客の価値観を理解しているからこそ、空間づくりでも一貫した提案ができます。
- 1顧客理解|価値観・好み・目標を聞き取る
- 2ファッションの提案
- 3信頼関係が深まる
- 4家具・空間の相談を受ける
- 5ライフスタイル全体を提案する
04COMPANY / BUSINESS
どのような会社だったのか
この事業者は、個人のお客様に向けたファッションコンサルティングを提供しています。お客様の体型、似合う色、職業、これからの目標、日々の暮らし方などを詳しく聞き取り、その人に合ったファッションを提案する仕事です。
一般的な洋服の販売では、売る側が在庫の中から商品を勧める形になりがちです。これに対し、コンサルティングは、お客様の側に立ち、どんな人でありたいか、どう見られたいかを一緒に考えるところから始まります。商品を売ることよりも、「その人にとって何が合うか」を見極める力が、提供する価値の中心です。
05BACKGROUND
経営環境に何が起きていたのか
ファッションは、服そのものだけでなく、暮らしや働き方、価値観と結びついています。服を選ぶ相談を重ねるうちに、お客様の関心が、身につけるものから、暮らす空間や使うものへ広がっていくのは自然なことです。事業構想は、こうした顧客の関心の広がりを、事業の機会として捉えています。
06VISIBLE PROBLEM
当初見えていた問題
事業の現在の範囲は、服の提案です。しかし、お客様からは、「内装についても相談したい」「自分に合った家具を選んでほしい」という声が寄せられていました。現在のサービスの範囲を超えた相談があり、そのたびに、他の事業者を紹介するか、お断りするしかない状態でした。
07KEY QUESTIONS
事業計画を考える上で整理した論点
整理された論点は次のとおりです。
- 1何を提供するのか内装、家具、インテリアの選定を、どの範囲まで支援するか。
- 2誰に提供するのかまず既存のお客様から。その後、経営者や企業のネットワークへ。
- 3既存の何を転用できるかヒアリングの技術、信頼関係、アフターフォロー。
- 4新たに何が必要か家具やインテリアの知識、提携できる事業者、空間を確認する手段。
- 5どう差別化するか建築・設計が中心の内装会社とは異なる、ヒアリング中心の提案。
- 6どう確認してもらうか完成前に、家具や空間のイメージを確認できる仕組み。
08EXISTING ASSETS
新事業に活用できる経営資源
新事業で最も活かされるのは、ヒアリングの技術と、お客様との信頼関係です。
- 1聞き取る力価値観や好みを引き出す対話の技術は、服でも空間でも同じように使えます。
- 2継続的な関係フォローで続いている関係は、新しい相談を受ける土台です。
- 3経営者顧客・企業ネットワークオフィスの空間や、働き方に関わる相談へ広がる可能性があります。
09MARKET / CUSTOMER
どの顧客・市場を狙ったのか
まず想定される顧客は、すでにファッションの相談をしているお客様です。自分の好みや価値観を理解してくれている相手に、暮らしの空間も任せたいと感じる人が出てくるのは、自然な流れです。
次に、経営者のお客様を通じた企業のネットワークがあります。経営者が自宅や事務所の空間を整えたいと考える機会は多く、ここでも、ファッションで築いた信頼が活きます。
既存の代替手段は、内装会社、家具店、インテリアコーディネーターなどです。ただ、これらの多くは、建築や設計、商品の販売から入ります。顧客の価値観から入る提案は、相対的に少ないと考えられます。
10SERVICE / PRODUCT DESIGN
商品・サービスをどう設計したのか
新しいサービスは、内装、家具、インテリアの選定を支援するものです。お客様の価値観、好み、ライフスタイル、働き方を聞き取り、それを空間づくりに反映します。
- 1価値観・好みのヒアリング服の相談で行ってきた対話を、住空間の相談にも使います。
- 2ライフスタイル・働き方の整理在宅の時間、仕事の仕方、家族の構成など、空間の使い方に関わる情報を聞き取ります。
- 3家具・内装の選定提案聞き取った内容を、具体的な家具や内装の選択に落とし込みます。
- 4バーチャルでの確認家具やモデルルームのイメージを、オンラインで確認できる仕組みを検討しています。実際の空間に置く前に、イメージを共有することで、納得感を高める狙いです。
11SALES / MARKETING
どう顧客を獲得する計画だったのか
最初の顧客は、既存のお客様です。DMなどのつながりを使い、新しいサービスを案内します。その後、経営者のお客様を通じて、企業のネットワークへ広げていきます。ファッションの成果が、そのまま新しいサービスの信頼の根拠になります。
12IMPLEMENTATION PLAN
実行に向けて何を準備する計画だったのか
準備の中心は、内装や家具の知識の習得、提携できる事業者との関係づくり、バーチャルで空間を確認する手段の検討です。
大切なのは、新しいサービスでも、これまでと同じ「聞き取る」姿勢を保つことです。提案の質が下がれば、既存のファッションの信頼にも影響しかねません。
13DECISION AXES
意思決定の背景|なぜ「内装」であり、なぜ「一社ですべてを」ではないのか
既存のお客様からの声は、「内装も相談したい」「家具を選んでほしい」というものでした。服の次に、暮らしの空間が来るのは、自然な広がりです。服は身にまとうもの、空間は日々を過ごす場所であり、どちらも「自分らしさ」を表すという共通点があるからです。
ただし、内装や家具は、服に比べて金額が大きく、失敗したときのやり直しも難しい分野です。だからこそ、顧客は「自分の価値観を理解してくれている相手」に相談したいと考えます。服の提案で築いた信頼関係が、この分野への入口として力を持つ理由は、ここにあります。
一方で、建築や内装の専門的な施工まで自社で担えるわけではありません。事業の中心は、あくまでも、顧客の価値観を聞き取り、それを空間の選択へ翻訳することです。施工や製品の提供は、提携できる事業者と組むという前提で考えるほうが、得意な部分に集中できます。
14WHAT DIFFERS
一般的な内装の提案と、何が異なるのか
建築や設計から入る提案は、図面、寸法、素材、費用といった要素から、空間を組み立てます。それは必要な工程ですが、住む人の価値観や、これからどう暮らしたいかという「使う側の思い」が後回しになることもあります。
この事業では、最初に聞き取るのは、「自分をどう見せたいか」「何を実現したいか」「どんな働き方をしているか」です。これは、ファッションの相談でも使っている対話の方法です。聞き取った内容から、家具や内装を選ぶ。そして、完成してから「思っていたのと違った」とならないよう、バーチャルな空間で事前に確認する。聞くところから始め、確認で終える流れが、この事業の特徴です。
15RISKS & CHECKS
実行前に確認しておきたい点
新しい分野に広げる際は、次のような点を確認する必要があります。
- 1専門知識の補い方家具や内装の知識を、どの範囲まで自社で持ち、どの範囲を提携先に任せるかを決める必要があります。
- 2提携先の選び方提案の質は、実際に施工や調達を担う事業者の質に左右されます。価値観を共有できる事業者と組めるかが重要です。
- 3費用の設計服の提案と、空間の提案では、顧客が支払う金額の規模が異なります。どの範囲を、どの形で対価としていただくのかを整理しておく必要があります。
- 4バーチャル確認の精度画面上で見たイメージと、実際の空間との違いが大きければ、満足度に影響します。確認の手段の限界を、顧客に正しく伝えることも重要です。
16FOR THE CUSTOMER
お客様から見たときの変化
お客様にとって、この計画が意味するのは、「自分のことを分かってくれている人に、暮らしの相談もできる」ことです。服を選ぶ相談で、自分がどう見られたいか、何を実現したいかを話した経験があれば、同じ対話の延長で、住まいや働く空間の希望も自然に言葉にできます。
空間づくりは、失敗したときのやり直しが難しい分野です。完成する前に、家具や空間のイメージを画面上で確認できれば、「思っていたのと違った」という不安が減ります。相談から確認、決定まで、一人の相手と進められることが、お客様にとっての安心になります。
17CONSULTING PERSPECTIVE
この事例から分かる経営上のポイント
以下は、この事例から一般的に考えられる経営上のポイントです。実際に行った支援内容とは区別しています。
- 1商品ではなく「能力」で事業を捉える服を選ぶ力ではなく、「その人に合うものを選ぶ力」と捉えると、展開できる分野が広がります。
- 2顧客の声から、次の事業を見つける寄せられた相談は、新しい事業の最も確かなヒントです。
- 3信頼関係のある顧客から始める新しいサービスは、最初の顧客を得ることが最も難しい。既存の関係を活かせば、その壁を低くできます。
- 4差別化は、入口の違いで考える建築から入るか、価値観から入るかで、提案の性格が変わります。
18SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 体型・色・職業・目標・ライフスタイルを聞き取る、コーチング的な対話の強みを整理した。
- DM等による継続的なアフターフォローと、経営者顧客を通じた企業ネットワークを、経営資源に位置づけた。
- 既存顧客の「服から暮らし全体へ」という要望を、新規事業の起点に置いた。
- ファッションコンサルタントからライフスタイルコンサルタントへ、提供価値を広げる戦略を設計した。
- ヒアリング・ライフスタイル提案・バーチャルでの確認を組み合わせた差別化を描いた。
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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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