支援事例貿易・飲食 / 海外商品の知識を国内飲料事業へ

海外商品の知識と事業ネットワークを活用し、特色ある飲料事業を構想

日本酒、和紙、伝統工芸品など、日本文化に関わる商品を国内外へ販売してきた企業が、海外で親しまれている飲料を日本国内でテイクアウト提供する事業を構想した事例です。そのため、実現した内容ではなく、構想の組み立て方と、検証すべき点を中心に整理します。

業種
貿易・飲食
支援テーマ
海外調達ネットワークの転用
区分
経営コンサルティング
貿易・飲食のイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01BEFORE

この企業の事業と、強み

この企業は、日本酒、和紙、伝統工芸品などを中心に、日本文化に関わる商品を国内外で販売してきました。商品について詳しく知っていて、海外とのやり取りの経験があり、他の事業者とのつながりも持っています。

これらの資産は、扱う商品が変わっても使えます。調達の経路、商品の背景を説明する力、事業者との信頼関係は、新しい商品でも生きる部分です。

02POINT

読み方のポイント|構想の強みと弱み

この構想の強みは、新しい事業が既存の資産の上に乗っていることです。調達の経路、商品の知識、事業者との関係という三つは、新しい商品でもそのまま使えます。一から始める事業よりも、準備の負担が小さくなります。

弱みは、需要の裏付けがまだないことです。強みの数と、需要の確かさは、別の話です。資産が揃っているほど、需要を確かめる前に動き出したくなりますが、先に確かめることで、投資の失敗を避けられます。

03PROBLEM

直面していた課題と、その本当の原因

構想段階の最大の課題は、需要が実際にあるかどうかが、まだ見えていないことです。調達できること、知識があることは、売れることを意味しません。

真因は、供給の力があっても、需要を確かめる手順が、まだ組まれていないことです。そこで構想では、クラウドファンディングを、資金調達の手段としてだけでなく、販売の開始前に需要を確かめる手段として使います。

  • 1見えていた課題新しい事業の需要が、まだ確かめられていない。
  • 2一段奥の原因調達と知識の力はあるが、売れるかの検証がない。
  • 3真因需要確認の手順が、事業の最初に組まれていない。

04PROBLEM TREE

課題を掘り下げる

目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。

  • 1新しい事業の需要が見えない調達と知識の力はあるが、需要確認の手順がない。
  • 2収益の見通しが立たない調達費・為替・輸送の影響が、まだ数値になっていない。

05IDEA

構想|海外で親しまれている飲料を、国内で

新しい事業の構想は、海外で親しまれているココナッツ飲料を、日本国内でテイクアウトとして提供するというものです。この構想の特徴は、海外商品の調達、飲料メニューの開発、テイクアウト店舗、他店舗との連携、クラウドファンディング、共同のプロモーションを組み合わせている点です。

戦略の骨格は、海外調達のネットワーク、商品への理解、既存の事業者との関係を組み合わせて、新しい飲料事業を始めるというものです。既存事業の「日本の商品を海外へ」の流れを、「海外の商品を日本へ」へ反転させています。

図解|海外商品 → 国内飲料販売
  • 既存事業
  • 日本の文化商品
  • 国内外へ販売
  • 構想
  • 海外の飲料の調達
  • 飲料メニューの開発
  • テイクアウト店舗
  • 他店舗と連携

06CROWDFUNDING

クラウドファンディングの使い方

クラウドファンディングは、資金を集める手段として知られています。この構想では、それに加えて、認知、顧客の獲得、地域の事業者との連携、販売開始前の需要確認にも使います。

支援者が集まるかどうか、どの商品や特典に反応があるかは、需要を知る手がかりです。資金が目的であれば金額が成果ですが、需要確認が目的であれば、支援者の属性、反応した商品、継続的に購入したいという声が成果になります。目的に応じて、見る数字が変わります。

  • 1認知誰に、どのように知られたか。
  • 2顧客の獲得支援者のうち、店舗を訪れる可能性のある層。
  • 3地域との連携協力を申し出た事業者の数と内容。
  • 4需要確認反応した商品と、継続の意向。

07ACTION STEPS

実行に向けた段階(目標)

事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。

  • 1構想の整理提供する商品と顧客を絞ります。
  • 2需要確認クラウドファンディングで反応を見ます。
  • 3調達の確認調達価格と品質を確かめます。
  • 4店舗の準備衛生・表示を確認し、小さく始めます。

08STAKEHOLDERS

関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか

この構想は、関わる人の立場ごとに、変わることが異なります。

  • 1調達先の事業者継続的な取引と品質の安定を求める。
  • 2地域の店舗連携による集客を期待するが、負担も生じる。
  • 3消費者・支援者新しい体験を求めるが、価格と品質を見て判断する。

09HOW TO USE

自社の計画に使うときの読み方|海外商品の知識を新しい事業へ

この事例を、自社の検討に使うときは、業種の違いに引きずられず、構造を取り出して当てはめると役に立ちます。次の問いに、自社の場合を書き込んでみてください。

  • 1供給の力を書き出す調達、知識、関係性のうち、新しい商品でも使えるものを選ぶ。
  • 2需要を先に確かめる店を持つ前に、小さく反応を見る方法を考える。
  • 3表現の確認健康や優位性に関する言葉を、確認が済んだ範囲に限る。

10DIAGNOSTIC QUESTIONS

自社に当てはめるときの問い

構想段階の事業を、自社で検討するときの問いです。

  • 1新しい商品は、既存の力のどこを使うか調達、知識、関係性のうち、使えるものを具体的に挙げます。
  • 2誰が、いくらで買うか調達できることと、売れることを分けて考えます。
  • 3需要は、店を持つ前に確かめられるか小さく反応を見る方法を先に考えます。
  • 4確認が済んでいない表現はないか健康や優位性に関する言葉を点検します。

11LEARNINGS

他社が学べること

新しい事業を考えるとき、「できること」と「売れること」は別です。この構想は、供給の力に加えて、需要を先に確かめる手順を、事業の最初に置いています。

クラウドファンディングを、資金の手段として見るだけでなく、需要の確認として使う。目的を決めてから使うと、見るべき数字が変わります。構想段階の事業ほど、何を確かめてから投資するかを、先に決めておくことが有効です。

12SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 既存事業は、日本の商品を国内外へ販売する貿易型の事業だった。
  • 構想の資産は、海外調達のネットワーク、商品への理解、既存事業者との関係にある。
  • クラウドファンディングを、資金調達だけでなく需要確認と認知獲得に使う計画である。

13RELATED SERVICES

関連するサービス

※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

14RELATED CASES

関連する支援事例

造園・生花既存資産活用経営支援

造園業の植物知識と過去の業界経験を、新たな生花事業へ転用

造園の植物知識と、過去の経験を組み合わせ、保管能力を整えて生花事業の受注につなげる構造を整理した。

当初の課題
生花の需要はすでに存在するが、短納期・大量注文・保管への対応力が不足しているため、受注できなかった。
支援した打ち手
会社の現在の資産だけでなく、経営者の過去の業界経験・人脈・知識・信用も資産として棚卸しし、保管能力を制約として特定した。
目指す方向
造園の植物知識と、過去の経験を組み合わせ、保管能力を整えて生花事業の受注につなげる構造を整理した。

経営支援・宿泊事業多角化経営支援

外国人支援の知見を生かし、宿泊事業へ事業領域を拡張

宿泊の利用者が相談事業の入口になり、相談事業の顧客が宿泊の利用者にもなる双方向の流れを整理した。

当初の課題
特定の顧客層・単一の事業に収益が寄っており、その顧客層の動向が経営リスクになっていた。
支援した打ち手
「宿泊業へ参入する」のではなく、外国人顧客を理解してきた経験を、訪日外国人の滞在ニーズへ転用する事業として整理した。
目指す方向
宿泊の利用者が相談事業の入口になり、相談事業の顧客が宿泊の利用者にもなる双方向の流れを整理した。

美容・写真顧客ライフサイクル経営支援

美容サロンの顧客基盤を、キッズフォト事業へ接続

美容と撮影が互いに顧客を送り合う関係と、美容スタッフの技術を撮影に生かす構想を整理した。

当初の課題
長年の地域顧客と美容の技術を持つが、事業の中心は美容に限られ、顧客の人生の変化に応じた需要を取り込めていなかった。
支援した打ち手
美容から写真へ、という「サービスの距離」ではなく、「同じ顧客の次の需要」という顧客ライフサイクルの視点で新事業を設計した。
目指す方向
美容と撮影が互いに顧客を送り合う関係と、美容スタッフの技術を撮影に生かす構想を整理した。

同じような課題を検討している方へ

同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。