支援事例物流・運送 / 積載量の制約を設備で解く
軽貨物トレーラーの導入で積載量不足を解消し、輸送効率と受注対応力を改善
食品や印刷物などの軽貨物運送を手がけ、迅速な対応や丁寧な配送で継続取引を得てきた事業者が、軽貨物車両の積載量が350kgに限られるため、積載量を超える配送の依頼に対応しにくいという課題を、軽貨物トレーラーの導入によって、適法な範囲で一運行あたりの輸送能力を広げる取り組みとして整理した事例です。輸送事業の生産性は車両の台数だけでは決まらず、1便あたりの輸送量と運転にかかる時間が重要であり、すでに失注している需要が存在していた点が読みどころです。

- 課題車両の積載量が350kgで、それを超える配送は2台や2往復になって人・車両・時間を余分に使うか、受注を断っていた。
- 支援した打ち手軽貨物トレーラーの導入により、適法な範囲で一運行あたりの輸送能力を拡大する取り組みとして整理した。
- 目指す状態効果指標(積載量・件数・運行回数・燃料費・時間・失注件数)の設計を示す。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01PROBLEM
直面していた課題と、その本当の原因
軽貨物の車両の積載量は350kgです。この量を超える配送の依頼には、対応しにくい状況がありました。
従来は、1件の依頼が積載量を超えると、2台で配送するか、2往復するかして、車両、人員、時間を余分に使っていました。あるいは、積載量が足りないために、受注を断っていました。真因は、仕事の大きさが車両の積載量に縛られていて、1回の運行で運べる量を増やす手段がないことです。
- 1見えていた課題積載量を超える依頼に対応しにくい。
- 2一段奥の原因2台・2往復で余分な資源を使う、または断る。
- 3真因1便あたりの輸送量を増やす手段がない。
02PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1積載量を超える依頼350kgの制約。
- 22台・2往復の非効率余分な資源の使用。
- 3受注を断る失注。
03STRATEGY
選んだ打ち手と、その理由
軽貨物トレーラーを導入し、適法な範囲で、一運行あたりの輸送能力を広げます。
経営判断の本質は、輸送事業の生産性が、車両の台数だけでは決まらない、という点です。1便あたりの輸送量と、配送のために必要な運転の時間が重要です。さらに、すでに失注している需要が存在していたことが挙げられます。需要がなければ、輸送能力を増やしても売上は増えません。
積載量を超える配送依頼
従来(2台・2往復)
- 2台で配送/2往復
- 車両・人員・時間を余分に使用
従来(断る場合)
- 受注を断る
- 売上の機会を失う
導入後(目標)
- トレーラーで運ぶ(適法な範囲)
- 運行回数を減らす
04ALT
なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較
車両を増やす選択は、確実で分かりやすい一方、人員と固定費が増え、2台で運ぶ非効率は変わりません。
大きな案件を提携先に回す選択は、設備の投資は避けられますが、利益が小さくなり、顧客との関係が薄れるおそれがあります。トレーラーの導入は、1便あたりの量を増やせますが、適法性と運用の責任が加わります。
05STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
トレーラーの導入は、複数の立場に関わります。
- 1荷主大きな荷物も一度に頼めることを期待する。
- 2ドライバー牽引の運転に伴う技能と安全の負担が増える。
- 3経営者設備の費用と、失注の回復の見込みを併せて判断する。
- 4監督官庁・保険会社適法性と安全の条件を確認する。
06ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1失注の記録断った件数と内容を記録します。
- 2適法性の確認牽引・積載・登録・免許・基準を確かめます。
- 3試行対象の案件を絞って運用します。
- 4指標の評価運行回数・燃料費・失注件数を見ます。
07NOTE
補足|自社で試すときの順序
最初に、直近1年の依頼のうち、積載量350kgを超えたものを数えます。2台や2往復で対応した件数と、断った件数に分けて、それぞれ余分にかかった時間と費用、逃した売上の見込みを書き出します。
次に、トレーラーの導入で適法に運べる範囲を専門的に確認し、その範囲に入る依頼だけを対象にして、運行回数の削減と受注の回復を見積もります。
08NOTE
補足|輸送の能力を見るときの考え方
輸送の能力は、車両の台数だけでなく、1便で運べる量と、運転に必要な時間で決まります。1台の能力を上げる施策と、台数を増やす施策は、人員、固定費、運用の面で性質が違うため、同じ表で比べて判断します。
また、能力を増やすことが売上につながるのは、すでに失注している需要がある場合です。断った件数と内容の記録が、投資の根拠になります。
09DIAGNOSTIC QUESTIONS
自社に当てはめるときの問い
輸送能力の制約を設備で解く前に確認する問いです。
- 1断った依頼は、年に何件、どんな内容か失注の大きさを記録する。
- 22台・2往復になった案件は、どれくらいあるか余分な運行の費用を測る。
- 3設備の導入は、適法な範囲に収まるか専門的な確認を前提にする。
- 4導入後の指標を、決めているか積載量・運行回数・燃料費・失注件数。
10POINT
読み方のポイント|台数ではなく、1便あたりの量を見る
輸送の能力を台数で考えると、車両と人員を増やす発想になります。1便あたりの量に目を向けると、同じ人員で運べる量を増やす別の選択肢が見えてきます。
ただし、能力を増やす前に、実際に失注している需要があるかを、数字で確かめることが先です。
11QA
よくある疑問に、事例の条件から答える
この事例を読んだ経営者から出やすい疑問に、事例に書かれた条件の範囲で答えます。
- 1トレーラーがあれば、350kgを超える荷物も運べますか。無条件には運べません。牽引・積載重量・登録・免許・保安基準の確認が必要です。
- 2台数を増やすのとどう違いますか。台数を増やすと人員と固定費も増えます。1便あたりの量を増やす選択は、同じ人員で運べる量を増やす考え方です。
12LEARNINGS
他社が学べること
輸送や生産の能力は、台数や人数だけでなく、1回あたりに処理できる量で決まる場合があります。失注している需要の大きさを記録することが、設備投資の根拠になります。
設備が法令の範囲で使えるかの確認が前提です。効果の数値は、導入後の実測で確かめます。
13SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 課題は、積載量350kgを超える配送への対応で、2台・2往復の手間か、失注が生じること。
- 打ち手は、適法な範囲でのトレーラー導入による、一運行あたりの輸送能力の拡大。
- 350kgを超える荷物を、トレーラーがあれば無条件で運べるとは書かない。
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関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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動物病院の血液検査工程を見直し、診療全体の対応能力を改善
検査工程の負荷を軽くし、診療全体の対応能力を高める計画。
- 当初の課題
- 血球計数器の測定結果で再測定や確認が必要になる場面があり、検査工程に時間を要していた。
- 支援した打ち手
- 血液検査機器の更新により、検査工程の効率化、再測定の負担軽減、検査時間の短縮を取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 検査工程の負荷を軽くし、診療全体の対応能力を高める計画。
車両仕上げ作業を止めていた空気圧供給の制約を解消し、対応台数を増やす
作業時間の短縮・処理能力・生産性など異なる意味の数値が混在することを整理し、定義を揃えて評価する計画として描いた。
- 当初の課題
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- 支援した打ち手
- 業務用コンプレッサーを導入し、連続稼働と複数の作業者への空気供給を可能にして、対応台数と紹介営業の効果を高める取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 作業時間の短縮・処理能力・生産性など異なる意味の数値が混在することを整理し、定義を揃えて評価する計画として描いた。
保存と洗浄のボトルネックを解消し、キクラゲの販売可能量を拡大
保存可能日数の延長→廃棄の減少→販売可能量の増加→売上機会の拡大という流れと、既存取引先・イベント・EC・地域販売への販路を整理した。
- 当初の課題
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- 支援した打ち手
- 見るべき数字を「製造量」ではなく「販売可能量」に置き換え、保存と洗浄という二つの制約を設備で解消する投資として整理した。
- 目指す方向
- 保存可能日数の延長→廃棄の減少→販売可能量の増加→売上機会の拡大という流れと、既存取引先・イベント・EC・地域販売への販路を整理した。
同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

