支援事例医療 / 受付から診療報酬請求までの情報の統合
紙カルテと分散した検査情報を統合し、受付から診療報酬請求までの業務をDX
複数の診療科目を提供する地域の整形外科医院が、受付での紙カルテの検索と準備、診察での検査情報とカルテの別管理、投薬と会計でのデータの転記、請求でのレセプト情報の処理という一連の業務に非効率があり、特にレントゲン撮影のデータとカルテが連動せず、USBメモリーなどでデータを受け渡す工程があるため、二重管理、転記、情報の検索、情報セキュリティが課題になっていたという状況から、クラウド型の電子カルテとレントゲン画像の管理システムを導入して、受付から診療報酬の請求までの流れを統合する取り組みを整理した事例です。医療DXの価値は、紙をなくすことではなく、診療の情報が分断されず、必要な人が必要なときに参照できることにある、という点が読みどころです。

- 課題紙カルテ、検査情報とカルテの別管理、データの転記、レセプトの処理に非効率があり、USBメモリーでの受け渡しなど情報セキュリティの課題もあった。
- 支援した打ち手クラウド型の電子カルテとレントゲン画像管理システムを導入し、受付から診療報酬請求までの一連の流れを統合する取り組みとして整理した。
- 目指す状態診療情報の分断をなくし、受付から請求までの流れを整える計画。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01BEFORE
この企業の事業と、強み
この医院は、地域の整形外科として、複数の診療科目を提供しています。高齢の患者も多く、過去の診療の履歴、投薬、検査の情報の管理を重視しています。
02PROBLEM
直面していた課題と、その本当の原因
受付では紙カルテの検索と準備、診察では検査情報とカルテの別管理、投薬と会計ではデータの転記、請求ではレセプト情報の処理に、非効率がありました。
特に、レントゲン撮影のデータとカルテが連動していません。データの受け渡しにUSBメモリーなどを使う工程があり、二重管理、転記、情報の検索、情報セキュリティが課題でした。真因は、診療情報が複数の場所に分かれていて、人が橋渡しをしていることです。
- 1見えていた課題受付〜請求の各段階の非効率。
- 2一段奥の原因検査情報とカルテが別管理。USB等での受け渡し。
- 3真因診療情報が分断され、人の橋渡しに依存している。
03PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1紙カルテ・別管理情報の分断。
- 2転記・USB受け渡し二重管理とリスク。
- 3請求の処理レセプトの負担。
04STRATEGY
選んだ打ち手と、その理由
クラウド型の電子カルテと、レントゲン画像の管理システムなどを導入し、受付、診察、検査、投薬と会計、診療報酬の請求という一連の流れを改善します。
医療DXの価値は、紙をなくすことではありません。診療の情報が分断されず、必要な人が必要なときに参照できることで、診療の業務を支えることにあります。
- 1受付カルテの準備
- 2診察検査情報の参照
- 3検査画像の管理
- 4投薬・会計転記の削減
- 5診療報酬請求レセプト処理
05ALT
なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較
紙のカルテのまま、手順を工夫する選択は、費用は小さいものの、情報の分断は残ります。
電子化の一部だけを導入する選択は、段階的に進められますが、連携が不十分になるおそれがあります。受付から請求までを統合する選択は、効果が大きい一方、移行と安全管理の責任が重くなります。
06ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1現状の整理分断の場所を洗い出します。
- 2安全管理の設計権限と保護を確認します。
- 3段階的な導入移行を進めます。
- 4評価時間とエラーを測ります。
07NOTE
補足|自社で試すときの順序
最初に、受付、診察、検査、投薬と会計、請求の各段階で、情報がどこに保管され、誰が転記しているかを書き出します。次に、人が橋渡しをしている工程と、USBメモリーなどで受け渡している工程を特定します。
導入は、一部の機能から段階的に進めます。移行の期間は、旧来の方法と並行し、情報の欠落が起きないよう確認します。評価の指標は、受付の所要時間、カルテの検索時間、転記の時間、請求の処理時間、患者の待ち時間、連携のエラーです。
08NOTE
補足|医療の質に関する表現
業務の効率化は、診療の質の向上と同じではありません。電子化によって時間が減っても、その時間が診療の質にどう使われるかは、別に確かめる必要があります。
本事例では、情報が分断されない状態を目指す業務の改善として整理しています。
09NOTE
補足|労働時間の削減目標を読む
小さく見えますが、毎日の業務で積み上がる効果です。削減された時間が、患者への説明や診察の質に使われるのか、対応できる患者の数の増加に使われるのかは、医院の方針で決まります。
数字の効果は計画であり、医療の質の向上や治療の効果を意味しません。
10NOTE
補足|USBメモリーでの受け渡しが示す課題
レントゲンのデータをUSBメモリーなどで受け渡す工程は、二重管理や転記、検索の手間に加えて、紛失や情報の漏えいのリスクもはらみます。統合された画像管理は、効率だけでなく、情報の安全の面でも意味を持ちます。
ただし、クラウド型のシステムに移すと、新たな安全管理(通信、アクセス権限、委託先の管理)が必要になります。移行の前に、安全の条件を確認します。
11NOTE
補足|高齢の患者への配慮
高齢の患者が多い医院では、受付や会計の方法が変わると、戸惑う人が出ることがあります。電子化しても、待ち時間や説明の分かりやすさが損なわれないよう、職員の対応の手順を整えておくことが大切です。
12NOTE
補足|判断を記録に残す
導入の前に測った業務時間と、導入後に測った業務時間を、同じ条件で記録します。比べる基準がないと、時間の削減が実際にあったのかを確かめられません。
13DIAGNOSTIC QUESTIONS
自社に当てはめるときの問い
診療情報の統合を考えるときの問いです。
- 1情報が分断されている場所はどこか受付〜請求を点検する。
- 2人が橋渡しをしている工程はどこか転記・USB。
- 3アクセス権限と安全管理は設計できるか専門的な確認。
- 4移行期の二重運用をどう乗り切るか段階的な導入。
- 5評価の指標は何か待ち時間・エラーなど。
14POINT
読み方のポイント|電子化の目的は、参照できること
紙を電子にすること自体が目的ではありません。必要な人が必要なときに、分断されていない情報を参照できることが価値です。
機微な情報を扱う領域では、効率化と同じ重さで、安全管理を計画に含めます。
15LEARNINGS
他社が学べること
情報が分断されている業務では、人が橋渡しをする時間とリスクが生じます。診療情報を一連で参照できるようにすると、業務の効率と安全の両面を改善できる可能性があります。
機微な情報の安全管理は、計画の前提です。効果は目標値として扱います。
16SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 課題は、紙カルテ・検査情報の別管理・転記・レセプト処理の非効率と、USB受け渡しなどのセキュリティ。
- 打ち手は、クラウド型電子カルテとレントゲン画像管理システムによる一連の流れの統合。
- 医療の質や治療効果は断定しない。
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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

