支援事例動物医療 / 超音波画像のデジタル化と診察の流れ

超音波画像のデジタル化で診察から経過観察までの業務を見直す動物病院のDX

犬や猫を診療し、CT、手術設備、血液検査設備、超音波画像診断装置などを備え、既存の超音波画像診断装置が古く、画像の見やすさと保存の方法に課題があり、超音波検査だけでは判断が難しい場合に追加のCT検査や採取検査、外部への検査依頼が必要になり、過去の画像も紙で保管して、再来院のときに紙資料を取り出して見比べていたという状況から、汎用の超音波画像診断装置を導入して、画像のデジタル保存、過去画像の参照と比較、経過観察への活用で診察のプロセスを見直す取り組みを整理した事例です。医療や獣医療のデジタル化は、機器単体ではなく、診察から経過観察までの情報の流れとして分析する、という点が読みどころです。

業種
動物医療
支援テーマ
画像の保存・比較を、診察から経過観察までの流れで見直す
区分
公的支援制度・設備投資
公的支援制度
公的支援制度を活用
動物医療のイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01BEFORE

この企業の事業と、強み

この動物病院は、犬や猫などを診療しています。CT、手術設備、血液検査設備、超音波画像診断装置、その他の診療機器を備え、整形外科分野などの専門性と、継続的な設備投資が強みです。

02PROBLEM

直面していた課題と、その本当の原因

既存の超音波画像診断装置は古く、画像の見やすさと保存の方法に課題がありました。

業務上の課題は二つです。一つは追加検査で、超音波検査から十分に判断できない場合に、追加のCT検査、採取検査、外部への検査依頼が必要になり、検査の時間、飼い主の負担、動物の身体への負担、診療の業務量が増えることがありました。もう一つは経過観察で、超音波の画像を紙で保管していたため、再来院のときに過去の画像と比べるには、紙の資料を取り出して目で見て確認する必要がありました。

  • 1見えていた課題画像の見やすさ・保存。追加検査。紙画像の比較。
  • 2一段奥の原因画像情報が検査・保存・比較・再診の流れとして扱われていない。
  • 3真因診療の流れの中で、画像の保存と比較が制約になっている。

03PROBLEM TREE

課題を掘り下げる

目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。

  • 1装置が古い画像の見やすさ・保存。
  • 2追加検査の負担時間・飼い主・動物の負担。
  • 3紙画像の比較再来院時の手間。

04STRATEGY

選んだ打ち手と、その理由

汎用の超音波画像診断装置を導入します。計画する改善は、超音波画像のデジタル保存、過去画像の参照、保存画像の比較、検査時の画像調整、経過観察での情報の活用、診察のプロセスの改善です。

変更前は、受付、紙資料の準備、診察、超音波検査、必要に応じた追加検査、診断と治療、紙画像を使った経過観察でした。計画後は、デジタル画像の参照、超音波検査、画像の保存と比較、必要に応じた追加検査、診断と治療、画像データを使った経過観察になります。

図解|超音波画像診断の業務の流れ(目標)

診察から経過観察

変更前

  1. 受付
  2. 紙資料の準備
  3. 超音波検査
  4. 必要に応じ追加検査
  5. 紙画像で経過観察

計画後

  1. 受付
  2. デジタル画像を参照
  3. 超音波検査
  4. 画像の保存・比較
  5. 獣医師が判断
  6. 画像データで経過観察

最終的な診断と追加検査の要否は獣医師が判断する。

05ALT

なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較

既存の装置を使い続け、紙の運用を整える選択は、投資を避けられますが、画像の質と比較の課題が残ります。

外部の施設に検査を依頼する選択は、設備の投資が不要ですが、時間と飼い主の負担が増えます。装置の更新とデジタル保存は、診察の流れを改善できる可能性がありますが、診断能力の確認が前提です。

06ACTION STEPS

実行に向けた段階(目標)

事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。

  • 1現状の測定追加検査と比較の手間を記録します。
  • 2導入と画像の保存デジタル保存を始めます。
  • 3比較の活用経過観察に使います。
  • 4評価移行率や時間を見ます。

07NOTE

補足|自社で試すときの順序

最初に、超音波検査から追加の検査に進んだ症例と、その理由を数か月分記録します。次に、過去の画像を比べるのにかかっている時間を測ります。

導入後は、同じ項目を記録し直して、追加検査への移行率、再検査の件数、過去画像の検索と比較の時間を比べます。

08NOTE

補足|飼い主への説明

追加の検査が必要かどうかを、飼い主に説明するときは、画像を見せながら説明できることが、納得の助けになる可能性があります。ただし、診断の根拠として、画像だけに頼らず、獣医師が総合的に判断することを伝えます。

09DIAGNOSTIC QUESTIONS

自社に当てはめるときの問い

診察のデジタル化を考えるときの問いです。

  • 1追加検査に進む理由は何か画像の質か、目的の違いか。
  • 2過去画像の比較に何分かかるか手間を測る。
  • 3保存した画像を、どこまで他の情報と連携できるか電子カルテとの関係。
  • 4獣医師の判断の位置づけは最終判断は人。
  • 5データの取扱いは適切か個人情報・動物の医療データ。

10POINT

読み方のポイント|機器の性能ではなく、情報の流れ

画像診断の価値は、画像が鮮明であることだけでなく、保存され、過去と比べられ、経過観察に使えることにあります。機器単体ではなく、診察から経過観察までの情報の流れとして評価します。

同時に、獣医療の判断は獣医師が行うことを明記し、効果は可能性として表現します。

11QA

よくある疑問に、事例の条件から答える

この事例を読んだ経営者から出やすい疑問に、事例に書かれた条件の範囲で答えます。

  • 1追加検査は不要になりますか。不要になるとは限りません。症例によって必要性を減らせる可能性があり、最終判断は獣医師が行います。
  • 2画像を保存すれば、電子カルテとも連携しますか。しません。保存と連携は別で、連携の方法は確認が必要です。

12LEARNINGS

他社が学べること

画像情報の保存と比較は、検査と経過観察の効率に関わります。診察から経過観察までの流れとして、デジタル化を分析します。

獣医師が最終判断する前提で、可能性として表現します。

13SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 課題は、古い装置の画像と保存の課題、追加検査の負担、紙画像での経過観察の手間。
  • 打ち手は、汎用超音波画像診断装置の導入による、画像のデジタル保存・比較・経過観察への活用。
  • 「追加検査が不要になる」とは書かない。画像の保存と電子カルテ全体の連携は同じではない。獣医師が最終判断する。

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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

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同じような課題を検討している方へ

同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。