支援事例エネルギー・サービス / 事業転換・地域の信用と顧客基盤の転用
地域密着の顧客基盤を生かし、eスポーツ事業へ転換
LPガス・ガス機器の地域密着型販売を営む企業が、エネルギー構造の変化という中長期のリスクに向き合い、社内に存在していた別の専門性(eスポーツ)と、長年築いた地域の信用・顧客基盤・ネットワークを結びつけて、地域に根ざしたeスポーツ施設を整理した、支援事例です。

- 課題既存の市場には、エネルギー構造の変化、他のエネルギーへの代替、価格競争といった中長期のリスクがあった。
- 支援した打ち手「ガスとeスポーツのシナジー」という無理な説明をせず、転用するものを商品ではなく、地域の信用・顧客基盤・ネットワークと、社内の別の専門性だと整理した。
- 目指す状態中高生・若年層・若い社会人が集まる、新しい地域サービスの拠点を整理した。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01STRENGTHS
既存事業の資産
- 1長年の地域顧客世代を超えた関係があり、地域の暮らしに根ざしています。
- 2地域での信頼安全に関わる事業を続けてきたことによる、信用があります。
- 3行政・地域活動等との接点地域の団体や活動との関わりがあります。
- 4安定した地域ネットワーク紹介や口コミが広がりやすい、地域内のつながりがあります。
02PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1表面|既存の市場が成熟しているエネルギーの構造変化と代替が進みます。
- 2原因|収益の柱が一つの領域に集まっている市場の変化に、事業の方向が左右されます。
- 3さらに奥|社内の別の専門性が使われていないeスポーツの知識・経験が、事業に結びついていません。
- 4経営上の制約地域の信用という資産が、一つの商品でしか使われていません。
03BUSINESS BEFORE
支援前の事業
この企業は、LPガスとガス機器を、地域の家庭や事業所へ届ける事業を営んでいます。長年にわたって地域で事業を続け、顧客の暮らしを支えてきました。
04INVENTORY
社内の別の専門性を棚卸しする
事業計画を考える過程で、企業は、社内にある別の専門性に注目しました。eスポーツに関する知識と経験です。この分野の経験が社内に存在し、地域のイベントなどを通じて、手応えも得られていました。
会社の資産を、「商品」や「設備」だけで見ていると、このような専門性は、事業計画の材料になりません。しかし、人の持つ知識や経験も、立派な経営資源です。それを棚卸しして、事業の視点から評価したことが、この計画の出発点です。
- 1既存事業の市場が成熟
- 2新しい成長領域を検討
- 3社内の別の専門性を棚卸し
- 4地域ネットワークと結合
- 5新しい地域サービス
資産を「商品・設備」だけで見ない。
05HONEST
「ガスとeスポーツのシナジー」とは言わない
この事例では、ガスとeスポーツの間に、事業上のシナジーがあるとは説明しません。商品としても、顧客層としても、直接のつながりはありません。
それでも、新事業は成り立ちうると整理されています。転用するのは、商品ではなく、次のものです。
06TRANSFER
転用する資産
- 1地域の信用長年の事業で築かれた信用は、新しい事業を受け入れてもらう土台になります。
- 2地域の顧客基盤地域の家庭とのつながりは、保護者への信頼を伝える経路になりえます。
- 3地域のネットワーク行政・団体・活動とのつながりが、施設の運営や認知を支えます。
- 4新領域の専門知識eスポーツの知識と経験が、運営の中身を決めます。
地域に根ざした企業の資産
転用する
- 地域の信用
- 地域顧客のつながり
- 地域のネットワーク
社内で活かす
- eスポーツの知識・経験
- 地域イベントでの手応え
転用しない
- ガスの商品・設備
- ガスの顧客リスト(そのまま)
07NEW BUSINESS
新事業|eスポーツ施設
新事業は、eスポーツの施設です。対象は、中高生、若年層、若い社会人です。仲間と集まり、競い合い、練習できる場所を提供します。
地域にとっては、若い世代が集まる場ができることで、地域の活性化につながる可能性があります。保護者にとっては、地域で信頼されている企業が運営する施設であることが、安心の材料になりえます。
08ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1専門性と資源の棚卸しeスポーツの知識・経験と、地域の資産を整理します。
- 2施設の設計利用者像、設備、運営のルール、安全への配慮を決めます。
- 3地域との連携行政・団体・学校などとの連携の方法を確認します。
- 4運営と検証利用者数・頻度を記録し、運営を改善します。
09TAKEAWAY
この事例から分かること
以下は、この事例から一般的に考えられる経営上のポイントです。実際に行った支援内容とは区別しています。
- 1会社の資産は、商品や設備だけではない信用・顧客基盤・ネットワーク・人の知識も、経営資源です。
- 2シナジーを無理に説明しない転用するものと、しないものを、正直に分けます。
- 3成熟市場からの転換は、棚卸しから始める社内にある別の専門性を、事業の視点で評価します。
- 4地域の信用は、新事業の最初の入口になる長年の信頼が、新しいサービスの受け入れを助けます。
10SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 課題は、既存市場が成熟・縮小に向かう中長期のリスクだと整理した。
- 転用する資産は商品ではなく、地域の信用・顧客基盤・ネットワークだと明確にした。
- 社内にあった別の専門性を棚卸しし、地域ネットワークと結合した。
- 「会社の資産は、商品や設備だけではない」ことを示した。
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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

