支援事例不動産 / 物件別の収支管理と電子受発注
物件別の収支管理と電子受発注を統合し、経営状況の把握と意思決定を迅速化
不動産の取引業として、物件の管理、販売、施工に関する業務などを行う企業が、Excel、紙の帳票、手作業の承認、請求書、発注書に業務が分散し、上長の承認に平均で2〜3日かかり、紙の書類の作成・郵送・保管も発生していたという課題を、電子での受発注の機能を統合して解こうとした取り組みを整理した事例です。このDXの本質は、紙を電子化することではなく、物件ごとに、いくらで仕入れ、いくら費用がかかり、いくらで販売し、どれだけ利益が残るかを把握できるようにすることにある、という点が読みどころです。

- 課題Excel・紙の帳票・手作業の承認に業務が分散し、承認に平均2〜3日、紙の書類の作成・郵送・保管も発生していた。
- 支援した打ち手紙とExcelのまま、手順を改善する選択は、費用が小さい一方、情報の分散と承認の遅れは残ります。
- 目指す状態承認を2〜3日から当日内へ、という期待する効果。二重入力・帳票作成の工数削減は仮説であり、実績ではない。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01BEFORE
この企業の事業と、強み
この企業は、不動産の取引業として、物件の管理、販売、施工に関連する業務などを行っています。
物件ごとに、仕入れ、工事、販売の流れがあり、それぞれに費用と書類が発生します。書類の作成、確認、承認、保管が、Excel、紙の帳票、手作業の承認、請求書、発注書といった形で、分散していました。
02SCOPE
投資の範囲|既存のシステムと、追加する部分を区別する
今回の計画で新たに追加する投資の対象は、第2段階の電子受発注の機能です。この2つを混同すると、投資の効果を、実際より大きく、あるいは小さく見積もってしまいます。
また、設備の税制上の区分や、特例が適用できるかどうかは、本事例では推測しません。制度の適用は、現在の公式な情報で、別途確認する必要があります。
- 1追加(今回の計画)電子受発注・承認フロー。
- 2書かないこと税制上の区分・特例の適用の可否。
03PROBLEM
直面していた課題と、その本当の原因
現状の問題として、上長の承認に平均で2〜3日かかっています。また、紙の書類の作成、郵送、保管が発生しています。
真因は、発注書、請求書、Excelなどに分散していて、物件ごとの利益が、すぐには見えないことです。承認が遅れると、発注や支払いも遅れ、判断が後手に回ります。
- 1見えていた課題承認に平均2〜3日。紙の書類の作成・郵送・保管。
- 2一段奥の原因発注書・請求書・Excelに情報が分散している。
- 3真因物件別の利益が、その場で把握できない。
04PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1承認に2〜3日かかる手作業の承認。
- 2情報が分散Excel・紙・請求書・発注書。
05ALT
なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較
紙とExcelのまま、手順を改善する選択は、費用が小さい一方、情報の分散と承認の遅れは残ります。
電子受発注を加える選択は、承認の迅速化と二重入力の削減が見込めますが、取引先の協力と運用の定着が条件です。
06ESSENCE
このDXの本質|紙の電子化ではない
このDXの本質は、紙を電子化することではありません。物件ごとに、いくらで仕入れ、いくら費用がかかり、いくらで販売し、どれだけ利益が残るかを把握できるようにすることです。
電子受発注によって、費用が発生した時点で、その物件に紐づいて記録されれば、物件別の利益を、取引が終わる前から見通せるようになります。
- 1把握したいこと仕入れ・費用・販売価格・残る利益。
- 2電子化の役割費用が発生した時点で、物件に紐づけて記録する。
07STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
電子受発注は、複数の立場に関わります。
- 1上長・承認者承認が当日内に進む一方、確認の責任も明確になる。
- 2経理・事務の担当二重入力と帳票作成が減り、確認の業務が増える。
- 3施工・取引先紙から電子へ、発注や請求の方法が変わる。
- 4経営者物件別の利益を、早い段階で見て判断できる。
08ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1流れの整理承認の権限と手順を整理します。
- 2一部での試行協力的な取引先で試します。
- 3物件への紐づけ費用の記録の方法を徹底します。
- 4全体への展開定着を確認して広げます。
09NOTE
補足|導入後に最初に確認すること
導入後は、まず承認にかかる日数が当日内に収まっているか、費用が発生した時点で物件に紐づけて記録されているかを確認します。この2点が守られていれば、物件別の利益を取引の途中から見通せるという、このDXの狙いが実現していると言えます。
10NOTE
補足|自社で試すときの順序
次に、承認にかかる日数を数件分測り、最後に、どの書類が紙で残っているかを確認します。この3点が分かれば、どこから電子化するかの優先順位がつきます。
11DIAGNOSTIC QUESTIONS
自社に当てはめるときの問い
受発注の電子化を考えるときの問いです。
- 1物件ごとの利益を、いつ、どの精度で把握したいか目的から逆算して設計する。
- 2承認が遅れると、どんな損失が出るか遅れの影響を具体的に書く。
- 3取引先に、電子の方法を受け入れてもらえるか移行の負担を確かめる。
- 4既存のシステムと、追加する部分は何か投資の範囲を分ける。
- 5承認の権限と流れは、整理されているか電子化の前に流れを決める。
12POINT
読み方のポイント|順序が価値を決める
電子化は、順序によって価値が変わります。その上に受発注を乗せることで、日々の業務が、そのまま利益の把握につながります。
また、効果は目標の想定として扱い、承認の日数や工数は、導入後に実際の数字で確かめる必要があります。
13HOW TO USE
自社の計画に使うときの読み方|業務の電子化
この事例を、自社の検討に使うときは、業種の違いに引きずられず、構造を取り出して当てはめると役に立ちます。次の問いに、自社の場合を書き込んでみてください。
- 1電子化の前に、何を見えるようにしたいか目的から逆算して設計する。
- 2データは、何に紐づけて記録するか物件や案件の単位を決める。
- 3承認の遅れは、何の損失を生むか具体的な影響を書く。
- 4取引先の協力は得られるか移行の負担を確かめる。
- 5効果は、導入後の実数で確かめるか承認の日数などを記録する。
14LEARNINGS
他社が学べること
業務の電子化は、まず何を見えるようにしたいのかを決め、その目的に沿った順序で進めると、効果が出やすくなります。物件別の利益の可視化を軸にすると、受発注の電子化が、意思決定の速さに直結します。
既存の仕組みと追加する投資の範囲を区別し、効果の数字は目標の想定として扱うことが前提です。
15SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 課題は、Excel・紙・手作業の承認に業務が分散し、承認に2〜3日かかること。
- DXの本質は、紙の電子化ではなく、物件別の利益の可視化。既存のシステムと、今回追加する投資の範囲を区別して読む。
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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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補助金・経営支援顧問

