支援事例郷土料理店 / 来店体験の持ち帰り商品化

郷土料理店の来店体験を、持ち帰り・遠隔購入できる商品へ展開

地域の郷土料理を提供し、地域食材、調理技術、観光客との接点、飲食の体験、リピーターという強みを持つ飲食店が、売上が来店に依存していることと、「持ち帰りたい」「帰宅後も食べたい」という顧客の声に応える商品がないために来店後の購入機会を失っていた課題を、冷凍の郷土料理の商品化で解決する取り組みを整理した事例です。店舗でしか提供できなかった価値を、保存・配送できる商品へ転換する構造が読みどころです。

業種
飲食・食品
支援テーマ
店舗体験の商品化
区分
経営コンサルティング
飲食・食品のイメージ
イメージ画像です。実際の支援先を撮影したものではありません。

+OUR SUPPORT

この事例での、ProdX Crowdの支援

事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。

  • 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
  • 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
  • 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
  • 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。

01BEFORE

この企業の事業と、強み

この店は、地域の郷土料理を提供する飲食店です。強みは、地域の食材、調理の技術、観光客との接点、飲食の体験、そしてリピーターの顧客です。

地域の料理は、その土地で食べる体験と結びついています。観光客にとって、店で食べることは、旅の思い出の一部でもあります。

02PROBLEM

直面していた課題と、その本当の原因

売上が、店舗への来店に依存していました。顧客からは、「持ち帰りたい」「帰宅後も食べたい」という声があったにもかかわらず、それに応える商品がありませんでした。そのため、来店後に生まれた購入の気持ちが、機会として失われていました。

真因は、店で食べるという体験が、その場でしか売れない形になっていることです。来店した人の「また食べたい」という気持ちが最も高まるのは、食べた直後ですが、その瞬間に買える商品がありませんでした。

  • 1見えていた課題売上が来店に依存している。
  • 2一段奥の原因持ち帰りたい顧客に、応える商品がない。
  • 3真因店舗内の体験が、保存・配送できる商品になっていない。

03PROBLEM TREE

課題を掘り下げる

目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。

  • 1売上が来店に依存する店舗の外で売る商品がない。
  • 2購入の機会を逃す持ち帰りたいという声に応えられない。
  • 3顧客との関係が来店で途切れる帰宅後の接点がない。

04STRATEGY

選んだ打ち手と、その理由

構想は、冷凍の郷土料理の商品を開発することです。具体的には、馬刺しの盛り合わせなどが挙がっています。専門業者と連携して、商品の仕様、冷凍の方法、カットの形状、食味の確認、パッケージを設計します。

販路は、来店客、観光客、リピーター、贈答の需要、将来的な遠隔販売です。戦略の核心は、店舗の営業時間中にしか販売できなかった食の体験を、保存や配送ができる商品に転換することです。店で食べ、気に入って商品を買い、帰宅して再び食べ、また買う。店舗での体験と、商品の購入と、顧客との関係の継続が、一本の流れになります。

図解|店舗体験 → 商品化 → 再購入
  1. 1店舗での体験来店・飲食
  2. 2商品の購入持ち帰り・贈答
  3. 3帰宅して食べる体験の再現
  4. 4再購入遠隔でも購入
  5. 5顧客関係の継続リピーター

05ACTION STEPS

実行に向けた段階(目標)

事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。

  • 1要望の整理持ち帰りたいという声を記録します。
  • 2商品の設計専門業者と仕様・冷凍・パッケージを決めます。
  • 3専門確認衛生・表示を確認します。
  • 4店頭での販売購入率と再購入を確かめます。

06STAKEHOLDERS

関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか

商品化は、複数の立場に影響します。

  • 1来店客・観光客帰宅後も味わえるが、品質と安全への信頼が前提。
  • 2店舗のスタッフ店舗の営業に加えて、商品の製造・販売に関わる。
  • 3専門業者仕様・冷凍・パッケージの設計に関わり、品質に責任を持つ。

07NOTE

補足|店舗の価値を守りながら、商品を広げる

商品を店舗の外へ広げると、店舗の価値が薄まるのではないかという懸念が出ます。実際には、商品が店舗の味を知る入口になり、来店の動機を高める場合もあります。どちらに働くかは、商品の位置づけと、店舗での案内の仕方で変わります。

商品の購入者に、店舗への来店を促す工夫(店舗での限定の体験や、購入者への案内)を併せて考えると、商品と店舗が互いに価値を高める関係をつくれます。商品の写真や説明も、店舗の雰囲気と合わせて整えると、購入者が店舗の体験を思い出しやすくなり、再購入の動機づけになります。

08DIAGNOSTIC QUESTIONS

自社に当てはめるときの問い

店舗の体験を、商品にするときの問いです。

  • 1お客様は、何を持ち帰りたいと言っているか声を記録し、商品の候補にします。
  • 2店舗の味を、商品として再現できるか再現性と品質の確認が必要です。
  • 3購入の気持ちが高まる瞬間に、買える場所があるか店頭の販売の導線を考えます。
  • 4配送と保存の条件は、満たせるか温度と期間の管理を確認します。
  • 5一度買った人が、再び買う理由は何か再購入の仕組みを考えます。

09POINT

読み方のポイント|体験を、時間と場所から切り離す

店舗の体験は、その場、その時間にしか存在しません。商品化は、体験の一部を、時間と場所から切り離して、持ち運べる形にする作業です。

ただし、切り離すと、店舗にあった要素のいくつかが失われます。雰囲気、出来たてであること、店の人との会話。これらを完全に再現することはできません。何を持ち帰ってもらい、何を店舗に残すかを決めることが、商品設計の核心です。店舗の価値を損なわず、店舗への来店の動機も保つ設計が望ましいのです。

10LEARNINGS

他社が学べること

店舗で提供している体験のうち、保存・配送できるものは、商品になりうる。顧客の「持ち帰りたい」という声は、新しい収益の種です。

その際、店舗の価値を守りながら、商品の品質と衛生を保つこと。この二点を守ることが、商品化の前提です。

11SUMMARY

この支援で整理した主なポイント

  • 課題は、売上が来店に依存し、持ち帰りたいという声に応える商品がないこと。
  • 構想は、専門業者と連携して冷凍商品を設計し、来店客・観光客・贈答・遠隔販売へ展開する内容。
  • 冷凍で品質が保証されるとは断定しない。

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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。

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同じような課題を検討している方へ

同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。