支援事例防犯設備 / 完成品の仕入販売から独自製品・製造内製化へ
防犯カメラ販売から建設現場向けウェアラブル製品へ展開し、製造の主導権を強化
防犯・監視カメラの企画、販売、施工、保守を行い、建設業者などとの顧客ネットワークを持つ企業が、完成品に近いカメラの仕入販売では、差別化、販売価格、製品の仕様、納期、建設現場向けのウェアラブルカメラと管理システムを開発し(第1段階)、さらに主要な製造工程を内製化する(第2段階)取り組みを整理した事例です。価格競争から脱却するには、安く売るだけでなく、製品の設計と製造の能力を変える必要がある場合がある、という視点が読みどころです。

- 課題完成品に近いカメラの仕入販売では、価格競争で利益を確保しにくかった。
- 目指す状態ハードウェアの販売とソフトウェアの月額契約を組み合わせた収益と、計画として描いた。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01BEFORE
この企業の事業と、強み
この企業は、防犯カメラと監視カメラの企画、販売、施工、保守を行っています。建設業者などとの顧客のネットワークを持っています。
販売する製品の多くは、完成品に近い形で仕入れ、軽い加工とソフトウェアの組み込みを行って販売する形です。
02PROBLEM
直面していた課題と、その本当の原因
完成品に近いカメラを仕入れて販売する場合、商品の差別化、販売価格、製品の仕様、納期、自社が十分に決められません。市場の競争で販売価格が下がると、利益を確保しにくい状況になります。
真因は、価格や仕様を決める力が、製品を作る側にあり、自社は販売する側にいる、という立場にあります。販売の努力を重ねても、製品そのものが同じなら、他社と価格で比べられやすくなります。
- 1見えていた課題価格競争で、利益を確保しにくい。
- 2真因製品の設計と製造の主導権が、仕入れ先にある。
03PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1価格競争で利益が残らない完成品に近い製品で、差別化しにくい。
- 2仕様や納期を決められない製品の設計・製造を仕入れ先に握られている。
- 3顧客の要望に応えきれない独自の機能や仕様を実現できない。
04STAGE1
第1段階の計画|建設現場向けの製品の開発
第1段階は、建設現場向けのウェアラブルカメラと管理システムの開発です。ヘルメットに装着するカメラ、遠隔の映像、本部との情報の共有、作業の記録、技術の継承、現場の管理などへの活用を想定しています。
別の関連する計画として、携帯型のアルコール検知器、勤怠の管理、多言語への対応を組み合わせた業務管理のサービスも構想されています。重要なのは、二つの製品群を混同しないことです。ウェアラブルカメラの機能と、アルコール検知器の機能は別のものとして説明します。また、現場の映像を扱う監視の機能は、働く人のプライバシー、同意、データの管理が重要になります。
- 1ウェアラブルカメラ遠隔映像、情報共有、作業記録、技術継承、現場管理。
- 2アルコール検知器ほか携帯型検知、勤怠管理、多言語対応(別の製品群)。
- 3前提働く人のプライバシー、同意、データの管理。
05STAGE2
第2段階の計画|主要な製造工程の内製化
第2段階は、ウェアラブルカメラの主要な製造工程を自社で行うことです。従来は、完成品を仕入れ、軽い加工とソフトウェアの組み込みを行って販売していました。支援では、部品を調達し、自社の金型を活用して製造・加工し、組み立てとカスタマイズを行い、品質を確認して販売する流れになります。
狙う経営上の変化は、製品設計の自由度、小ロットへの対応、仕様の変更、納期の管理、品質の管理、そして価格を決める力です。製造を自社で持つことで、顧客が求める仕様に合わせやすくなります。
- 従来
- 完成品の仕入れ
- 軽微な加工
- ソフトウェアの組み込み
- 販売
- 計画
- 部品の調達
- 自社の金型で製造・加工
- 組み立て・カスタマイズ
- 品質の確認
- 販売
06STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
製品は、現場の複数の立場に影響します。
- 1現場の作業者映像や記録の対象になるため、プライバシーと同意が重要。
- 2建設会社の管理者現場の把握と技術継承に使うが、データの扱いに責任を持つ。
- 3運営企業製品の品質と、データの管理に責任を持つ。
07ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1顧客の要望の整理建設現場で求められる機能を聞き取ります。
- 2第1段階の開発ウェアラブルカメラと管理システムを開発します。
- 3品質・プライバシーの確認製品と運用の確認をします。
08DIAGNOSTIC QUESTIONS
自社に当てはめるときの問い
仕入販売から、独自の製品へ進むときの問いです。
- 1顧客は、どんな独自の機能を求めているか既存の製品で満たせない要望を聞きます。
- 2内製化する工程は、どこか全部ではなく、差別化に効く工程を選びます。
- 3品質と責任を負う体制はあるか品質管理と保守の体制を確認します。
09POINT
読み方のポイント|自作は、費用ではなく自由度の問題
製造を自社で行うかどうかは、安く作れるかだけで決める問題ではありません。仕様を変えられるか、小ロットに応えられるか、納期を自社で決められるか、品質を直接管理できるかといった、自由度の問題でもあります。
価格競争から離れるには、安く売る営業の努力だけでは足りない場合があります。顧客が求める独自の機能や仕様に応えるには、製品の設計と製造の能力を変える必要があります。自作の判断は、費用と自由度と責任を並べて、どの工程を自社に持つかを決める作業です。
10LEARNINGS
他社が学べること
仕入れて売る立場にいる限り、価格や仕様を決める力は、作る側にあります。差別化を強めるには、製品の企画、設計、製造のどの部分を自社に持つかを、費用だけでなく自由度の面から判断します。
ただし、作る立場には、品質の責任と先行投資が伴います。また、現場の映像を扱う製品では、働く人のプライバシーと同意を、設計の最初から組み込むことが前提です。
11SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 計画は二段階で、第1段階が建設現場向け製品の開発、第2段階が主要工程の内製化である。
- 監視機能は従業員のプライバシー・同意・データ管理を前提とし、第1段階が完了したとは推測しない。
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※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
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補助金・経営支援顧問

