支援事例人材派遣 / 人材はいるが取引先が足りない
派遣可能な人材を確保しながら取引先が不足する課題を、営業体制の再設計で解決へ
IT業界などへの人材派遣を行い、人材育成・教育関連のサービスも展開する企業が、派遣できる人材はいるのに派遣先の企業が足りず、人材を抱えたまま稼働しない状態が売上の機会損失になっていた課題を、テレマーケティング・紹介・Web・SNSを組み合わせ、営業を外部と自社で分業する体制で解決しようとする取り組みを整理した事例です。成長を止めている制約が、人材不足とは限らないことが読みどころです。

- 課題派遣可能な人材はいるが派遣先企業が不足し、人材保有から未稼働、売上の機会損失が生じていた。
- 支援した打ち手外部の営業会社に見込み顧客へのアプローチを任せ、自社はヒアリング・商談・契約に集中する営業体制として整理した。
- 目指す状態人材供給ではなく需要獲得を強め、営業を分業して稼働率を高める計画。
+OUR SUPPORT
この事例での、ProdX Crowdの支援
事業の構想と計画を、経営の判断としてたどれるように整理する支援を行いました。支援の範囲は構想・計画の整理までで、実施や成果を示すものではありません。
- 課題と真因の整理表面の問題と、その奥の原因を切り分けました。
- 強みの棚卸しと打ち手の検討すでにある経営資源を、どう使うかを複数の選択肢で比べました。
- 取り組みの具体化進める順序と、現場で何が変わるのかを、言葉と図で整理しました。
- 実行の条件の整理法令・安全・体制など、進める前に確かめることを洗い出しました。
01BEFORE
この企業の事業と、強み
この企業は、IT業界などへの人材派遣を行っています。人材の育成や教育に関するサービスも展開しており、派遣できる人材を自社で確保・育成する力があります。
派遣の事業は、人材という「供給」と、派遣先という「需要」が揃って初めて売上になります。この企業は、供給の側に強みを持っていました。
02PROBLEM
直面していた課題と、その本当の原因
表面の課題は、売上が伸びないことでした。しかし、その原因を探ると、人材を確保できないのではなく、派遣可能な人材はいるのに、派遣先の企業が不足していることが分かります。
人材を保有している、しかし稼働していない、そのため売上の機会が失われる、という流れです。真因は、供給の力と、需要を獲得する力のバランスが崩れていることです。人を増やしても、派遣先が増えなければ、待機する人が増えるだけです。
- 1表面的な課題売上が伸びない。
- 2原因の候補人材の不足か、派遣先の不足か。
- 3真因派遣可能な人材に対して、取引先が不足している。
03PROBLEM TREE
課題を掘り下げる
目に見える問題から、その原因、さらにその奥にある経営上の制約まで、順に掘り下げて整理しました。表面の症状に対処するだけでは、同じ問題が形を変えて戻ってくるためです。
- 1売上が伸びない派遣先が不足し、稼働が上がらない。
- 2人材を活かせない派遣可能な人材が待機している。
- 3需要の獲得が弱い営業の経路と体制が限られている。
04STRATEGY
選んだ打ち手と、その理由
戦略は、人材の供給の力ではなく、需要を獲得する力を強めることです。テレマーケティング、紹介の営業、Web、SNSを組み合わせます。営業は分業とし、外部の営業会社が、見込みの顧客へのアプローチとアポイントの獲得を担います。自社は、ヒアリング、商談、条件の調整、契約に集中します。
営業の全工程を自社で行うのではなく、得意な部分に集中します。最初の接触は件数が必要で、手間がかかります。商談と契約は、相手の事情を理解する必要があり、自社の人材の特徴を最もよく説明できるのは自社です。
派遣可能な人材がいる
同じ
不足している
複数のチャネルで獲得する
自社中心
外部:アプローチ/自社:商談・契約
未稼働が発生
稼働率を高める
05ALT
なぜこの打ち手か|他の選択肢との比較
人材の採用を増やす選択は、供給がすでに余っている状況では、待機の費用を増やすだけです。派遣単価を下げて取引先を増やす方法もありますが、利益を削る手段です。
営業の体制を強め、需要を獲得する選択は、人材の稼働率を上げることで、既に発生している費用を売上に変えます。その中で、営業の全工程を自社で抱えず、接触の工程を外に出す分業を選んだことは、限られた人員で成果を出すための合理的な判断です。ただし、外部に任せる範囲が広いほど、自社の人材の特徴を伝える品質の管理が重要になります。
06ACTION STEPS
実行に向けた段階(目標)
事業計画で整理された実行の順序を、段階として示します。時期や規模は、策定時点の想定です。
- 1現状の把握待機している人材の数と費用を数えます。
- 2営業体制の設計外部と自社の役割を決めます。
- 3チャネルの試行チャネルごとの結果を比べます。
- 4効果の確認獲得費用と稼働率を確認します。
07STAKEHOLDERS
関係者ごとに見る|誰にとって何が変わるか
営業の分業は、複数の立場に影響します。
- 1外部の営業会社接触とアポイントの獲得を担い、成果の質が自社の商談に影響する。
- 2自社の営業担当商談・条件調整・契約に集中し、人材の特徴を説明する。
- 3派遣する人材稼働の機会が増える一方、派遣先との相性が重要になる。
08DIAGNOSTIC QUESTIONS
自社に当てはめるときの問い
人材や設備に余力があるのに売上が伸びないときの問いです。
- 1稼働していない人材や設備は、どれだけあるか待機の量を、時間と費用で数えます。
- 2需要を獲得する経路は、いくつあるか一つの経路に依存していないか確認します。
- 3営業のうち、自社でしかできない部分はどこか外部に任せる範囲を決めます。
- 4一件の獲得にかかる費用は、いくらか獲得費用と、一件の利益を比べます。
- 5稼働率が上がったとき、費用はどう変わるか待機の費用が減るかを確認します。
09POINT
読み方のポイント|供給を増やす前に、需要を見る
成長が止まったとき、多くの企業は、人を増やす、設備を増やすなど、供給の側で解決しようとします。しかし、この事例のように、供給に余力がある場合、増やすべきは需要の側です。
需要を増やすには、営業の力が必要です。営業は、自社で行うことも、外部と分けて行うこともできます。重要なのは、制約がどこにあるかを正しく見極めることです。人材が足りないのか、取引先が足りないのか。原因を取り違えると、投資の方向が逆になります。
10LEARNINGS
他社が学べること
売上が伸びないときは、供給と需要のどちらに制約があるかを先に確かめます。人や設備に余力があるなら、営業への投資が先です。
営業を外部と自社で分けるときは、どこまでを外に任せるかを、獲得費用と品質の両面から決めます。数字は仮定として扱い、実際の結果で更新することが前提です。
11SUMMARY
この支援で整理した主なポイント
- 課題は、人材はいるのに派遣先が足りず、未稼働が売上の機会損失になっていること。
- 真因は、人材供給の力に対して、需要を獲得する力が追いついていないこと。
- 構想は、営業の分業とマルチチャネルによって、需要獲得に投資する内容である。
12RELATED SERVICES
関連するサービス
※掲載事例は、過去の支援内容(事業の構想・計画の整理)をもとに、企業・個人が特定されないよう情報を匿名化・再構成しています。
13RELATED CASES
関連する支援事例
EC中心の食品ブランドが、展示会とLPを組み合わせて法人販路を開拓
来訪から継続発注までを段階ごとに追跡する、法人販路の設計として描いた。
- 当初の課題
- EC中心の販売は広告・検索・顧客獲得の影響を受けやすく、新しい法人取引先や小売の販路の開拓が必要だった。
- 支援した打ち手
- 展示会を法人顧客との接点に、商品別のLPを商品理解と問い合わせの入口に使う取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 来訪から継続発注までを段階ごとに追跡する、法人販路の設計として描いた。
代理店が販売しやすい説明・教育体制を整え、紹介営業を仕組み化
稼働パートナー数、提案件数、商談化率、受注率、平均契約額の式で販売力を評価する計画として描いた。
- 当初の課題
- パートナーがサービスを理解できず説明できない。担当者が変わるたびに説明・教育をやり直す必要があった。
- 支援した打ち手
- サービス説明動画・営業資料・チラシ・提案資料を標準化し、パートナー教育と提案を仕組み化する取り組みとして整理した。
- 目指す方向
- 稼働パートナー数、提案件数、商談化率、受注率、平均契約額の式で販売力を評価する計画として描いた。
中古車事業の販促力を生かし、若年層向け飲食事業へ進出
若年層に向けた飲食店で、既存の販促力が顧客獲得に使えるかを検証する多角化の取り組みを整理した。
- 当初の課題
- 自動車という単一の領域に事業が集まっており、市場の変化に対する事業の幅が限られていた。
- 支援した打ち手
- 飲食を「中古車の派生事業」として無理に説明せず、販促・ネットワークの運用力という転用可能な資産に絞って事業を整理した。
- 目指す方向
- 若年層に向けた飲食店で、既存の販促力が顧客獲得に使えるかを検証する多角化の取り組みを整理した。
同じような課題を検討している方へ
同じ業種・同じ取り組みでなくても構いません。設備投資、新規事業、販路開拓、AI活用など、現在考えていることを伺い、まず何を整理すべきか一緒に考えます。
補助金・経営支援顧問

