エイジフレンドリー補助金の公募について
エイジフレンドリー補助金の公募について(砂川市)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。
エイジフレンドリー補助金は、60歳以上の従業員が働く職場の安全設備に、最大100万円を補助する厚生労働省の制度
砂川市のホームページが案内しているエイジフレンドリー補助金は、砂川市の独自制度ではありません。厚生労働省が、高年齢労働者の労働災害を防ぐ目的で実施している国の補助事業で、市のページは中小企業向けのお知らせとして、その公募を紹介しています。補助金の窓口は市役所ではなく、厚生労働省から事業を受託している一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会の「エイジフレンドリー補助金事務センター」です。申請先を取り違えやすい制度なので、この点を最初に押さえてください。
対象は、60歳以上の労働者を雇用している中小企業事業者です。階段の手すり、段差の解消、滑りにくい床、重い物を運ぶ機器、介護の移乗を助ける機器、そして夏の熱中症対策機器などを導入する費用の一部を、設備投資として補助します。個人の生活支援ではなく、職場の安全のための事業者向け補助金です。
厚生労働省のページ、事務センターのホームページ、令和8年度のリーフレット、Q&A、実施要領、交付規程を実際に読み、確認できた数字と条件だけで整理しました。まず全体像です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 厚生労働省(補助事業者は一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会) |
| 申請先 | エイジフレンドリー補助金事務センター(申請担当 03-6381-7507、支払担当 03-6809-4085) |
| 対象者 | 1年以上事業を実施していて、役員を除く労災保険適用の60歳以上の労働者が常時1名以上就労している中小企業事業者 |
| コース | 専門家総合対策コース(第1段階・第2段階)、熱中症対策コース、コラボヘルスコースの3コース |
| 補助率と上限 | 専門家総合対策と熱中症対策は1/2で上限100万円、コラボヘルスは3/4で上限30万円(いずれも消費税を除く)。専門家によるリスクアセスメントは4/5 |
| 申請受付期間 | 令和8年5月20日から11月20日まで(当日消印有効)。10月31日から延長された |
| 支払請求の期限 | 令和9年1月31日(当日消印有効) |
| 申請方法 | 郵送またはJグランツ(メールでの申請は不可) |
| 重要な注意 | 予算額に達したら受付期間の途中でも終了。交付決定の前の発注は対象外 |
砂川市のページに載っている締切と、現在の締切はなぜ違うのか
砂川市のページは、申請期間を「令和8年5月20日(水)から10月31日(土)」と書き、専門家によるリスクアセスメントの申請は令和8年8月31日までと案内しています。ところが、厚生労働省のページと事務センターのホームページを読むと、申請期間は11月20日(金)まで延長されたと書かれています。厚生労働省のページには、「令和8年10月31日(土)までとしていた申請期間を延長しました」とあり、リーフレットにも「10月31日(土)から申請受付期間を延長しました」とあります。交付規程は令和8年10月2日に改正され、第6条の申請期間が「令和8年5月20日から、令和8年11月20日(当日消印有効)まで」になっています。
整理すると、次の表のとおりです。
| 項目 | 砂川市のページの記載 | 厚生労働省・事務センターの記載 |
|---|---|---|
| 一般の申請期間の終わり | 令和8年10月31日 | 令和8年11月20日(延長後) |
| 専門家総合対策コース第1段階(専門家によるリスクアセスメント)の受付終了 | 令和8年8月31日 | 令和8年9月30日(すでに受付は終了) |
| 予算上限での終了 | 予算上限に達した場合は終了 | 同じ。予算額に達したら期間の途中でも終了 |
市のページは、公募開始時の案内をそのまま載せたものと見られます。最新の日付は、事務センターのホームページ(https://www.jashcon-age.or.jp/)と厚生労働省のページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09940.html)で確認するのが確実です。この記事を読んでいる時点が2026年10月中旬だとすると、11月20日までは約5週間です。ただし、予算額に達した時点で受付が終わるため、期間が残っていても申請できなくなる場合があります。
この補助金に向いている会社は、どんな会社か
エイジフレンドリー補助金は、業種を問わず、60歳以上の従業員が現場に出ている会社に向いています。製造、建設、運送、小売、介護、飲食、農林水産などが、リーフレットに書かれた業種例に出てきます。逆に、60歳以上の従業員がいない会社は、そもそも申請できません。
申請者に求められる基本条件を表にします。リーフレットと実施要領から確認した内容です。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 事業の継続年数 | 1年以上事業を実施している |
| 高年齢労働者 | 役員を除く、自社の労災保険適用の60歳以上の労働者が常時1名以上就労している |
| 中小企業の範囲 | 業種ごとの資本金または常時使用する労働者数の基準を満たす(次の表) |
| 労働保険 | 労働保険に加入している |
| 法令違反 | 過去1年以内に厚生労働省所管法令違反で行政処分を受けていない(使用停止等命令を受けたが是正して解除通知書を受理している場合は除く)。過去1年以内に厚生労働省所管法令違反で送検され、その事実を公表されていない |
| 補助金の取消し | 過去5年以内に、補助金等の決定の取消しなどを受けていない |
| 暴力団の排除 | 申請者や役員等が暴力団、暴力団員でなく、関与もしていない |
中小企業事業者の範囲は、業種ごとに「資本金または出資の総額」と「常時使用する労働者数」のいずれか一方を満たせば足ります。
| 業種 | 常時使用する労働者数 | 資本金または出資の総額 |
|---|---|---|
| 小売業(小売業、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業) | 50人以下 | 5,000万円以下 |
| サービス業(医療・福祉、宿泊業、娯楽業、教育・学習支援業、情報サービス業、物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業など) | 100人以下 | 5,000万円以下 |
| 卸売業 | 100人以下 | 1億円以下 |
| その他の業種(製造業、建設業、運輸業、農業、林業、漁業、金融業、保険業など) | 300人以下 | 3億円以下 |
資本金や出資のない社会福祉法人や医療法人は、労働者数だけで判断します。Q&Aは、医療・福祉を含むサービス業は法人全体で100人以下であることが要件だと書いています。
労働者の数え方にも決まりがあります。Q&Aによると、「常時使用する労働者」は、企業全体の労働者数から、日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者を除いて数えます。労災保険の特別加入者(中小事業主等)や家族従事者は、労働者とは認められません。社長と家族だけで営む会社は、60歳以上の「労働者」がいないため、対象にならない可能性があります。
もう1つ見落としやすいのが、設備を導入する場所です。Q&Aには、今年1月に開設した新しい事業場や新倉庫で使うハンドリフトを導入したい、という質問があります。答えは、「1年以上事業を実施していること」という基準に抵触するため、新しい事業場や新倉庫への導入は対象外、というものです。会社としては1年以上の事業実績があっても、設備を置く事業場が新しいと対象外になる扱いなので、新設の拠点で使う機器は、別の財源で考える必要があります。
3つのコースは何が違うのか。補助率と上限額を比べる
令和8年度は、3つのコースがあります。複数のコースを併せての申請はできず、申請は1年度につき1回までです。事務センターのホームページも、「複数コース併せての申請は出来ません。また、申請は1年度につき1回までです」と書いています。
| コース | 補助対象の中身 | 補助率 | 上限額(税抜) |
|---|---|---|---|
| 専門家総合対策 第1段階 | 労働安全衛生の専門家による、高年齢労働者に配慮したリスクアセスメントの経費 | 4/5 | 100万円(第2段階との合計) |
| 専門家総合対策 第2段階(設備・装置など) | リスクアセスメントを踏まえた、身体機能の低下を補う設備・装置の導入その他の労働災害防止対策(熱中症対策は除く) | 1/2 | 100万円(第1段階との合計) |
| 専門家総合対策 第2段階(運動指導) | 転倒防止・腰痛予防のための、専門家による身体機能のチェックと運動指導 | 1/2 | 100万円(第1段階との合計) |
| 熱中症対策 | 暑熱な環境による熱中症予防対策として、身体機能の低下を補う装置・装備の導入 | 1/2 | 100万円 |
| コラボヘルス | 労働者の健康保持増進のための取組(保険者への健診結果データ提供を含む) | 3/4 | 30万円 |
砂川市のページが紹介している「スロープ・手すりの設置やリフトの導入」「送風機能のある服、スポットクーラー、冷凍ストッカー」は、専門家総合対策コースの第2段階と、熱中症対策コースにあたります。この記事では、設備や機器の導入を中心に見ていきます。
どのコースを選ぶかは、次のように考えると整理しやすくなります。
| 状況 | 向いているコース | 理由 |
|---|---|---|
| 階段、段差、床の滑りなど、転倒が気になる | 専門家総合対策 第2段階(設備) | 手すり、段差解消、防滑床材などが対象 |
| 重量物の運搬、介護の移乗・入浴介助で腰の負担が大きい | 専門家総合対策 第2段階(設備) | リフト、アシストスーツ、介助機器などが対象 |
| 屋外作業や暑い屋内作業で、熱中症が心配 | 熱中症対策 | スポットクーラー、体温を下げる服、冷凍ストッカーなど |
| 健診結果を保険者に提供していて、健康教育やシステム導入をしたい | コラボヘルス | 補助率が高いが上限は30万円 |
| 転倒や腰痛を、運動の指導で防ぎたい | 専門家総合対策 第2段階(運動指導) | 専門家による対面の身体機能チェックと運動指導が対象 |
ここでの最大の注意は、コースを組み合わせられないことです。夏の熱中症対策と、冬の滑り止めを、1年度の中で別々の申請にする、という使い方はできません。1年度に1回の申請に、必要な対策を1つのコースの範囲で入れる必要があります。熱中症が最も深刻な課題なのか、転倒が最も重いのかを、先に決めてください。
専門家総合対策コースは、2段階の仕組みをどう使うのか
専門家総合対策コースは、他のコースとは仕組みが違います。リスクアセスメント(職場の危険を洗い出して優先順位をつける作業)を踏まえて、対策を申請する、という順序が決まっているためです。
| 段階 | 内容 | 補助率 | 申請の前提 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 労働安全衛生の専門家(労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタント、安全管理士・衛生管理士)によるリスクアセスメント | 4/5 | 令和8年度は9月30日で受付終了 |
| 第2段階 | リスクアセスメントの結果を踏まえた、設備導入や工事、運動指導 | 1/2 | 第1段階の結果、または自社のリスクアセスメントと安全衛生委員会等の審議の記録 |
第1段階は、令和8年9月30日で受付を終えています。ここから申請する道は、今年度は閉じています。一方、第2段階には、第1段階を経ずに入る方法があります。自社の安全衛生担当者(安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者。常時使用する労働者数が10人未満の場合は事業主も可)がリスクアセスメントを実施し、その結果を踏まえて申請する方法です。この場合、自社で行うリスクアセスメントの費用は補助の対象になりません。
自社でリスクアセスメントを行う場合の条件は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施する人 | 安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者。常時使用する労働者が10人未満の事業場では、事業主が自ら実施することも可 |
| 実施時期 | 令和8年4月1日以降に実施したもの |
| 安全衛生委員会等 | 令和8年4月以降に実施した、安全衛生委員会、衛生委員会など。設置義務のない事業場でも、定例会議や業務ミーティングなど、労働者の意見を聴く機会を設けて話し合う |
| 記録 | 審議や話し合いの内容が分かる議事録や記録を添付する。対策ごとに重要度や優先順位を付けて検討する |
| 様式 | 事務センターのホームページに、リスクアセスメントの参考様式と、製造業・建設業・運送業・介護作業などの記載例が掲載されている |
実施時期の条件は、見落とすと申請が通りません。Q&Aは、リスクアセスメントの実施時期と対策の実施時期が離れすぎるのは適切ではないとして、令和8年4月1日以降に実施したリスクアセスメントを対象にする、と書いています。去年に作ったリスクアセスメントの資料は、そのままでは使えません。今年度の4月以降に、あらためて実施した記録が必要です。
第1段階と第2段階の金額の関係は、Q&Aに仮の計算例が載っています。専門家によるリスクアセスメントの費用が20万円なら、補助率4/5で第1段階の補助は16万円です。優先度が高いと判断された取組が、段差の解消20万円、床の改修100万円、リフトの導入80万円で、合計200万円なら、補助率1/2で100万円と計算されます。第1段階と第2段階を合わせると116万円ですが、上限は100万円なので、補助金は100万円(第1段階16万円+第2段階84万円)になります。上限100万円は、2つの段階の合計額にかかる、という仕組みです。
補助対象になる設備と、ならない設備の線引きはどこにあるのか
この補助金で最も質問が多いのが、「これは対象になるのか」という個別の判断です。Q&Aは、品目ごとに、対象か対象外かを細かく書いています。専門家総合対策コースの第2段階(設備や装置)のうち、リーフレットが示す対象を、先に表にします。
| 区分 | 補助対象の例(リーフレット) |
|---|---|
| 転倒・墜落災害の防止 | 階段への手すりの設置、階段の踏み面への滑り防止対策、作業場所の床や通路の段差解消、水場などへの防滑性能の高い床材・グレーチングの導入、凍結防止装置の導入、転倒時のけがのリスクを低減する設備・装備の導入、高所作業台の導入(自走式は含まず、床面から2m未満のもの) |
| 重量物の取扱い、介護作業 | 不自然な作業姿勢を解消する作業台などの設置、重量物搬送機器・リフトの導入(乗用タイプは含まない)、アシストスーツの導入、介護の移乗介助を助ける機器、入浴介助を助ける機器、介護技術(ノーリフトケア)修得のための教育 |
| その他 | 業務用車両への踏み間違い防止装置の導入 |
これに対して、Q&Aが「対象外」と明言している品目を、表で整理します。
| 品目・場面 | 扱い | Q&Aの趣旨 |
|---|---|---|
| 工具、生産機器、事務用機器、生産ライン(コンベア含む) | 対象外 | 電動ドリルやコンベアは対象にならない |
| 顧客や施設利用者が通常利用する施設・設備の改修 | 対象外 | 労働者の安全確保や作業環境の改善を目的としないもの |
| 法令に基づき事業者が導入すべき安全機器・安全装具(シャッターガードなど) | 対象外 | 法令上の義務に当たるもの |
| 床を嵩上げして配線を床下に収納する工事 | 対象外 | 補助対象外と明記 |
| 照明器具の変更(蛍光灯の交換など) | 対象外 | 照明器具等の変更は対象外 |
| トイレの改修(和式から洋式への変更など) | 対象外 | トイレの改修費用は対象外 |
| 自社で機器を据え付けるための経費(材料費を含む) | 対象外 | 他社から機器を買って自社で据え付ける場合 |
| クレーン、乗用フォークリフト、テールゲートリフター | 対象外 | 高年齢労働者に限らず、その機器がないと業務ができないもの |
| 介護施設の電動ベッド、褥瘡防止ベッド、見守り装置、体重測定装置 | 対象外 | 被介助者側の負担軽減との区別が困難なため |
| 危険箇所への安全標識や警告灯、防滑靴、トラック荷台等の昇降設備、エアコン(工場扇・送風機含む) | 対象外 | 令和8年度は対象外。年度ごとに見直される |
| 物品のリース | 対象外 | リースの代金は補助対象外 |
注意したいのは、「過去に対象だったもの」が、今年度は対象でないことがある点です。Q&Aの問78は、補助対象は直近の労働災害発生状況や予算額などを踏まえて、年度ごとに見直していると書き、危険箇所への安全標識・警告灯、防滑靴、トラック荷台等の昇降設備、事務室や作業場へのエアコンの設置を、昨年に引き続き対象外の例として挙げています。去年の他社の事例や古いブログの情報をもとに計画を立てるのは危険です。必ず、令和8年度のリーフレットとQ&Aで確認してください。
境界が分かれる例もあります。品目名が同じでも、条件で対象かどうかが変わります。
| 品目 | 対象になる条件 | 対象外になる条件 |
|---|---|---|
| 屋外階段の滑り止め | 現時点で滑り止めが施工されていない階段(素材が分かるカタログの写しを添付) | 施工されている滑り止めが老朽・劣化している場合 |
| 凍結防止装置 | 自社の労働者が利用する通路(事業場敷地内)の積雪や凍結を防ぐ電熱マットなど | 通路以外の場所、顧客や施設利用者が主に使う通路 |
| 高所作業台 | 2メートル未満の高さの作業のための、囲いや手すり付きの昇降装置を備えた作業台 | 2メートル以上の高所作業車、トラックで使う高所作業台 |
| 重量物搬送機器・リフト | ハンドリフト、チェーンブロック(ホイスト含む)、自動車整備用リフト | クレーン(つり上げ荷重0.5トン以上)、乗用フォークリフト、テールゲートリフター |
| 介助式車いす | スライディングボードを使うときに必要な、片ひじが外せるなどの機能があるもの | 上記の機能がないもの(車いす一般) |
| 踏み間違い防止装置 | 自社名義の車両への後付け | 新車購入時のオプション、リース車への取付 |
| 段差解消 | 労働者が出入りする部屋の段差解消 | 労働者の安全確保を目的としないもの |
砂川市のように、積雪や凍結のある地域の会社にとっては、凍結防止装置は気になる項目でしょう。リーフレットも、転倒対策の記載例として「寒冷地の凍結防止」を挙げています。ただし、対象は従業員が通る事業場敷地内の通路に限られる点に注意してください。
もう1つ、人数の上限があります。リーフレットとQ&Aは、個人が着用する機器や装備(アシストスーツ、体温を下げる服など)の導入は、対策に関わる高年齢労働者の人数分に限る、と書いています。機器を複数の作業場所で使う場合も、補助は機器を使う高年齢労働者の人数分が上限です。たとえば、重量物を取り扱う高年齢労働者が1人で、作業場所が複数あるときは、ハンドリフトの補助は1個までです。台数を増やして補助額を増やすことはできません。
熱中症対策コースは、何が対象で、何が対象外か
熱中症対策コースは、暑い環境で働く高年齢労働者のために、体を冷やす機器や装備を導入する費用を補助します。補助率は1/2、上限は100万円(税抜)です。
まず対象となる作業の範囲が決まっています。リーフレットによると、対象は屋外作業等、つまり屋外、または労働安全衛生規則第606条の温湿度調整を行ってもなお、室温31度または湿球黒球温度(WBGT)28度を超える屋内作業場での作業です。屋内で対象にするには、温湿度調整を行っても室温31度またはWBGT28度を下回らないことを、説明する必要があります。たとえば、炉があるため空間全体での温湿度調整ができない、という理由が例に挙がっています。
補助の対象になる機器を、具体例の表にします。
| 機器 | 条件 |
|---|---|
| 体温を下げる機能のある服や装備 | 電動ファン付き作業服(体温を下げる機能があるもの)は、熱中症のリスクの高い暑熱作業のある作業場、または屋外作業で使うもの。補助は高年齢労働者の人数分 |
| 移動式のスポットクーラー | 作業場または休憩場所に設置するもの。熱排気を屋外等へ逃がせるもの、標準使用期間が5年以上のものなど |
| アイススラリーや保冷剤を冷やす専用の冷凍ストッカー | 最大400リットルまで |
| 熱中症の初期症状等を把握する小型携帯機器(ウェアラブルデバイス)による健康管理システム | 本人のみに通知があるものではなく、通信機能により集中管理ができ、深部体温を推定できる機能を持つものに限る |
対象外のものも、Q&Aと注記に細かく書かれています。
| 品目 | 扱い |
|---|---|
| WBGT指数計 | 令和8年度は対象外 |
| 保冷剤、アイススラリー、スポーツドリンク | 対象外(首に巻く・当てるタイプの保冷剤も対象外) |
| 扇風機、送風機、サーキュレーター | 対象外 |
| 気化式冷風機、水冷式エアコン、大容量スポットクーラー | 対象外 |
| 保冷温庫、冷凍冷蔵庫(充電式の持ち運びできるものを含む) | 対象外。冷凍ストッカーなど冷凍専用のもののみ対象 |
| 建物の屋根への遮熱塗料の塗布、壁等の断熱材の組込み | 対象外 |
| 事務室や作業場へのエアコン設置 | 対象外 |
同じ目的の機器は、どちらか1つになります。Q&Aの問60は、スポットクーラーとミストファンのように、どちらも高年齢労働者の体温を下げるという目的が同じ場合は、どちらか一つで、台数は高年齢労働者の人数分が上限だと書いています。体温を下げる服も同様です。ただし、用途が違うスポットクーラーと冷凍ストッカーは、同時に申請できます。
仮の数字で計算してみます。以下の金額は、すべて仮の数字です。
| ケース(仮の数字) | 内容 | 税抜の合計 | 補助額(1/2) |
|---|---|---|---|
| 屋外作業が中心、60歳以上は3名 | 電動ファン付き作業服 3着(1着5万円) | 15万円 | 7.5万円 |
| 暑い工場、60歳以上は2名 | スポットクーラー 2台(1台30万円)、冷凍ストッカー 1台(25万円) | 85万円 | 42.5万円 |
| 60歳以上が5名、ウェアラブルの管理システムも導入 | ファン付き作業服 5着(25万円)、スポットクーラー 5台(150万円)、管理システム(60万円) | 235万円 | 117.5万円→上限の100万円 |
2つ目の行のように、台数と人数の関係に注意が必要です。スポットクーラーは、高年齢労働者の人数分が上限なので、2名なら2台までです。3台目を入れても、その分は補助対象にならない可能性があります。
コラボヘルスコースは、何を補助するのか
コラボヘルスコースは、設備ではなく、労働者の健康づくりの取組を補助します。補助率は3/4と高い一方、上限額は30万円(税抜)と小さめです。リーフレットは、コラボヘルスを、医療保険者と事業者が積極的に連携して、労働者の健康づくりを効果的・効率的に実行することだと説明しています。
最大の特徴は、申請の前提です。事業主健診(労働安全衛生法に基づく健康診断)の結果が、保険者に提供されていることが、補助の前提になっています。Q&Aは、申請時に高年齢労働者を常時1人以上雇用する事業場において、事業主健診の結果を保険者に提供している必要があると書いています。また、このコースでは、健康器具などの物品は購入できません。
| 補助対象の取組 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 健康教育・研修等 | 健診結果を踏まえた禁煙指導、メンタルヘルス対策などの健康教育・研修 | 産業医、保健師、精神保健福祉士、公認心理師、労働衛生コンサルタント等によるもの。対面に限る(オンライン不可)。メンタルヘルス対策は、他の健康教育等とセットで申請する |
| システム導入 | 健診結果等を電磁的に保存・管理し、事業所カルテや健康スコアリングレポートを活用するシステムの導入 | 初期経費のみ。月額利用料は対象外。パソコンやタブレットの購入、リースは対象外 |
| 栄養・保健指導 | 栄養指導、保健指導等の労働者への健康保持増進措置 | 健康診断、歯科健康診断、身体機能のチェックの費用は対象外。対面に限る |
申請に必要な資料として、保険者から提供される「健康スコアリングレポート」や「事業所カルテ」の写し(申請企業・法人名の記載があるもの)が挙げられています。労働者数が少ないなどで、これらの提供を受けられない場合は、健診結果を保険者に提供することについての、健診機関への同意書や契約書などを提出する必要があります。
注意点が1つあります。過去にコラボヘルスコースの補助を受けた場合は、コラボヘルスコースの申請ができません(Q&Aの問71)。昨年に禁煙指導で受けたから、今年は栄養指導で、という使い方はできません。
専門家による運動指導の取組は、どんな条件なのか
専門家総合対策コースの第2段階には、運動指導の取組もあります。リーフレットによると、高年齢労働者を含むすべての労働者の転倒防止・腰痛予防のために、専門家による身体機能のチェックと運動指導の費用を補助します(役員を除き、自社の労災保険適用労働者に対する取組に限る)。
この取組は、3つの内容をすべて実施する必要があります。
| 内容 | 中身 |
|---|---|
| 身体機能のチェック(実施前) | 専門家が、対象労働者の身体機能をチェックして評価する |
| 運動指導 | 専門家が、チェックの結果に基づいて、対面で運動指導を行う |
| 効果の確認 | 運動指導の効果を確かめるため、改めて専門家が身体機能のチェックを行う |
Q&Aによると、補助の対象になるのは、専門家が対面で行うものに限ります。オンラインの指導は対象外で、専門家の資格を持たない人による指導も対象外です。マッサージなどの施術は運動指導ではないので、対象外です。ジムの回数券や割引券、事業場に設置するトレーニングマシンの経費も、補助の対象外です。物品の購入は、動画の作成も含めて認められません。
自社で雇用している理学療法士などの専門家が、自社の労働者に行う場合も対象外です。複数の企業が、自社の専門家を交換して派遣しあう形も、これを避けるためのものとして対象外とされています。
事後のチェックの時期にも注意が必要です。Q&Aは、最初に専門家による運動指導を受けた後、1か月間隔程度で継続的に事後のチェックを受けるよう求めています。10月に申請した場合、交付決定通知は12月になるため、事後チェックや支払いの実施報告・請求の締切に間に合わないこともあるので、余裕を持って早めに取り組むよう書かれています。この取組は、今の時期に新たに始めるには、日程が厳しいと考えられます。
申請から入金までの流れと、日程の逆算
熱中症対策コースとコラボヘルスコースの申請は、月ごとに区切られて審査されます。事務センターのホームページに載っている日程を、表にします。
| 申請受付期間(当日消印有効) | 審査期間 | 結果連絡 |
|---|---|---|
| 5月20日〜5月31日 | 6月 | 6月末〜7月上旬 |
| 6月1日〜6月30日 | 7月 | 7月末〜8月上旬 |
| 7月1日〜7月31日 | 8月 | 8月末〜9月上旬 |
| 8月1日〜8月31日 | 9月 | 9月末〜10月上旬 |
| 9月1日〜9月30日 | 10月 | 10月末〜11月上旬 |
| 10月1日〜10月31日 | 11月 | 11月末〜12月上旬 |
| 11月1日〜11月20日 | 11月下旬〜12月初旬 | 12月中旬以降 |
専門家総合対策コースの第2段階も、同じ区切りで月末にまとめて、翌月に審査します。事務センターは、「個別に審査、結果連絡を早めることはありません」と書いています。急いでいるからといって、個別に審査してもらうことはできません(Q&Aの問82)。
最後の区切りである11月20日までに申請した場合、結果連絡は12月中旬以降です。支払請求の期限は令和9年1月31日(当日消印有効)なので、交付決定から請求期限までは、短いと1か月半ほどしかありません。この間に、発注、納品、設置、支払い、実績報告、請求を終える必要があります。
交付規程の第13条は、交付決定を受けた日から3か月以内に実績報告と請求を行うよう努めることを求めています。さらに、令和9年1月末日を超えて提出された場合は、補助金を支払わないと書いています。
申請から入金までの流れを、順に並べます。
| 順 | 手続き | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 申請コースを決める | 複数コースの申請はできない。1年度に1回まで |
| 2 | 交付申請書類を提出 | 郵送またはJグランツ。メールは不可。事業者が自分で提出する |
| 3 | 審査 | 月末にまとめて、翌月に審査 |
| 4 | 交付決定の通知 | 交付決定の場合は申請者(代表)宛に郵送等。不採択の場合は申請担当者宛にメール等 |
| 5 | 発注・購入・施工 | 交付決定通知書が届いてから発注する |
| 6 | 完了、支払い | 取組のすべてが完了した後に業者へ支払う |
| 7 | 支払請求書類の提出 | 実績報告と精算払請求。令和9年1月31日(当日消印有効)まで |
| 8 | 補助金の確定、交付 | 銀行口座への振込 |
事務センターは、結果連絡の開始日から2週間経っても、交付決定または不採択の連絡が確認できない場合は、早急に申請担当へ電話確認をするよう書いています。専門家総合対策コースの第1段階は、申請から1か月経っても連絡がなければ、確認するよう書かれています。
「前払い」「発注日」「支払い方法」の落とし穴を、どう避けるか
この補助金は、毎年、不備による不支給が出ています。Q&Aの問2と問3に、具体的な注意事項があります。重要な順に表にします。
| 落とし穴 | 内容 | 避け方 |
|---|---|---|
| 交付決定前の発注 | 交付決定日より前に発注・契約・購入を行った経費は、いかなる理由があっても補助対象外。交付決定後であっても、発注・契約・購入を行う前に補助事業を実施した場合も同じ | 交付決定通知書が届いてから発注する。同日付の発注書も不適切 |
| 前払い | 交付決定を受けた取組のすべてが完了する前に、代金を支払う(前払い)と、補助金を支払えない。ネット購入も同様 | すべての取組が完了した後に支払う |
| 支払い方法 | ローン、手形、小切手、電子債権、電子マネー、プリペイドによる支払いは対象外 | 銀行振込などで支払う |
| 消費税、振込手数料 | 補助の対象にならない | 補助率は税抜の額にかける |
| 実績が計画と違う | 交付決定された取組内容と、請求時の実際の取組内容が違うと、支払いできない | 内容を変える場合は事前に事務センターへ相談 |
| 書類の不備 | 発注書等の日付が空欄、日付が交付決定日より前、など | 提出前にすべての日付を確認 |
| 補助対象外のものを混ぜる | 発注、納品、請求、支払い等を、補助対象外の自費購入分と一緒にまとめると、範囲が確認できず支払えない | 補助対象のものだけを分けて発注・請求する |
| 期限の超過 | 令和9年1月31日(当日消印有効)を超えると、補助金が支払えない | 工期に余裕を持つ |
とくに、発注書の日付の扱いは厳格です。Q&Aは、交付決定通知書の日付と同一の日付の発注書が多く見受けられるが、郵便事情を考慮すれば不適切だと書いています。通知書が届いたのが、その日付よりも後だからです。発注や契約書の作成は、通知書を受け取って内容を確認してから行ってください。
申請書類を、機器の販売業者や施工業者が代わりに作って提出することはできません(問14)。社会保険労務士などによる提出の代行もできません(問79)。事務センターから不明点の問い合わせがあるときは、申請事業者に対して行われます。補助金は、中小企業事業者自らが責任を持って申請するものだ、という考え方に立っています。申請の控えや、書類が届いたという証明書も、発行されません(問83)。
申請書類を郵送で出す場合は、消印で受付日を確認します。料金別納や料金後納の郵便は、封筒に消印がないため、到着日で判断されます。宅配便の場合は、発送伝票で受付日が分かる方法を使うよう案内されています。締切ぎりぎりに出す人は、普通郵便か、消印のつく方法で出すのが確実です。電子申請(Jグランツ)の場合は、不備が全部解消されて受付完了した日が受付日になります。
交付を受けた後に、守らなければならないことは何か
補助金を受けて終わり、ではありません。交付規程には、交付後の義務が書かれています。
| 義務 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 速やかな実施 | 安全衛生対策等を速やかに実施する | 交付規程第10条 |
| 中止の連絡 | 実施を中止するときは、速やかに書面または電子メールで事務センターに提出する。Q&Aは、電話で連絡すると辞退届の様式がメールで送られると案内 | 第10条、問6 |
| 調査への協力 | 適正な使用の確認のため、調査・指導・報告を求められたら協力する | 第10条 |
| 財産の管理 | 補助事業で取得した財産について、取得財産等管理台帳を備え、善良な管理者の注意をもって管理し、効率的に運用する | 第10条 |
| 処分の制限 | 取得価格が50万円以上の機械・重要な器具は、事業完了の年度の終了後5年間、承認を受けずに目的に反して使用、譲渡、交換、貸付、担保、取壊し、廃棄をしない | 第10条、第15条 |
| 返還 | 交付決定を解除された場合、返還を命じられ、20日以内に納付がないと、年利10.95%の延滞金が課される | 第14条 |
| 事例の公表 | 厚生労働省が、企業情報、取組状況(写真など)を、労働災害防止に資する事例として公表する予定 | 実施要領第3の8 |
50万円以上の機器を導入した場合は、5年間は勝手に売ったり、廃棄したりできないと考えてください。仮に補助を受けて高額のリフトを買ったあと、事業の見直しで売却する場合は、事前に事務センターの承認を受ける手続き(様式6の処分等に係る承認申請書)が必要になります。
好事例の公表については、実施要領に、厚生労働省が企業情報や取組状況(写真、取組状況等)を公表する予定とあります。自社の写真や取組が公開される可能性があることを、申請の前に社内で共有しておくとよいでしょう。
審査では、何が見られるのか
この補助金は、先着順ではありません。リーフレットも「全ての申請者に補助金が交付されるものではありません」と書いています。高年齢労働者の雇用状況や対策・取組の計画を審査し、効果が期待できるものを交付する仕組みで、審査委員会が審査します。厚生労働省のページも、交付申請時に提出した計画の内容について審査を行うと書いています。
実施要領の審査の確認事項を、コースごとに整理します。
| コース | 審査で確認される内容 |
|---|---|
| 全コース共通 | 申請時点で中小企業事業者であること、高年齢労働者を常時1人以上雇用していること、労働保険に加入していること、法令違反や暴力団関係がないこと |
| リスクアセスメント(第1段階) | 高年齢労働者の特性に配慮したリスクアセスメントが適切に実施されること |
| 設備の導入等(第2段階) | 申請する物品の購入や工事が、リスクアセスメントの結果を踏まえたもので、高年齢労働者の安全衛生確保に寄与すると認められること |
| 運動指導 | 専門家等による体力チェックと運動指導が適切に実施されると認められること |
| 熱中症対策 | 屋外作業や、屋内の暑熱な環境(WBGT28度以上または気温31度以上)の作業に従事する高年齢労働者の熱中症予防に寄与すると認められること |
| コラボヘルス | 定期健康診断の結果が保険者に提供されていること |
つまり、審査のポイントは、「その設備は、うちの現場の、60歳以上の人の、どの危険を減らすのか」を、説明できているかどうかです。たとえば、手すりを付けるなら、どの階段で、どの高年齢労働者が、どう転びそうなのかを、リスクアセスメントの記録とつなげて書くことになります。熱中症対策なら、どの作業場所が、なぜ31度やWBGT28度を超えるのか、そこに誰が就いているのかを示します。Q&Aの問12は、高年齢労働者がいない作業現場の改修は、効果が認められないため対象外になりうると書いています。事務室にだけ60歳以上がいる工場で、作業現場の設備を申請しても、認められないおそれがあります。
審査の結果、交付決定とならなかった場合は、同一年度のその後の公募期間に、不採択となった対策の内容を見直して再申請できます(交付規程第11条)。他のコースや、別の対策で申請することも、過去に補助を受けた同一の対策や取組でなければ可能です(問15)。
去年も、おととしも受けた会社は、また使えるのか
Q&Aの問13は、以前に補助を受けた対策や取組と同一のものは補助の対象外だと書いています。昨年度に「重量物取扱いや介護作業における労働災害防止対策」の補助を受けた場合、今年度も同じ区分では受けられません。ただし、「転倒・墜落災害防止対策」は受けられます。
問18も同じ考え方です。過去に補助を受けて別の場所の「段差の解消」を実施した場合、再度、専門家の助言を踏まえて「段差の解消」のための補助を受けることはできません。ただし、「リフトの導入」など、異なる対策なら受けられます。専門家によるリスクアセスメントの経費は、職場環境改善の補助を受けられない場合でも、補助を受けられます(問19)。
整理すると、次の表になります。
| 過去の受給 | 今年度の申請 |
|---|---|
| 過去に、同じ種類の対策(例:段差の解消)で補助を受けた | 同じ種類の対策は対象外。別の種類の対策は申請可 |
| 過去に、コラボヘルスコースを受けた | コラボヘルスコースは申請不可 |
| 過去に、運動指導で申請したが不採択だった | 補助を受けていないので、別の対策などで申請できる |
| 今年度、すでに交付決定を受けた | 同一年度内の交付決定は1事業者1回限り。第1段階と第2段階は、合わせて1回とみなされる |
社内で、毎年の導入記録を整理しておくとよいでしょう。何年にどの対策で補助を受けたかを、台帳の形で残しておけば、次の年の計画を立てやすくなります。
類似の制度や、他の選択肢との違い
エイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者の労働災害防止に特化した補助金です。似た目的の設備投資を考える場合に、混同しやすい制度との違いを、表に整理します。
| 比べるもの | エイジフレンドリー補助金 | 違い |
|---|---|---|
| 設備投資全般を支える補助金(ものづくり、省力化など) | 60歳以上の労働者の労災防止に目的を絞る | 生産性の向上や売上の拡大は目的ではない。工具、生産機器、コンベアは対象外 |
| 自治体の独自の助成 | 国の補助事業を、一般社団法人が受託して運営 | 自治体の窓口では受け付けない。申請先は事務センター |
| 業界団体などの安全対策の支援 | 申請は中小企業事業者が直接行う | 販売業者・施工業者・社会保険労務士による代行は不可 |
| 設備の購入を伴わない社内の安全活動 | 設備や取組の経費を補助する | リスクアセスメントは4/5の補助があるが、自社で行う費用は対象外 |
砂川市のように、地方自治体のホームページが国の補助金を紹介している場合、そのページは案内役で、制度の詳細(対象機器の線引き、申請様式、締切の延長など)は、国と事務センターの資料が正本です。自治体のページの日付が古いまま残っていることもあるため、申請の前に、必ず最新の事務センターのページを確認してください。
融資や貸付を使った設備導入の資金調達も考えられますが、このサイトでは融資・貸付の制度を扱わないため、ここでは触れません。
計算例と資金計画。補助金が入るのは、すべて払い終えた後
専門家総合対策コースの第2段階(設備)と熱中症対策コースの補助率は1/2です。つまり、費用の半分は自己負担になります。さらに、補助金は後払いなので、いったん全額を自社で立て替える必要があります。
仮の数字で、資金の流れを確かめます。以下はすべて仮の数字です。
| ケース(仮の数字) | 内容 | 税抜の費用 | 補助金(1/2) | 自己負担(税抜)と消費税 |
|---|---|---|---|---|
| 階段の手すりと滑り止めの工事 | 手すりの設置40万円、踏み面の滑り止め20万円 | 60万円 | 30万円 | 30万円と消費税6万円(10%と仮定) |
| 介護施設の移乗介助機器 | 機器 3台(1台50万円)。対象の高年齢労働者は3名 | 150万円 | 75万円 | 75万円と消費税15万円 |
| 運送会社の踏み間違い防止装置 | 自社名義の車両5台に後付け(1台8万円)。対象の高年齢労働者は5名 | 40万円 | 20万円 | 20万円と消費税4万円 |
3つ目の行のように、台数は対策に関わる高年齢労働者の人数分までです。車両が5台あっても、その車両に乗る60歳以上の労働者が3名なら、補助の対象は3台分になります。
資金の流れは、交付決定の後に発注、納品と施工、業者への支払い、実績報告と請求、補助金の確定、振込、という順番です。業者への支払いが先で、補助金の入金が後です。入金までの期間は、請求の書類を提出してから、内容の確認や確定の手続きを経るため、資料には書かれていません。支払担当の電話(03-6809-4085)で確認してください。
資金繰りを考えるうえで、消費税は補助されません。補助率は税抜の金額にかかり、消費税と振込手数料は自己負担です。見積書は、税抜の金額が分かるように出してもらうとよいでしょう。
申請の準備をいつから始めるか。11月20日までの逆算
事務センターの日程を前提に、今から準備するなら、次のような見立てになります。これは編集部の見立てであり、事務センターが示した日程ではありません。
| 時期 | やること | 注意 |
|---|---|---|
| 今すぐ | 60歳以上の労働者の人数、労災保険の加入、事業の継続年数を確認。コースを1つに絞る | 複数コースの併用はできない |
| 今週中 | リーフレットとQ&Aを通読し、導入したい品目が対象か確認 | 去年の情報で判断しない |
| 〜10月下旬 | 自社でリスクアセスメントを実施し、安全衛生委員会等で審議(専門家総合対策コースの場合) | 令和8年4月1日以降の実施が条件。議事録を残す |
| 〜10月下旬 | 見積書を取る(税抜が分かるように) | 熱中症対策は、対象機器の仕様(スポットクーラーの標準使用期間など)を確認 |
| 10月末〜11月上旬 | 申請書類を作成。確認ポイント(チェックリスト)で点検 | 事務センターが公開しているチェックリストを使う |
| 11月中旬 | 申請書類を提出(郵送は消印、電子申請は受付完了日) | 11月20日(当日消印有効)。余裕を見て早めに |
| 12月中旬以降 | 結果連絡を待つ。交付決定通知書が届いてから発注 | 通知書が届く前の発注は対象外 |
| 令和9年1月31日まで | 設置、支払い、実績報告・請求 | 期限を超えると支払えない |
このスケジュールで難しいのは、11月20日に出した場合、結果が12月中旬以降で、請求の期限の1月31日まで1か月半という短さです。工事や設置に時間がかかる品目(階段の手すりの工事、床の改修など)は、納期と施工の期間を、先に業者に確認する必要があります。納期が長い機器は、請求の期限に間に合わないおそれがあるため、申請を見送る判断も必要になるかもしれません。
もっと早い区切りで出せる場合は、そのほうが余裕が出ます。10月中に申請すれば、結果連絡は11月末から12月上旬です。10月31日までの申請と、11月20日までの申請とでは、結果が出る時期が1〜2週間ほどしか変わらない一方、前者のほうが、請求期限までの期間がやや長くなります。
つまずきやすい点のまとめ
ここまでの内容を、つまずきやすい点としてまとめ直します。
| つまずき | 内容 |
|---|---|
| 市のページの締切だけを見る | 砂川市のページは10月31日と書くが、国の資料は11月20日に延長。最新は事務センターで確認 |
| 60歳以上の労働者の要件を満たさない | 役員、特別加入者、家族従事者は対象外。労災保険適用の60歳以上が常時1名以上必要 |
| 新しい事業場への導入 | 1年以上事業を実施している基準に合わず対象外 |
| 自社のリスクアセスメントが古い | 令和8年4月1日以降の実施が必要 |
| 対象外の品目を計画に入れる | 工具、生産機器、エアコン、照明、トイレ改修、WBGT指数計などは対象外 |
| 人数を超える台数を申請 | 補助は対象の高年齢労働者の人数分が上限 |
| 同じ目的の機器を重ねて申請 | スポットクーラーとミストファンなどは、どちらか1つ |
| 交付決定前の発注 | いかなる理由があっても対象外 |
| 前払い、ローン、手形などでの支払い | 補助金が支払われない |
| 日付の入っていない書類、日付が交付決定日前の書類 | 支払いができない |
| 請求期限の超過 | 令和9年1月31日(当日消印有効)を過ぎると支払えない |
| 補助事業の取得財産の処分 | 50万円以上の機械・器具は、5年間は承認なしに処分できない |
この補助金は、誰に向いていて、誰に向いていないのか
最後に、向き不向きを表にします。
| 状況 | 向いているか | 理由 |
|---|---|---|
| 60歳以上の従業員が、現場で重い物を運んでいる | 向いている | アシストスーツ、リフトなどが対象 |
| 階段や通路で、高年齢の従業員の転倒が心配 | 向いている | 手すり、段差解消、防滑床材などが対象 |
| 夏の屋外作業や高温の屋内作業がある | 向いている | 熱中症対策コースで、体を冷やす機器が対象 |
| 介護施設で、職員の腰痛が課題 | 向いている | 移乗介助、入浴介助の機器が対象。電動ベッドは対象外 |
| 健診結果を保険者に提供し、健康づくりを進めたい | 向いている | コラボヘルスコース(ただし上限30万円) |
| 60歳以上の労働者がいない | 向かない | 申請の前提条件に合わない |
| 社長と家族だけで営んでいる | 向かない可能性が高い | 特別加入者と家族従事者は労働者と認められない |
| 生産設備や工具を更新したい | 向かない | 工具、生産機器、コンベアは対象外 |
| エアコンや照明の更新をしたい | 向かない | 対象外 |
| すでに発注・契約を済ませている | 向かない | 交付決定前の発注は対象外 |
| 申請書類の作成を、業者や社労士に任せきりにしたい | 向かない | 代行提出はできず、申請は事業者自らが行う |
| 新設の事業場で使う設備を買いたい | 向かない | 1年以上事業を実施している基準に合わない |
よくある質問
事務センターのQ&Aと実施要領をもとに、質問と答えを整理しました。
| 質問 | 答え |
|---|---|
| 申請はどこに出しますか | 市役所ではなく、エイジフレンドリー補助金事務センターへ。郵送またはJグランツで出します。メールでの申請はできません。郵送先は、東京都港区芝1-4-10 トイヤビル5階の事務センターです |
| 砂川市のページでは10月31日までとありますが | 厚生労働省と事務センターの資料では、11月20日(金、当日消印有効)まで延長されています |
| 複数のコースを同時に申請できますか | できません。1年度に1回の申請です |
| 専門家総合対策コースの第1段階から始められますか | 令和8年度の第1段階は9月30日で受付を終了しました。第2段階から、自社のリスクアセスメントで申請する方法があります |
| 補助率と上限はいくらですか | 専門家総合対策と熱中症対策は1/2で上限100万円、コラボヘルスは3/4で上限30万円。いずれも消費税を除く額です |
| 申請を業者に頼めますか | 申請書の提出は販売業者・施工業者・社会保険労務士ではできません。事業者が直接行います |
| 去年補助を受けましたが、今年も申請できますか | 以前に補助を受けた対策や取組と同一のものは対象外です。別の対策なら申請できます。コラボヘルスは、過去に受けていると申請できません |
| 機器はリースでもよいですか | 物品のリースの代金は対象外です |
| 支払いはクレジットカードやローンでもよいですか | ローン、手形、小切手、電子債権、電子マネー、プリペイドによる支払いは対象外です |
| 補助金はいつ入りますか | 実績報告・請求の後に確定し、銀行口座へ振り込まれます。請求の期限は令和9年1月31日です。具体的な日数は資料に書かれていないため、支払担当に確認してください |
| 交付決定の後に取組ができなくなったら | 速やかに事務センターの申請担当に電話します。辞退届の様式がメールで送られます |
| 不採択になったら、また申請できますか | 同一年度のその後の公募期間に、対策の内容を見直して再申請できます |
| 令和8年熊本地震等で計画どおり進められない場合は | 厚生労働省のページは、交付決定された計画どおりに進めることが困難になった場合は、早めに相談するよう案内しています |
確認先
この記事の数字や条件は、厚生労働省の公式ページ、事務センターのホームページ、令和8年度のリーフレット、Q&A(令和8年6月26日更新)、実施要領(令和8年3月12日改正)、交付規程(令和8年10月2日改正)で確認できたものです。
| 資料・窓口 | 内容 |
|---|---|
| 厚生労働省 エイジフレンドリー補助金 | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09940.html |
| エイジフレンドリー補助金事務センター(一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会) | https://www.jashcon-age.or.jp/ 申請担当 03-6381-7507、支払担当 03-6809-4085。平日10時から12時、13時から15時(土日祝休み。8月10日〜14日、12月29日〜1月3日を除く) |
| 砂川市 経済部 商工労働観光課 商工振興係 | 砂川市のお知らせ。電話0125-74-8382。制度の案内ページであり、申請の受付は行っていない |
| Jグランツ | https://www.jgrants-portal.go.jp/ (電子申請の入口) |
厚生労働省のページには、リーフレット、Q&A、簡易リスクアセスメント様式、申請時の確認ポイント(チェックリスト)、実施要領、交付規程、昨年度の交付実績(令和7年度エイジフレンドリー補助金交付決定実績報告書)が掲載されています。申請の前に、チェックリストを使って、よくある不備を自社の書類で点検してください。
60歳以上の従業員が増える中で、職場の安全設備は、後回しにされがちな投資です。この補助金は、その投資の半分近くを後押しします。ただし、交付決定の前に発注しない、前払いをしない、人数を超えて申請しない、請求期限を守る、という基本ルールを外すと、補助は受けられません。まず、自社の60歳以上の従業員が、どの作業で、何に困っているのかを、現場の声から洗い出すところから始めてください。
この制度を一言でいうと
「エイジフレンドリー補助金の公募について」は、砂川市が実施する補助金・助成金です。対象の地域は砂川市・北海道です。
【厚生労働省】エイジフレンドリー補助金の公募について|産業情報|砂川市ホームページ 文字サイズ・背景色の変更、サイト内検索、翻訳機能が利用できます。Javascriptを有効にしてください。 --> ホーム > 産業情報 > お知らせ > 【厚生労働省】エイジフレンドリー補助金の公募について --> 【厚生労働省】エイジフレンドリー補助金の公募について
受付の期間は、2026年5月20日から2026年10月31日まで。
| 制度名 | エイジフレンドリー補助金の公募について |
|---|---|
| 実施機関 | 砂川市 |
| 種類 | 補助金・助成金 |
| 対象地域 | 砂川市・北海道 |
| 受付期間 | 2026年5月20日から2026年10月31日まで |
| 上限額 | 100万円 |
| 補助率・支援の内容 | 補助上限額:100万円 |
「エイジフレンドリー補助金の公募について」でいくら支援されるか
エイジフレンドリー補助金の公募についての上限額は100万円です。補助率は、公募要領の対象経費ごとの定めに従います。
金額や条件は、次のとおりです。補助上限額:100万円 補助率
「エイジフレンドリー補助金の公募について」の対象になる方
対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。
- 1地域砂川市・北海道(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
- 2規模従業員数の制約は示されていません
| 確認すること | この制度の内容 |
|---|---|
| 地域 | 砂川市・北海道(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本) |
| 規模 | 従業員数の制約は示されていません |
「エイジフレンドリー補助金の公募について」の経費で気をつけたいこと
| この制度の文章にある言葉 | ProdX Crowd編集部の見方 |
|---|---|
| ホームページ | システム・ソフトウェア・ウェブ関連の経費が含まれています。クラウドの月額利用料は「何か月分まで」と決められていることがあります。契約期間と補助事業の期間の関係を、見積もりの段階で確認します。汎用のパソコンやタブレットは対象外のことが多い点にも注意が必要です。 |
| 翻訳 | 翻訳・通訳・海外関係の費用が含まれています。為替レートの前提と、海外とのやりとりの証拠(契約書、請求書)が、日本語以外で作られる場合の扱いを、確認します。 |
補助率・金額の区分(この制度の定め)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 金額 | 補助上限額:100万円 |
| 補助率 | 補助率:1/2以内 |
この制度の日程と期間の定め
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 日程 | 2026年5月20日(水)~10月31日(土) / ※専門家によるリスクアセスメントの申請は2026年年8月31日(月)まで |
| 金額 | ※予算上限に達した場合は終了 |
この制度で、特に注意したいこと
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| その他 | 専門家による運動指導への補助なども別途措置 |
「エイジフレンドリー補助金の公募について」の手続きの流れと日程
この制度の受付は2026年5月20日から2026年10月31日まで。締切の2026年10月31日から逆算した、準備の目安は次の表のとおりです。
- 申請計画書・見積書を提出
- 審査1〜3か月
- 交付決定ここから発注できる
- 発注・実施期間内に支払いまで
- 実績報告証拠書類を提出
- 検査・確定補助額が決まる
- 入金お金が入るのは最後
発注・契約は「交付決定」の後。お金が入るのは、最後の「入金」です。
| 時期(目安) | やること |
|---|---|
| 2026年8月31日ごろ | 公募要領を読み、対象かどうかを確認する |
| 2026年9月15日ごろ | 見積書の依頼、電子申請のアカウント取得、決算書・納税証明書の準備 |
| 2026年9月30日ごろ | 事業計画書の作成を始め、第三者(商工会議所・よろず支援拠点など)にも見てもらう |
| 2026年10月23日ごろ | 書類の最終確認。入力を前倒しで済ませる |
| 2026年10月31日 | 受付の終了日。この日までに提出が完了していること |
「エイジフレンドリー補助金の公募について」についてのよくある質問
Q&Aエイジフレンドリー補助金の公募について
Q. エイジフレンドリー補助金の公募についての受付期間はいつですか?
2026年5月20日から2026年10月31日まで。
Q. エイジフレンドリー補助金の公募については、いくらまで支援されますか?
上限は100万円です。
Q. エイジフレンドリー補助金の公募についてで、注意すべきことはありますか?
専門家による運動指導への補助なども別途措置
この制度を検討するときの確認リスト
| 確認項目 | 状況 |
|---|---|
| 対象の地域(砂川市・北海道)に、事業所がある | □ はい □ いいえ |
| 受付期間(2026年5月20日から2026年10月31日まで)に間に合う | □ はい □ いいえ |
| 自己負担を、上限100万円・補助率(公募要領)で計算した | □ はい □ いいえ |
| 交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない | □ はい □ いいえ |
| 後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている | □ はい □ いいえ |
情報の確認元:砂川市の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。
補助金・経営支援顧問