募集中税制

地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除

実施機関
丹波市
募集期間
通年(随時受付)
地域
兵庫県・丹波市

地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除(丹波市)の対象者、金額、対象経費、日程、注意点を、この制度の内容にそって整理しました。

丹波市の固定資産税の課税免除は、補助金ではなく「新しい工場の固定資産税を3年度分かけない」税の制度

最初に位置づけを書きます。兵庫県丹波市の「地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除」は、お金を交付する補助金ではありません。地域未来投資促進法にもとづいて、県知事の承認を受けた事業計画で工場や事業場を新設・増設した会社に、市が、新たに課される固定資産税を3年度分、免除する制度です。申請して交付を受けるのではなく、本来払うはずだった税が免除される、という形で効果が出ます。

この記事は、丹波市内で、工場や事業場の新設・増設を考えている製造業などの経営者に向けて書いています。丹波市の公式ページ(2026年8月14日更新)、市が公開している制度の概要PDF(令和7年4月改訂版)、丹波市基本計画(第2期)の本文と案内ページ、兵庫県の地域未来投資促進法の案内ページを読み、確認できた内容だけを整理しました。

先に、制度の骨格を表にします。

項目内容(出典)
制度の性格固定資産税の課税免除(税の優遇)。補助金ではない
実施する機関兵庫県丹波市(税の免除は財務部税務課、事業の窓口は産業経済部商工観光課)
根拠地域未来投資促進法(第13条の規定による承認を受けた地域経済牽引事業)
免除の期間新たに固定資産税が課税されることとなった年度から3年度分。毎年申請が必要
対象となる取得の期間基本計画の同意の日(令和6年4月1日)から令和10年3月31日まで
規模の要件土地・家屋・構築物の合計取得額が1億円超(農林漁業とその関連業種は5千万円超)
申請の期限毎年1月31日までに、丹波市財務部税務課へ提出
主な問い合わせ先商工観光課 企業立地係 0795-74-1464、税務課 資産税係 0795-82-2003

この制度を使うためには、固定資産税の免除の申請をする前に、県と国の手続きを2つ終えておく必要があります。税の免除そのものは、最後の段階です。この順番を取り違えると、投資をしたあとで使えないことが分かる、という事態になります。以下、順に整理します。

この制度は、どんな会社の、どんな投資に使えるのか

市の公式ページは、課税免除の対象になる事業者を、次のすべてに当てはまる場合と定めています。市の制度概要PDFでは、同じ内容を課税免除要件の(1)から(3)として、少し表現を変えて書いています。表で並べます。

要件市のページの表現制度概要PDFの表現
県知事の承認兵庫県知事の承認を受けた「地域経済牽引事業計画」に従って、企業立地等設備投資を行うもの地域経済牽引事業計画について兵庫県知事の承認を受け、事業計画に基づいて企業立地等設備投資を行うこと
国の確認先進性を有する事業として主務大臣の確認を受けていること先進性や設備投資額等について、あらかじめ主務大臣の確認を受けていること
規模土地、家屋、構築物の合計取得額が1億円を超えるもの(農林漁業及びその関連業種は5千万円を超えるもの)合計取得価額が1億円を超える土地、家屋、構築物(農林漁業及びその関連業種は5,000万円を超えるもの)
時期基本計画の同意の日(令和6年4月1日)から令和10年3月31日までに取得した家屋、構築物、償却資産またはこれらの敷地である土地同意の日から令和10年3月31日までに、地域経済牽引事業の用に供する施設を設置したこと

市のページは、「企業立地」を、事業の用に供する工場または事業場の新増設(既存の工場または事業場の用途変更を含む)を行うことと説明しています。つまり、新しい建物を建てるだけでなく、既存の工場や事業場の用途を変更する場合も、企業立地に含まれます。

条件はすべてを満たす必要があります。たとえば、規模の要件を満たしていても、県知事の承認がなければ対象になりません。逆に、承認を受けていても、取得した時期が令和10年3月31日を過ぎれば、免除の対象になりません。

どの資産が免除の対象になるのか

市の制度概要PDFは、課税免除の対象になる資産を、土地、家屋、構築物、機械及び装置の4つに分けて書いています。規模の要件の1億円(農林漁業等は5,000万円)に数えるのは、土地、家屋、構築物の合計です。機械及び装置は、PDFでは、免除の対象資産として別の項目に書かれていて、1億円の合計には含まれない書き方になっています。算入の扱いは、申請前に税務課で確認してください。

資産対象になる条件(制度概要PDF)
土地基本計画の同意日(令和6年4月1日)以後に取得した土地で、取得の日の翌日から起算して1年以内に、その土地を敷地として家屋、構築物の建設に着手したものに限る
家屋地域経済牽引事業の用に供する家屋。事務所等に係るものは除く
構築物地域経済牽引事業の用に供する構築物。事務所等に係るものは除く
機械及び装置地域経済牽引事業の用に供する家屋を取得した日の属する年の1月2日(取得日が1月1日の場合は1月1日)から、その家屋で操業を開始した日までの間に、地域経済牽引事業のために取得し、設置したもの

注意が必要なのは、次の3点です。

注意点内容
事務所は対象外家屋と構築物は、「事務所等に係るもの」が除かれる。工場棟と事務所棟を同時に建てる場合は、免除の対象になる部分とならない部分を、図面の段階で整理しておく
土地は「1年以内の着工」が条件土地を取得してから、取得の日の翌日を起点に1年以内に建設に着手しないと、土地は対象から外れる。土地の取得時期と工事のスケジュールを、先に決めておく
機械装置は取得の「窓」が決まっている家屋を取得した年の1月2日から、操業を開始した日までの間に取得・設置した機械に限られる。機械の発注・納入の時期が、この窓から外れていないか、確認が要る

土地を借りて工場を建てる場合について、市は、「土地が賃貸の場合は、上記の対象資産のうち家屋、構築物、機械及び装置が対象となります」と書いています。土地を自分で取得しなくても、家屋や構築物、機械装置が要件を満たせば、免除の対象になりえます。ただし、規模の要件は、土地、家屋、構築物の合計取得額で判断されると書かれていますので、土地が賃貸の場合の合計の数え方は、市の担当に確認してください。

免除される期間と、免除額の考え方

免除の期間は、「新たに固定資産税が課税されることとなった年度から3年度分」です。市のページには、「(注意)毎年申請が必要です」とあります。1回申請すれば3年間自動で続く、という制度ではありません。

3年度分の免除の考え方を、表で整理します。数字はすべて、制度を理解するための仮の数字で、実際の税額ではありません。固定資産税は、資産の評価額で決まります。評価額は、年度が進むと、減価によって下がっていきます。免除額も、この評価額で決まります。

仮の条件1年目2年目3年目4年目
対象資産にかかる固定資産税が、年度ごとに1,200万円、1,100万円、1,000万円と下がると仮定する(仮の数字)免除(1,200万円分)免除(1,100万円分)免除(1,000万円分)通常どおり課税

仮の例では、3年度分の免除額の合計は3,300万円です。実際の金額は、対象資産の評価額と、市の税率で決まります。税率や評価額の計算は、この記事では扱いません。免除額の見積りは、市の税務課(資産税係)に、取得予定の資産の内容を伝えて確認してください。

免除は、「新たに固定資産税が課税されることとなった年度から」始まります。建物を建てた年度ではなく、固定資産税が初めて課税される年度が、1年目です。取得の日や完成の日と、免除の1年目の年度がどうなるかは、税務課で確認しておくと、資金計画を作りやすくなります。

申請は、どの順番で、どこに出すのか

市の制度概要PDFは、申請手続きを4つの段階に分けています。事業着手前の県の承認が出発点です。表にします。

順番手続き確認先注意すること
1兵庫県知事による地域経済牽引事業計画の承認兵庫県事業着手前に承認が必要。PDFにも、承認は事業着手前に受ける旨が書かれている
2課税の特例に係る主務大臣の確認近畿経済産業局先進性を有する事業として、主務大臣の確認が必要
3固定資産税課税免除申請丹波市財務部税務課申請書に必要書類を添えて、毎年1月31日までに提出
4課税免除の決定丹波市財務部税務課書類審査と現地調査等のあと、固定資産税課税免除可否決定通知書が送られる

つまり、投資を決める最初の段階で、県への事前の相談が必要になります。市の基本計画の案内ページは、申請の流れとして、「事業計画の内容について兵庫県と事前協議(地域産業立地課:078-362-4154)」、「申請書を兵庫県に提出」、「県から承認の通知」の3段階を示しています。

県の承認は、どうやって受けるのか

兵庫県の案内ページ(2024年12月2日更新)は、承認までの手続きを次のように説明しています。

段階内容(兵庫県のページ)
計画の確認実施予定の事業が、県または実施場所が所在する市町が作成した基本計画に合致していることを確認する
様式の入手経済産業省のホームページに掲示されている「地域経済牽引事業計画関連様式」をダウンロードして、「様式1」に必要事項を記載する
添付書類経済産業省令で定める必要書類(定款、直近2期間の事業報告、貸借対照表、損益計算書)を用意する
提出兵庫県地域産業立地課へ、メールで提出する(メールアドレスは県のページの問い合わせ欄に記載)

県のページには、制度の活用にあたって、「国の同意を得た自治体の基本計画に沿って、事業者が地域経済牽引事業計画を作成し、事業着手(着工)前に県の承認を受ける必要があります」とも書かれています。県の問い合わせ先は、産業労働部 地域産業立地課(電話 078-362-4154)です。

経済産業省のサイトは、編集部の環境では読めませんでした。計画様式や、支援措置の一覧、ガイドラインは、県のページからリンクされている経済産業省の事業者向けページで確認してください。

丹波市の基本計画は、どんな事業を後押ししようとしているのか

この制度を使うには、丹波市の基本計画(第2期)に合った事業である必要があります。市の案内ページと基本計画本文から、計画の要点を表にします。

項目内容
促進区域丹波市全域(概ねの面積は49,321ha)
重点促進区域青垣工業団地(11.0ha)、市島町上垣用地(7.1ha)、市島町下友政用地(16.5ha)、山南工業団地(28.3ha)、新井工業団地(15.8ha)、氷上工業団地(18.0ha)、歌道谷用地(3.5ha)の7か所。合計は約101ヘクタール
計画期間(市の案内ページ)計画同意の日(令和6年4月1日)から令和10年度末日まで
地域経済牽引事業の実施期間令和10年度末まで

基本計画は、地域経済牽引事業とは何かを、3つの要件で定義しています。すべてを満たす必要があります。

要件内容
地域の特性を活用すること計画に書かれた4つの分野(下の表)のいずれかの特性と、その活用戦略に沿った事業であること
高い付加価値を創出すること計画期間を通じた付加価値の増加分が、5,284万円(兵庫県の1事業所あたり平均付加価値額、令和3年経済センサス-活動調査)を上回ること
地域の事業者への相当の経済的効果促進区域内で、取引額が開始年度比で5%以上、売上が1%以上、雇用者数が1%以上、雇用者給与等支給額が1%以上のいずれかの増加が見込まれること

ここで読み取れるのは、課税免除の前提になる事業計画の承認では、規模の大きさだけでなく、「地域経済への波及」が問われるということです。付加価値の増加分が5,284万円を上回ること、そして地域内の取引、売上、雇用、給与のいずれかが増えることを、計画で説明できる必要があります。

4つの分野のうち、自社はどこにあたるのか

丹波市の基本計画は、活かすべき地域の特性として、4つの分野を示しています。自社の投資がどの分野に当てはまるかを、先に整理しておくと、計画づくりが進めやすくなります。

分野計画が挙げる地域の特性
ヘルスケア分野医療・介護・健康産業の集積。化学工業(ジェネリック医薬品、生薬・漢方製剤、健康補助食品など)、繊維工業(スポーツウェアなど)、家具・装備品製造業(介護ベッドなどの福祉用具)が担う。兵庫県立丹波医療センター、丹波市立看護専門学校、丹波市健康センターもある
農林業・地域商社分野丹波栗、丹波黒大豆、丹波大納言小豆などの特産農産物。特産農産物を活かす製品、技術、研究開発、販路開拓、売上向上を目指す事業を支援する
成長ものづくり分野電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業などの集積。省エネルギー化、環境保全、地球温暖化防止に貢献する新たな産業の集積を図る
観光分野丹波大納言小豆、丹波黒大豆などの食、丹波竜の化石、本州一低い中央分水界(水分れ)などの観光資源。食、泊、体験、学習など地域資源に根差した観光関連産業を振興する

計画には、地域の産業の数字も載っています。令和3年経済センサス-活動調査によると、市内の製造業の事業所数は201、従業者数は7,803人、製造品出荷額等は2,118億円、粗付加価値額は801億円です。製造業は、事業従事者数の35.1%、売上高の36.1%、純付加価値額の42.3%を占めると、計画は書いています。業種別では、電気機械器具製造業の従業者数が最も多く1,429人、製造品出荷額等は358億円です。

計画の経済的効果の目標は、「1件あたり5,284万円の付加価値額を創出する地域経済牽引事業を6件創出し、促進区域で1.27倍の波及効果を与え、4億円(5,284万円×6件×1.27)の付加価値を創出する」ことです。算定の根拠として、丹波市内の年間新規企業立地件数の平均が1.2件(平成25年4月から令和5年3月)であることから、5年間で6件を見込んだと書かれています。承認件数の目標は、現状2件から計画終了後8件です。

工場の場所は、どこでもよいのか

促進区域は、丹波市全域です。重点促進区域として、7か所の工業団地や用地が指定されています。計画は、この7か所を、工場立地特例対象区域にも指定する、と書いています。

重点促進区域の特徴を、計画の記載から整理します。

区域計画の記載(要点)
青垣工業団地(11.0ha)非鉄金属材料加工業などが立地。北近畿豊岡自動車道の青垣インターチェンジから500mで、青垣地域の工業拠点
市島町上垣用地(7.1ha)建設用仮設機材製造業などが立地。国道175号に近接し、市島地域の工業拠点
市島町下友政用地(16.5ha)医薬用容器製造業など7社が立地。舞鶴若狭自動車道の福知山インターチェンジから7.5km
山南工業団地(28.3ha)ベッド製造業、プリザーブドフラワー製造業など8社が立地。国道175号に近接
新井工業団地(15.8ha)医薬品製造業などが立地。国道175号、176号に近接し、柏原地域の工業拠点
氷上工業団地(18.0ha)都市計画法に基づく特定用途制限地域・工業地区に指定。氷上インターチェンジから2km。医薬品製造業などが立地
歌道谷用地(3.5ha)春日インターチェンジから約5km圏内。金属製品製造業や紙器製造業が周辺に立地。新たな工業拠点として位置づけ

課税免除の要件に、立地場所の指定はありません。促進区域である市内全域が対象ですが、重点促進区域は、基本計画が「特に重点的に地域経済牽引事業の促進を図るべき区域」としている区域です。計画は、これらの区域に、農用地区域、市街化調整区域、環境保全上重要な地域は存在しないと書いています。工場の用地を探す際は、重点促進区域かどうかに加えて、環境保全上重要な地域に当たらないかどうかも、確認が要ります。

計画の「環境の保全」の項目は、新規開発を行う場合は、周辺の土地利用を考えて、可能な限り自然環境に影響を与えないように配慮し、環境関係法令を守ること、とされています。促進区域には、自然公園区域(朝来群山県立自然公園、多紀連山県立自然公園)や、県指定の鳥獣保護区などの、環境保全上重要な地域が含まれています。

申請書類は、何を用意するのか

税の免除を申請する段階(手続きの3番目)で、市の制度概要PDFが示す添付書類を、表にします。

書類備考
固定資産税課税免除申請書毎年1月31日までに、丹波市財務部税務課へ
不動産用登記事項証明書、法人の場合は履歴事項全部証明書
家屋平面図、償却資産配置図
事業所全体の建物配置図
建築工事請負契約書の写し
所得税法または法人税法による確定申告書の写し、確定申告書に添付した減価償却資産の償却額の計算に関する書類(明細書)の写し法人の場合は、確定申告後に速やかに提出する
地域経済牽引事業計画の承認書の写し県の承認の手続きで得る書類
課税の特例に係る主務大臣の確認書の写し近畿経済産業局の手続きで得る書類
家屋の年次別建設計画と、その実績の概要を示す書類
事業所の経歴、事業の内容を示した書類会社の経歴書、パンフレット等
上記のほか提出を必要とする書類市から求められる場合がある

書類のなかに、県の承認書と国の確認書の写しが入っていることに注目してください。この2つがなければ、申請の書類がそろいません。また、確定申告書の写しが必要ですので、法人は、決算と申告の時期を考えて、申請の時期を決める必要があります。市のPDFは、法人の場合は確定申告後に速やかに提出するよう書いています。

申請から決定まで、いつ何をするのか

具体的な年月は、各社の投資計画で変わります。市の資料に書かれた時期の条件を、順番に並べます。日数や月数は、資料に書かれていないため、載せていません。

時期やること根拠
投資の検討段階基本計画に合う事業か確認し、県の地域産業立地課に事前協議する市の案内ページ、県のページ
事業着手(着工)前兵庫県知事の承認を受ける県のページ、市のPDF
承認の後〜着手前後近畿経済産業局で、課税の特例に係る主務大臣の確認を受ける市のPDF
土地の取得後、翌日から1年以内土地の上の家屋、構築物の建設に着手する市のPDF(土地の条件)
家屋の取得年の1月2日から操業開始まで機械及び装置を取得・設置する市のPDF(機械装置の条件)
令和10年3月31日まで免除の対象となる資産の取得を終える市のページ、PDF
免除の対象になる年度ごとに、1月31日まで固定資産税課税免除申請書と添付書類を税務課へ提出する市のPDF
申請の後書類審査、現地調査等のあと、可否決定通知書が届く市のPDF

1月31日の期限は、免除を受ける3年度分の、毎年の期限です。1年目だけでなく、2年目、3年目も、期限までに申請を忘れないようにしてください。

つまずきやすい点

次に、市の資料の条件から、起きやすい失敗を整理します。

つまずき起きること対処
県の承認の前に工事に着手する承認が事業着手(着工)前であることが条件のため、承認を受けられない着工の前に、県の地域産業立地課に事前協議をして、承認を得る
先に土地を取得して、建設の着手が1年を過ぎる土地が免除の対象から外れる土地の取得日と着工日を、スケジュールの段階で確認する
機械を、家屋の取得の年の1月2日より前に発注・納入する機械及び装置が、対象の期間に入らない機械の取得・設置の時期を、家屋の取得日から逆算して決める
事務所部分を免除の対象に含める事務所等に係る家屋・構築物は対象外設計の段階で、事務所部分の図面と取得価額を分けておく
取得額が規模の要件に届かない土地、家屋、構築物の合計が1億円(農林漁業等は5,000万円)以下で、対象外資産ごとの取得価額を、事前に積み上げて確認する
令和10年3月31日を過ぎて取得する取得の期間の外になる工事の遅れも見込んだ、余裕のある日程にする
2年目、3年目の申請を忘れる免除が受けられない毎年1月31日の期限を、社内の予定表に登録する
国の確認と県の承認を混同する書類がそろわず、申請ができない県は承認、国(近畿経済産業局)は確認と、窓口が別であることを押さえる

承認を受けた事業でも、計画どおりに進まないことがあります。計画の変更や、資産の取得の遅れが生じた場合は、早めに、県の地域産業立地課と市の企業立地係に相談してください。

数字で見る、規模の要件の判定

規模の要件を、仮の数字で確認します。次の数字は、すべて仮の数字で、制度を理解するための例です。

ケース土地家屋構築物合計判定
A(製造業。仮の数字)4,000万円5,000万円1,500万円1億500万円1億円を超えるため、要件を満たす
B(製造業。仮の数字)3,000万円4,500万円2,000万円9,500万円1億円以下のため、要件を満たさない
C(農林漁業の関連業種。仮の数字)1,500万円3,000万円800万円5,300万円5,000万円を超えるため、要件を満たす

ケースBは、機械及び装置に大きな投資があっても、土地、家屋、構築物の合計が1億円以下であれば、規模の要件に届きません。市の資料は、規模の要件を土地、家屋、構築物の合計で書いているためです。ただし、機械及び装置の取得額が合計に含まれるかどうかは、市の資料の文面から読み取れる範囲での理解です。申請の前に、税務課に確認してください。

国の税制や県の制度との関係

丹波市の案内ページは、地域未来投資促進法の、主な支援内容を示しています。

支援の種類内容(市の案内ページ)
税制による支援地域未来投資促進税制(法人税等の特別償却最大50%、または税額控除最大5%)、固定資産税の課税免除

市のページは、「支援内容は変更になる場合があります」と書き、詳細は経済産業省のホームページで確認するよう案内しています。国の地域未来投資促進税制は、法人税の優遇で、市の固定資産税の課税免除とは、別の制度です。どちらも、県知事の承認を受けた事業計画が前提になる点が共通しています。

市の基本計画は、そのほかの事業環境の整備として、企業誘致促進補助金等の優遇支援制度の整理・継続、固定資産税減免措置の活用、市内企業増設等設備投資補助金の充実、県の優遇措置の活用による産業立地の促進、を挙げています。県の制度としては、産業立地の促進による経済及び雇用の活性化に関する条例(平成14年兵庫県条例第20号)による法人事業税と不動産取得税の不均一課税、設備投資と雇用に係る補助金の支給などの優遇措置を周知する、と書かれています。丹波市のページには、過疎地域の産業振興促進事項に関する税の優遇措置についてのページも並んでいます。

これらの制度の条件や併用の可否は、この記事では確認できていません。投資の計画段階で、市の企業立地係と県の地域産業立地課に、使える制度の全体像を聞いておくことをすすめます。なお、融資や信用保証にあたる支援は、このサイトの対象外のため、扱いません。

向く会社、向かない会社

制度の条件から、向き不向きを整理します。

状況判断理由
丹波市内に工場・事業場を新設・増設し、土地・家屋・構築物の取得が1億円を超える向く規模の要件を満たす可能性がある
計画に書かれた4つの分野(ヘルスケア、農林業・地域商社、成長ものづくり、観光)に当てはまる投資向く地域の特性の活用の要件に合う
設備の更新だけで、新設・増設を伴わない向かない可能性が高い企業立地(新増設・用途変更)が前提
取得額が1億円(農林漁業等は5,000万円)以下向かない規模の要件を満たさない
すでに着工している向かない県の承認は事業着手前に必要
取得が令和10年3月31日より後になる向かない取得の期間の外
地域内の取引や雇用に波及する計画を示しにくい難しい計画の承認で、地域の事業者への経済的効果が問われる
毎年の書類の準備に時間をかけられない負担が大きい3年度分、毎年1月31日の期限で申請が必要

よくある質問

Q. 補助金のように、市から現金が交付されますか。A. いいえ。市が免除するのは、新たに課される固定資産税です。現金の交付ではありません。

Q. 県の承認は、いつまでに受ければよいですか。A. 事業着手(着工)前に受ける必要があると、市のPDFと県のページに書かれています。

Q. 土地を借りて工場を建てる場合も対象になりますか。A. 土地が賃貸の場合は、家屋、構築物、機械及び装置のうち、要件を満たすものが対象になると、市のページに書かれています。

Q. 免除は3年度分で終わりですか。続けて申請できますか。A. 市の資料に書かれた免除期間は、新たに固定資産税が課税されることとなった年度から3年度分です。3年度分、毎年の申請が必要です。それ以降の延長については、資料に記載がありません。

Q. 事務所棟の建築費も対象になりますか。A. 家屋と構築物は、事務所等に係るものが対象から除かれると、市のPDFに書かれています。

Q. 申請書の様式は、どこで入手できますか。A. 市のページとPDFには、申請書の様式の入手先が書かれていません。税務課(資産税係 0795-82-2003)に確認してください。県の承認の様式は、経済産業省の「地域経済牽引事業計画関連様式」です。

Q. 農業関連の会社は、どの基準になりますか。A. 農林漁業とその関連業種は、土地、家屋、構築物の合計が5,000万円を超えることが規模の要件です。

申請前に確認すること

投資の計画を固める前に、次の表の項目を確認すると、手戻りが減ります。

確認する項目確認する相手・資料
計画している事業が、基本計画の4分野と3要件に合うか丹波市商工観光課 企業立地係(0795-74-1464)、基本計画(市のサイト)
県の承認の手続きと必要書類兵庫県 産業労働部 地域産業立地課(078-362-4154)
国の確認の手続き近畿経済産業局(市のPDFが確認先として示している)
取得予定の資産が、免除の対象になるか。1億円の判定丹波市財務部 税務課 資産税係(0795-82-2003)
申請書の様式、提出方法丹波市財務部 税務課
土地の取得日と着工日、機械装置の取得日の整理社内の工事計画、市の企業立地係

丹波市の企業立地係の所在地は、〒669-4192 兵庫県丹波市春日町黒井811番地です。

ProdX Crowd編集部の見方

編集部が、この制度で大切だと考える点を3つ書きます。

1つめは、順番が命だという点です。県の承認は事業着手前、国の確認はその後の手続き、市への申請は取得のあとと、手続きが段階に分かれています。投資の判断をしたあとで制度を調べると、すでに着工していて、使えないことがあります。設備投資の話が出た時点で、市の企業立地係と県に連絡することが、一番の近道です。

2つめは、「補助金のように一度で終わる」わけではない点です。免除は3年度分、毎年の申請が必要です。申請の担当者と時期を、社内で決めておくことが、受け損ねを防ぎます。

3つめは、免除額の大きさは、資産の評価額で決まる点です。免除を前提にした資金計画を立てる場合は、免除額の見込みを、税務課に確認してから使ってください。この記事の仮の数字は、仕組みの理解のためのものです。

この記事は、制度の仕組みを整理したもので、税務や法律の判断をするものではありません。具体的な取扱いは、市の税務課、県の地域産業立地課、顧問の税理士に確認してください。

公式資料の確認先

この記事の根拠にした資料の場所を、表にまとめます。

資料場所
丹波市「地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除」(更新2026年8月14日)https://www.city.tamba.lg.jp/soshiki/shokokanko/shokojyoho/1/kazeimenjo/12722.html
丹波市「地域未来投資促進法に基づく丹波市固定資産税の課税免除制度について」(令和7年4月改訂版、PDF)https://www.city.tamba.lg.jp/material/files/group/32/chiikimiraikazeimenjyogaiyou.pdf
丹波市「地域未来投資促進法 兵庫県丹波市基本計画(第2期)」案内ページhttps://www.city.tamba.lg.jp/soshiki/shokoshinkoka/gyomuannai/4/2040.html
丹波市基本計画(本文、PDF)https://www.city.tamba.lg.jp/material/files/group/32/tanbasikihonkeikakuhonbun.pdf
兵庫県「地域未来投資促進法」(更新2024年12月2日)https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr03/ie08_000000012.html

制度の要件や期限は、見直しで変わることがあります。申請の前に、各ページの更新日を確認してください。

この制度を一言でいうと

「地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除」は、丹波市が実施する税制優遇です。対象の地域は丹波市・兵庫県です。

市内経済の発展と基盤強化、産業の集積、活性化を目的として、固定資産税の課税を免除する制度です。

受付の期間は、通年(随時)で受け付けています。

制度名地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除
実施機関丹波市
種類税制優遇
対象地域丹波市・兵庫県
受付期間通年(随時)で受け付けています
対象者次のいずれにも該当する場合に課税免除の対象となります。

「地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除」の対象になる方

対象になるかどうかを、この制度で定められている条件ごとに整理します。

対象かどうかを、この順に確認します
  1. 1地域丹波市・兵庫県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
  2. 2対象者次のいずれにも該当する場合に課税免除の対象となります。
  3. 3規模従業員数の制約は示されていません
確認することこの制度の内容
地域丹波市・兵庫県(市区町村の制度のため、その市区町村内に事業所があることが基本)
対象者次のいずれにも該当する場合に課税免除の対象となります。
規模従業員数の制約は示されていません

この制度で、特に注意したいこと

区分内容
その他土地が賃貸の場合は、家屋、構築物、機械及び装置のうち、要件を満たすものが対象となります。 / 添付ファイル
地域地域未来投資促進法に基づく丹波市固定資産税の課税免除制度について (PDFファイル: 183.7KB)

「地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除」の手続きの流れと日程

この制度は通年で受け付けられています。予算がなくなり次第、受付を終了する場合があります。

手続きの流れ
  1. 要件の確認対象設備・期限
  2. 認定・証明書の取得取得の前に
  3. 設備の取得事業に使い始める
  4. 決算利益の見通し
  5. 申告で適用特別償却・税額控除

「地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除」についてのよくある質問

Q&A地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除

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経営者

Q. 地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除の受付期間はいつですか?

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ProdX Crowd編集部
A.

通年で受け付けています。予算の状況により終了することがあるため、早めに実施機関へ確認します。

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経営者

Q. 地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除の対象になるのは、どんな事業者ですか?

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ProdX Crowd編集部
A.

次のいずれにも該当する場合に課税免除の対象となります。

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経営者

Q. 地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除で、注意すべきことはありますか?

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ProdX Crowd編集部
A.

土地が賃貸の場合は、家屋、構築物、機械及び装置のうち、要件を満たすものが対象となります。

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経営者

Q. 地域未来投資促進法に基づく固定資産税の課税免除で、注意すべきことはありますか?

解説役のイメージ写真
ProdX Crowd編集部
A.

添付ファイル

この制度を検討するときの確認リスト

確認項目状況
対象の地域(丹波市・兵庫県)に、事業所がある□ はい □ いいえ
対象者の条件に当てはまる□ はい □ いいえ
交付決定(または承認)の前に、発注・契約をしない□ はい □ いいえ
後払いの資金繰り(つなぎ資金)の目処が立っている□ はい □ いいえ

情報の確認元:丹波市の公開情報。最新の募集状況・申請書類は、実施機関のページで入手できます。 情報取得日:2026/10/12。